『The beginning of a party』




『お前、来い。』


今日の仕事を全て終えて
さぁ帰ろうと荷物を持って立ち上がったら
ニノが言葉と共にやってきて、
俺の腕をグイと引っ張って、楽屋から連れ出した。


「わっ…ちょっとっ!痛い…離して…っ」


手首に食い込んでいる指を振り払おうとするが、どうやら無駄な抵抗のようで。
俺の声すら無視しているニノはどんどん進んでいく。







無理矢理引っ張られて連れ込まれたのはニノの車。
何処に行くのか。聞くタイミングも無くて大人しく助手席に座る。
まぁ、聞かなくてもニノと行く場所なんて限られてるけれど。

はぁ…と小さく溜息一つ。

ニノはいつも強引だ。
俺の意見なんて聞く気、無いでしょ?
そういえば前に俺が「一度、ニノの家行ってみたい」って言ったことがあった。
あの時も聞こえているはずなのに無視。
俺はニノの言うこと、ちゃんと聞いているのに。
なんかズルイ。


『なに溜息ついてんだよ。』


運転席から不意に話しかけられた。
その声は少しイラついた感じで、反射的に俺は身を縮こませる。
そしてなるべく怒らせないように話しかける。


「何でもないよ。」

『……。』


お互いに沈黙してしまう。
この間が、実は凄く苦手だ。
口は動かさないのに、頭の中で互いを探り合ったりしちゃうから。
必要以上に相手を意識してしまうから。

……だからって、溜息の原因を言うわけでもないんだけれど。
(だって怒られるの目に見えてるし。)


『……俺ん家。』


沈黙を破ったのはニノの方からだった。
そして何故か唐突に単語を吐いた。
といっても、主語も述語もないので、何の事だかさっぱり。


「…?」


頭にハテナマークを浮かべたまま、俺はニノの言葉を待つ。


『俺ん家…来たいんだろ?』


思いもしない言葉が続いて出てきて驚いた。
これは…俺が前に言ったことをちゃんと覚えていてくれたって事だよね…?
その事でほんの少し傷付いていたことも知っていたんだね…?


「ニノ……」

『嫌なら今すぐ降りろ。』

「うぅん、嫌じゃないっ。」


そういって俺はニノを見た。



その時、俺が見たニノの顔は

薄暗い車の中で、

頬が紅く色づいていた。





これが、気のせいじゃ無いことは俺だけが知っている秘密。





ちょっと得した気分になった。






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あとがき兼言い訳

これは確か…某友人に頼まれて書いたような…書いてないような…。
しかも頼まれたものとかなり違うような…違わないような…。
はっきりしているのは恐ろしく時間がかかっていないと云うことだけ;;
………駄目じゃんっ;;