奥様用マシンelegantの製作


 もくじ 

 


 はじめに 


elegant(奥様用マシン)
 そもそも事の起こりは、今までパソコンを使ったこともない家内が、インターネットを利用してとある情報を収集したいので、筆者のメインマシンを貸して欲しいとの要望から始まった。
 これは大変なことになった。インストラクター付きでメインマシンを奪取された上、パソコン内の機密情報まで漏洩しかねない危険な状況を感じ、家内専用のパソコンを製作することにした。

 男性が利用するマシンは、過去に何度か作ったりアドバイスした経験もあるが、女性がまして初心者が気に入るようなマシンには不安があったが、意を決して挑戦した。 さて、どんなマシンが完成するかお楽しみ。

 左は、質素な中にも洗練された気高さのイメージをテーマに、組み上がった奥様用マシンのelegant。


 PCケース選び 

 パソコンのイメージを強力に感じるパーツは、何といってもPCケースであろう。したがって、PCケースの選択にあたっては、詳細かつ綿密に情報を収集し、テーマelegantにマッチするものを捜し求めた。
 その結果、PC電源ではメジャーどころのENERMAXの製品で、MaxPointが販売するCS-1615-MW/350Wを選択した。

 形状はミドルタワーより少し小振りで、詳細に分類するとミニタワーに属し、マザーボードはMicro ATXのみに対応する。また、外観色は光沢のある真っ白で、ミルキーホワイト(-MW)と呼ばれている。
 なお、前面最下部には蓋開閉式のフロントポートが設置されており、使わない時には閉じて隠せるところに、奥ゆかしさを感じさせる。

 収納できるドライブベイの数は、外部5インチが3基、外部3.5インチが2基、内部5インチが4基とアナウンスされている。
 ただし、外部5インチの最下段は、短めのドライブでもマザーボードに当たるので、 実際にはスピーカーやフロントメーターなどのパーツしか収納できないが、小振りのMicro ATXケースとしては、拡張性に優れる部類に属する。

 シンプルで可憐である一方で主張があり、elegantの名にピッタリのPCケースと感じさせた。
 おそらく、フロントポートを使う機会は極少と予想されるが、使わない時には蓋を閉じて隠せるようになっており、奥ゆかしさも感じさせる。

ENERMAX CS-1615-MW/350W


前面最下部に設けられた蓋開閉式フロントポート
 
 なお、前後面に1基づつの12cmケースファンを取り付けるスペースがあるが、標準で付属してないので、当面はケースファン無しで運用することにした。

 PC電源は、HORNETブランドの350Wタイプが付属していているが、ENERMAX製で無いのだけは確かで、お世辞にも静穏とはいえないelegantさだ。

 電源ケーブルは下記の通り。
 ATXメイン(20ピン)×1個
 ATX12V(4ピン)×1個
 FDD用(4ピン)×1個
 HDD用(4ピン)×4個
 S-ATA用(15ピン)×1個

 このPCケースの販売履歴は、2005年5月にこの350Wタイプが登場し、翌6月に400Wタイプが登場している。


 キーボード・マウス選び 


MaxPoint Pointkey KM001C

 キーボードとマウスは、パソコン作業中は常に接すると ともに、コンピュータと唯一のマン・マシンインターフェースになるので、特に重要だ。ただし、PCケースのように、気に入らなかった場合には交換が面倒なパーツでなく、むしろ消耗品的な存在でもあるので、大胆でかつ、お遊び要素も入れて選んだ。

 そこで選択したのが、PCケースと同じくMaxPointが販売するキーボードとマウスがセットになったPointkey KM001Cだ。

 キーボードとマウスは、ともにPCケースと同じく光沢のある真っ白で、キー全体がイルミネーションのようにブルーのLEDで光るバックライトは(ボタンで消・点灯が可能)、elegantのテーマにぴったりだ。
 キー配列は、やや変則な104キーなので、106キーを使い慣れた人は戸惑いを感じるかもしれないが、まったくの初心者には何の問題も無いはずだ。(106キー互換があるので、OSでは106キーと認識され、問題なく使える)
 また、気に入ったのは、タバコの箱の上にすっぽりと載る、小振りの光学式マウスで、小さな手の女性などでも、違和感無く操作できると思われる。なお、こちらも、スクロールボタンがブルーに点灯する。

