『近づく心 遠ざかる指先』
翔君と待ち合わせをした。
『明日、デートしよ。』って誘われたから。
凄く嬉しかった。翔君から誘ってくるのなんて初めてだったし。
だから約束の日なんていつもより1時間も早く目が覚めてしまって。
身支度を終えた時点でまだ30分ほど余裕があった。
んーどうしようって考えて、結局家を出た。
少しでも早く翔君に会いたかったから。
歩いているときふと、ショーウィンドウに写った自分の顔が目に入った。
(…いつもより赤い顔してる…)
そんな自分の顔を誰にも見せまいと、俯きながら待ち合わせの場所へと急いだ。
待ち合わせ場所の駅前。
時間よりも5分早く着いた。
翔君は、まだ着いていないみたい。
目的の人影が見当たらない事を確認すると、すぐ近くにあったベンチに座った。
空を見上げると雲一つ無い青空で、最高のデート日和だな、なんて思ったり。
蒸し暑い夏とは思えないくらい涼しい風が吹いてきて、
俺の伸びた髪を靡かせた。
あまりに気持ちよくて、瞼が重くなってきたその時。
『あれぇ、松潤?』
聞き覚えのある声がすぐ近くに聞こえた。
「ん…相葉ちゃん…?」
振り向くと、いつもより3倍増しくらいおめかしした相葉ちゃんが立っていた。
「なんでココ居るの?」
目を軽く擦りながら問いかけた。
すると相葉ちゃんは「ニノとデートv」と笑顔で俺に言ってきた。
そして「松潤は?」と逆に質問された。
質問に答えようと相葉ちゃんにむき直そうとすると、何処かから声がする。
『潤ーっ。待たせてゴメン。』
駅から翔君と、そしてニノがやってきた。
街を歩く男4人。
仲が良い男友達4人に見えるかもしれないけど、実は違う。俺達恋人だもん。
そう、本当は翔君とデートの予定だったんだけど、
待ち合わせの場所で偶然会った相葉ちゃんとニノの提案で、今日はWデート。
なのに翔君はさっきから全然話してくれない。
相葉ちゃんとニノはあんなにイチャついてるのに…。
せめて手くらい繋ぎたいな…なんて思って指を絡めようとしてみた。
すると翔君は驚いて、俺の手を振り払った。
(えっ…翔君…?)
一気に俺の心に不安がのし掛かってきた。
(楽しくないのかな…?俺と…手なんか繋ぎたくないのかな…?)
そう考えれば考えるほど悲しくなってくる。
ついに俺は俯いてしまった。
『潤、ちょっとこっち来い。』
俺が俯きだしてから数分後、翔君が急に俺を引っ張って歩き出した。
「ちょっ…何処行くのっ…?ぃたっ!…」
捕まれた腕が痛い。それなのに翔君は気にも止めない。
そして人気のない路地へ連れ込まれた。
「いったぁ…一体何なっ…」
文句を言おうと口を開くと、何かで自分の口を押さえられた。
翔君の顔がすぐ近くにある…。
「……!!!!」
自分がキスされてるって気付くのに少し時間が掛かった。
(えっ…?えっ…??)
明らかに驚いた顔をしたであろう俺の顔を見て、翔君は笑いながら唇を離した。
そしてまだ頭の整理がついていない俺をゆっくり抱き締めてくれた。
「翔君……。」
『潤…、俺らって祝福されない恋してるよな。』
「ぇっ…翔君…?」
『俺には…人前で手を繋ぐ勇気が無いから…。悲しい顔させてゴメン…。』
人前で潤を愛して、いつか別れさせられるのが怖い…
勇気のない俺を許してって…。
そう翔君は俺に言った。
「翔君っ…」
俺、手なんか繋げなくても良い…人前で愛して貰わなくたっていい…
少しでも長く…翔君の隣にいたい…。
そんな思いを込めながら、俺達は強く強く抱き締め合った。
俺達は、手すら繋ぐことの出来ないツライ恋をしている。
でも、いいんだ。
明日も貴方の隣で笑っていたいもの…。
*おまけ*
「ぁれ?ニノ、翔君と松潤が居ないよ?」
『…まぁいいんじゃないですか?』
「んー。そうだねっvニノっvv」
『っつかさ、俺のことだけ考えてればいいんですよ。…雅紀は。』
「…ぇっ…今、なんて言った??」
『///忘れたっ!』
「ねぇっvもう一回言ってvv『いいんですよ』のあとーっvv」
『っ…雅紀っ!!////』
「vvvもう一回ーvv」
『言わないっ!!////』
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あとがき兼言い訳
「翔潤+ニノ相でWデート」とリクを頂き、書きました。
すごく頑張ったんですよねー、コレ。
でもWデートっぽくないっすねぇ;;どうしてでしょう?(聞くな)
海斗様に捧げます。。
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