『涙と君と』
目が合って、見つめ合って。
其処から始まった俺達の恋愛は、多分もう賞味期限切れ。
ニノはきっと、腐る寸前の恋なんか捨てて、もう俺の知らない誰かと新しい恋愛してる。
それなのに俺はまだニノから離れたくなくて
その温もりを忘れたくなくって
まだニノにしがみついている。
自分の部屋で携帯片手に考える。
俺の存在って、ニノにとっては邪魔なのかな…。
もう俺のこと、何とも思ってくれていないのかな…。
ニノは前に言ってくれた。
「ずっと愛してるよ。」
その言葉だけ信じて今日まで来たけれど。
もう…限界かなぁ…。
愛する人が離れていくのはとても悲しいけれど。
それよりも愛する人に嫌われる方が辛い。
ずっとずっと辛い。
そんな思いをするくらいなら…まだ自分から別れを切り出した方がいい気がする。
今ならまだ、「トモダチ」に戻れるかもしれない。
ピッとボタンを押して、ニノの番号をディスプレイに表示する。
「ニノ」と表示された文字を読むだけで涙目になってしまう自分が嫌だ…。
でも、そこでもう一度、勇気を出してボタンを押してしまえば良かったのに。
何でか親指が通話ボタンの上で止まる。
視界が滲んで、頬に温かい雫が走る。
「ニ…ノォ…っ…」
どうしちゃったんだろ…。
今になって思い出が蘇ってくる。
俺の中、ニノとの思い出でいっぱいになっていく。
やっぱりやだよ…。俺、まだニノのこと好きなんだもん…
離れることなんて、出来ないよ…
俺は止まらない涙を必死に拭った。
あれから何時間経ったのだろう、俺は泣き疲れて眠ってしまったようだ。
ふと、握り締めたままの携帯に目をやる。
するとディスプレイに表示されていたのは見慣れた待ち受け画面ではなく、「着信あり」の文字だった。
誰からだろう…そんな疑問を抱いてそれのすぐ下を読んだ。
『着信あり ニノ 』
普段は自分から電話するような人じゃないが寄越すなんて、正直驚いた。
それと同時にもの凄く大きい恐怖と不安が俺にのし掛かった。
別れようって言われちゃうのかなとか…
もういい加減飽きたとか…。
聞きたくない言葉ばっかり浮かんできて、また泣きそうになった。
俺は目を固く瞑って、出そうになる涙と戦った。
♪♪♪♪♪♪
その時、携帯が鳴った。
メール着信の音ではなく、電話の音。
目を開けて、恐る恐る相手の名前を確認してみる。
『ニノ』
やばい、泣きそう…。
「…もしもし。」
『はぁ…やっと出た。』
間違いない、ニノの声。
何故だか震えてしまう自分の声を抑えた。
『…おい、聞いてる?』
聞いているよ
そう言いたかったのだけれど。
言ったはずの言葉は喉で詰まって、代わりに涙が零れてきた。
うわ…なんか俺、超女々しいじゃん…。
『松本…?……泣いてんのかよ…。』
「っ…泣いてない…っ…」
『俺に嘘つくな、バカ。』
「っ…」
『……外。』
「…は?」
『寒いんだけど。入れてくれよ。』
え…?
突然の謎の言葉に混乱した俺は、部屋を見回して
もしかして…と思って玄関へと走った。
『よ。』
ニノの声が目の前からと、受話器から聞こえてきた。
「ぇ…?」
驚いて、まだ状況を掴めていない俺。
ニノはそんな俺を引き寄せて抱き締めた。
『今日何の日か、覚えてるべ?』
俺が頭を横に振ると、ニノは少し顔を歪めた。
『…覚えてない?…しょうがねぇなぁ、教えてやるよ。』
ぎゅっとさらに俺を強く抱き締めたニノはそっと囁いた。
『松本君と二宮君が、付き合い始めた日ですよ…。』
「っ…へ…?なんでニノ…覚えて…?」
『好きな奴との記念の日を忘れるバカが何処にいる。』
「好き…?」
『好きだよ?何いってんの。』
「…ニッ…ニノォー…」
『うわっ…泣くなバカっ』
「俺も…好きだよぉ…」
『分かったから泣くなっ;』
その後のことは、あんまり良く覚えていない。
気が付いたらニノの腕の中にいて
そっと唇が近づいてきた。
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1331 Ryo様
長くなってしまいました…。そして待たせてしまいました…;
リク通りになっているか、少々不安ですがまぁ勘弁してください(爆)
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