Linuxマシンの組立とインストール

2004/08/29

 はじめに 

 それぞれにこだわりをもって粋を集めたパーツであるが、スタートから約1ヶ月を経過したの8月13日、やっと揃って組立に入れるようになった。本来なら一気に組み上げるところだが、かっこよくいえばLinux操作の教材用、砕けていえば道楽用のマシンところもあって、完成は特に急がないことから、じっくりと味わいながら行うことにする。

 なお、今回の集めたパーツに抜けがあると感じた人もいると思うが、ディスプレイとフロッピーディスクドライブは、下記の理由からあえて購入を省略している。
 ディスプレイは、メインマシン用のiiyama HM204Dが入力2系統で、前面のボタン1つで簡単に切り替えられることから、これを共有して使うことにした。またフロッピーディスクドライブは、ケースにドライブベイが残されてないこともあるが、この際に思い切ってレガシーなデバイスに決別を告げた。(DOSもWindowsも起動できないLinux専用マシンなので、デバイスのBIOSやファームウェアのアップデートで苦労することが予測できるが、何とかなると割り切った。)

 

 ケースの分解 

 ケース内へのアタックは、ケース背面の電源コネクタ左横に設けられたドライバーレスねじの1本を、外すことで可能になる設計になっている。



ケース背面

 指でつまんでドライバーレスねじを外し、天板は後方に、側板は前方にスライドさせることで、簡単に筐体が外れ、ケース内へアタックすることができる。
 筐体の素材はプラスチックであるが、ケース内方向にはアルミ板が貼られ、アルミ板には多くの板ばね状の突起が設置されていて、ケースと接触させるようになっている。おそらく目的は、ノイズ対策用のアースと振動対策をかねていると思われる。また、ケース外方向には厚目の塗装が施されているが、推測の域から出ないものの、ノイズ対策用の特殊な塗料の可能性がある。



取り外した筐体、下が左側板、上が天板

 ケース素材は、放熱に優れるアルミ製だ。可動型でねじで止めをしない設計になっているドライブ用ケースは、振動防止のために円形のゴム素材(黒色)が貼り付けられていて、組み立てると天板で押さえつける設計になっている。



筐体を取り外したケース(左が前面、右が背面)、前面に近いほうがドライブ用ケース、後方に近いほうが電源ユニット

 ドライブ用ケースを回動させながら持ち上げたところ。更に上に持ち上げると、外すことができる。



回動して、そして外すこともできる、ドライブ用ケース

 ドライブ用ケースを外すと、その下にメモリカードリーダが見える。



左下に見えるメモリカードリーダ

 電源ユニットも外したケース内。マザーボードを組み込もうとすると、ここまでの分解が必要になる。(スペースの関係上、後からCPUならびにCPUファンを組み付けられないので、先に組み付けたマザーボードごとケース内に入れることになるが、電源ユニットがあると入らない。)



電源も外したケース

 電源は、MicroATX仕様のケースとしては珍しい、300Wの大型なものが使われているので、このクラスのケースにありがちな、電源容量がらみのトラブルについて の心配は無用だ。

 定格を示すレッテルによると、自社Antec製のAR300という型番になっているが、単体販売はされてなく、Aria用の特別仕様のようだ。また、定格入力は100-240Vのユニバーサル仕様 になっているので、日本でも安心して使える。
 出力コネクタは、Pentium4用のATX12V電源コネクタ(4Pin)はもちろんのこと、SATA (Serial ATA)用の電源ケーブル(1個)も装備している。

 また、この電源で特筆すべきは、小型にあって120mmの大型ファンが使われていることで、風量の大きいファンを低速回転(1200RPM)することによって、 風量と静音(25dB(A))の二つを実現している。




電源の定格を示すレッテル

 

