久々なるメインマシンのアップグレード(2003年末)


1.はじめに

 現在のメインマシンの誕生日を問われると返答に困る。なぜならば、ケースは1997年8月に購入したものだが、その後も常に進化し続けてきたこともあって、誕生という境目が明確でないことに起因する。
 あえていえば、2000年9月に追加のPentiumIII、Dualシステム用マザーボード、追加のハードディスク2本を購入し、翌々月の11月には超弩級電源と交換し、前代のマシンから大きく変貌したこのあたりが、新生マシンの誕生日になろう。
 その後もSD-RAMの追加、ビデオカードの交換、CD-R/RWやDVD-RAMドライブの追加などを行ったきたが、最近はそろそろ寿命が近づきつつあるのを感じ、CPUやマザーボードなどのマシン本質に関わる部分には手を付けないで、ごまかしの運用を図ってきたのも事実だ。

会社で新調してもらった、IBM ThinkCenter S50(8183-39J)のタスクマネージャのパフォーマンスタブを開いたところ 今回のアップグレードを決断するきっかけとなったのは、会社で支給されてるパソコンが役不足になったので、新調してもらいその快適さに魅せられたことにある。
 新調されたパソコンは(自分で選択して発注したもの)、あこがれのHT(ハイパースレッディング・テクノロジ)対応のPentium4 2.8(C)GHzにデュアルチャンネルDDR仕様のマシンで、IBM ThinkCenter S50シリーズの8183-39Jに1GBのRAMを搭載したモデルだ。右の画像は、8183-39Jのタスクマネージャのパフォーマンスタブを開いたところだが、HT対応 なので、CPUは1個しか搭載してないが、2つのスレッドが表示される。
 もうひとつのきっかけは、最近メインマシンの調子がいまいちで、片方のPentiumIIIとソケット接点の接触が不安定なことから片肺運行中だが、いつダウンしても 不思議でない状況が決断を加速させた。

 そのようなことで、マシンが致命的な故障でダウンしてしまう前に先手を打ち、本年中のアップグレード完成を目処として検討に入った。
 この記事では、アップグレードパーツの選択から完成までをシリーズで掲載する予定だが、予算が飲み代に消えて、検討だけで終わってしまった時はご容赦願いたい。  (追記修正 2003/12/12)


2.パーツの選択

2-1 基本ポリシー

アップグレードにスタートする桃太郎とおとも達 では、具体的なパーツの選択に入るが、迷った時の選択判断基準として、下記のアップグレードポリシーを設定した。質実剛健ではあるが、だわりと遊べる要素を持った、ユニークなマシンに仕上げたいと考えている。

  1. 総額予算は10万円以内
  2. 3年先でも現役で使える仕様
  3. 安定稼動の重視
  4. コストパフォーマンスの重視
  5. トラブル時の対応が容易

2-2 CPUの選択

 複数パーツのアップグレード検討において、真っ先に決定しなければならないパーツはCPUであろう。なぜならば、パソコンの根幹であるのはもとより、他のパーツの決定においても、大きな影響をもたらすパーツであることに起因する 。

 まず、システムをDualかSingleかに決定しなければならないが、現在のマシンがDualシステムであるにもかかわらず、あえてSingleシステムに決定した。
 なぜならば、現在のマシンを組んだ約3年前の2000年10月時点では、最高クロックモデルでも1GHz(PentiumIII)しか存在しておらず、CPUに大きな負荷をかけるアプリケーションを 快適に走らせるには、負荷を分散させるDualシステムが有効であった。
 ところが、クロックが3GHzに到達した現在では、ともすればCPUの処理能力が余ってる現状で、特別な用途以外ではSingleシステムで十分だと考えた。また、擬似Dualシステムを実現するHT対応のPentium4も登場してきたので、ますますDualシステムの必要性 が薄れてきているのも事実だ。
 もちろんHTはあくまでも擬似Dualシステムであるので、物理的に2個のCPUを使用するDualシステムに到底敵わないが、 コストパフォーマンスを意識した場合、あまりにも冗長と言わざるを得ない。
 むしろそれよりも、来年以降も高性能化されたCPUの新製品が多く登場することもあって、最少の費用で新製品にアップグレードができるよう、身軽にしておくのが賢明と考え た。

 HT対応といえば必然的にIntelのPentium4となるが、AMDのAthlonやOpteronも考えたものの、情報量が少なくトラブル時の対応に自信がないこともあって、無難な選択に至った。

12月6日時点の秋葉原でのPentium4(C)シリーズの平均価格と1MHz単価 そのようなことで、完熟の域に達した感のあるPentium4の中でもHT対応でFSBが800MHzに達し、見かけのクロックだけでなく総合的なパフォーマンスが期待できるPentium4(C)シリーズを選択した。(Pentium4(C)シリーズ以外でHT対応は3.06(B)GHzだけ)
 具体的なモデル選択にあたっては、右の図の12月6日時点の秋葉原でのPentium4(C)シリーズの平均価格と1MHz単価を参照し、下記の観点からPentium4-2.6(C)GHzとした。

  1. 総額予算の観点から高くても3万円以内のこと
     3.0GHz以下が対象になる。
  2. 今後の価格下落が少ないこと
     Price Roadmapによると、来年の2月には3.0GHzが$60(約7千円)、2.8GHzが$40(約5千円)値下げされる予定なので、値下がりで悔しい思いをしないためにも、対象は2.6GHzと2.4GHzに絞られる。
  3. コストパフォーマンスの高いこと
     2.4GHzがやや品薄なこともあり、2.6GHzとの価格差も約千円しかなく、現時点では2.6GHzが最高のコストパフォーマンス になっている。

 また、2月にはPrescottが一斉に登場し、その中の最下位モデルの2.8GHzは、現在の2.6GHzと同じ$178に値付けされる予定でもあり、今回購入品したものを緊急時の予備に転用し、新たにPrescottを購入する可能性も大いにあるので、今回はできるだけ出費を抑えた作戦が賢明と考えた。 (追加修正2003/12/14)

 買い物かごに : Intel Pentium4 2.6C GHz (BOX、国内正規品) \18,710

 この後、こだわりがあって2.8C GHzに変更する。詳しくはこちら

2-3 マザーボードの選 択

  マザーボードは中国語では母板と呼ばれ、またメインボードとも呼ばれるように、PC性能はこれで決まると言っても過言でなく、コントロールタワー的な存在なので、妥協を許さずに選択にあたりたい。
 CPUがHT対応と決まったので、通常に考えれば、必然的にIntel 875PもしくはIntel 865ファミリーのチップセットを搭載するマザーボード に限定される。また、Intel 865ファミリーの中でも、グラフィックスチップを搭載するIntel 865Gと、システムバス帯域制限のある(533MHzまで)Intel 865Pを除外すると、候補はIntel 875PとIntel 865PEを搭載するボードに絞られてくる。(チップセットの解説についてはこちらが詳しい)

 Intel 875PとIntel 865PEの違いであるが、Intel 875Pの廉価版がIntel 865PE(Intel 865ファミリー)と言われているものの、機能差としてはIntel 875PがPATと呼ばれる高速化機能に対応している点だけだ。Intelによれば、PATにおいて3〜5%の性能向上が期待できるというが、事実が立証されたベンチマークをいまだかつて見たことがないほどの、気分の問題程度にわずかなパフォーマンスと考えてよい。
 いっぽう、Intel 875PとIntel 865PEを搭載するマザーボードの価格差は約4〜5千円で、コストパフォーマンスを優先すれば、迷うことなくIntel 865PEをおすすめするが、ダイの段階で選別して得られるといわれるIntel 875Pを、あえてこだわりをもって選択した。事実のほどは保証しかねるが、Intel 875P搭載マザーボードは価格が高いだけに、よい部品を使って丁寧に生産されているとの説があるのも事実だ。

 さて、Intel 875P搭載マザーボードと決まったので、こちらのリストから、下記に挙げる必須の機能と不要な機能を条件として、ふるいを掛けて選択を行った。

  1. Soundは6ch以上が必須
     やっとこれで忌まわしいSound Blaster Live! Valueから開放される。
  2. LANは1000Mbpsが必須
     1000Mbpsのハブは持っていないが、将来も見据えて必須とした。
  3. IEEE-1394は不要
     外部接続デバイスはUSBで事足りると判断し、コスト的に無駄となるので不要とする。
  4. ATA RAIDは不要
     SCSI野郎としては、今後もATA HDDを使用する予定もないので、上と同様にコスト的に無駄となるデバイスなので不要とする。

 リストに掲載されている33枚のボードの中で、上記条件に適うボードはASUS P4C800のみとなった。
 
 少し横道にそれて、過去のマザーボード遍歴を辿ってみるが、初めて自作機を組んだ1995年から順に、ASUS(P/I-P55TXP4E)→ASUS(KN97-X/266/WOA)→AOpen(AX6B)→ASUS(P2B-F)→ABIT(BF6)→RIOWORKS(PDB)と、6枚のボードに巡り合っている。どれもそれなりに特徴がある素晴らしいボードであったが、ASUSのBIOSアップデートをはじめとするサポートのきめ細かさについて好印象を持っている。

