水田光雄第一句集
『ジャックナイフ』
B6判 上製 142ページ 装幀/熊沢正人
定価1500円(本体)
収録句より
夏蝶の越ゆる国境検問所
ジャックナイフ錆びて八月十五日
プールまで聞こえてプレスリーの曲
銃口を花野へクレー射撃場
トウシューズ綻びてゐる巴里祭
脱ぎしもの籠に嵩なし海の家
ゴーカート銀杏落葉を乗せて着き
キャンピングカー森の雫をあまた載せ
子犬抱き舷梯上るクリスマス
河口まで海を見にゆく二日かな
ドアマンやポインセチアを足元に
●著者紹介
水田光雄(みずた・みつお)1950年千葉県に生まれる。1991年「青山」入会、山崎ひさをに師事、作句活動開始。1993年青山競詠作品第一位、「青山」同人。俳人協会会員。
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水田光雄が主宰する「田(でん)」はこちらへ。
水田光雄の第二句集「田の神」はこちらをごらんください。
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──『俳句朝日』1999年1月号収載の書評より──
表紙の「ジャックナイフ」の題字と帯に刷られた「ことばの森に迷いこんでみませんか」のサブタイトルがすでに二行詩となって、この句集、開く前からワクワクさせられる。
著者は昭和二十五年(一九五〇)生まれ。片仮名を全く違和感なく日本語として咀嚼し、伝統の詩型を駆使して、切り込み鋭く若く、力強い句を成す作家である。
ジャックナイフ錆びて八月十五日
銃口を花野へクレー射撃場
居酒屋にロシア語の文字海霧の町
ことさらの試みのように素材を片仮名に求めて、詩型を確立するかの意志が見受けられる。
父の日の父の言葉をもて叱る
母許や竹の子ばかり出されても
などの句にあうと、生きることを俳句によって安んずる著者が見え、何かを獲得せんとして十七音詩と格闘する句集であるように見える。序の山崎ひさを氏の「頼もしい限り」と贈る言葉に頷ける。(向田貴子「新進句集ガイド」より)
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