 このキーボード・マウスの販売履歴は、2005年9月に登場し たばかりの新製品である。


 ディスプレイ選び 

 色再現などに拘るのならともかく、設置 場所の省スペース化やスタイリッシュなフォルムを求めるのなら、液晶ディスプレイがCRTディスプレイより断然有利なので、迷わずに液晶ディスプレイを選択した。

  ひと言に液晶ディスプレイといっても、現在販売されているパソコン用ディスプレイだけでも優に560モデルに達し、仕様・オプションなども様々で、価格帯は約2万円〜約72万円とバラエティに富み、パソコンパーツの中では最も選択肢の多いパーツである。
 このように多くのモデルが存在する背景には、液晶パネルそのものは高度なテクノロジーを必要とするので(すでに平準化された感もあるが)、どこでも製造できるものではないが、パネルさえ購入してくれば電子パーツメーカーなら製造が可能だ。また、そのようなこともあって、OEM(取引先会社の商標で販売される製品の受注生産)も盛んに行われていることが、モデル数が多くなる所以だ。

 したがって、モデル選びにあたっては、目的や用途を明確にして、検索サイトなどを利用するのが賢明だ。液晶ディスプレイの検索サイトとしては、いろいろある中でも価格.com液晶モニター・スペックSEARCHが秀逸なので、必要なときにはぜひ利用をお勧めする。
 
 今回のディスプレイ選びにあたっては、下記の5つの条件設定を行った。。

  1. 解像度 SXGA(1280×1024)
     初心者には煩わしいスクロールを減らすことのできる表示画面と、手ごろで割安な価格帯にあることのバランスを考慮して選択した。

  2. 光沢パネル
     やや割高になるものの、清掃やインストラクション時に安心して画面を指で押さえることのできる堅牢さとパネルの見映えから、硬化ガラス製保護フィルタを装備した 、光沢パネルを選択した。

  3. スピーカー内蔵
     デスクスペースを占有する外部スピーカーや、PCケースに設置するドライブベイ内蔵型スピーカーを不要にするため、スピーカ内蔵のディスプレイを選択した。

  4. 予算 4万円以下

  5. フレーム色 ホワイトまたはアイボリー
     先に選んだPCケースおよびキーボード・マウスの、ホワイトにマッチする色として選択した。 

 上記条件の1.〜4.までは、液晶モニター・スペックSEARCHで検索可能なので入力し、フレーム色についてはそれぞれのメーカーサイトで調べることになるが、実際にヒットしたのは、BUFFALO FTD-G722AS/F \28,934とPRINCETON PTFWK-17 \38,220の2モデルだけであった。(予算を5.3万以下まで拡大すると合致モデルは大幅に増える)
 
  検索結果から、気味の悪いような超買得感のあるBUFFALO FTD-G722AS/Fにスポットを当て、Webなどで詳しく調べてみたが、気になるような悪評はなかったので、これに決定した。
 FTD-G722AS/Fが安い理由には、2005年1月26日にリリースされて2月中旬に発売されており、流通してからすでに約10ヶ月を経過していることから、1世代前の液晶パネルが使われていることにある。別の観点でみると、ロングランのベストセラーで、製品も成熟して安心感がある。
 
 液晶パネルの技術革新は、液晶テレビ向けの必要性もあって、昨年あたりの輝度・コントラスト比に始まり、今年になって応答速度が著しく改善され、最新のパネルでは輝度500cd/m2、コントラスト比700:1、応答速度8msにも達している。ところが、1世代前のFTD-G722AS/Fは、300cd/m2、450:1、16msと、スペックの数字は著しく劣っている。
 それらスペックが劣るのに関わらず、FTD-G722AS/Fに決定した背景には、更に1世代前の280cd/m2、400:1、25msの液晶パネルを使ったCTO N115(B)を、メインマシンのセカンダリーディスプレイとして使用する実績からで、応答速度にやや不満はあるものの、輝度とコントラスト比には十分に満足しており、むしろ明るすぎてまぶしいことから、輝度を絞って使用しているほどだ。