 そのようなことで、機能ならびにベンダーとして文句の付け所がないほどに合致するASUS P4C800に決定した次第だ。 なお、Pentium4に対応するほとんどのマザーボードではATX12Vコネクタが使われているので、対応する電源が必要となるが(通常のATX電源をATX12Vに変換するケーブルには難があり)、運良く現在の電源には装備されているので、買い換える必要はなかった。 (追加修正2003/12/17)

 買い物かごに : ASUS P4C800 Standard \17,970

2-4 RAMの選択

 購入するRAMはもちろんDDR SDRAMであり、デュアルチャンネルDDRとして使用することから、2枚または4枚セットでの購入が絶対条件になる。(デュアルチャンネルDDRの場合は、同時に使用するRAMの 微妙な特性 が揃っている必要があるので、増設は実質上不可能と考えて、初期での投資が必要になる。)そのようなことから、容量については将来とも増設の必要がないと思われる、512MBモジュールを2本とした。

 次にスペックを決定する。現在市販されているDDR SDRAMのグレードには、PC2100(DDR266)、PC2700(DDR333)、DDR3200(DDR400)と、PC3500(DDR433)、PC3600(DDR450)、PC3700(DDR466)、PC4000(DDR500)、PC4200(DDR533)相当品があるが、Intel 875Pは最大のバス帯域が6.4GB/secなので、チップセットの能力を最大限に発揮させるために、PC3200以上を選択したい。もっとも、スペックの数値が大きくなるにしたがって高価になるので、オーバークロッカー以外は必要最小限のPC-3200で十分だ。むしろ、PC-3200のなかで質のよいものを探したい。
 
 以上の検討から、PC-3200(DDR400) 512MBを2本購入することにしたが、質のよいモジュールを探すのは多難を極める(むしろこれが楽しいが)。そのようなことで、まず間違いないと思われるSAMSUNGのチップを使った6層基盤品のモジュールを選択した。ただし、このあたりの製品は、売り切れになったり出物があったりと、不安定な流通市場なので、実際の購入時点で判断をしたい。 (2003/12/18)

 買い物かごに : PC3200(DDR400) CL3 512MB(SAMSUNGオリジナル) ×2 \16,980

2-5 OSの選択

 ここまでで、HT(ハイパースレッディング)とデュアルチャンネルDDRを実現するハードウェアの準備が整ったが、忘れてならないのはOSの対応だ。WindowsでHTに対応してるのは、WindowsXP ProfessionalまたはWindowsXP Home Editionだけで、他のWindowsにおいてHTは有効にならない。かつ、OSが持つ様々な問題を解決し、安全にパフォーマンスを向上させるためには、SP1の適用が必要といわれている。そのようなことで、慣れ親しんだWindows2000に惜別を告げ、WindowsXPに移行することにした。

 WindowsXPはProfessionalを購入することにしたが、アップグレード版は、まっさらなHDDにインストールする時に、旧バージョン製品版のメディアを要求 するのが面倒なので、今回はOEM製品版を選択した。価格は、アップグレード版が約18,000円、通常の製品版が約28,000円だが、OEM製品版はアップグレード版より約\2,000高い\20,000弱が相場だ。
 ただし、OEM製品版はハードウェアとのセット販売が条件になるが、今回はCPU、マザーボード、RAMに加えてHDDまで購入するので、まったく問題なく購入できる資格がある。 (2003/12/20)

 買い物かごに : WindowsXP Professional w/ServicePack1a OEM \20,000(?)

 この後、ライセンスの運用形態の課題からアップグレード版に変更。詳しくはこちら

2-6 HDDの選択

 買い物かごの中身はここまでで約7万4千円、予算に対してまだ2万6千円ほどの買い物が可能だ。そこで、滅多にないOSを新規にインストールする機会に、ハードディスクを増設することにした。

 現システムのHDDは、ST39204LWを3本で運用しており、1本を起動用ドライブに、残りの2本でストライプセットを組 みアプリケーションおよびデータの格納用になっている。今ではすでに一昔前のHDDになったが、速度に大きな不満はないものの、デフラグをするにも有効な空きスペースがないほど の手狭な現状にある。
 そこで、増設した新たなHDDは、前半の約8GBをOS領域として使用し、残り はとりあえず空き領域として残しておき、おそらくTVキャプチャや動画編集のワークエリアになる予定だ。そして、現システムのST39204Wは、3本でストライプセットを組むつもりだ。

 増設するHDDは、SCSI野郎なら当然のこと、SCSI仕様の下記の3モデルを購入候補とした。

  購入候補 現在使用中
メーカー Seagate Seagate IBM(日立) Seagate
プロダクト Cheetah 15K.3 Cheetah 10K.6 Ultrastar 36Z15 Cheetah 18XL
モデル ST318453LW ST336607LW IC35L018UCPR15 ST39204LW
インターフェース Ultra320(68pin) Ultra320(68pin) Ultra160(80pin) Ultra160(68pin)
容量(GB) 18.4 36.7 18.4 9.2
スピンドル速度(RPM) 15,000 10,000 15,000 10,000
データ転送速度(MB/sec) 57-86 43-78 37-53 27-41
シーク時間/平均(msec) 3.6 4.7 3.4 5.2
ディスク枚数 1 1 4 2
ヘッド数 2 2 8 3
消費電力/アイドル時(W) 9.0 6.8 11.0 7.0
アコースティックノイズ(dB) 31 32 38 38

価格
[1GBあたり単価]

\25,750
[\1,399]
\16,900
[\460]
\9,980(80→68pin
変換アダプタ付)
[\542]
\26,600(2000年
10月購入時
)
[\2,891]
  1. Seagate Cheetah 15K.3 ST318453LW
     おそらく、現在の最速モデルと思われる15,000RPMの68pinモデルだ。外見は3.5インチながら、ディスクは2.5インチ用に近い小径のものを使用し、回転時のディスク振動を抑えてアコースティックノイズを小さくするとともに、空気との粘性抵抗による風損を減らして消費電力を減らし ている。とはいうものの、9Wの消費電力では、大掛かりな冷却は必要ないものの、積極的な冷却を考える必要がある。
     なお、1GBあたり単価では、IDEではすでに\70割れに入ったが、約20倍も高価なものになる。
     
  2. Seagate Cheetah 10K.6 ST336607LW
     10,000RPMの68pinモデルだ。SCSIの中では比較的高密度化(18GBプラッタ)が進んでいるモデルで、10,000RPMにしては高いデータ転送速度が実現されている。ディスクは通常の3.5インチ用を使用してるので、ST318453LWよりスピンドル回転数が低いにかかわらず、アコースティックノイズはほぼ同一になっている。6.8Wの消費電力は、積極的な冷却を必要とせず通常に使える範疇だ。
     1GBあたり単価では、購入候補の中で最も廉価になる。
     
  3. IBM(日立) Ultrastar 36Z15 IC35L018UCPR15
     15,000RPMの80pinモデルで、なぜか68pin変換アダプタ付で約1万円の破格値で流通している。
     日立はIBMのHDD事業部門を買収し、事業統合を図っている過渡期で、実はIC35L018UCPR15にはIBM製日立製が存在するが、現在破格値で流通してるのはIBM製のようだ。
     構成としては、4.6GBプラッタのディスクを4枚使っているが、低密度がゆえにスピンドル回転数が15,000RPMであるにかかわらずデータ転送速度がふるわず、ディスク数が多いために消費電力やアコースティックノイズが大きい。安定した使用には、おそらく大掛かりな冷却が必要と思われる。
     シーク時間の3.4msecが約1万円で手に入るのは魅力だが、リスクを踏まえた覚悟の購入となる。

 以上の購入候補から、比較的高いデータ転送速度を実現し、消費電力も少なくアコースティックノイズもほどほどで、コストパフォーマンスに最も優れるST3366097LWを選択した。 (2003/12/21)

 買い物かごに : Seagate Cheetah 10K.6 ST336607LW \16,900

2-7 CPUのグレード変更(すべては2.8GHからはじまる)

 すでにCPUは、2-2の項でコストパフォーマンスを最優先してPentium4 2.6Cと決定したが、予算が少し余っていることもあって、少し踏み込んで検討を加えてみた。

 現在のPentium4とCeleronのコアには、WillametteとNorthwoodが使われているが(Pentium4 Extreme Edition 3.2GHzは例外的にGallatin)、来年の早々にはWillametteが姿を消し、新たにPrescottが登場する予定だ。そして登場するPrescottの最下位のモデルは2.8GHzで、Celeronにまで展開されるようだ。
 下記に2004/Q3までの2.8GHzクロックモデルを整理してみたが、コアタイプ、L2 Cache容量、Socket、FSB、Hyper Threading対応など5つのスペックで、なんと9種類のCPUが存在することになる。すなわち2.8GHzは、CPUのレファレンスモデル的な存在で、すべては2.8GHzではじまると言って過言でない。

Intelの2.8GHクロックモデルのロードマップ
Brand Core L2
Cache
Socket FSB Hyper
Threading
2003 2004
Q4 Q1 Q2 Q3
Pentium4 Prescott 1MB LGA775 800 ON        
533 OFF        
mPGA478 800 ON        
533 OFF        
Northwood 512KB 800 ON        
533 OFF        
Celeron Prescott 256KB LGA775        
mPGA78        
Northwood 128KB 400        

 そのようなことで、すでに決定したPentium4 2.6Cを、次代のリファレンスと呼べることにこだわりを感じて、Pentium4 2.8Cに変更した。また2.8GHzならば、オーバークロックで切りの良い3GHz(7%のオーバークロックに相当)での常用でも、まったく問題ないと思われることも、変更した理由のひとつだ。 (2003/12/22)

