天使と悪魔の世界 エヴァの世界観の元となっている、旧約・新約などの神話の世界観。エヴァにおいてこれが大きな謎の元ネタとなっていることは皆さんご存知のことだと思う。西方世界の宗教観(ユダヤ/キリスト教)における「善」の集大成、すなわち人間の希望の象徴とされる「天使」と、「悪」の集大成、すなわち人間の欲望の象徴とされる「悪魔」。その存在は世間一般に知られ、誰もが知る存在だろう。
【Angels &
Demons】

- この者は天使か?悪魔か?-
【世界観を見る】
普通、天使と聞けば正義や善とされ、悪魔は悪とされる。しかし、この両者を客観的な視点で分析していくと、違った側面が表れてくる。果たして「善」及び「正義」とはなんなのか、「悪」とはなんなのか。この善悪二元論はキリスト教の成立過程にて形成された世界観でしかない。大元である旧約聖書を辿ってみると、善悪二元論で片付けられるようなことではない側面が出てくる。天使と悪魔の境界線は非常に曖昧で、実は絶対の区別などない。天使は容易に堕落するし、かつて天界大戦争において神に反逆したとされる堕天使(悪魔)の筆頭であるルシファー(あるいはサタン)はもともとは「大天使長」と言う破格の位にいて、全ての天使を統括する立場にいたのだ。そしてこのルシファーにも語るべき様々な物語があり、その哲学・心理は極めて人間的だ。人間の想像によって生み出された者だからそれは当然のことだろう。
また、未だ対立関係の続くキリスト教とイスラム教について、この両者は今となっては似て非なるものだが、もともとの出自はユダヤ教が元になっており、実は同じなのである。しかしながら現代社会の認識として唯一神ヤハウェとアッラーが元々は同じ存在だったと言うことすら、知らない人が多くなってしまっている感が否めない。そもそも異教徒であるから悪だと決め付けるキリスト教の善悪二元論は、先述の通り、あくまでキリスト教の成立過程の途上で生じた主観に基づいたものでしかない。それが現代の国際社会においてまで、自分の考えを正義と位置づけ、それにそぐわない者を悪とみなして排除する、というやり方を通す形で、大きな影響を残しているのは事実である。
ここでは主に旧約・新約聖書及びジョン=ミルトンの「失楽園」などに登場するあらゆる天使と悪魔について紹介していきたい。なお、このページは新世紀エヴァンゲリオンそのものとは多少外れた趣向になってしまうかもしれないが、エヴァに登場する「使徒(Angel)」の名にも用いられている天使も紹介していきたいと考えている。それを見ることで、使徒の名の出自、及びどういう位置づけでそう名づけられたのか、新たな側面も発見できるかもしれない。宗教観に囚われず、客観的な視点からみたこの独特の世界観の魅力を伝えることができれば幸いである。
1.天使の概念【A concept
of the angels】
大天使長ミカエルをはじめ、西方世界の名だたる天使たちの存在、役割、思想、位置づけなどの紹介です。
2.堕天使/悪魔の概念【A
concept of the fallen Angels & the Demons】
堕天使ルシファーをはじめ、西方世界において悪魔と位置づけられる者達の存在、思想、位置づけなどの紹介です。
3.失楽園の世界【The world of“Paradise Lost”】
ジョン=ミルトンの失楽園について取り扱います。
※このページは、吉永進一監修・造事務所編著:「天使」と「悪魔」がよくわかる本(PHP文庫)、及びジョン=ミルトン著:失楽園(岩波文庫)を参考に、私なりの解釈を加えたものです。