|
西鶴一代女インタビュウ特別編 演出の加納幸和さん(花組芝居)
帝劇公演千秋楽後、短時間ですがお話を伺うことができました。本当にお忙しいなか、申しわけないと思いましたが、めったにないチャンスなのでここぞとばかりにインタビュウ!
今回、初めて崇光さんとご一緒なさって印象はいかがでしたか
「やっぱりなんでしょうね、感覚が同じなのかしら。だから、『こんな感じでこんなシーンです』と言うと『はあ、はあ』と言って出来上がってくるのがもう(自分の思った)その通りなんで、場合によってはそれ(自分のイメージ)を超えていて、それと音楽的なボキャブラリーがすごいから、びっくりしちゃう。『こんなの欲しいんです』っていうとまんまそのイメージで出てくるから驚くよねー。たとえば『ラテン』って言えば『ラテンまがい物』になっちゃうかなあ、と思っていてもまったく『まんまラテン!』っていうのが『ドーン!!』って出てくるし。もちろん、『THE家元』の曲は聞かせていただいていたんだけれど、それはまた独特なオリジナリティじゃないですか。ところが芝居だとどうしても(そのオリジナリティではなく)『ここは、クラシック風にして』とか『なんとか風に』って頼んだら、どうなるかなって思っていたらホントに望んだ風に出てくるんで驚きました。どうしても、芝居なんでミュージシャンさんのもってらっしゃる個性に対して『ここには個性はいらないんです。どうしてもこのシーンはシーンだから。』っていうところは必ずあるんです。個性、個性で押しちゃ うとベターっとしちゃうんで。ところが、今回そういうところがきちっと押さえてあって、やりよかったです。もう。」
やはり、古典のベースがあるというのが大きかったですか。
「それはもう! なんといっても言葉が通じることがとにかくありがたかったです。通じない場合だと、現物支給しちゃうんです、『この曲の、このカンジ』とか『邦楽のこのカンジ』って言って。」
花組の芝居はずいぶんたくさんの曲を使われるのですね。
「そうなんです、うちの場合。2時間の芝居で40曲くらいかな。たくさん使うんですよ。」
(今回準備された曲は約70曲。普通このくらいのお芝居だと30曲くらいだそうですが。いかに音楽が多用されたかが、わかりますよね)
このような(帝劇)大きな劇場はいかがでしたか。
「やってることは、同じことをやったんですよ。(いつもの公演と)ただ、数が多い、ものが大きい、というだけのことだったんです。結局そういう風に数があるというものを動かすってことは組織的にやらないといけないんだなあ、って。僕らだといつもちまちまとやってしまって済むことが、そうはいかないんだって。組織とか命令系統がこうなって、こうなってと、ものの見事に見せてもらいました。」
お客様の反応はいかがでしたか。
「極端な言い方をすると『花組の芝居に浅丘さんがゲスト出演しているみたい。』っていわれたのがうれしかった。今回プランナーがみんな若かったので『思いきりやれることはみんなやろうよ』っていってすべてやったんです。」
(浅丘さんがプログラムのなかで「加納さんの舞台のなかでひとり混ざっている、そんなかんじでいこうかしら」とおっしゃっています。また劇評にも「和洋渾然とした歌と踊りがふんだんに取り入れられて展開される芝居場は、装置、音楽、照明と加納の声がかりが全面に出て帝国劇場がどこか旅公演一座の芝居小屋になったような雰囲気である」(演劇界12月号)とありました。まさに、そのとおり、浅丘ルリ子さん座長芝居でありながら主役だけが突出することも埋もれることもなく舞台・役者・音楽のすべてが不思議に調和したいい舞台となりました。)
加納さん、お忙しいなかどうもありがとうございました。
|