 買い物かごを :  Intel Pentium4 2.6C GHz (BOX、国内正規品) \18,710
     から   Intel Pentium4 2.8C GHz (BOX、国内正規品) \23,190 に変更

2-8 OSの種類の変更(OEM製品版の怪)

 OSは2-5の項において、HT(Hyper Treading)に対応するWindowsXPのProfessional OEM製品版と決めたが、情報交換広場にinitial_G氏より「Xpの種類」というOEM製品版の課題が 投稿されたので、再検討を行った。(投稿はすでにご本人によって削除されているが、貴重な情報を戴いたinitial_G氏に感謝する。)

 まず本題に入る前にOEM製品版について整理しておくが、提供形態のよって下記の2種類が存在する。
  1)パソコン本体にプリインストールされて提供されるプリインストール用
  2)今回話題になっているパーツに付属する形で提供される添付用

 それぞれのライセンス形態としては、前者のプリインストール用 はパソコン本体が変わらない限り、周辺機器などをいくら変更または増設したとしても、ライセンスが失効しないのに対して、後者は同時に購入したパーツと一緒に使わなくなった時点で、ライセンスが失効する建前になっている。(マイクロソフトは、どのパーツと一緒に購入したOSかを管理する手段がないので建前という表現を使ったが、立派なライセンス違反である。)

 次はWindowsXPのアクティベーションについて述べる。ただし、核心についてマイクロソフトも非公開なので、信憑性のほどは保障 しかねるが、情報レベルとしてとらまえた上で活用を願いたい。

 まず、プリインストール用であるが、パソコンにWindowsXPを組み込む際に、特殊なツールでBIOSを登録することにより、 ユーザーによるアクティベーションを不要にしているようだ。(事実、今回のアップグレードを決断するきっかけとなった会社で新調されたパソコンは、アクティベーションは不要だった。)
 このように組み込まれたWindowsXPは、ハードウェアの変更または追加の情報を一切チェックしない。異なるハードウェアに移動されたかどうかのチェックは、BIOSが他のパソコンのものに変更されたかどうかをチェックすることで行われる。したがって、登録されているBIOSが変更されるマザーボードの交換がない限り、アクティベーションを求められることがない。(BIOSのアップデート程度では、異なるパソコンとは判断されない。)

 さて、次は複雑怪奇なアクティベーションの解説に移るが、パーツ添付用OEM製品版とリテール版(アップグレード版を含む)は同様といわれている。ただし、パーツ添付用OEM製品版は、先にも述べた通り、同時に購入したパーツと一緒に使わなくなった時点で、ライセンスが失効するのが建前なので注意が必要だ。

 アクティベーションと呼ばれる認証の仕組みであるが、パソコンの10個のハードの情報を集めて識別するもので、下記のパーツの識別情報から判断されるといわれている。

 グラフィックカード、SCSIカード、IDEインターフェース、LANカードのMACアドレス、メモリ容量、CPUの種類、CPUのシリアル番号、HDDの種類、HDDのシリアル番号、CD-ROMなどの光ドライブの種類

 そして、パーツ交換の際には、10個のパーツのうち、LANカードを3点、その他のパーツを1点とカウントし、変更前後を比較して7点以上一致していれば許容範囲とされている(再アクティベーションが不要)。すなわち、LANカードを変更しない場合は、他のパーツが4点一致していればよく(3+1+1+1+1=7)、他の5個の識別情報が変わってよいことになる。また、LANカードを変更する場合は、他のパーツが7点一致しなければならないので(1+1+1+1+1+1+1=7)、他の2個の識別情報しか変わってはいけないことになる。
 たとえば、今回のアップグレードの場合は、マザーボード内蔵のLANカードに変わり、他の5個の識別情報が変わるので(メモリ容量、CPUの種類、CPUのシリアル番号、HDDの種類、HDDのシリアル番号)、WindowsXPが組み込まれたとすると再度アクティベーションが必要になるケースだ。

 ただし、これらは再度アクティベーションが必要になって面倒というだけであって、正しい理由を電話で告げれば、その場で認証IDが発行されるようだ。また、同じ項目の変更は何度あっても一項目の変更として扱われること、識別情報は120日でリセットされ再度変更が可能になるようだ。

【参考文献】
□ WindowsXPユーザー登録について
  http://www.proside.co.jp/support/faq/win_xp/win_xp_05.html
□ WindowsXPの導入
  http://asugi23.web.infoseek.co.jp/diyf/diy20.htm
□ WindowsXP OEM版の抱える問題点
  http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/20011031/hot171.htm

 これらを考えると、1台のパソコンで使う限り、電話で再度アクティベーションをすれば、移行が可能なリテール版に対し、パーツを変更すると使えなくなる添付用OEM製品版の運用が難しいことから、(リテール)アップグレード版を購入することに変更した。
 ということで、安いアップグレード版を探した結果、会員でもあるECバイヤーズで は実質\16,650(\18,500の1,850ポイント還元、送料無料)だったので、すかさず変更してすでに発注した次第だ。 (2003/12/23)

 買い物かごを : WindowsXP Professional w/ServicePack1a OEM \20,000(?)
     から   WindowsXP Professional アップグレード SP1 \16,650

2-9 買い物リスト

 今回の買い物パーツを整理したのが下記のリストであるが、消費税を含めて\95,529となって、年内は下がることがあっても上がることはないと思われるので、うまく予算内の10万円に収めることができそうだ。

パーツ

モデル 価格 備考
CPU Intel Pentium4 2.8C GHz (BOX、国内正規品) \23,190  
マザーボード ASUS P4C800 Standard \17,940  
RAM PC3200(DDR400) CL3 512MB(SAMSUNGオリジナル)×2 \16,300  
HDD Seagate Cheetah 10K.6 ST336607LW \16,900  
OS WindowsXP Professional アップグレード SP1 \16,650 発注済

合計

\90,980  

 現時点で値動きが激しいのはRAMであるが、DRAM価格情報でも述べているように、PC3200のSamsung製モジュールなどの高級品の値下がり幅が大きい。今回のパーツ選択においても、18日にSAMSUNGオリジナルと決めて調査した段階で\8,480(1本)だったのが、今日時点で\350(約4%)安い\8,150に値下がりしている。おそらく、週末には\8,000を切る可能性が高いが、残念ながら26日(金)に購入する予定なので、更なる値下がりの恩恵を蒙ることはないであろう。

 ということで、26日の夕に日本橋への買出しに出向き、27日からアップグレード作業に取り掛かり、新年よりリニューアルしたパソコンに変わる予定だ。 (2003/12/23)


3.アップグレード作業

3-1 バックアップ

 パーツの選択も終わり、アップグレードもあとは購入を待つだけとなったが、その間を利用してやっておきたいのがバックアップ だ。もちろん、巨大化されたアプリケーションを含む完全バックアップは無理であるが、少しの配慮することでアップグレード後の回復作業も非常に楽になる。『後悔先に立たず』にならぬよう、入念で慎重に行いたい。

 まずデータのバックアップであるが、筆者は日常のバックアップにおいて、2GBのハードディスクカードをデータ移送手段に使い、会社のマシン、自宅のメインマシンおよびノートマシンの計3台 のデータは、フリーウェアのWinSync2000を使って 、少なくとも週末に同期を取ることにしている。
 したがって、アップグレードするからといって、取り立てて 作業を必要としないが、入念に探せば保存したいデータがあるもので、今回もいくつかのファイルのバックアップを行った。日常使わず忘れているようなファイルに、意外と永久保存したいようなものもあるので注意したい。

 次にバックアップするのは電子辞書で、辞書コレクタとも呼ばれるぐらいに収集しており、数え切れないほどの辞書を所蔵しているが、これらが約1GBとなる。もちろん、ノートマシンにも入っているので、アップグレード後にLANで転送する手立てもあるが、とりあえずDVDに退避させて書き戻すのが手っ取り早い。
 またメールのログファイルなども忘れないようにしたい。

 その他は、小物のユティリティ類であるが、これらはセットアップがなくても動くのが多いので、コピーだけで使えるので、アップグレードの作業時間を大幅に短縮することができる。
 また、お気に入りやクッキーなども保存しておくと、アップグレード後のInternet Explorerの環境回復に役立つ。\Document and Settings\ユーザ名の\Favoritesにお気に入り、\Cookiesにクッキーが格納されている。保存しておいて、新たな環境の同じフォルダにコピーするだけでよい。
 また、IME辞書(かな漢字変換)に単語登録した内容なども、バックアップしておいてアップグレード後にリストアできるので、保存しておくのも有効だ。たとえば、Microsoft IME スタンダード 2002なら、辞書ツールを開いてツールタブの「一覧の出力」で、登録された内容のテキストファイルのバックアップが作成できる。新しい辞書では、同じく辞書ツールのツールタブの「テキストファイルからの登録」で、保存しておいたテキストファイルを指定すると、アップグレード前に単語登録された辞書に戻すことができる。 (追記修正2003/12/29)

 バックアップには、条件さえ揃えばもっとうまい方法もあるが。詳しくはこちら

3-2 ドライバーの準備

 新しいパーツのドライバーはもとより、OSがWindowsの2000からXPへと変わるので、できれば必要なドライバーを調査して手許に準備しておくと安心だ。特にXPのインストール時に必要なドライバーがあれば、必ず準備しておきたい。(ドライバーをフロッピーに入れて準備しなければいけないケースもある。)