 前段にて「液晶テレビ向けへの必要性」と述べたが、液晶パネルをパソコンディスプレイとして使う場合と、またテレビとして使う場合には、それぞれ異なった特性が求められる。その一例として、パソコンディスプレイで動画再生を行うと暗く感じられ、鮮やかに再生するためには高輝度なパネルが求められる。
 すなわち、動画再生が主体のテレビにおいて、高輝度なパネルが求められる所以である。また最近ではパソコンにおいて、動画再生の機会が多くなるにともない、パソコンディスプレイでも高輝度なパネルが使われるようになってきた。ただし、動画再生時に最適な輝度に設定した場合、静止画ではまぶしいほどの明るさになるので、動画再生時にワンタッチで輝度が上げられるように、ムービーポジション(メーカーにより呼称が異なる)が設けられている。
 したがって、動画再生が主体のパソコンディスプレイにおいては、輝度が高いのに越したことはないが、人間の目には最初は暗いと感じても、時間の経過とともにその環境に慣らされる暗順応作用があるので、300cd/m2もあれば最低条件は満たされると考える。

 以上のように、2世代前の液晶パネルであっても、輝度やコントラスト比については、極端に低い三流品を除き、十分に利用できることを述べたが、こと応答速度については、特に重要なので注意が必要 だ。

  まず、応答速度が何たるかの概念について解説を行う。CRTと液晶は構造そのものの違いから、CRTが一瞬だけ映像が表示された後は次の画面が表示されるまで暗い状態なのに対して(インパルス型)、液晶では現在の画面が次の画面に切り替わるまで表示され続ける(ホールド型)。液晶動作を更に詳細に述べると、液晶分子はバックライトの光のオン/オフを制御するシャッターの役割を担っており、電圧をかけてシャッターが閉じるまで、およびかけた電圧を開放してシャッターが開くまでには、ある程度の時間がかかる。この電圧によってシャッターが反応する時間を、液晶パネルの応答速度と呼んでいる。
 したがって、応答速度が遅いと、画面の切り替え速度が、パネルに送られてくる映像についてこれなくなり、残像が残ったり、尾を引く感じに見え、映像品質を落とすので、応答速度は速いに越したことはない。

 では、どの程度の応答速度が必要かであるが、少なくとも画面の切り替え速度より小さいのが好ましい(余裕があるに越したことはない)。すなわち、日本や米国のNTSC地域では、 画面は毎秒30フレームで構成され、1フレームを2回の走査に分けて行うインターレース方式 なので、実際の画面の切り替えは1/60秒(約0.0167秒)で行われいる。したがって、乱暴にいうと(詳細は省略するが、余裕があれば更なる高画質化が可能)、応答速度が16.7ms以下であれば、最小限 はこと足りることになる。

 これらをバックグランドに、二の足を踏みたくなるようなスペックであるものの、一方では超買得感のある一世代前のBUFFALO FTD-G722AS/Fを購入したわけだが、商品が到着してDVDの動画再生を行ったとき、心配や憂いのすべては消し飛んだ。あえて注文を付けるとすると、シャープさに若干甘いところもあるが、ボケてるほどでもないので、長時間の使用でも眼に優しい液晶ディスプレイといえるだろう。


 マザーボード選び 

 これまでは、PCケース、キーボード、マウス、ディスプレイなどのように、外観が見えたり、操作でさわる必要があるパーツ選びだったので、テーマのelegantから外れないイメージの作り込みに集中してきた。
 ところが、これからのパーツは、ケース内に入ってしまうので、デザインや操作性などを考慮する必要はないが、使用するオーナーが初心者であることから、 トラブルなどが発生しても自力での解決は難しいので、安定性と信頼性を念頭にパーツ選びを行った。 また、主とする使途がインターネットアクセスなので、インターネットエクスプローラーとビジネスアプリケーションが、それなりにスムーズに動く程度のパワーで十分である。

 まずは、パソコン中枢部をつかさどるマザーボード選びにあたって、下記の5つの条件設定をした。

  1. 形式 Micro ATX
     仰々しくない小振りのパソコンにするため、PCケース選びの段階おいて、すでにMicro ATX対応のミニタワーを選択してるので、必然的に形式はMicro ATXとなる。

  2. 音源・VGA・LANを内蔵
     経済的で合理的な観点と、システム構成をできるだけシンプルにして、安定性と信頼性を得るため、音源、VGA、LANをチップセット内蔵型とした。

  3. CPUスロット Socket 478
     筆者が保有のメインマシンならびにLinuxマシンのCPUは、ともにSocket 478のPentium 4の2.80E(Prescott)ならびに2.80C(Nortwood)をしているが、おそらく、今回の奥様用マシンが最も長寿になる予定だ。いずれメインマシンならびにLinuxマシンをアップグレードした際に、同じSocket 478であれば、取り外したCPUを換装したりスペアにできるので、Socket 478に合わせることにした。

