「秋」に「桜」と書いて「秋桜」。「コスモス」と読みますね。花の形が桜に似ているから「秋桜」と呼ぶそうです。秋が訪れると咲いているのをよくみかけます。でも、咲く季節も違うし、草花と木に咲く花という違いもあるし、西洋の花と日本の花という違いもあるし、印象は桜とはだいぶ違いますよね。コスモスが秋風に揺れるその姿は、野に咲く可憐な花、という印象でしょうか。高く澄んだ青空が似合う気がします。桜の代わりとはいきませんが、こちらの花にもファンは多いかと思われます。
でも、秋に咲く桜もちゃんと存在するのです。いわゆる「桜」です。もちろん、コスモスではありません。
春には夜桜の見物客で賑わいをみせる平野神社。そこには、秋空の下、静かに桜が咲いていました。
その名は、――「十月桜」。
平野神社の境内には約50品種の桜があるそうです。そのほとんどは常識的な花見の時季に咲くようですが、さすがは桜の名所として名高い平野神社。寒桜といって、秋でも冬でも咲く桜もあるのだそうです。その一つがこの十月桜。10月頃から何と3月ぐらいまで咲き続けるそうです(見頃は10月中旬だそうです)。でも、ずーーーっと満開のまま、というわけではなく、ちらほらと、ぽつぽつと咲くのだそうです。一つの花が咲き、そして散る。散るころにまた新しい花がつぼみを膨らませる……というように。
春の桜とはずいぶん印象が違うようです。春のあの満開の桜、というのは心が浮き立つというか、波立たせるというか、落ち着かなくさせるというか、高揚させるというか、何となく色っぽいというか、そんな感じもあるのですが、この桜は趣がまるで違います。春と秋の違いかもしれません。咲き始めた頃に見たからかもしれません。春の桜は本数が多いからかもしれません。
春の桜はぶわぁっと咲いて、はらはらと散っていく、その潔いさまが好まれているのでしょうか。でも平野神社で見たその秋の桜は、静かに、実に静かにその花をつけていました。

たくさんの人々に見られるわけでもなく、秋空の下で静かに咲き、静かに見つめられる十月桜。秋の日に、こんな花見もいかがでしょう。
(写真は全て10月中に平野神社で撮影)
名称:平野神社
場所:京都市北区平野宮本町
交通:市バス「衣笠校前」下車、あるいは京福電車北野線「北野白梅町」下車
見所:たくさんの桜。秋は十月桜。コスモスや紫式部も見頃。静かなのがお好みの方は秋、十月においでやす。
公認HP:http://www.asahi-net.or.jp/~cr8y-httr/hirano/index.htm(注:音が出ます)
平野神社パズルなんて素敵なコンテンツあり。公式HPは現在更新されていないそうです。
どうでもいいこと:「こすもす」と打っても「秋桜」と出てこない。だからIMEは嫌いだ。