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 ベートーヴェン 交響曲第5番

〜その迷いを断つ


 

*** プロローグ〜それは AM ラジオ番組
「八幡製鉄コンサート」から始まった
 ***

 てことで「ベートーヴェン作曲 交響曲第五番ハ短調 Op.67」です。
 第5を一枚に絞るのは不可能という声もあるだろうけど、何事もチャレンジだ!

 最初に恥を晒しておくと、中2の頃なんだけど、実は世間で言う所の「運命」が交響曲第 5番だなんて知らなかった。で、クラシックに詳しいダチが「今日ラヂオで第五やる」って教えてくれたんだが、内心(なんだ、運命じゃねぇーのかよ)なんて(バカ)思ったが、せっかく教えてくれた手前どんな曲か聴かなくてはということでとりあえず聴いた。

 そしたら何だ、いきなりアレだよ、あの始まり(ジャジャジャジャーン)だ。
 いやもうたまげたぜって、あわててテレコ回すにももう遅い。諦めて聴くだけにすっか、いや一応途中からでも録っておくか、いやキリのいいところから録ろうってんで、適当に「ジャンッ!」と鳴り終えたところでテープを走らせた。

 そしたら何だよ、またアタマからやり直して全く同じじゃないかっていうような、つまり今風に言うとループ切り貼りみたいに繰り返してくれるんだよな、これが。
 「おお、セーフ!」って謀らずも知ったんだが、これはソナタ形式とかいって、形式的に主題提示部とやらを繰り返すんだそうな。

 しかしまあ、とにかくソナタ様のおかげで一応カタチとしては無事に?録ることが出来たって話。

 でもね、その時の演奏者が誰だったかは覚えちゃいない。
 番組は確か「八幡製鉄コンサート」だったかな・・・。いや富士製鉄だったかもしれない、いや新日鉄だったかな、こちらもあやふやでスンマソン。

 でも 3号 のオープンリールに 4.75cm/sec で録った「第五」=「運命」は毎日何度も聴いた。ウチにはレコードプレーヤなんて無くて、音楽聴くにはそのテープしか無かったしイイ曲だと思ったから。曲それ自体を聴くことしか頭になかったんだな。
 だが実際それで十分シアワセだったし、それだけでも良かったんじゃないかと思う。

 それから何十年か経た今の状態は、同じベートーヴェンの「第五」でも○○指揮だの、 XX 指揮だの、??管弦楽団だの、挙句は同じ○○指揮でも某年録音だとか、また挙句には同じ○○指揮、某年録音の**レーベルリマスタとか、よくもまあこんなに「曲それ自体」と乖離したファクターで集めたもんだというようなものまで集まってしまってね。

 正直初心に帰りたくて、まあ経済的理由で整理したことも含めて、一曲一枚に絞ろうとしたことも一度ならずある。でもダメだった、じきに後悔して結局は手放した盤と同じソースをまた集めるようになって、何の事は無い二重出費の苦しみさぁね。
 でも今はネットの時代だからいろんな人達と知り合えるんだけど、同じようなこと経験してる人も居たりして「お!仲間ぁ〜!」なんてこともあるけどね。

 まあそれはそれとして、私の場合今更どうこうしても始まらないんだけど、それでも一曲一枚主義には密かな憧れがある、やはり。シンプルにスッキリしたいんだ。
 でも実行は出来ない、多分。

 だったら、だったら、だったらぁぁぁ、今やコンピュータ時代。ヴァーチャル空間とやらで「一曲一枚主義」やってみよう!

 *** モノローグ(全編モノローグなのだが)〜困難を分割せよ! ***

 あ、どうでもいいことを長々と述べスンマセン。これからが本論ってことで。

 「ベートーヴェン作曲 交響曲第五番 ハ短調 作品67」が現代人に於けるクラシック音楽の原点であることは先に述べた(述べてない気もするが)。で、これから述べるのは巷に溢れる音楽ソースの中から、いかに自分の趣味に合ったものを選び出すかってことだ。

 その方法は色々ある。例えば雑誌やガイド本の評論家の記事を参考にするとか・・・。
 で、及ばずながら私も、これからクラシック音楽でも聴いてみようかっていうキミに、ささやかな参考にでもなればと思って書いてみた。

  私の経験によるとこの曲の演奏は大雑把に二つのタイプに分けられるように感じる。それは聴けばすぐ判ることで、要するにテンポを動かすか、動かさないかということだ。

 つまり楽譜の指示以外のテンポ変動は行わないタイプと、何らかの効果を狙ってテンポの変動をつけるタイプで、便宜上それらを「 A グループ」と「 B グループ」に分けて MIDI データ化してみた。

 「 A グループ」というのは基本的にインテンポ(楽譜の指示した速度に準拠)


 「 B グループ」は気分とか効果狙いでテンポを動かすタイプ


 どう?簡単でしょう?これでキミの波長と合うのは「 A 」なのか「 B 」なのか、はっきりと自覚出来たよね? 

 それじゃあ私の手持ちから思いつくままに下の表にまとめておくから参考にしてくれ。
 選択を誤って迷い道に入り込みたくないんだったら、合うタイプのグループの中から適当に一枚だけ選べば OK だ!

 その一枚を生涯の心の糧として繰り返し聴こう!まさに涅槃の境地だ!