  4. メモリタイプ DDR SDRAM
     Socket 478に対応するチップセットは、DDR2 SDRAMをサポートしないので、必然的にDDR SDRAMの選択肢となるが、むしろ好都合で、CPUと同様にアップグレード後のマシンから取り外したDDR SDRAMを、増設に使ったりスペアにすることができる。

  5. DIMMスロット 4スロット
     Micro ATXは基板が小さいことから、DIMMスロットが2スロットしかないモデルも多く存在するが、前項の「マシンから取り外したDDR SDRAMの増設」には、空きスロットが存在してなければならないので、余裕のある4スロット以上のDIMMスロットが搭載されたモデルとした。

 上記の条件でマザーボード・スペックSEARCHで検索すると、かつては多くのモデルがあったものの、現時点で流通してるのは、GIDABYTE GA-8IG1000MK(\9,413)、AOPEN MX4SGI-4DL2(\10,479)、ASUS P4P800-VM(\11,204)の3モデルだけだった。(括弧内は最安値価格)
  どれをとっても、安定性と信頼性は申し分のない、すでに十分に枯れたベストセラーであるが、価格差もそれほどないことから、何かと便利なこともあろうと、Linuxマシンと同じASUS P4P800-VMを選択した。(ちなみに、P4P800-VMの発売は2003年5月で、発売からすでに約2年半を経過する)


 CPU選び 

モデル名 Celeron D 335 (SL7NW)
パッケージ
表面

INTEL '04
CELERON D
2.80GHz/256/533
SL7NW COSTA RICA
3534B227
4534C169
0757
コア名 Prescott
プロセス
ルール
0.09μm
FSB 533MHz
L1データ
キャッシュ
16KB
L2キャッシュ 256KB
SSE3
Thermal
Guideline
73.0W
Thermal
Spec
67.0℃

 さて、パーツ選びも大詰めに近づいてきたが、いよいよ人間では頭脳に相当するCPUとなった。

 マザーボードをSocket 478にしたので、対応するCPUはSocket 478版のPentium 4、もしくはCeleron Dで、こだわりを取るならPentium 4、コストパフォーマンスを取るならCeleron Dになる。
 少し考えたが、Pentium 4のハイパー・スレッディングも魅力だが、マルチタスクでバリバリと使うこともないであろうということと、むしろ、熱設計で有利になることから、迷わずCeleron Dにすることにした。

 Celeron Dを大別すると、数字の末尾が「1」「6」のものと、「0」と「5」のものが存在するが、前者はLGA 775版、後者がSocket 478版で、現在流通しているすべてがPrescottコアになっている。
 なお、スペックは、LGA 775版がEM64T対応している点を除けば、まったく同じになっている。したがって、選択にあたっては、Pentium 4のように多くの種類がないので、ソケット形式と動作クロックを決めるだけなので、いたって単純明快である。

 Socket 478版のCeleron Dには、325(2.53GHz)から350(3.2GHz)まで「5」刻みに6種類のモデルがあり、約8,000円から約14,000円までの約6,000円の価格差しかないので、気分次第で気楽に選べばよい。
 ただし、コストパフォーマンスを考えるなら、1MHz単価を計算すると、325〜335が3.1円〜3.3円に対して、340〜350は3.7円〜4.3円になるので、「335」がねらい目になる。

 そこで、ねらい目になるCeleron D 335(2.80GHz)を選択した。選択に際してもう一つは、メインマシンおよびLinuxマシンのCPUが、ともにPentium 4の2.80Eと2.80Cなので、同クロックでどれほどのパフォーマンスに差があるかを体験したかったこともある。

 右上の表は、Intel Processor Spec FinderのResultsシートなどから、Celeron D 335(SL7NW)の主要スペックを一覧にしたものであるが、こちらのPentium 4と比較するとよくわかるが、FSBとL2キャッシュが劣るだけある。なお、SSE2にしか対応していないNorthwoodとの比較では、SSE3に対応していることから、ビデオ・エンコーディングやグラフィック処理も得意だ。
 また、FSBが533MHzとなることから、CPUと接続されるバス速度は約30%遅くなるが、反面、Thermal Guideline(消費電力) が約20%低くなって、Prescottの最大の欠点がNorthwood水準まで改善される。ただし、Thermal Spec(規定動作温度)は変わらないものの、消費電力(発熱量)が低くなるので、FSBが800MHzと比較すると、熱に対する対策は断然に有利になる。


