『順番間違い』
最初に強く欲したのは心ではなく熱。
先に繋がったのは心ではなく身体。
それで別に問題は無いだろうと踏んでいたが、どうやら相手にとっては大問題らしかった。
『もぉ…あいばかっ。。』
呟く松本の頬は心なしか紅く染まっていて。
それはつい今し方まで行っていた情事の所為なのか、それとも俺が君に囁いた言葉の所為なのか。
どちらにしても、俺の所為で紅くなっていると思うと少し嬉しい。
「なんだよ、馬鹿とか言うなよ。」
まだベッドに身体を沈めたまま、口しか動かさない松本を意地悪く見つめた。
『…あいばかの所為で動けないんだっ…』
そう訴える松本の顔はさっきよりも紅くて。
可愛いな…なんて心の中でだけ呟きながらも、その細い腰に腕を回してゆっくり抱き起こした。
「それで?」
起こした松本の身体を後ろから抱き締めるような形で抱き直しながら問う。
「返事、聞きたいんだけど?」
黒く伸びた髪を弄びながら返事を急かすようにもう一度言った。
松本はしばらく黙っていたが、ゆっくりと自分の言葉を確かめるように話し出した。
『おかしいよ…。普通…さ、付き合ってからじゃん…こーゆー事するのって…。』
「そうかな?アリじゃん、別に。」
『でもっ…』
松本はそれっきり口を閉ざしてしまった。
真っ直ぐすぎるよ、松本…。
羨ましくなってしまうくらい真っ直ぐで、いつも一生懸命で。
すこし曲がったって、支障はないんじゃない?
曲がってみて初めて見える世界だってあるだろうし。
俺が、松本の知らない世界へ連れて行ってあげるのに。
「好きだよ…。」
もう一回耳許で囁いてみた。
腕の中の愛しい人を強く強く抱き締めながら。
そりゃ、順番を間違えたかもしれない。先に身体の方が繋がってしまったけど、これから心が繋がればいいし。
何より松本が欲しいのは事実。
『……っだよ…。』
「…あっ?」
『俺も…好きだよって言ったのっ!!』
「あぁ…そう。」
『何ソレ…。反応むかつっ…っ!!』
松本の言葉をキスで奪った。
凄く驚いた顔してるけど、ここは無視。
そしてそのまま、もう一度松本を押し倒した。
「これなら、順番間違ってないよな。」
唇を離してから問いかけると、紅くなりながら松本は頷いた。
俺は心の中で安堵すると、そっと松本の透き通った肌に紅い跡を残していった。
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あとがき兼言い訳
とにかく真っ直ぐな松本さんを書きたかった…。
なにやらもの凄く可愛らしい松本さんになっちゃったよ。。
いつもより乙女度5割り増し?!いや、私の書く松本さんは常に乙女入っているか…;;
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