『バカ。』






最近あまり会えないから。
たまに一緒になるオフって凄く大事で。
やっと重なった休みなんだから、その日はやっぱり楽しく過ごしたい。

なのにさ。



「は…?なんつった、今。」

『だーかーら…ペロリ菌にやられて…胃潰瘍に…』

「ピロリだろ。」

『違うっ…ペロリ…。』

「…ストレス?」

『いや…現場って美味い物多くて…』

「バカじゃん。」


急性胃炎だとか、T型だとか、なんだか訳の分からないことを言っているけど。
早い話が今日は「会えない」って事?
受話器の向こうですまなそうに説明する男に無言で問いかけた。
俺、楽しみにしてたのに。
…俺と同じように、ニノも楽しみにしてたって事、知っているから言わないけど。
それでもやっぱり一緒に居たかった。
せめて会いたかった。
迷惑だろうとか気にしないで、会いに行きたい。
こんなんだから最近、我侭な奴とか、自己中な奴とか思われちゃうんだろうけどさ。
でもニノが忙しいこの時期は我侭言わないと、自己中にならないと。
俺にかまってくれないんだもん。
嫌われるかもしれないって思うけど、それでもかまってほしいんだもん。
ガキみたいだけどさ、しょうがないじゃん。


『松本、本当ごめん…。』

「…もういいよ。さっさと治して埋め合わせしてよね。」


それだけ言って、ピッと電話を切る。
もうちょっとニノ好みに可愛く言えなかったものかな?と、切ってから思ってしまうけど。
悪いのは後先考えずに食いまくったニノの所為だよねって言い聞かせて。
ベッドの上、ゴロンと横になる。


「はぁ…。どうしよう、今日…。」


ニノと会うために開けといた今日。
友達からの誘い、全部断ってまでして開けたのに。
今更、友達に電話するのも…ねぇ。

それから暫くどうしよう…って考えたけど、浮かばなくて。
仕方ないから、今日、淋しい思いをしている原因のドラマでも見てやるか…なんて思いながら、
デッキに1本のビデオを入れて、画面に映し出される愛しい人に、睨みをきかせてやった。






「俺のこと忘れて食いまくった罰だ、バァカッ。」







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あとがき兼言い訳

胃潰瘍だってさ、二宮。
ストレスなのか、ただ美味い物の食い過ぎなのか知らないけど。
気を付けてねーって話。