■ メモリ選び 

 Celeron DのFSBが533MHzなので、メモリはPC2100で十分であるが、価格にほとんど差がないことからPC3200を選択した。なお、メモリ選びにあたっては、このところ急落で安くなっていることもあって、無用なトラブルを避けるため、信頼性の高いSAMSUNGオリジナルの512MBを2枚購入した。


M368L6523CUS-CCC

 DIMMに貼られたシールに下記のように印刷されており、
  SAMSUNG PC3200U-30331-Z  512MB DDR PC3200 CL3
  KR  M368L6523CUS-CCC  0545
 またチップに下記のようにマーキングされている。
  SAMSUNG 543/K4H510838C-UCCC/H51 8 AGI219AX
 IntelのModule System Validation Resultsにも掲載されている、
まさにIntel公認のモジュールだ。

 メモリも安くなったもので、メインマシンとLinuxマシンはともにSAMSUNGオリジナルで固めているが、2003年12月購入のM368L6423ETM-CCCが\8,150、2004年7月購入のM368L6423FTN-CCCが\10,770で、今回購入したのが\5,680だった。(ともに512MBモジュール1本の価格)


 ハードディスク選び 

 最近のハードディスクは、ここ数年の飛躍的な高密度化に支えられ、動画記録に使うことを除く通常の使用では、1プラッタでも使い切れないほどの容量になっている。
 したがって、容量に不安がない限り、1プラッタモデルを選択するのが得策だ。なぜならば、回転時の風損が少ないので、モータの消費電力も抑えらて発熱が少なくなったり、騒音も小さくなる。また、構造も簡単になることから、信頼性にも有利に働く。

 インターフェースは、マザーボードが対応していれば、新しいテクノロジは何かと有利なので、迷わずSATAを選択すべきだ。

 以上の背景から、HITACHI Deskstar 7K80シリーズのデータ転送速度が300MB/s (SATA IIに相当)で80GB容量のHDS728080PLA380を選択した。(SATA IIは、SATA IIワーキング・グループが策定した規格全体の総称であり、商品性能表記においての混乱もあって、現在のHITACHIではSATA IIという表記を避けている。SATA規格についての詳細はこちら

 HITACHIを選んだ理由は、メインマシンではDeskstar 7K250シリーズのHDS722580VLSA80を2本使ったSATA RAIDを組んで約1年になるが、トラブルもなく騒音も少ないことから、反トラウマ的な好感を抱いているところにあった。
 なお、あえて300MB/s (SATA IIに相当)を選んだのではなく、HITACHIでは150MB/s (SATAに相当)の製品としては、現時点では400GB容量のモデルしか流通していないことにある。
 また、Deskstar 7K80シリーズには、300MB/s (SATA IIに相当)で40GB容量のHDS728040PLA320というモデルがあり、容量的にはこちらでも用足るが、バッファ容量がHDS728080PLA380の8MBに対して2MBしかないに拘らず、価格差が500円程度しかないことだ。

 このようなことで、HITACHI Deskstar 7K80シリーズのHDS728080PLA380に決定し\6,489で購入した。


 DVD-RAMドライブ選び 

型番 GSA-4167B DVR-ABH4
(GSA-4040B)
販売 LG電子 I-O DATA
購入価格 \5,080 \29,904
購入時期 2005年12月 2003年8月
記録
速度
DVD-RAM 5 3
DVD-R 16 4
DVD-R Dual Layer 4
DVD-RW 6 2
DVD+R 16 4
DVD+R Double Layer 6
DVD+RW 8 2.4
CD-R 48 24
CD-RW 32 16
再生
速度
DVD-RAM 5 3
DVD-R 10 8
DVD-RW 8 8
DVD+R 10 8
DVD+RW 8 8
DVD+R Double Layer 8
DVD-VIDEO 8
DVD-ROM 16 12
CD-R 48 32
CD-RW 40 24
CD-ROM 48 32