■ パーツの組み込み 

 あらかじめマザーボードにCPUとメモリを組み込んだマザーボードユニットをケースに組み込む。

 デフォルトのケースとマザーボードの固定は、簡易方式のねじ止めは2ヶ所で、他は底板に設置される金属のフックで固定してアースが取れるようになっている(付属のスペアパーツで全点ねじ止めも可能)。
 タワー式ケースに慣れた者としては、マザーボードは固定して吊り下げる感覚を持っているので、いささか不安定な気もするが、マザーボードを水平に置けるキューブ式ケースでは、動かないようにするだけの簡易方式で十分であると感じた。それにしても、キューブ式ケースは理に適っているもので、重いCPUファンをケースの底に設置することができ、騒音レベルの減少にも期待できると思われる。

 次に、マザーボードとケース部材(電源およびリセットスイッチ、LEDランプ、前面パネルに設置されたメモリカードリーダ、USBおよびオーディオ端子類など)との配線を行う。Ariaのケースには、スピーカが設置されてないので、スピーカ端子はない。 



ケースにマザーボードユニットを組み込み、ケースとマザーボードを配線した状態

 電源ユニットを組み込み、電源とマザーボードおよびケース部材との配線を行う。



電源ユニットを組み込み、電源とマザーボードおよびケース部材を配線した状態

 組立の難関の一つである電源ユニットの組み込みであるが、電源ユニットを電源と保持アングルをばらして、パズルを解くがごとくの作業でやっと組み込みが完了する。
 電源ユニットには、あらかじめCPUのリテンションモジュールを逃げる段が設けられていて、その下に潜り込むような感じになる。組み込み後のスペースは、リテール版に付属するクーラファンで5mmぐらいであろうか、サードパーティの大型ファンなどの設置は、まず難しいと思われる。



CPUのリテンションモジュールと電源とのスペースは約5mmしかない

 組立も完了に近づいたが、ドライブケースにDVD-RAMとHDDを組み込み、ユニットごとケースに取り付ける作業になる。

 右の画像はHDDを取り付ける、3.5インチシャドウベイの側版であるが、HDDの取り付け部と接する面には、振動防止用の薄いゴム素材(灰色部)が貼り付けられている。
 ITmediaのレビュー記事で"静音を「歌う」キューブ型ケース「Antec Aria」"と紹介されているが、静音化について細かいところにまで配慮されているのが嬉しい。

 下の画像は、ドライブケースユニットをケースに取り付け、DVD-RAMとHDDの配線を完了した状態だ。
 DVD-RAMへのIDEケーブルと電源ケーブルの配線は比較的容易にできるが、DVD-RAMの下にあるHDDへの配線は非常に難しく、ドライブケースを収めた状態で、ケースの横から指を差し入れて行わなねならない。ラッキーだったのは、HDDにSATAを選択したことで、スマートな信号用ケーブルと電源ケーブルが組立を容易にした。




ドライブケースを組み込みようやく組立完成

 組み上がった嬉しさで、筐体を組み付ける前にテスト起動してみたが、電源ボタンを押してもBIOS起動前のPOST画面すら出ない。また、あいにくAriaのケースにはスピーカがないので、ビープ音で不具合箇所の診断もできない。仕方なく、せっかく組み上げたマシンを再度ばらし、最小構成でテスト起動してみる。

 絶縁体の木製テーブルに、マザーボードが梱包されてたスポンジのシートを敷き、その上にマザーボードを置き、その隣にケースからテスト起動に必要な配線のみを行う。マザーボードには、電源からはATXコネクタ、ケースからは電源とリセットスイッチのみを配線し、VGAコネクタでディスプレイに接続する。
 キーボードとマウスを接続し、祈りを込めて電源スイッチを押したところ、POST画面が出てBIOSにもアクセスができる。その後、再度組みなおしたところ、問題なくBIOS起動ができたので、初回に組み立てた際の何らかの組立ミスと思われる。

 なお、POST画面でのDDRがDual-Channelで動作しているかの確認は、VGAが内蔵されてないチップセットでは、下記のように「Dual-Channel Linear Mode」と表示されるのに対し、  

