
| 若い頃より本を読むのが好きで、五島より十八歳で出てきて結婚するまでの五年間、本によって心を癒され、本によって希望を与えられたような気がする。年を重ねるごとに、本を読むのがもっと好きになった。これからどんなに年を重ねても、本がある限り、年を重ねるは恐くないとさえ思う。新刊の本屋、古本屋を回って、様々な本と対面する時の心のときめき。意中の本と出会ってそれを持ち帰る時のうきうきした気持ち。家へ持ち帰り、自分の勉強部屋に置いた時の安堵感。その上、実際、その本を手にとって読む時の胸の高鳴り。本は私にとって永遠の心の恋人だ──主婦作家としてデビューした著者が文章修業の過程で出会った50冊の本を紹介。単なるブックガイドにとどまらず、執筆者との触れ合いをもあたたかく、やさしい文章で綴る。 |
| 【取り上げた本】『新版放浪記』(林芙美子)、『宮沢賢治素描』(関登久也)、『あこがれの原初』(岡部伊都子)、『火の国の女の日記』(高群逸枝)、『私の日本地図・五島列島』(宮本常一)、『洟をたらした神』(吉野せい)、『たった二人の工場から』(真尾悦子)、『港野喜代子選集 詩・童話・エッセイ』、『一銭五厘の旗』(花森安治)、『日本人の自伝 金子ふみ子』、『新装判 荷車の歌』(山代巴)、『グアダルーペの聖母 メキシコ・ノート』(鶴見俊輔)、『戦いすんで日が暮れて』 (佐藤愛子)、『わが生涯』(住井すゑ)など |