 2002年5月、日立LGデータストレージ(※)から、世界初となる記録型DVDマルチドライブ (DVD-RAM/R/RW、CD-R/RW)のGMA-4020Bが出荷開始されて約3年 半になる。その約1年後の2003年6月、DVD+R/+RW規格に対応したDVDスーパーマルチドライブのGSA-4040Bの出荷開始される。
 マルチドライブもすでに究極かと思わせたが、その後は片面2層記録メディアへの対応が始まり、2004年11月にはDVD+R規格に対応したGSA-4163Bが、2005年7月にはDVD-R規格に対応したGSA-4167Bがリリースされ、DVDとしての完熟期を迎えた。

(※)日立LGデータストレージ(以降、日立LGと略す)
 2000年11月、日本の日立製作所と韓国のLG電子の合弁会社として設立され、光ストレージドライブの開発ならびに設計を行い、日立製作所とLG電子への製造委託で完成された製品を、全世界にOEM販売を行っている。
 2004年度の業界シェアは第1位の29%で、2005年度には30%を超えると思われる。なお、製造委託で生産されている場所は、マレーシア工場、韓国の平澤工場、中国の恵州工場の3ヵ所。

 一方、「価格はどこまで行くのか」と思うほどの下がり方で、GSA-4040Bが約3万円だったのが、最新モデルのGSA-4167Bでは約6分の1の約5千円となり、パソコンの標準リムーバブルドライブとなった。

 また、メディアについても、ずいぶんと安くなったもので、DVD-Rは16倍速で約120円、8倍速では80円と、記憶容量が約7倍あるにも拘らず、約5年前のCD-Rの価格になってきた。

 右の表は、2003年8月に購入のメインマシンに搭載するGSA-4040BことI-O DATA DVR-ABH4と、最新モデルのGSA-4167Bのスペックを比較したものだ。(各数字は倍速を示す)
 大きく異なるのは、DVD±R規格の片面2層記録(Dual/Double Layer)メディアをサポートすること、各種メディアへの記録/再生が高速化されている点にある。特にDVD-Rへの記録の高速化はすさまじい。DVDの1倍速はCD(150KB/s)の約9倍速に相当するので、DVD-Rの8倍速はCD-Rの70倍速、16倍速では140倍速にも達し、時速 にすると約200kmで記録していることになる。

 ここまで話をすれば当然だが、CD-R/RWドライブやCD-ROMドライブでなく、最新のDVDスーパーマルチドライブのGSA-4167Bのバルク版に決定し\5,080で購入した。 (バルク版であっても、ライティング/バケットライト/オーサリング/DVD再生の各ソフトウェアは一応バンドルされている)


 パーツ一覧 

  パーツ メーカー 型番 価格 備考
  PCケース ENERMAX CS-1615-MW/350W \5,280 ミニタワー、MicroATX対応
  キーボード MaxPoint Pointkey KM001C \4,479 PS2、104キー(106キー互換)
  マウス USB、光学式、800dpi
  ディスプレイ BUFFALO FTD-G722AS/F \28,934 SXGA、17型液晶、スピーカー内蔵
  マザーボード ASUS P4P800-VM \12,188 Socket478、Intel 865G、MicroATX
  CPU Intel Celeron D 335 \9,702 Socket478 BOX、2.8GHz
  メモリ SAMSUNG M368L6523CUS-CCC \11,360 PC3200 CL3 512MB × 2本
  ハードディスク HITACHI HDS728080PLA380 \6,489 SATA II、80GB
  DVD-RAMドライブ LG GSA-4167BK(White) \5,080 スーパーマルチドライブ、BLK

 

合計 

\83,512 12月13日発注/12月14日納品/パソコン工房通販/別途 送料 \630


  インストール 

 使用オーナーが初心者であることから、マニュアルなどを読んでも戸惑わないように、インストールしたOSのWindows XP Professionalは、特別なカスタマイズをせずデフォルト状態にしてある。

 筆者が使用するWindows XPは、限りなくWindows 2000に近づけたカスタマイズを施してあるので、デフォルトのWindows XPを見るのは久しぶりだが、よくよく見ればよくできたもので、初心者にも親しみが持てるデザインとインターフェースを備えていると感心した(ただし、仕事には不向きと思う)。
 ところが、日常使い慣れてない者にとっては勝手が違うことから、やはり使い難いもので、どこに設定するメニューがあるのかを、初心者さながらに探しながら、手間取りながらもようやく設定が完了した。

