傅聡(フーツォン)と別府アルゲリッチ音楽祭

去る5月5日より別府ビーコンプラザを中心に開催された第6回別府アルゲリッチ音楽祭。
会場で樹花舎の新刊『君よ弦外の音を聴け ピアニストの息子に宛てた父の手紙』(榎本泰子訳)を販売してきました。
5月14日に開かれたコンサート終演後、楽屋で傅聡氏に本書を手渡しました。
その折り、日本の読者に向けたメッセージをいただきました。
以下にご紹介します。(5月18日)

傅聡氏から日本の読者へのメッセージ(翻訳・榎本泰子)
 中国と日本は文化の上で、長い間にわたり深い関係があります。父は儒家の弟子ですが、日本にも同じ儒教の根がありますから、きっと日本の読者に共鳴してもらえる部分が多いと思います。
 ただし父の儒教はとても理想化されたもので、父は儒教の最も閉鎖的なところを取り除き、西洋の人文精神(ヒューマニズム)でそれに替えようとしました。つまり東洋と西洋の最も良いところを合わせてよりよい文化を作ろうとしたのです。
 『傅雷家書』に書かれているのは文学・芸術や幅広い文化の問題であって、読む時にことさら私と父の関係にこだわる必要はありません。あれらの手紙が意味しているものは、もっと高い次元のことなのです。
 父の手紙は公開されることを前提に書かれたものではないかとよく言われますが、決してそうではありません。晩年父は政治的な事情からとても孤独であり、私のことを友達のように見なしていました。それであのように、あらゆることについて率直に語ってくれたのです。手紙の中にも、「息子が友達になるということ、こんな幸せに勝るものがこの世にあるでしょうか!」というくだりがありますね(訳者注:1954年1月30日晩の手紙、本書40頁)。私はこれこそ、『傅雷家書』の本質を最もよく表した部分だと思っています。

第6回別府アルゲリッチ音楽祭での一齣

5月14日コンサート終演後の楽屋で。訳者の榎本泰子さんと
(別府ビーコンプラザ楽屋にて)

5月11日、舞台袖でフーツォンのリハーサル風景を楽しんでいたところ
アルゲリッチがフーツォンの傍へ寄っていったので、ツーショットを!
(別府ビーコンプラザ・フィルハーモニーホール)

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