 筆者のインストール構想は、購入したHDDのST336607LWに、SCSIタイプのCD-R/RWのPX-W124TSiを使い、アップグレード版のWindowsXPのセットアップを行うが、下記のような課題も考えられるので、事前に情報を収集し たり準備をしておく。

  1. WindowsXP Professional SP1に、SCSI H/AのAdaptecのASC-29160(HDD用)とAHA-2940U(CD-R/RW用)のドライバーが標準で用意されているか?
      やはりメジャーどころは心強く、OS標準で用意されているようだ。
  2. WindowsXPのCDブートでインストールが可能か?
     マザーボードBIOSのBoot Device設定にSCSIがあれば可能なはずだが、まれにCDブートができないドライブもあるので注意が必要だ。テストそしてみた結果、問題なくCDブートができたので安心だ。
     不運にもCDブートができないドライブの場合には、インストールするCD-ROMのバージョンに応じて、マイクロソフトサイトのこちらから、起動ディスク用のモジュールをダウンロードし、起動ディスクを作成しておく。

 WindowsXPには、ZIP圧縮ファイルの解凍エンジンが組み込まれていて、エクスプローラの右メニューで利用できるが、LZH圧縮ファイルなどは解凍できないので、使い慣れた解凍ソフト を準備しておくと便利だ。また、必要なファイルをCD-RかDVD-RAMに準備しておけば、アップグレード直後の手馴れないOSでも、効率的にドライバーのインストールができるだろう。 その場合、解凍の必要なファイルは、解凍しておけば手間が省ける。なお、WindowsXPでは、特別なドライバーを必要とせず、標準でDVD-RAM)をサポート しているので、ドライブが認識された時点でDVD-RAMを読み書きすることができる (追記修正2003/12/29)

3-3 ドライブ構想

 準備の最後は、メディアデバイスのドライブレターとHDDのパーティションの構想を、アップグレード作業中に戸惑わないように整理しておこう。下記の構想は、新しく購入したST336607LWのジャンパピンのみID 3に設定し、現状のパーツのジャンパピンはそのままで、触らなくともよいようにした。
 ところが、実際には問題があって、HDDのジャンパピンによる設定は取り消し線の下に変更した。

ドライブ メディアタイプ

パーツ

インタフェース
A FDD TEAC FD-235HG (IRQ 6)
C HDD Seagate ST336607LW  8GB 29160 ID 3
      0
D 26GB
E Seagate  ST39204LW×3
 3本のストライピング
 3GB 29160
ID 0/1/2
  1/2/3
F 18GB
G  5GB
H CD-R/RW PLEXTOR PX-W124TSi 2940U ID 5
I DVD-RAM I-O DATA DVR-ABH4 IDE 0-0
J MATSHITA LF-D321JD相当品 IDE 1-0
K CARD R/RW I-O DATA CDOCK IN/SC 2940U ID 0

 DVD-RAMは、Windows2000においては、リムーバブルディスクとCD-ROMドライブの2つのドライブレターを必要としたが、WindowsXPではDVD-RAMドライブの1つになるため、ドライブレターの管理もずいぶんとシンプルになる。 (2003/12/26)

3-4 パーツの確認

 予定通り26日の夕方、会社での仕事納めの後に大阪日本橋のPCワンズに出かけて、OSを除くパーツ一式を購入してきた。購入予定していた在庫もあり、価格も変わってなかったのでリスト通りとなった。

 実は心配していたのだが、OSのWindowsXP Professional アップグレード版の入荷で、当初のOEM版を購入する予定を急遽変更し、最も安かった通販ショップに22日に発注したが、26日朝の出荷確認のステータスでは「発送準備中」になっていた。パーツが揃っても、OSがなければ始まらないアップグレードなので、通販ショップに発送予定を電話で問い合わそうかとやきもきしていたところ、夕方近くになってステータスが「25日出荷」に変わった。「25日出荷」ならすでに届いているはずと自宅に電話したところ、届いているとのこと。ヽ(^o^)丿
 ※通販での購入は、十分な余裕ををもって発注すること。やきもきするのは心臓に悪い。(^^ゞ

 ということで、昨晩はパーツ一式とOSを枕元に置いて、アップグレードの夢を見ながらぐっすりと眠った。
 休日であるのに朝が早いと家人にからかわれたが、今朝は少し早めに起きて、購入したパーツとOSのパッケージを開き、マニュアルを読んだり欠損・欠品がないのを確認し、アップグレードのスタートを切った。 (2003/12/27)

3-5 HDDのならし運転

 まず、Seagate Cheetah 10K.6 ST336607LWの面構えだ。

 

 当初の予定では、まっさらなところにWindowsXP Professionalをインストールするつもりだったが、急遽予定を変更しならし運転も兼ねて、現行のシステムにセッティングをしてみた。
 
 ところが、SCSI H/AのAdaptec ASC-29160のSCSIケーブルに1つコネクタが空いてるとこまでは確認していたが、電源ケーブルに空きがないことを発見する。電源分岐ケーブルを必要とするが、必要のないときにはいやというほど見かけるが、いざ探してみるとなかなか見つからないものだ。パソコンショップに走る覚悟を決めた頃、押入れのジャンク箱からやっと見つかった。(^^ゞ ※意外と忘れやすいので注意が必要。

 まずドライブ構想で決めたIDをジャンパピンにて 3 に設定し、空きのドライブベイに取り付けた後、SCSIケーブルと電源ケーブルをつないで起動させると、ぶじに正しく認識された。
 WindowsXPをインストールする際に間違って失敗しないように、ドライブ構想にしたがい8GBと26GBのパーティションを切り、NTFSのダイナミックディスクでフォーマットも済ませ、現在のドライブレターは N:\ と O:\ になっている。(WindowsXPをインストールする際に、パーティションを切りながらセットアップが可能と思われるが、慣れないインストールだけあって失敗する可能性もあるので、あらかじめパーティションを切ってフォーマットも済ませておいた。)
 ついでに、現システムの約4GBのファイルのバックアップを O:\ 作成しておいた。
 後日談であるが、しかしこの方法はうまくいかなった

 せっかくなのでHDBENCH(Ver.3.30)でベンチマークを取ってみたが、Readが68220KB/sでWriteが22908KB/sだった。一昔前のST39204LWのベンチマークと比べると、Readは約2倍の圧倒的な速さを叩き出しているが、Writeに少し難があるような感がある。(古いチップセットやOSとの相性も考えられるので、アップグレード後に調査する予定だ。)


旧システムでのSeagate ST336607LW
DISK Read/68220 Write/22908 FileCopy/3118 (KB/s)

 

 さて、アップグレード後にもそのまま使えるドライブができたので、3-1のバックアップの項で挙げたDVD-RAMに保存したファイルは、むしろこのHDDに保存する方が読み出しなどが早いので、再度バックアップし直すことにした。 (2003/12/27)

3-6 マザーボードの仮組み

 とりあえず、まずマザーボードにCPUとRAMを組み込んだ。
 CPUをまずマザーボードのCPUソケットに取り付け、その上にヒートシンクとファンを組み込む。複雑な作業のようにも思えるが、マザーボードのマニュアルに書かれた通り行えば、それほど難しい作業ではなかった。マザーボードP4C800のPDF版のマニュアルは、ASUSサイトのこちらに掲載されている。
 RAMは、マザーボードにより使用するDIMMスロットの推奨構成が存在するが、この例ではその内のデュアルチャンネルDDRとして動かす場合の推奨構成から、DIMM A1(青)とDIMM B1(青)の2つを使用している。

ASUS P4C800 Rev.2.00にCPUとRAMを仮組みした状態

 

 現在国内で売られているIntel製CPUには、リテール品(ボックスタイプ)として国内正規代理店経由と並行輸入品経由、およびバルク品の3種類 のものが流通しているが、右の画像は国内代理店経由であることを保証する、外箱に貼られていたカードだ。日本国内において、日本語でのサポートと3年間の製品保証が受けられるらしい。詳しくはこちら

 下の左の画像はCPU外箱に貼られていたシール。下の右の画像はCPUコアを覆っているヒートスプレッダに刻まれたマーキングだ。
 これらのシールとマーキングから、Pentium4 Processor 2.80CGHz/ 1.525V max/System Bus 800MHz/512KB L2-Cashe/PGA-478 パッケージ/プロダクトコード BX80532PG2800DSL6WT(SL6WTがsSpec#に相当)/製造週 2003年38週/製造ライン A333/パッケージ 2003年11月7日/製造国 マレーシア、などの情報が読み取ることができる。

Pentium ○ 4 Processor 2.80CGHz 1.525V max.
System Bus 800MHz, 512KB L2-Cache, PGA-478 Pkg
PROD. CODE: BX80532PG2800DSL6WT
MM # : 852644
PRO/BATCH #:Q338A333
VERSION #:C30474-006
PACK DATE : 11/07/2003
MADE IN MALAYSIA

INTEL ○○'02
PENTIUM○4
2.80GHz/512/800
SL6WT MALAY
Q338A333
T338A860
0564

 

