「鶴巻温泉」
 「鶴巻二枚」
 浩三が切符をもとめているあとから、男がひとりきてそばに立った。よれよれのセルに、よれよれの袴をはいた男である。浩三は、しかし、それがさっき焼き鳥屋にいた男とは気がつかなかった。
 浩三と奈津女が改札口のほうへいくのを見送って、セルの男も、
 「鶴巻一枚」
と、ひくい声で請求した。

(角川文庫『迷路の花嫁』 110pより)

『迷路の花嫁』で浩三と奈津女、金田一耕助が泊まった、鶴巻温泉へ行って来ました。事件の舞台は昭和24年の5月ということで50年以上たっています。その頃とはまるで様変わりしているのでしょうが、小さな旅をしてきました。

鶴巻温泉は、新宿から小田急線の急行で一時間ということで、都心に近い温泉として、昨今は日帰りの入浴客が多い様です。
日頃の運動不足解消を兼ねて、秦野駅から権現山、弘法山を廻り、鶴巻温泉に着くハイキングコースを歩いてきました。

 


こんな看板を見つけてしまった。

弘法山の山頂には

「桜鐘」地元の人が、定時に鐘をついているそうです。

「乳の井戸」ここの水を人に見られないで飲むとお乳の出がよくなると言い伝えがあるそうです。残念ながら、網が張ってありました。(^_^;)

紫陽花がとても綺麗でした。

ここのところの雨でぬかるんでいた山道は歩きづらく、普段あまり歩かない私には、しんどかったです。

3時間ほどで鶴巻温泉駅に到着。

「鶴巻温泉駅」『迷路の花嫁』の時代とは、かなり違っているのでしょう。でも、駅員の方に伺ったらできた当時のままだとおっしゃってました。

駅の周辺は、高層マンションばかりでした。

温泉街には5、6軒の日帰り入浴可の旅館があります。

浩三と奈津女が泊まった宿ってこんな感じかしら?アオギリの木は見あたりませんでした。