外科医FAQ
誰しも手術などを受けるのは一生で一回あるかないかだと思います。で、どうもだいぶ誤解されているようでよくとんちんかんな質問を受けます。いくつかその中から紹介し、外科医の生活を知って貰えればと思います。
Q:説明してくれている先生が手術をしてくれるんですか?もっと偉い先生が手術をするんではないのですか?
A:確かに今までは偉い先生が手術をするのに、若い医者が説明に伺うというパターンでした。未だにこのシステムを採っているところもありますが、やはり原則として執刀医が手術の説明をするのが普通です。例外的にまだ責任のとれない若い医者の場合私どもが説明をして手術をさせることもあります。がこれはスタッフの指導の元に行われるもので決して若い医者が勝手に手術が出来ると言うことではありません。(要するにスタッフの言うなりに手術を行うという点で殆どスタッフがやっている手術と変わりなくなります。)この場合手術でのミスは監督しているスタッフの責任になり、そのスタッフが全力を挙げてリカバーをします。
Q:手術後何か事が起きたとき当直が内科の先生だった場合どうすればいいんですか?
(この質問は受けた当初何を言われているのかさっぱり分かりませんでした。よくよく聞くとどうも術後は夜間は全て当直医が見ると思っていたようです。)
A:手術後は看護婦さんが状態をチェックしさらに主治医がチェックします。主治医が帰ってしまったあとでも看護婦さんがおかしいと思えば直ちに主治医が呼び出されます。当直医が誰かというのはあまり関係がありません。主治医もさることながら看護婦さんも良くトレーニングされていると安心な術後を送ることが出来ます。(こう書くとどこが良いのかという話しになりますが、どんなに良いと言われている病院でも人が変われば全くダメになってしまうこともありますので一概にどことは勧められません。)
余談ですが、呼び出してもまったくでてこない主治医というのはケッコウ沢山います。まずポケットベルに一向に反応しない者、応答しても電話口でぐちゃぐちゃ言うだけで一向に出て来ようとしない者(看護婦さんだって限界があります。電話口で何が起こったかを全部説明するのは無理ってもんです。)。そんな医者にかかったら悪い医者にかかったと思って諦めて下さい。以前は私もそんな話でウチに電話がかかってくると義憤に駆られ病院に出ていったものですが、(ついでに主治医を叱りとばすことも忘れませんでした。)最近は病院から遠くに越したこともあり電話もかからないようになりました。こういう尻拭いはやり出すとキリがありませんから。
Q:夜中も勤務で大変ですねえ。夜勤ですか?
A:違います。これは当直で夜勤ではありません。医者の夜勤のシステムを採っているところはわずかにありますが、膨大な人手がかかり人件費がかさむのであまり一般的な制度にはなっていません。この当直の場合夜中救急車の対応でてんてこ舞いだったとしても翌日は勤務です。内規として半日休みになるところもありますが、法律的には医者は労働基準法の埒外にあるそうで、どれだけ働かしても良いことになっているようです。