  下図のDIMMに貼られたシールにはSAMSUNG/0346/KOREA/PC3200U-30331-B2/M368L6423ETM-CCC/512MB DDR PC3200 CL3と印刷され、またチップには右のようにSAMSUNG 343/K4H560838E-TCCC/BEIG18GAU KOREAとマーキングされていた。すなわち、SAMSUNG製チップを使ったSAMSUNG製モジュールで、SAMSUNG純正やSAMSUNGオリジナルと 呼ばれるDIMMモジュールだ。
 また、よほどメジャーなものらしく、IntelのModule System Validation ResultsDDR 400 QVL for ASUS P4C800E Deluxe, P4C800 Deluxe, P4C800 Motherboards(推奨ベンダーリスト)に 、高い互換性を有した動作確認済とリストアップされている。 (2003/12/28)


 

3-7 OSのインストール

 発売されて間もないマザーボードの場合は、何かと不具合の可能性もあるので、最初にBIOSのアップデートをしておくのが好ましい。しかし、P4C800は、すでに5月に発売され、Revも2.00に上がっていることから、BIOSのアップデートは後に回すことにした。

 いよいよOSのインストールになるが、マザーボードBIOSの設定はまったく弄らずデフォルトにて行った。

  1. CPUとRAMを取り付けて仮組みをしたマザーボードをケースに取り付ける。
  2. ビデオカード、SCSI H/Aの ASC-29160(HDD用)、AHA-2940U(CD-R/RW用)のカードを組み付ける。
  3. 新しいHDD(ST336607W)、インストール用のCD-R/RWドライブだけに、SCSIと電源のケーブルを接続する。(インストール時の最小構成)
  4. 電源装置の20ピンATXと4ピン ATX 12VやLED・スイッチ類のケーブルをマザーボードに配線する。
  5. Windows XP Professional アップグレード版のCDを挿入し、電源スイッチをONする。
  6. 「ピッ」と短いビープ音でBIOSの読み込みをスタートし、メモリチェックの後、デバイスなどの認識が始まる。(なにか異常があれば、「ピー、ピー」(n回)と長いビープ音が鳴る)
  7. SCSIデバイスの認識の後、「シュッ、シュッ」というCDを読み取る小気味好い音をたてながら、あっけなくブートCDは成功する。
  8. しばらくすると、アップグレード版の元になる製品版のCDを求められるが、WindowsNT Workstation 4.0のCDを挿入してクリアする。
  9. その後、インストールするHDDのパーティションを聞かれるが、ここで問題が発生する。すでに古いシステムにおいてパーティションを切り、すでにフォーマットも終わっているはず のHDDだが、何故か新しいまっさらなHDDとしか認識しない。インストール用のパーティションを失うのは一向に構わないが、アップグレード後の作業を効率的に行うため、2番目のパーティションに は約4GBのバックアップを行っていたのに残念だ。(更に後日談があり、救世主が現れる)
  10. しかたなく、新たにパーティションを切って継続し、約1時間でインストールはぶじに終了した。

 画像は、インストールが完了したWindowsXPのタスクマネージャのパフォーマンスタブを開いたところだが、HTテクノロジによって 、物理的に1つのCPUでありながら2つのスレッドを同時に実行できるので、デュアルCPUと同じようにCPU使用率は2つ表示される。ただし、あくまでも擬似デュアルCPUなので、性能は本物のデュアルCPUには適わない。 (追記修正2003/12/30)

3-8 デバイスの構築

 インストールがとりあえずぶじに終了したので、新旧デバイスのセットアップを行う。

  1. CD-R/RWドライブのドライブレターの最適化
     まずドライブ構築を行うにあたり、ドライブレターが複雑なこともあり、ドライブ構想にもとづいて、現在E:\のCD-R/RWドライブをH:\にずらして、この間に旧いHDDのドライブレターを構成する予定だ。

  2. 旧いHDD(ST39204LW)3本のセットアップ
     旧いシステムでは、1本(SCSI ID 0)を起動ドライブを含むC:\とD:\の2つに分割し、2本(SCSI ID 1/2)でストライピングを組んでE:\/F:\/G:\として使っていたものだが、新たにフォーマットしなおして、3本でストライピングを組み、E:\/F:\/G:\として使用する予定だ。

     旧い3台のHDDにSCSIと電源ケーブルを接続してシステムを起動したところ、な〜んとWindows2000の起動画面が出たところで止まっているではないか。原因はSCSI IDにあって、旧いHDDのSCSI IDは0/1/2、WindowsXPをインストールした新しいHDDのSCSI IDが 3であることに起因している。要するにSCSI H/Aのデフォルトでは、SCSI IDの小さい順にデバイスを検索し、見つかった起動デバイスをブートするので、SCSI ID 0の旧いWindows2000がインストールされてるHDDがブートされたわけだ。
     対策方法としては、SCSI H/Aの設定(SCSI Select)もしくはマザーボードのBIOSで 、Boot SCSI IDを変更すれば回避できるずだが、特殊なことはできるだけ避けたいこともあって、面倒であったがジャンパピンでの設定を、新しいHDDは0、旧いHDDは1つづつずらして1/2/3と変更した。

     再起動するとぶじにWindowsXPが起動する。もしやと思い旧いHDDをエクスプローラにて覗いてみたところ、ストライプボリュームを含むすべてのファイルが見えるではないかヽ(^o^)丿。
     WindowsNT当時から、マシンをリプレースする時のHDDの移設において、ストライプボリュームの復旧は大きな課題であったが、Windows2000で新しく採用されたディスク管理方式のダイナミックディスクでは復旧が楽になった。その種明かしは、ディスク構成情報を、WindowsNTまではマシンのレジストリに保存されていたのを、ダイナミックディスクではディスク側に記録されるようになったので、特別なことをしなくとも、移設後の環境でストライプボリュームが復旧されるようになったらしい。

     旧いHDDが見えたので、新しいHDDの第2のパーティションのD:\に目ぼしいファイルのバックアップを行った後、再フォーマットしてストライプボリュームのE:\/F:\/G:\を作成した。

  3. DVD-RAMドライブのセットアップ
     2台のDVD-RAMドライブは、他にIDEデバイスを使う予定がないので、プライマリ・マスタ(IDE 0-0)とセカンダリ・マスタ(IDE 1-0)を使用する。それぞれをIDEケーブルでマザーボードに接続し、ドライブの電源ケーブルを接続してWindowsXPを起動したところ、すでにOSに認識されて使える状態となった。
     標準でサポートされてるとはいえ、Windows2000でDVD-RAMドライブを使うためには、数回のOS再起動を余儀なくされるが、WindowsXPではあっけないもので、進化した新しいOSを感じさせる。

  4. CD-R/RWとDVDの書き込みソフトとDVD-RAMドライバーのインストール
     WindowsXPは、標準でCD-R/RWとDVD-RAMの書き込み機能を備えているが、後に詳細を述べるが、機能的に物足りないこともあって、書き込みソフトのDVD Recorder GOLD 7とB's CLip5をインストールした。ソフトとドライバーのインストールは問題なく完了し、それぞれのドライブで、それぞれのメディアに書き込みができるようになった。

     通常はインストールする書き込みソフトが、競合しないようにWindowsXP標準の書き込み機能をオフにする。
     市販の書き込みソフトをインストールした後に、書き込みが正常に行えない場合は、対象ドライブの「プロパティ」の「書き込み」タブを開くと、右の画像が現れるので、「このドライブでCD書き込みを有効にする」のチェックを外せばよい。
     メッセージが言葉足らずなので補足すると、「(WindowsXPが標準で備える書き込み機能を使って)このドライブでCD書き込みを有効にする(有効にするとDVD-RAMの書き込みはできなくなります)」ということになる。すなわち、WindowsXPが標準で備えるCD-R/RWとDVD-RAMの書き込み機能は二者択一であり、両者のドライブまたはマルチドライブを搭載するマシンでは、どうしても市販の書き込みソフトが必要になる。

  5. CARD R/RW (PCカードリーダライタ)のセットアップ
     以前の記事で紹介したが、3.5"/5"ベイ内蔵型 SCSI対応PCカードリーダライタと呼ばれるもので、接続インターフェースがSCSI-2に対応しているユニークな製品だ。したがって、SCSI H/AのAHA-2940Uに接続するが、SCSIケーブルで接続し、電源ケーブルを接続するだけで問題なく使用できた。
     またWindows2000ではカード認識ロジックに一癖あったが、WindowsXPでは その問題が一気に解決し、使い勝手がすこぶる向上した。

  6. テレビチューナカードのセットアップ
     PCIスロットを使うカードの最後になるが、アルファデータのAD-TVK501を取り付け、WindowsXPを起動すると、OSが自動認識してドライバーを要求する。このカードは約3年半前に購入した廉価に属するカードであるが、サポートがしっかりしていて、WindowsXP用のWDMドライバーが提供されている。あらかじめ準備しておいたドライバーで難なく使用できるようになった。
     従来のシステムでは、テレビを受信しながらインターネット・エクスプローラを開くと、テレビ画像が一瞬止まったが、新しいシステムではまったく起こらないようになった。マシンパワーが大きくなって、パワーの余裕ができたためと思われる。しかし、必要十分なマシンができました。テレビ画像をマウスでクリックしてディスプレイ上で引きずり回しても、画像はしっかりとついてきます。
     ここまでで、ケース内にアクセスしなければならない作業は完了したので、ケースを閉めた。