 Windows XPの設定内容とアプリケーションのインストールは、最小限として必要に応じてその都度、実施することを基本方針とした。今回実施した内容は次の通り。

  1. ネットワーク設定
     家庭内LANへの参加とインターネットにアクセスできるように設定する。

  2. プリンターの共有
     プリント依頼などの面倒を避けるため、メインマシンのプリンターが共有できるように共有設定を実施する。プリンターの共有は非常に便利な機能だが、メインマシンが起動している ことが条件となるのが、いまいち不便なところもある。 ネットワークプリンター機能を装備しているプリンターも、最近は手頃な価格になったので、次に買い換えるときには、是非とも選択肢に加えたい。

  3. マウスのプロパティの設定
      初心者がマウスを使う上で最も戸惑うのは、作業中にマウスの位置を見失うことなので、マウスのプロパティのポインタオプションで 、[ポインタの軌跡を表示する]に設定する。

  4. セキュリティソフトのインストール
     無知さの故の初心者は、常にウィルス感染やハッカー侵入などの脅威に晒されている。自分のパソコンがトラブルに巻き込まれるだけならまだしも、ハッカーの踏み台にされようものなら、取り返しがつかないことになる。そこで、メインマシンでも導入している、セキュリティとウィルスの対策を兼ね備えたNorton Internet Securityをインストールする。(メインマシン用のがバージョンアップの時期でもあったので、割安な2ユーザー・パッケージを購入)

  5. DVD-Video再生ソフトのインストール
     我が家にはDVDプレーヤーがないので、パソコンで再生ができるように、DVD-RAMドライブのGSA-4167BにバンドルされていたCyberLink PowerDVD 5をインストールする。

  6. Adobe Reader 7のインストール

  7. OpenOfficeのインストール

    (以下、夫婦の会話)
    (夫) 「一応、インターネットにアクセスできてPDFファイルでも読めるようになったし、DVDも見れるようになったよ!」
    (妻) 「もう、それで十分!」
    (夫) 「しかし、せっかくパソコン使うなら、もう少しパソコンらしい使い方をしたいね!」
    (妻) 「具体的に?」
    (夫) 「例えば、家計簿に表計算ソフトを使うとか、自治会の案内に文書作成ソフトを使うとか」
    (妻) 「したいけど、、ソフトがけっこう高いのでしょ?」
    (夫) 「定番といえばMicrosoft Officeで、一番安いPersonal Editionでも表計算と文書作成はできるね」
    (妻) 「どのくらいするの?」
    (夫) 「約4万円」
    (妻) 「げげっ( ・_・;)」
    (夫) 「それにプレゼンテーションが付くStandardが約4.5万円、更にデータベースが付くProfessionalになると約5万円」
    (妻) 「パソコンが5万円なのに、ソフトが5万円とは法外ね!」
    (夫) 「ほぼ同じ機能で安く上げる方法もある」
    (妻) 「いくらぐらいで?」
    (夫) 「タダ!」
    (妻) 「げげっ( ・_・;)。違法なことするの?」
    (夫) 「いいや、Microsoft Officeとデータ互換性のある、フリーウェアのソフトを使うのさ!」
    (妻) 「それがいい!!」

     
    というわけで、OpenOfficeをインストールすることにした。現時点ではバージョン2.0.1が配布されており、旧バージョンに比べ てより洗練され、Microsoft Officeとの互換性もより高くなった。

     OpenOfficeとMicrosoft Officeの互換性でよく誤解されるのは、データ互換性とフォーマット互換性で、例えば表計算ソフトでいうと、セルに入力された数値や数式(特殊な関数を除く)などは、前者のデータ互換性に相当し、ほぼ完全互換があると思ってよい。ところが、データを使用して作成するグラフや体裁などは後者のフォーマット互換性に属し、両者のソフト間でまったく同じように表示されるとは限らない。(OpenOffice⇔Microsoft Officeのどちらからでも同じこと)
     したがって、ソフトを移行したとしても、蓄積されたデータそのものは継承されるが、グラフや体裁などは(うまくゆく場合もあるが)、設定し直さなければならないと考えておくのが無難だ。
     なお、Windows版の場合には使用フォントが共通なので問題ないが、Linux版のOpenOfficeとWindows版のMicrosoft Officeの間では、そもそも使用フォントが違うので、セルからはみ出したりすることについては仕方がないことだ。(Windows互換の代替フォント開発も盛んに行われているので、いずれはこの問題も近い将来、完璧に解決されると思われる)
     