 と、偉そうなこと言っといて何ですが、それほど数持ってるわけではないので「けっ!」て思うかも。悪しからず。
 その他、コイツは A だぜ!とか B だぜ!とかキミの情報メールしてくれたらうれしい。

 

 

A

B

  • ギュンター・ヴァント/北ドイツ放送交響楽団
  • ヨゼフ・カイルベルト/ハンブルク国立・フィル
    (第一楽章終わりのほうでブチノイズ有り)
  • ヨゼフ・クリップス/ロンドン交響楽団
  • ヘルベルト・ケーゲル/ドレスデン・フィル(スタジオ)
  • ブルーノ・ワルター/コロムビア交響楽団
    (随所に自然なテンポ変動があるので微妙だが敢えてA)
  • リチャード・エドリンガー/ザグレブ・フィル
    (手持ちではないがNAXOSのHPで試聴可)
  • ベラ・ドラホス/ニコラウス・エステルハージ・シンフォニア
    (手持ちではないがNAXOSのHPで試聴可)
  • ロジャー・ノリントン/ロンドン・クラシカル・プレーヤーズ
    (古楽器)
  • クリストファー・ホグウッド/エンシェント室内管弦楽団
    (古楽器)
  • エフゲニ・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィル(1972)
    (プーさんの情報)
  • ユーディ・メニューイン/シンフォニア・ヴァルゾヴィア
  • ウィルヘルム・フルトヴェングラー/ウィーン・フィル
  • フランツ・コンヴチュニー/ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
  • ハンス・シュミット=イッセルシュテット/ウィーン・フィル
  • ペーター・マーク/パドヴァ・ヴェネトゥ管弦楽団
    (Aに入れても良いくらい自然で微妙だが敢えてBに)
  • ルドルフ・ケンペ/ミュンヘン・フィル
  • アンドレ・クリュイタンス/ベルリン・フィル
  • ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィル
    (え?と思う向きもあるかもしれないが、結構テンポ動かしてる)
  • カール・ベーム/ウィーン・フィル
    (微妙だが・・・やはりBかな?)
  • ピエール・モントゥー/ロンドン交響楽団
    (テンポ変動に感情が伴っていないけどね)
  • エルネスト・アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団
    (テンポ変動に感情が伴っていないけどね)
  • オトマール・スゥイトナー/ベルリン・シュターツカペレ(PILZ盤)
  • クルト・ザンデルリンク/ベルリン交響楽団(LaserLight盤Live)
  • カレル・アンチェル/チェコ・フィル
  • ヴァツラフ・ノイマン/チェコ・フィル
  • アルトゥーロ・トスカニーニ/NBC交響楽団
    (手持ちではないがNAXOSのHPで試聴可)
    (中間部で減速して歌わせるし、テーマも微妙に動かしている)
  • レオポルド・ハーガー/ザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団
  • フェレンツ・フリッチャイ/ベルリンフィル
  • アルトゥーロ・ロジンスキー/ロンドン・フィルハーモニック・交響楽団
    (これは判別が難しい。限りなくインテンポに近い)
  • 岩城宏之/オーケストラ・アンサンブル・金沢
  • パウル・クレツキ/チェコ・フィル
    (インテンポ気味だがテーマは別扱いしている。冒頭の休符が聴こえる演奏)

 

 

*** エピローグ〜ストイックな魅力
 ギュンター・ヴァント/北ドイツ放送交響楽団
 ***

 さて、ベートーヴェンの交響曲第5番はインテンポな演奏 A とそうでない演奏 B の二つのタイプに分かれた。で、MIDI 参考にして自分はどっちのノリが合うかを確認した上で、私の少ない手持ちの中からまとめた表でよかったら参考にしてフィーリングのあうグループの内の適当なヤツを選んでみたら?ってことなんだが・・・。

 で、「じゃあ、お前はどれにするんだ?」って話が来るワケ(実は来てないが)・・・。

 が、とにかく、今回は限りなく私的ではあるけど結論をまとめてみよう。
 結論から言っちゃうと「ギュンター・ヴァント 北ドイツ放送交響楽団」が「第五・この一枚!」だ。

 ところで今回の試みで気が付いたのは、A タイプ(つまりインテンポ)の演奏というのが意外と少ないということだ。
 一般的にはインテンポで楽譜に忠実と言われているトスカニーニやカラヤン、ベームとかイッセルシュテット、コンヴチュニーらも、再現部辺りでは単調さを避けるためかテンポに変化をつけている。

 てゆうか、A タイプの演奏として選んだのはむしろ杓子定規なほどの、テーマのパルスが全体を貫いていると感じさせる演奏なのだ。

 実はそれが私にとっての「第五」ってことになるのだが。

 ヴァント盤を採用したのは録音もよいし、ソナタ形式の提示部繰り返しをしていてお得感もあるし、市場価格も手頃だから。

 (吉○秀○風に)私の記憶が間違っていなければ、ヴァントの「第五」の海賊盤や裏青盤でない録音は3種類ある。

 (宇○巧○風に)その中でベストワンはまぎれもなく92年のライヴ録音だ。以前のヴァントとは別人のようにスケールが巨大で、音楽は完全に結晶化している!

 と、冗談はおいといて、92年盤は今となっては入手がムズイかもしれない。57年のケルン・ギュルツエニヒ管弦楽団との演奏もかなりいいけど、残念なことに第四楽章の繰り返しが省略されている。

 一般的には87年のスタジオ録音盤が入手も容易で演奏、価格共に納得できるものということになるのかな。

 さて、如何でしたか?
 本当はどんな演奏もそれぞれ素晴らしい魅力を持っており、とても一枚には絞り切れるものではありませんが、ヴァーチャル空間ということで。

 そのヴァーチャル・レコード棚の最初の一枚目として私は「ベートーヴェン 交響曲第5番 ギュンター・ヴァント 北ドイツ放送交響楽団」を入れます。

 


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