  7. 内蔵LANデバイスのセットアップ
     マザーボード上に搭載された3COM Gigabit LOM(3C940)のセットアップを行う。ドライバーは、とりあえずマザーボードに添付されたCDを使って行ったが、難なくセットアップが完了。
     次いでネットワークの設定を行うが、WindowsNT→Windows2000と使ってきてしっくりこないのが、WindowsXPのネットワークの設定で、どこに設定する場所があるかが皆目わからない。ただ家庭内の数台のLANならば、とにかく繋がればよいことから、ワークグループの設定とLANに繋がったマシンのユーザーアカウントに、ユーザーIDとパスワードを追加することで、力づくで繋ぐことができる(^^ゞ。
     1点だけ注意が必要なのは、ローカルエリア接続のプロパティの詳細設定タブのインターネット接続ファイアウォールにチェックが入っていると(右の画像)、内部のLANを繋ぐ障害になることもあるので、チェックを外しておくのが好ましい。ファイヤーウォールは、むしろもっと高機能で高性能な、市販アプリを使うべきと筆者は考えている。

  8. 内蔵Audioデバイスのセットアップ
     マザーボード上に搭載されたSoundMaxのセットアップを行う。ドライバーは、とりあえずマザーボードに添付されたCDを使って行ったが、難なくセットアップが完了。

  9. ディスプレイドライバのインストール

  10. マウスドライバのインストール

  11. プリンタのセットアップ
     プリンタは、昨年の夏に曰く付きで購入したhp deskjet 5551で、難なくセットアップが完了。

  12. イメージスキャナーのセットアップ
     最後のデバイスのセッティングとなるが、イメージスキャナーは、WindowsNTで使えるのが希少だった頃の1997年に購入し、すでに6年にもなる年代ものの、SCSI接続のエプソンGT-5500WINSだ。まだWindowsXPで使えるものかとエプソンのサイトで調べると、Windows標準でWindowsXPに標準添付されてるドライバーで利用可能となっている。

     SCSIケーブルを接続し、WindowsXPを起動しようとすると、SCSI H/AがGT-5500WINSを認識したところで、止まってしまうトラブルが発生した。英文のエラーメッセージによると、デバイスをブートするために必要なメディアを入れるのを求めてるようだが、イメージスキャナーでブートができるはずがない。SCSI H/Aは、イメージスキャナーをブートができる機器と勘違いしているようだ。そこで、SCSI H/Aの設定(SCSI Select)で、Host Adapter BIOSをEnableからDisableに変更し、デバイスのブートを無効にして再度WindowsXPを起動したところ、ぶじ起動が完了し瞬時にGT-5500WINSが認識された。

     グラフィックソフトなどからスキャナーでの読み込みを選択すると、画像取り込みユティリティが現れて、特別なドライバやソフトをインストールしなくても、スキャニング ができる環境が、WindowsXPには標準で装備されている。Windows2000では、TWAINなどのドライバーやユティリティソフトなどをインストールして、はじめてスキャニングができる環境になったが、便利な時代になったものだ。

 以上でデバイスの構築のすべてが完了したので、WindowsXPのアクティベーションを行った。WindowsXPのインストール後 に、やたらアクティベーションをするように促されるが、システム構築が完成するまで行ってはならない。なぜならば、急いで登録をすると、 その後に追加したデバイスで、登録したアクティベーションが失効しかねない認証の仕組みになっているからだ。  (大幅追記修正2003/12/31)

3-9 System Specifications

 新旧のパーツを含めたハードウェアのアップグレード作業が完了したので、System Specifications(システム仕様)を作成した。行頭のピンクのセルがアップグレードで揃えたもの、それ以外は旧パーツとなる。
 通常のPICから離れたDual CPU用のIOAPICをしばらく使っていたので、最近のPICの情報に疎くなっているが、IRQは15までというのはすでに過去の時代で、拡張されてるようですね(^^ゞ。  (2003/12/31)

SYSTEM SPECIFICATIONS

PARTS

SLOT IRQ ID

DRIVE

  M/B ASUS P4C 800 Rev.2.0(BIOS 1014) 8
  SOUND SoundMAX Integrated Digital Audio   17
  LAN 3Com Gigabit LOM (3C940)   22
  CPU INTEL Pentium 4 2.8C 13
  RAM DDR SDRAM 512MB PC3200 CL3 DIMM A1
  DDR SDRAM 512MB PC3200 CL3 DIMM B1
  VIDEO AOpen Aeolus MX440 8X-DV64(N8)DDR AGP 16
  SCSI H/A ADAPTEC ASC-29160 PCI 4 21 7
  HDD SEAGATE Cheetah 10k.6 ST336607LW 0  C/D
  SEAGATE Cheetah 18XL ST39204LW 1 E/F/G
(Stripe)
  SEAGATE Cheetah 18XL ST39204LW 2
  SEAGATE Cheetah 18XL ST39204LW 3
  SCSI H/A Adaptec AHA-2940U PCI 2 22 7
  CARD R/W I-O DATA CDOCK IN/SC 0 K
  CD-R/RW PLEXTOR PX-W124TSi 5 H
  SCANNER EPSON GT-5500WINS 6
   DVD-RAM I-O DATA DVR-ABH4(GSA-4040B) IDE 0-0 14   I
  MATSHITA LF-D321JD相当品 IDE 1-0 15   J
  TV TUNER ALPHA DATA AD-TVK501 PCI 5 10/20
  K/B Owltech OWL-KB106J 1
  FDD TEAC FD-235HG 6 A
  MOUSE Microsoft IntelliMouse Optical 12
  PRINTER hp deskjet 5551 USB  
  MODEM
 (ADSL)
NECアクセステクニカ
DIRECTSTAR Aterm DR202C
  DISPLAY iiyama HM204D(fH=142/fV=200)
  CASE IW-Q500ATX(full tower)
  P/S ENERMAX EG651P-V(E) (650W)
  SPEAKER Thor Speaker SP-400(internal)
  TRANS NISSYO MF-500U(500W)
  HUB PLANEX FX-05SC
  OS Windows XP Professional (Version 2002 SP1)

デバイスマネージャのIRQ表示
 

ケース内は大きく変わったものの、外見に変化がなくて寂しいので、
ケースに貼った「intel inside Pentium4」と「Powered by ASUS」のシール。
(最左は、壊れたので増設したリセットスイッチ。)


4.WindowsXPのカスタマイズ

4-1 インタフェース

 WindowsXPに移行しまず戸惑うのは、ユーザーインタフェースが大幅に変わったので、Windows 2000やMeのコントロールパネルなどで行っていた設定を、どこで行なえ ばよいのか分かりずらい点だ。また、ダイアログボックスは 、見た目には綺麗で分かりやすくなった反面、冗長的な部分も多く、メモリリソースを食い減らす原因にもなっている。
 そのようなことから、いままでの質実剛健なインタフェースに慣れ親しんだユーザーには、WindowsXPのインタフェースに馴染めない人も少なくないだろう。 筆者もその一人である。

 ところがよくできたもので、WindowsXPにはユーザーの嗜好に合わせたインタフェースが用意されていて、ノーマルモードとWindows 2000やMeのようなクラシックモードの2種類が用意されている。
 下記は、筆者のデスクトップのキャプチャ画像であるが、WindowsXPのノーマルモードとクラシックモードを使ってWindows2000に限りなく近づけた例だ。クラシックモードを使ってカスタマイズすれば、Windows2000を使っていた時と同じ感覚で使用できるため、かなり重宝している。


 
WindowsXPのノーマルモード(1600×1200)



 
WindowsXPのクラシックモードでWindows2000に限りなく近づける(1600×1200)

 Windows2000に限りなく近づけるためのカスタマイズのポイントを紹介する。

  1. テーマの変更
     デスクトップの何もないところを右クリックして、メニューから「プロパティ」を選択し、「画面のプロパティ」の「テーマ」タブを開き、「テーマ」欄から「Windows クラシック」を選択する。
  2. スタートメニューの変更
     タスクバーを右クリックして、メニューから「プロパティ」を選択し、「タスクバーと[スタート」メニューのプロパティ」の「[スタート」メニュー」タブを開き、「クラシック[スタート]メニュー 」を選択する。
  3. フォルダの表示方法の変更
     エクスプローラの「ツール」メニューから「フォルダオプション」を開き、作業欄の「従来のWindowsフォルダを使う」を選択する (追記修正2004/01/03)

4-2 エクスプローラの起動オプション

 Windowsで行う作業の中で最も多く使われるツールは、おそらくエクスプローラであろうが、使い勝手のいかんによって効率も大きく変わるので、自分にフィットした状態にカスタマイズして使いたいものだ。

 WindowsXPのエクスプローラをデフォルトで開くと、マイドキュメントが展開され、マイコンピュータが折りたたまれた状態で表示される。マイドキュメントをよく使う人にとっては好都合だが、筆者のようにほとんど使うことがなく、むしろ各ドライブにアクセスしたい場合には、マイコンピュータを展開するための1アクションが必要となり、使い勝手が悪い。

