医学教育について 偉い大学の先生たちの意見に従おう
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いつもどおり皮肉たっぷりの題にしました。どうしても医学部出身者に研究がやらせたい。そんな大学の学長や学部長に朗報です。
ちょっと前に医学部全体の同窓会みたいなものに出席しました。初めてですな。理由は金魚君が医学部系の体育大会の個人部門で優勝したので招待されていたから。親ばか二人は高い参加費を払ってずるずるとついていったのであります。(うちも東大の鉄門会みたいなかっこいい名前がいいのですが。)
多少でも表彰なりなんなりがあると思った私は本物の馬鹿でした。結果発表を誰も聞いておらず、メインになったのは学部長、学長の「研修制度などあるから研究ができなくなる」というとんでもない一言でした。まがりなりに臨床研修制度を全国に先駆けて始めたのはあなた方なんです。年代的に見てもあなた方の同級生が走り回ってこの制度を発足させたはずです。
「ノーベル賞も出たから」とか言っておられました。要するに医師免許とった後も研究をやってほしいということでしょう。しかし医学部で不十分な医学教育しか受けてない、免許とっても即戦力にならないような医者をだしておいてどこで臨床教育をするのでしょうか?
ハイハイ分かりました。あなた方が正しい。研究を他の学部に負けないようにしたい。はい。では
医学部での臨床教育を一切やめましょう。
医学部在籍中は研究だけやってもらって下さい。臨床の講義もいりません。最後の一年くらいで国家試験の受験勉強だけやりましょう。十分な研究時間はあるし若いから頭の回転もいい。とても画期的な研究がたくさん出ると思います。
その分、市中病院がすべての臨床教育を行います。今より大変になるけど。
でも研究の片手間に研修されるよりはよほどましです。こちらもどうせ教育ができてないからと開き直って教えることができます。
現状ではどうしてもできが悪いと「大学で何習ったの?」などと辛辣な一言をため息と共に吐いてしまうのです。大学での臨床教育など全く当てにならないことは百も承知なのだけど。
研究も臨床も以前とは比べものにならない程裾野が広がっております。昔のように二足のわらじはほとんど不可能です。研究に専念していて何らかの理由で臨床に戻る人もありますが、相手をするのが大変です。昔の知識だけとか「3ヶ月もあれば臨床はできる」という古い掟を信じていらっしゃるからです。
話が変わりますが、よくスーパードクターの話がテレビに出ています。「スーパーで売っているドクターか?」と聞いたら家内が「あんたみたいなよろずやで売っているのとは違うのよ。」と言いました。
このスーパードクターたちは自然に生えてくるのでしょうか?それともひとりでインドの山奥で修行をすれば上手になるのでしょうか?
この辺がマスコミを含めものすごい勘違いがあります。医者の技術の習得というのは、歌舞伎や落語の世界と実はよく似ているのです。確かに文献などを読んで理論的に考えて討論する部分は半分(そんなにないかな)あります。が残りの半分というのはいわゆる師匠について教わる芸なのです。口だけ講義だけでは絶対伝わらない芸があるのです。私の病理の師匠の言葉ですが、「いい素質があるだけではなく、いい環境(症例が多く多様)、いい師匠がたくさんいることが良い研修には必要だ。」
確かに大学でも臨床的な指導をしていらっしゃるのでしょう。しかし受ける側のモチベーション、免許持っているかいないかというのが学習意欲の差になってきます。免許を持たずには何の処置もできない現行法でのもとでは学生さんは完全なお客さんです。(研修医も客だという声もありますが)非常に効率の悪いことしかできてないのが現状です。さらに学長や学部長のお考えを尊重するとやはり私のこの提案が最良の対策かと思います。もちろん臨床の試験も病院内でやらせて頂きます。
結論:医学教育についてほとんど我田引水の意見しか聞かれません。大学、市中病院、開業医 自分たちの都合の意見がほとんどです。今のままほったらかしにすれば市中病院閉鎖の原因となっている勤務医の減少に歯止めがかからなくなり、江戸時代の「誰でも医者になれた」という時代へ逆行していくでしょう。やぶになろうやぶになろうとする竹の子医者。