外来での上手なかかりかた。
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病気は突然やってきます。ここではあわてないだまされない上手な外来の受診の仕方についてお話しします。
1.症状を的確に
意外と症状がきちんと医師に伝わっていないことが多いのです。一番痛いところは医者の手を取って<せんせ、ここです!>というのにいつ頃から痛いのかとか、どんなときに痛むのかを尋ねると全く返事ができないというケースも珍しくありません。できれば症状についてメモを用意して受診した方がよいでしょう。ただし交通事故など事故の場合は別です。自分で全然気がつかない外傷などもあります。事故の場合はなるべく頻回に病院にかかることを勧めます。頭を打ったはずが翌日には足が痛くなっていて実は骨折していたということも珍しくありません。
2.病院は占いではない!
一番怖いのは病院を風水や動物占いの代わりにしている人です。占いでは何とかが出たから病院に来ましたというのはかなりやばい状態です。彼らは要するにその宗教の祭司または占い師として医者を診ています。どうして痛いところがわからないんだとか、こんなひどい痛みがわからないのかという苦情は時々聞きます。しかし痛みというのは全く個人的なもので、他の人にもテレパシーかなんか使って伝わるわけではないのです。
時々告知していない場合家族が何日ぐらい持つかと尋ねてくることがあります。何でですかというと2週間後に結婚式があるだの6ヶ月後に家を建て始めるだのです。人がいつ死ぬかなど正確なところがわかるわけがありません。医者は予言者ではないのです。注文を取っている病院の店員です。だいたい3ヶ月くらいだけど1、2ヶ月の誤差はあるというのが正直なところです。
3.医者は病院の注文取りである。
説明を始めるとそんなことはわからんからお任せですと答える人があります。あなたはそれでは一切文句を言ってはなりません。告知される権利もあればそれを拒否する権利もあります。ただし拒否した場合はこちらの勝手で医療は進みます。たとえば寿司屋です。お任せといった以上勘定書がいくらになっても文句は言えません。ウニがまずいとかいくらが新鮮じゃないとか言う権利はありません。まあ常連(病院の常連てどんな人かな?)はこの程度のわがままは許されます。でも常連というのは寿司屋にしろ病院にしろとてもよく知った上できているのです。自分の注文、ひょっとして大腸癌じゃないのかとか、そういう注文は是非早めに出して下さい。寿司屋と少し違うのは我々は注文はこれだけれど実は違うんじゃないかと思うことがままあることです。この場合旬のネタはこちらですのでこっちを食べてみて下さいということになります。いずれにしろお客と料理人の会話、希望などが無ければ全く成り立たない世界です。
患者さんは単に奴隷になりたいのか、占いをしてくれる教祖が必要なのかとにかく全部お任せ,何にも聞く気がない、という方はどちらかといえば風水や動物占いの大家の方に言って下さい。
4.なんとしてでも西洋医学のお世話になり、切っちゃいたい人。
説明をよく聞いておいて下さい。イランものをきられんように注意して下さい。現代でついでに虫垂もとっておきましたなどのセリフはギャグだと思って下さい。保証付きで絶対いらないものなどありません。現代医学でその臓器の役割が単にわかっていないだけです。切られる人はたとえ盲腸(虫垂です)でも手術にはリスクがつきますし、切ったあとの後遺症もつきまといます。よく考えましょう。
5.逆に絶対切られたくない人へ
ぜったい切られたくない、手術はイヤという人も時々あります。大筋で言うと、かまいません。ただしそれに伴う危険をよーく聞いておいて下さい。
たとえば脱腸です。これはほっといてもとりあえず生命の危険はありませんが、もしはまって戻らないようなら病院に直ぐ来る必要があります。これさえできるならいくらほっといてもOKです。内痔核も同様です。血が出てとまらんとか、だっこうがいつもの状態になってこれでは排便しにくいとい場合に初めて手術の適応が出てきます。
6.お任せしたらどうにもなりません。いい加減な治療、いい加減な医療をお楽しみ下さい。
ただしいい加減な気持ちで本人への告知をやめてくれとか、死んでもいいからこれをやってくれという家族のみなさん、被害を受けるのは本人であなたではありません。本人がやぶだろうとなんだろうとこの医者を信じてついて行くなら仕方がありません。くれぐれも本人が告知を受け納得して受けた治療には文句を言わないようにして下さい。本人との相性で当たり外れは決まります。(ちなみに私の所へくる人は1.理屈が強く何でも説明を聞かないと納得しないタイプか2.何回説明してもわからず、自己解釈で進めてしまうという2つのタイプに分かれます。何も言わず私の言うことを聞いてくれる人は皆無です。これは大変結構なことだと思っています。
7.近年クリティカルパスといってどの医師にかかっても同じ結果が出るようにと言う診療の統一かが叫ばれています。でも技量的にできない人はできません。また努力もしません。このことば自体が絵に描いた餅です。いろいろな医師にかかれば全部結果は異なってきます。最終的にはキャラクター的にこの医者は自分にあっているかどうかで決めて下さい。あってなければ他の医師や他の病院に行って下さい。
私にとってはしつこく質問が出るくらいでないと話をする気が失せてしまいます。やっぱり聞いてないなと。なにも質問をしないおとなしい患者さんが好きな人もいますので、そちらに回っていただいた方がいいかなと思うときもあります。
手術室は密室でその中でどんなちょんぼな手術が行われようとだれにも分からないのです。自分が楽をしたいために徹底的にその場限り先送りという言動をする医者は特に気をつける必要があります。このようなタイプは患者さん側でもっとも最先端と思われる医者への質問をたくさんするタイプに当たるとあの人は神経質だからで片づけてしまいます。どっちかというと本人の神経がないんではないかと思います。手術は大成功で術後も大丈夫の一言で片づけ、トラブルだとひいてしまって放りっぱなしにする、こんな医者にかかったら最悪です。