 そこで、エクスプローラの起動オプションによって、マイコンピュータのCドライブが展開され、マイドキュメントが折りたたまれた状態で起動するようにしている。

 エクスプローラに起動オプションをつけて起動する方法

  1. デスクトップにエクスプローラのショートカットアイコンを作成する。
  2. ショートカットアイコンを右クリックし、「エクスプローラのプロパティ」の「ショートカット」タブを開く。
  3. リンク先欄の「explorer.exe」の後ろに「 /n,/e,C:\」(スペース/n,(カンマ)/e,(カンマ)C:\)を追加する。
     [オプションパラメータ]
      /n, 常にエクスプローラを新規起動する
      /e, 左側にフォルダ一覧のあるフォームで起動
      /root,(path) 起動時にルートとみなすフォルダを指定
       /select,(obj) 指定したオブジェクトを選択反転した状態で起動 (2004/01/03)

4-3 エクスプローラの「送る」メニュー

 エクスプローラでフォルダやファイルを選択して右クリックすると、「送る」メニューを使ってコピーできるが、デフォルトにおける送り先は、リムーバブルメディアのルートディレクトリに限定されている。
 送り先がいつも決まっていれば、送り先フォルダのショートカットアイコンを作成し、SendToフォルダ(%SystemRoot%\Documents and Settings\%user name%\SendTo)に入れておけばこと足りる。

 ところが、下記のような少し複雑なことをしようとすると、プログラムでも組まない限り不可能だ。

  1. 送り先に任意のフォルダを指定したい。
  2. 一度使った送り先は履歴が記憶され、次回から選択だけで簡単にしたい。
  3. コピーだけでなく移動もしたい。

 そこで、かの有名なマイクロソフトのWindows開発部隊の手によってプログラムされた、フリーウェアのWindowsカスタマイズツールのPowerToysのお世話になることになる。
 15個のツールが収められたWindows 95 Power Toys Setの中に含まれる「Send To X 1.4」が、「送る」メニューのカスタマイズツールであるが、新しくなったMicrosoft PowerToys for Windows XPには収録されていない。しかし心配は無用で、Windows 95 Power Toys Setに含まれる「Send To X 1.4」は、WindowsXPでも使用することが可能だ。なお、「PowerToysを日本語化する」を使用すれば、すべてのツールを日本語化して使用できるほか、必要なツールだけを選択して、インストールできるようになる。

 右上の画像は、「Send To X 1.4」をインストールした後に「送る」メニューを開いたところだが、下記の4つのメニューが追加されている。

  1. 任意のフォルダ
     右のダイアログボックスが開き、任意の指定したフォルダに、ファイルやフォルダ(複数可)を送ることができ、コピーと移動が選択できる。 [CTRL]キーを押しながらファイルやフォルダを選択した場合は、ショートファイルネームが使用される。
     
  2. クリップボードに名前をコピー
     ファイルやフォルダ(複数可)の名前をクリップボードにコピーする。 [CTRL]キーを押しながら項目を選択した場合はショートファイルネームがコピーされる。
     
  3. クリップボードに内容をコピー
     ファイルをクリップボードにコピーする。 [CTRL]キーを押しながらファイルを選択した場合は、ファイルタイプ選択のダイアログボックスが開く。 実際のファイルタイプとは違うものを指定した場合は、使用できるデータがクリップボードにコピーされるとは限らない。
     
  4. コマンドライン
     ファイルをコマンドラインに送り、ファイル名が入力された状態で「ファイル名を指定して実行」ダイアログボックスが起動する。 [CTRL]キーを押しながら項目を選択した場合は、ショートファイルネームが使用される。 (2004/01/04)

4-4 Tweak UI

 カスタマイズの仕上げは、Tweak UIを使って細かなユーザインターフェースを設定する。
 Tweak UIは、前に触れたPowerToysに含まれるツールで、最新はMicrosoft PowerToys for Windows XPに含まれるWindowsXP SP1およびWindows Server 2003に専用のVersion 2.10となる。最新のこのVersion 2.10が最も多機能なので、WindowsXPではこれを使いたい。「X-Toysを日本語化するプロジェクトチーム」による日本語化ツールも用意されている。

 Tweak UIには、マウスのクリックスピードやホバーの感度、エクスプローラやタスクバー、マイ コンピュータの設定、そのほか数多くの設定変更など、紹介できないほど多くの機能があるが、筆者はショートカットアイコンの矢印をなしにしたり、ドライブの自動再生を無効にするなどの設定に重宝している。  (2004/01/04)

4-5 チューニング

 この章の最後は、筆者のマシンで行っているWindowsXPのチューニングについて紹介する。

 大手の検索サイトにおいて、"WindowsXP (and) チューニング"を検索語にとして検索すると、おそらく数千のページがヒットするはずだが、それほどにWindowsXPのチューニングに関するTipsにはことかかない。そして、それらのTipsの多くは、「メモリに余裕があれば、そのメモリを有効に活用すると、もっと快適な環境が構築できますよ!」という手のものが多い。
 メモリが高価だった時代※はともかくとしても、昨今では1GBを買っても2万円でお釣りのくるよき時代なので、ど〜んとメモリを搭載してメモリ大尽を謳歌したいものだ。(※メモリがこれほど安くなったのもここ数年のことで、1GBといえば過去の記録では、1998年4月に約80万だったのが、同年6月に約16万にまで大暴落したのが記憶に新しい。)

 そのようなことで、メモリ設定に関するTipsが多くなるが、数あるTipsの中から、実際に筆者が設定している6つについて紹介していこう。(すべての設定は、レジストリエディタ(regedit.exe)を使用し、「キー」が存在しない環境では、該当のレジストリの場所に「キー」を作成する。)

 まずは、唯一メモリと関連しない内容となる「L2キャッシュサイズの最適化」だ。 

L2キャッシュサイズ
の適正化

WindowsXPがL2キャッシュの搭載容量を認識できない場合には、デフォルトの256KBに設定される。Pentium4は、L2キャッシュを512KB搭載しているが、正しく認識されない場合は、L2キャッシュ容量を直接指定することが可能になる。

レジストリ

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\SessionManager\Memory Management
キー SecondLevelDataCache

デフォルト 256
設定値 512
設定方法 DWORD値の編集で、値のデータを10進表記で"512"を入力する。

 以降より、メモリに関連する内容となるが、最初は「エクスプローラを別のプロセスで実行する」ようにする方法について紹介する。

 Windowsの操作中に、エクスプローラのハングアップに見舞われた経験を、だれもが持っていると思うが、WindowsXPになってもこの問題は回避できてないようだ。これは、エクスプローラだけが悪いのではなく、その上で動作するアプリケーションや環境などが挙げられる。
 たとえば、ネットワーク上のファイルをコピーしている際に他の処理を行おうとすると、エクスプローラが反応しなくなって、ハングアップするケースが多いことなどが挙げられる。Windows2000以降は、エクスプローラがハングアップしても、他のアプリケーションも同時にダウンする『道づれ現象』はなくなったものの、悪影響を与える可能性は大いにある。
 そこで、「エクスプローラを別プロセスで実行する」意義がある。この設定を行うと、エクスプローラがハングアップしてしまっても、他のアプリケーションやデスクトップなどに、アクセスできるようになるはずだ。

エクスプローラを
別のプロセスで実行する

エクスプローラを別のプロセスで実行させることによって、エクスプローラがハングアップしても、他のアプリケーションに悪影響を与えることがないようにし、WindowsXPの安定性を向上させる。

レジストリ

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer
キー DesktopProcess

デフォルト 0
設定値 1
設定方法 DWORD値の編集で、値のデータに"1"を入力する。

 次に、エクスプローラの任意のフォルダで、[ツール]メニュー→[フォルダオプション]→[表示]タブと開き、[詳細設定]欄にある[別のプロセスでフォルダウィンドウを開く]にチェックを入れる。
 以上で、エクスプローラとフォルダウィンドウが別のプロセスで実行されることになり、メモリ使用量と引き換えにWindowsXPの安定性が増すはずだ。

 あと4つのメモリに関連するチューニング内容は、過去の記事「メモリ大尽に捧げるWindows2000設定」を参照願いたい。(Windows2000での設定だが、WindowsXPでも変わらない。) (2004/01/30)


5.システム見参

5-1 マザーボードBIOS

 マザーボード(ASUS P4C800)のBIOSは、とりあえず工場出荷状態から変えずに使ってきたが(各設定値もデフォルトのまま)、アップグレードも一段落したので、まずは最新BIOSへのアップデートを実施した。

 ASUS P4C800におけるBIOSの管理と更新には、下記のような3種類のBIOSアップデート方法と回復(修復)方法が存在する。EZフラッシュとCrashFree BIOS2の場合には、あらかじめBIOSに組み込まれたプログラムを使用して自動実行されるので、BIOSファイル名をP4C800B.ROMにリネームしなければならない。
 しばらく新しいマザーボードを使ってない間にテクノロジも進歩したもので、BIOS更新に失敗するとマザーボードがオシャカになるというのは一世代前の話であり、物理的にBIOSが破損していない限りにおいて は、CrashFree BIOS2を使って修復が可能になっている。

BIOSのアップデート
および回復方法
実行環境 BIOSファイル名 使用方法の概要
AFUDOS DOS 実際のBIOSファイル名
(例:P4CB1014.ROM)
ブート可能なフロッピーディスクにBIOSファイルを準備し、DOS環境にてAFUDOS.EXEで更新する。
 
