わからない健康保険屋さん

 健康保険、これは皆さん入っていると思います。これは戦後施行されたすばらしい制度で、戦前は金が無くて薬が買えず子供を亡くしたとか、支払いのために借金で破産したとか、いろんな話があったようです。この保険制度のもとでは、こういった話はマンガかドラマの中です。(テレビの皆さんいい加減入院費が払えなくて一家離散とかのドラマ作るのやめてもらえませんか?どうしてもやりたければ健康保険制度が完備していないアメリカを舞台にして外人役者を使ってドラマを作って下さい。)ですがこの制度をむしばんでいるワケのわからん人たちがいます。正式な名称は知りませんが、保険の査定屋さんです。もう一つこの健康保険があるにもかかわらず、生命を博打の種にしている生命保険やさんがいます。この中の困った行為や困った人について今回は書きます。アメリカでは健康保険は貧困層以外には適用されないため、医療費の払いのためにこの保険屋さんは必須です。しかし日本のように保険がほとんどを負担する社会で、この生命保険というのはほとんど博打に近いのです。確かに入院すれば稼ぎがなくなりますし、(でも傷病手当というお金もでるのですが)個室などに入ればその払いが必要になります。でも基本的な医療費は健康保険から払われることがほとんどで、生命保険がないと手当を受けられないアメリカ社会とは明らかに異なっています。

1.健康保険査定屋さん:皆さん健康保険で医者にかかることが多いと思いますが、実際病院へ入ってくるお金というのはどのようになっているかご存じでしょうか?窓口で払っていただく2割や3割の患者さんからのお金が先ず第1歩です。次に病院はその患者さんについて行った医療行為をレセプトという勘定書にまとめ保険組合に送ります。で数ヶ月後に残りの7割や8割りが保険組合から病院に支払われます。で、問題になるのは何かと言うことです。現在ほとんどの保険組合は赤字です。特に壮年までの方が加入する社会保険に比べると国民健康保険はその赤字は深刻といわれています。というのは国民健康保険の加入者は一般に高齢者が多くなり、病気にかかる率も高くなる為なのです。赤字にあえいでいる保険組合ではこの解消のためにやることはただ一つです。病院への支払いを因縁つけてふみたおすことです。不正な保険請求を確かにチェックはしているのかもしれません。でもまずその査定の状態がくるくる変わるのです。ある時は血糖を測りすぎた、ある時は胃薬を出しすぎた、と時によって査定してくる内容が違っていることはざらです。聞くところによれば査定屋さんにもノルマがあって、何が何でも削る風潮があるようです。また税金でまかなわれている国公立の病院はノルマの稼ぎどころとされているといったうわさも聞いたことがあります。
査定する人たちってどんな人たちなのでしょう?通常は医師が査定屋さんになります。話せば分かるタイプの人であればいいのですが、どう見てもその道一筋で他の科のことは全く知らない人が他の科について査定していることもままあります。現場の医者の方が治療についてはよく知っていることも多いため、素人が専門家に因縁をつけるというシーンも出てきます。
査定屋さんの元締めは誰でしょう?厚生省です。ココには正直言ってうんざりします。まあ川田竜平君のお母さんの当選には多大な貢献をしていますが。(逆の意味で)水俣病、キノホルム事件、今回の薬害エイズ事件、全て厚生省がごてごてに回りしかも当然と思える事実を無視していたことから問題が大きくなり、我々の税金から多額の損害賠償が患者さんに払われる結果になっています。もちろん被害に対して税金から賠償するのは当たり前ですが、もうチョット気の利いた役人がいれば、賠償金も少額で済んだと思いますし、もっと気がついていれば未然に防げたと思うのです。
査定に関しても保険の点数表に関しても現場にはいないような人間を集めてそのえらいさんの妥協で作ってしまう。薬剤の毒性については勲章を元手に学者を脅し、都合のいい結果を出させてしまう。とにかく一番いけないのは現場の医者との間に双方向のコミュニケーションがないということです。厚生省は最新の情報を提供し(別にコンセンサスなど無くてもいいです)現場からの反応を見て修正をすることが仕事だと思います。もう少しつっこんで仕事をしていれば薬害事件も起こらなかったでしょうし、査定のやりすぎで開業医が自殺したなんてことも起きなかったでしょう。
なになに、薬害事件は医者の言ったことを信用したために起きたんだって?厚生省さんそれは違います。偉い医者の言うことを簡単に信用するような役人がいたことが問題です。経験が無くてとおっしゃるなら、官と民の人の交流をもっと活発にすればいいでしょう。問題は官にはびこる年功序列または勤続年数性でこれがある限り民からは人は来ません。この際すっぱりやめて、退職金無し、年金はそのキャリアに応ずるとしたら、きっと民から来る人もあると思います。
残りページが少ないのでもう一人のわからん人は次で紹介します。
で査定について厚生省に望むこと。
1.専門家の新しい意見を絶えず採り入れる。今は対応が遅すぎます。乳癌の標準化学療法CMF(サイクロフォスファマイド、メトトレキセート、5FU)についても10年以上も前から海外では標準療法であったのに国内で保険で認め始めたのはつい数年前。CDDP+5FU療法は大腸癌にも有効性があり、海外ではレジメンの1つなのに未だ承認無く、行うときは胃癌を追加病名でつけなければいけない。
2.保険点数をかかった人件費等に照らし合わせて明細が説明できるようにする。今の保険点数はこんなことは考えてもおらず、もし実費で診療すると豊胸術と食道癌の手術の値段が一緒というでたらめは我々現場の人間には理解できない。

本日の結論:天下りしか考えない官僚は要らない。ノルマを果たすだけという現場を離れた査定屋さんも要らない。じゃ国民健康保険の赤字はどうやれば消えるか。それについては次回書きます。