     このような理由から、LinuxマシンではOpenOfficeを使わざるを得ないが(Linux版のMicrosoft Officeが存在しないため)、WindowsマシンにもOpenOfficeをインストールしているものの、会社からの持ち帰り残業も多いため、Windowsマシンで行う作業はMicrosoft Officeを使っている。
     おそらく、この状態は定年退職するまで続くと思われるが、過去に約20万円をも継ぎこんだMicrosoft Officeのアップグレードについては、終了宣言をしている。

     余談も入って失礼したが、今までMicrosoft Officeを使って蓄積したユーザーにとって、OpenOfficeへの移行がいかに困難であるかを説明したが、蓄積したファイルなどがまったくない初心者にとってはどちらでもよいことなので、機能的にまったく遜色がなく、史上空前のオープンソースでかつフリーウェアのOpenOfficeを 、使いこなして欲しいと念じる次第だ。


 おわりに 

 かくして、こだわりと思い入れが込められた奥様用マシン elegant は完成した。製作にあたって感じた点などについてまとめ、これにて終章とする。

  1. 安くなったパーツ
     今回の製作費についてまとめると、PC本体が約5万円、ディスプレイが約3万円、そしてキーボード・マウスが約5千円で、合計すると約8万5千円で完成したことになる。
     特にPC本体の約5万円であるが、CPUがCeleron 2.8GHzであるものの、メモリ1GB、DVD-RAMドライブ、ハードディスク80GB搭載のスペックを考えると、安くなったものとつくづく感じさせられる。
     安く上がった大きな要因のひとつに、マザーボードの付加価値が高くなったことが挙げられる。通常使用では十分な性能を持つビデオカード、LANカード、オーディオカードの機能が内蔵されて、約1万2千円で手に入ることは感嘆に値する。また、これらの機能が内蔵されていることによって、PCIスロットを1本も使わないで製作が可能なことは、ミニタワーでの製作を容易にしている。
     
  2. 十分なパフォーマンス
     パフォーマンスについて体感にてチェックを行ったところ、インターネット閲覧やDVD動画再生などでは、まったく不満を感じない 水準であることに驚いた。動画や音楽のエンコードなどの著しくCPUを酷使する作業では、Pentium 4との差は出てくると思われるが、初心者用のマシンとしては十分すぎるほどのパフォーマンスを持っている。
     
  3. 事前の十分な設置場所の検討
     PCケースを選択にあたっては、神経質なほどにフェイスと形状にこだわって、ミルキーホワイトのミニタワーを選んだ。ところが、いざ設置する段になって、机上を有効に利用したいことから、PC本体を机の下に隠すことになった。
     どうせ隠すのなら、あえて組立性とメンテナンス性に劣るミニタワーでなく、ミドルタワーを選択する手もあるので、事前の設置場所についての検討は十分に行いたい。(もっとも、隠れたところにこだわりの一品があるのもオシャレでもあるが)
     
  4. 超初心者用の入門ガイドブック選び
     とにかく使用するオーナーは、キーボードやマウスをさわったこともない超初心者であるので、ガイドブック選びは慎重に行った。
     インターネットで調べたうえ、実際に書店で実物を見て決定したのは、技術評論社刊 デジカル著の「ぜったいデキます!パソコン入門」だ。
     「パソコンの電源を入れよう」で始まる「パソコン基本操作」、「キーボード操作」、「ファイル操作」、「Windows活用」、「ホームページ」、「メール」の全5章より構成されているが、操作手順が省略されてないので、書かれたとおりに操作すれば迷わずに「ぜったいにデキる!」ようになっている。そして、このガイドブックのもう一つの特長は、大きな字と多くのイラストで構成されていることで、誰でも楽しく学べるようになっている。
     
  5. 課題
     まず、電源がうるさいことで、お世辞にも elegant と呼ぶには相応しくない状況である。そして次には、ケースファンが付いてないことで、PCIスロットに挿してるカードが皆無であることから、風通しはすこぶる良好なもの、夏場を安定して乗り切るのについて、いささか不安がある。
     これらについて、様子を見ながら、静穏と排気を兼ね備えた電源に交換することを考えている。

(2006/01/21 完)

 

リンクメニュー