ASUS Update Windows ハードディスクにBIOSファイルを準備し、Windows環境にてASUS Updateユーティリティを使用して更新する。
 
EZフラッシュ OS不要 P4C800B.ROMに
リネームが必要
フロッピーディスクまたはCD-ROM(ブート不要)にBIOSファイルを準備し、電源オンセルフテスト(POST)間に<Alt>+<F2>を押すことで、BIOSに組み込まれたEZフラッシュを呼び出して更新する。
CrashFree BIOS2 サポートCDまたはフロッピーディスク(ブート不要)にBIOSファイルを準備し、システムブート時に回復ツールのCrashFree BIOS2を使用して修復する。

 3種類のアップデート方法があるので、どの方法を選択するかで迷ったが、BIOSファイル名をリネームなしにDOS環境でAFUDOSを使う、最も古典的な方法を使用した。

 今回実施したVersion 1010から1014へのBIOSアップデートの手順を 以下に説明する。

  1. ブート可能なフロッピーディスクの作成(WindowsXPの場合)
     フロッピードライブにフロッピーディスクを挿入し、マイコンピュータのフロッピードライブを選択し、右クリックメニューでフォーマットを開く。
     「フォーマットオプション」の「MS-DOSの起動ディスクを作成する」にチェックを入れ、「開始」をクリックする。
     
  2. 最新BIOSのダウンロード
     P4C800のBIOSのダウンロードサイトにて、最新BIOSが入っているP4CB1014A.zipをダウンロードする。
     
  3. ダウンロードファイルの解凍とコピー
     P4CB1014A.zipを解凍してできたAFUDOS.exeとP4CB1014.ROMを、1. で作成したフロッピーディスクにコピーする。
     
  4. BIOSの更新作業
     4. のフロッピーディスクをフロッピードライブに挿入してシステムブートすると、DOSプロンプトが起動するので、下記のコマンドラインを入力する。
     A:\>afudos /ip4cb1014.rom
     (「/i」に続けて更新するBIOSファイル名を入力する 。)
     しばらくすると、BIOSのアップデートが終了してDOSプロンプトに戻るので、フロッピードライブからフロッピーディスクを抜いて再起動する。 (DOSプロンプトに戻らない間はアップデート作業中なので、絶対にフロッピーディスクを抜いたり再起動をしないこと。)

 上の画像は、更新されたBIOSのVersionが1014であるのを、ASUS UpdateのCheck BIOS Informationを使って確認しているところ。 (2004/01/08)

5-2 メモリモジュールSPD

 メモリモジュールの外見から分かる素性はすでに紹介済みであるが、PCに組み込まれて動作するようになったので、更に詳しい情報を得ることが可能となった。
 このようなメモリーモジュールの詳細な情報の入手方法をSPD(Serial Presence Detect) dumpと呼ばれており、メーカーにより出荷時にメモリモジュール上のシリアルEEPROMに格納されたSPD情報を、プログラムツールを使用して取り出すことにより行う。

 フリーウェアでDDR SDRAMのSPD dumpが取れるツールは数少ないが、その中でも最も多い表示定義を持つと思われる、www.cpuid.comが配布 するCPU-Z 1.20aを使用した。(SDR SDRAMであれば、Motherboard Monitor 5.1.0.4以前が最適。)

 CPU-ZでSPD dumpを取る方法は、[About]タブを開き、[Memory SPD]のボタンをクリックすることによって、テキスト形式のファイルに保存される。

 右の画像は、テキストファイルに保存されたSPD情報だ。(実際はModule #2の記載もあるが、Module #1とまったく同様なので省略した。)
 下の画像は、CPU-Zの[About]タブを開いたところ。 (2004/01/09)

5-3 デュアルチャンネルDDR

 マザーボードP4C800には、デュアルチャンネルDDRに関する設定がどこにもない。おそらく他のベンダーのマザーボードも同様と思われるが、一定のスペックを有した同じメモリモジュールを、マザーボードの推奨メモリ構成にしたがい、ペアで取り付けることによって、(運がよければ=マザーボードとメモリの相性)自動的にデュアルチャンネルモードが有効になるようだ。
  [参考文献] メモリが買いにくくなった理由 状況編 ベンチマーク編 考察編

 今回のアップグレードで最も気を使ったのはメモリ選択だったが、相性で引っ掛かるのも口惜しいので、あえて廉価品を避けて、マザーボードの推奨ベンダーリストにも記載があるメジャーどころのモジュールを購入した。したがってデュアルチャンネルモードが有効になっているはずだが、ほんとにデュアルチャンネルモードで動いているかを、三つの方法で検証してみた。

 まず最初は、システム起動時の電源オンセルフテスト間のPOST画面を読み取る方法だ。ただし、P4C800のBIOS Version 1014では、POST画面を見せずに、右のようなフルスクリーンのロゴ表示がデフォルトになっているので、BIOSのBoot MenuのBoot Setting Configurationを開いて、Full Screen Logoのアイテムを[Enabled]から[Disabled]に変更する。
 下のキャプチャ画像は、2枚のメモリを挿して起動させたときのPOST画面だが「Dual-Channel, Linear Mode」と表示されて、デュアルチャンネルモードが有効になっていることが分かる。
 また、更に下のキャプチャ画像は、試しに1枚のメモリを抜いて、1枚のメモリだけで起動させたときのPOST画面だが、「Single-Channel or Virtual Single-Channel」 と表示されて、シングルチャンネルモードになる。
 

2枚のメモリを挿して起動させたPOST画面
Dual-Channel, Linear Mode と表示される
 

1枚のメモリを抜いて、1枚のメモリだけで起動させたPOST画面
Single-Channel or Virtual Single-Channel と表示される

 DDR SDRAMの動作モードについて調べてみたが、Single/Dual-Channel Modeの他に、Normal/Dynamic Addressing Modeや、Linear/Tiled Modeがあるようだ。
 Dynamic Addressing Modeは、メモリ領域を単純にメモリチップに割り当てる(Normal Mode)のではなく、適当にばらして割り当てることによって、処理と同期させて高速化を図るらしい。また、内蔵グラフィック機能を利用する場合はTiled Modeとなり、そうでない場合はLinear Modeになるようだ。したがって、最速はDual-Channel/Dynamic Addressing/Linear Modeで、最遅はSingle-Channel/Normal/Tiledになる。
 Dual-Channel/Liner Modeで動かそうとしているのは事実のようだが、Dynamic Addressing Modeで動かそうとしているのかどうかは不明だ。

 二つ目のデュアルチャンネルDDR動作の検証に入るが、POST画面のメッセージは「動かそうとしている」と表現したように、あくまでもBIOSの意思であって、実際に動いているのが確認されたのではない。
 そこで次は、WindowsXP上から表示ツールを使用して検証することにした。
 使用したツールは、メモリモジュールのSPD Dumpを取るに使用したCPU-Zだ。[Memory]タブを開くと、メモリの動作状況を知ることができるが、 赤線で囲んだ「Channels #」がまさしくデュアル動作をあらわしている。(青線で囲んだ「Performance Mode」は、次項で説明する。)

 なお、右上のつぶされた文字の「Bank Interleave」は、やはりメモリアクセスを高速化する技法の一つで、VIA系のチップセットで採用されていたこともあり、インターリーブメモリとも呼ばれている。対応していれば、おそらく、2Way/4Wayなどと表示されると思われる。

 さて、最後になる三つ目のデュアルチャンネルDDRの検証は、ベンチマークソフトで実際の速度を計測することにした。
 計測にはHDBENCH(Ver.3.30)を使用し、1枚のメモリだけで起動したSingle-Channel Modeと、2枚のメモリを挿して起動したDual-Channel Modeで行った。なお、どちらも、WindowsXP起動後、ハードディスクのアクセスがなくなったタイミングを見計らい、3回づつ測定した中間値を計測値とした。


Single-Channel Mode
MEMORY Read/175461 Write/67351 Read&Write/134952
 


Dual-Channel Mode
MEMORY Read/255487 Write/90163 Read&Write/185650

 結果は、Dual-Channel ModeはSingle-Channel Modeに対し、Readで1.46倍、Writeで1.34倍、Read&Writeで1.38倍に高速化されており、Dual-Channel Modeで動いているのが検証できた。 (追加修正2004/01/11)

5-4 PAT (Performance Acceleration Technology)

 あえてコストパーフォマンスよりこだわりを優先し、PAT (Performance Acceleration Technology)と言われる高速化機能に対応した、Intel 875Pチップセットが搭載されたマザーボードを選択したが、機能を有効にする方法、有効で動作しているのを確認する方法、実際のパフォーマンスについて述べる。

 まず、PATを有効にする方法であるが、ASUS P4C800のマザーボードでは、なぜかデフォルトで有効になってないので、BIOSのAdvanced MenuのAdvanced Chipset settingsを開いて、Performance Acceleration Modeのアイテムを[Auto]から[Enabled]に変更する。([Auto]で有効になってよいようにも思うが、明示的に[Enabled]にしなければ有効にならない。)

 次に、ほんとにPATが有効になっているかの確認方法であるが、前でも紹介した優れもののCPU-Zで可能で、[Menu]タブを開いて(青線で囲まれた)「Performance Mode」が「enabled」になっていれば、PATの高速化機能を使って動作しているはずだ。

 下の画像は、Dual-Channel Modeが有効でかつPATも有効になっている状態で、HDBENCH(Ver.3.30)にてメモリ速度を計測したものだが、わずかであるがPATの効果を窺うことができる