『永遠』
また一つ僕に近づいた彼は。
また一歩僕の先を歩いていって。
また僕と彼との距離が離れていって。
いつかは置いて行かれちゃうんじゃないかなんて、思ってしまう。
喜ぶべき彼の誕生日を、心から喜べない自分が嫌になった。
『誕生日おめでとう』
周りからそう言われて、嬉しそうにしている翔くんを、
僕は出来るだけ遠くから見つめる。
嬉しくないはずはないから、輪の中に入って、一緒に大好きな人の大事な日を祝ってあげたいのだけれど。
どこかで、君の誕生日を祝えない僕が居る。
いつか彼は、僕じゃない誰かの手を取って、歩いていってしまうんじゃないかと。
嫌な考えばかり浮かんでしまう、嫌な僕が居る。
『永遠』なんて嘘くさいけど、少なくとも今、僕は翔くんと『永遠』でありたいと願っている。
でも『永遠』を考えるたびにそれとは違う、嫌な画像が無理矢理僕の思考に入ってくるんだ。
その画像は、僕は嫌いで、二度と見たくないのに『永遠』よりリアルで。
いつの日か彼は、その画像の通り離れていってしまうのではないか、
いつかは、僕より大事な人を見つけてしまうのではないか。
そんな思いが僕の中、グルグル回って…抜け出さない。
『…智さん?眉間に皺、寄ってるよ?』
輪から抜け出してきた翔くんは、心配そうに俺を見つめてくれるけど。
いつまで、その瞳は僕だけを映してくれるの?
「翔くんは…本当に僕だけ愛してくれるの?」
一瞬、驚いた顔をした翔くんはそれでも笑って当たり前じゃんって言ってくれた。
その笑顔すら信じられなくなりそうなのは、僕が汚れすぎているからなのかな?
汚れた僕を、翔くんはいつまでも隣に置いてくれるのかな?
『智さん…俺はさ、いつまでも智さんには俺のここに居て欲しいんだ。』
俯いて黙った僕の心を読んでいたかのように、翔くんは抱き寄せて、
温かくて強くて…そんな腕の中、僕を包んでくれた。
あまりに優しいその場所のせいで、思わず目が潤んでしまう。
でも、そんな顔見られたくなくて。
胸に顔を埋めて、涙目を隠そうと努めるけれど。
そんなことすら翔くんには筒抜けみたいで。
『ごめんね、不安にさせちゃって…。』
僕の頭を、そっと撫でているのが分かった。
優しいその手つきが、いや、優しい翔くんが。
僕はとても嬉しかった。
『いつまでも…ここに居てくれますか?』
「…はい。」
言ったらまた目頭が熱くなって、じわっとした。
悲しくなんてないのに、流れ出す涙は止まらなくて。
でもそんな俺を翔くんは、泣きやむまですっと抱き締めていてくれた。
僕も翔くんも、ずっと『永遠』を望んでいたんだ…。
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6000 ふう様
大分前にリクエストを頂いた翔智です。
大野さんの誕生日なので…ということだったのですが、
遅れて遅れて…櫻井さんの誕生日でUPさせて頂きました;
すみませんでした;
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