教えるということ

教えるということ
現在あほな厚生労働省は地方の医者が足りないと称して医学部に地方枠と専門科枠をつけようとしている。これがいかに馬鹿な政策か教えてあげることにする。


まず医師が少ない地域、ここに新米など派遣しても何の役にも立たないのである。医師免許を取ったから明日から何でも診断でき治療できるわけではないのであるというより、生まれたばっかりですねえというのが正解である。これにご飯の食べ方やトイレの行き方など生活に必要なものを色々教えて何年もかかってようやく巣立つというのが医者の一生である。地方枠に縛られ教えてくれる人もいないところで医者をやるのは修行になるというより泥沼に沈んだに等しい。足りないのは勤務医の教えてくれるようなベテランなのである。こんな人がすぐに補充できるわけがない。
地方の病院をどうしても充実させたいならまずベテランを補充せねばならない。一つの手は都市部の定年を迎えた医師である。通常嘱託でその病院に残ることもあるが、収入は落ちる。そこでその収入を保証して地方へ引き抜く。ただし常勤は難しい(生活の基盤がもう都市部に固定しているので)ので形は常勤だが交代できてもらう。何ヶ月かの期間限定でも良いし1週間の何日でも良いが。若手は後期研修の一部として強制的に1年ほど勤めさせる。ひまで勉強にならないからいやがると思うがそこは無理矢理である。このペアで医師は充足できる。
産科が足りないといって大騒ぎをしているが、本来厚生労働省は何科の医師が何人かを把握し今後これで十分なのかそれとも足りなくなるのか余るのか予測するのが仕事でしょうが。学会はやりませんよ、そんなこと。他の科のことなど知っちゃあいない。医師会ですか?あれは開業医の団体で勤務医は一切関係しません。(そのくせこのところ勤務医のことに口出ししようとしているのは片腹痛いは虫垂炎。だいたい金がないから会費も払えないだろうと勤務医を鼻にもかけなかったのはあんたがたでしょうが。)専門科もマッチングにすればよろしい。君らが立てた各科医師の充足計画に従って今年は婦人科は何人外科は何人というようにマッチングしてしまえ。己の自由だとほざくかもしれないが、医学部の授業料などかかっている費用に比べれば屁のようなものである。税金が補填している。私学は助成金という形で補助金が出ているのである。これも無理矢理で結構である。このまま自由が続けば早晩訴訟の危険の多い科には人が集まらなくなる。ただでさえ医学部入れるような人間が文転して法科を目指す世の中である。医者はごろごろ逮捕されるが、弁護士は不逮捕特権があるので逮捕されず、また訴訟の相手としても争いにくい。ここで厚生労働省が舵取りを誤ると保険診療は崩壊することになる。(崩壊した後の様子はムーア監督のシッコをみてね)
ついでに厚生労働省がやった最近の失策を二つほど
1対7看護のところはより沢山収入があるようにしたこと。看護師さんの不足は今に始まった話ではない。それなのに1対7だと?看護師狩りがいっそう激化しており支度金は天井知らずになっている。(50万?100万?)あちこちの病院が病棟を閉鎖してこれに対応(要するにベッド数を減らし1対7にしている)している。が閉鎖したベッドにはいるはずの人たちはどこに行くのだろうか?ベッド数を減らしたいという厚生労働省のねらいなら一応の成果はあったのだが、もともと救急に熱心なウチの病院などは余裕のベッドが不可欠で(ベッドがないとにかく受けられなくなる。)看護師不足からベッドを減らした今しょっちゅうベッドが足りないと言うコメントが院内を駆けめぐっている。たぶんベッドなしのため断ったことも少なくないとにらんでいる。じゃあ全国で看護学校を増やして・・・先ほどの医師不足と同じである。教える人が必要なのである。新人がいくら増えたところで医療の質が落ちるだけである。本来なら勤めているはずだが、子供のこととか旦那のことで仕方なく勤めを辞めているベテランの看護師さんは多数いる。看護協会のえらいさんや師長レベルになるとなぜか独身率が異常に高くなる。つまり託児所など子供を持った看護師の支援ということにはどうしても親身にはなれなくなる。(人によっては敵対的になることもあると思う。うらやましいから)子供もいて旦那もいる看護師さんを医療の現場に呼び戻す、そのように周囲が支援することが本来必要なことではないのか。厚生労働省は1対7よりこちらに力を尽くすべきであった。
蛇足だが、書いておくと臨床医を育てているのは大学の教授ではなく臨床の医師である。これは勘違いしてもらっては困る。また看護師を育てているのは看護学校の先生ではなく現場の看護師である。教えている時間数にも圧倒的な差がある。

もうひとつの失策。DPC包括払い制度である。
包括払い自体は問題が少ないかもしれないが、そこに病院格差を付ける値を設定してしまった。ここは合併症が少なく在院日数も少ないから診療費に1.5をかけて請求して良い、ここは成績が悪いので0.8をかけること。
これを進めるとどうなるか。まず救急をどこもやりたがらなくなる。救急の場合合併症も多いし在院日数も増える。ものすごく不利である。患者の選択をするようになる。この患者はリスクが高いので他の病院へ回そう、この人はリスクが低いのでうちで、という具合である。もう既に行っている病院もある。ウチのとなりの100床ちょっとのK立病院である。ここは24時間救急と称して検査をやりまくったあげく時間が経って煮込まれた状態でウチの病院へ紹介してくる。曰く「手術適応と思いますが、現在当院では食道癌と大動脈瘤の手術中であり云々」どうやったら100床ちょっとの病院でそんなでかい手術を平行してできるんだとその嘘にあきれかえった。自分の所の老健施設で自分の病院の処方で穴があいた十二指腸潰瘍の患者をリスクが高いと判断したらしく平気で送ってくる。治して送り返したら心不全になったと又送ってくる。曰く「当院循環器内科がありません。」心血管の手術をやるからには循環器の外科医がいるだろうが!救急でCTをとりまくり「絞扼性イレウスと考えるので」毎度同じミス、消化管穿孔だわ馬鹿者。こんな地域に役に立たないくそ病院が地域支援病院の資格を取り、たぶんDPCが始まればウチより遙かにいい加算がもらえるんだろうなと推定してしまう。こういった詐欺に近い病院が結果的に栄える状態になるんですよ、分かってるのか厚生労働省!

結論:今度生まれ変わったら文Tを受けて公務員試験を受けて耳のない厚生労働省のキャリア官僚になりますです。はい。