DDR Frequency 400 Mhz, Dual-Channel, Linear Mode
Checking NVRAM..
1024MB OK

 今回使用したようなグラフィック機能が内蔵されてるIntel 865Gチップセットなどで、内蔵グラフィック機能を利用する場合には、下記のように「Dual-Channel Tiled Mode」と表示される。また、実装されたメモリの表示は、内蔵グラフィック機能で8MB使われるので、8MBを減算して表示される。

DDR Frequency 400 Mhz, Dual-Channel, Tiled Mode
Checking NVRAM..
1016MB OK


 ようやく組み上がったLinuxマシンだが、前面パネル下から光るブルーのLEDは、何ともいえぬ怪しさをかもし出している。

 組立の注意点としては、小型のため細かい作業が多いが、あせらずにじっくりと行いたい。また、アルミケースなので、ねじを締め時に、鉄製ケースのつもりで力を入れると、ねじバカになるので注意したい。

 左の画像は、DVD-RAMのトレイを引き出したところだが、ケースにはトレイ連動型の開閉カバーを備えているため、トレイを収納すると、前面パネルと同色の開閉カバーとなって、DVD-RAMのベーゼルは隠れて見えない。

 

 

■ Fedora Core 2のインストール 

 いよいよFedora Core 2のインストールとなる。LinuxはCD-ROMブートでのインストールが普通だが、Fedoraも例にもれずCD-ROMブートで行う。したがって、インストールの準備としては、BIOSのBoot SettingのBoot Device Priorityに、使用する光メディアデバイスが登録されていることを確認する。

 準備が整えば、CD-ROMもしくはDVD-ROMをドライブに挿入し起動する。(インストールに「パーソナルデスクトップ」を選択した場合には、多くのユティリティやアプリケーションがインストールされるため、CDの場合はやたらと入れ替えを求められて面倒なので、できればCD-ROMイメージがまとめて収録されているDVD-ROMを使えると、インストール作業は極めて楽になる。)

 Fedoraのインストールの詳細を、キャプチャ画像で解説しようと思ったが、先達の諸氏の素晴らしいインストールガイドがすでにアップされているので、そちらを紹介して注意点などの補足に止めることにした。
 Linux WORLD OnlineLinuxインストールガイドFedora Core 1 インストールガイドを使わせていただき、補足をさせていただく。
  1.  まず「インストールCDのチェック」であるが、この前後の「インストーラの起動」でEnterキーを押して「インストールCDのチェック」の画面が出る間と、「インストールCDのチェック」でSkipボタンを押してから「インストールの設定を開始」までの間は、インストーラがトラぶったと思うほど長いので、じっくりと待たなければいけない。
     
  2.  「モニタ型番の選択」で、使用するモニタの型番を一覧から探して選択することになっているが、筆者が使用しているiiyama HM204Dでは、インストーラが自動認識し、選択画面すら現れなかった。
     
  3.  「インストール・タイプの選択」では、 十分なLinuxの知識を有する場合を除き、「パーソナルデスクトップ」を選択すべきで、これを選択すると、適切な「/bootパーティション」と実装メモリ容量による適切な「/swapパーティション」を確保し、残りの全ての容量を日常使う「/rootパーティション」に、自動でパーティション分割することができる。
     
  4.  「起動ディスクの作成」では、フロッピーディスクドライブが無いので、当然のことながらパスした。

 そして再起動すると、内蔵のグラフィック機能はもとより、LAN機能やオーディオ機能も自動認識され、使用できる状態になっていた。ことインストールに関しては、上記の1.を除いてWindowsより出来が良いように感じた次第だ。



Fedora Core 2 のデスクトップ (なんやWindowsと同じやんか!)

 24時間連続稼動のサーバとして使う場合、騒音レベルが非常に重要な要素となるが、稼動しているどうか分からないほどで、十分に合格点を与えられるほどに静かだ。これほどの静音が得られた理由としては、マザーボードを水平においてCPUファンをケースの底版でしっかりと受けていること、Ariaのケースの遮音性と振動防止構造、大型電源ファンによる低速回転などが挙げられる 。