「貴船で流しそうめんが食べたい」――。
ついついそうつぶやいてしまう、暑い暑い2007年の夏。その夏も終わりに近づき、秋の声が聞こえ始めた9月の連休。思った以上に暑くなったその日、思い出された野望の達成をめざし、一路「京の奥座敷」貴船へ。空には入道雲。まるで盛夏である。
出発前にネットで下調べをすると、貴船で流しそうめんを食べられるお店は2軒。1200円で温玉つきの「ひろ文」さんをめざすことに。気になるのは、予想される混雑。「待ち時間が1時間以上」「できるだけ午前中の早い時間に」とわざわざ断られている。……時すでに午後。でも、もう9月も後半だし、少しは混雑も緩和されているのではないかと淡い期待を抱いて出発。
貴船周辺まで来ると、それまでの「もしかしたら空いているかも」という期待をうち砕くかのように、突然それまで空いていた道路が混雑。細い道を車が行き交い、離合、離合、離合の連続。前の車に続いてなんとなく山道を上がっていくと、駐車場はどっこも空いておらず、仕方ないので来たUターンしてまた離合を繰り返しながら道を下りることに。貴船の入り口近くの駐車スペース(?)にかろうじて駐車。道を間違えたのもあり、1時間近くをロス。

がーん。
うーん、30分から1時間か……待つのは嫌いだけど……、待てないこともない…けど……。やっぱりやめよう。流しそうめんは初めてじゃないし、川床は何だか落ち着かなさそうだし。そうさ、人間、諦めることも大事だ。挫折はチャンス! さ、気分を変えてどこか別のところで何か食べよう。と、自分を納得させて「ひろ文」さんを後に。でも、川床料理って高い会席がほとんどだし、すきやきとかしゃぶしゃぶは暑いし、ウチの飼い主は川魚食べないし、いったいどこで何食べよう……。そう思いながら歩いていたら、流れてはいないが「冷やしそうめん」のあるお店を発見。じゃあ、ここにしようと「鳥居茶屋」さんへ。
2人で「冷やしそうめん」と「貴船そば(とろろ付き)」を注文。うなぎきんし丼も捨てがたかったけど。どちらにも温玉(温泉玉子)が付いていて、なかなか私好み。私は普段あまりおそばを食べないのだけれど、とろろ(大好き!)にそして温玉(大好き!!)がおそばにほどよくマッチ。そして甘く煮たしいたけがまたいい感じのアクセント。上々のお味でした。小さなしいたけのしぐれ煮(?)もおいしかった。ついでに言うなら、冷たいお茶もおいしかった。ごちそうさまでした。川床じゃないけど、その分落ち着いて食べられて、私たちにはむしろよかったかも。
食事をして心も胃袋も癒された状態で、足取り軽く帰り道を歩く。行きと違い下り道のせいか、それとも時間が経ったせいか、涼しさが増したように感じられる。景色を眺める余裕も出てくる。貴船の風景を写真におさめようとカメラを構えると、ファインダーの向こうには――何とも愛らしい子鹿が。こんな時のために倍率の高いカメラに変えてよかった。手ぶれで20枚近く失敗しつつも何とか数枚は撮影成功。思えば、奈良公園以外で鹿なんか見たことないかも。何だかすごく得した気分。今日、いや今この時、貴船に来てよかった、と思った。



場所:貴船(左京区鞍馬貴船町)
アクセス:叡山電鉄「貴船口」下車、京都バス乗車「貴船」下車。あるいは貴船口から自然の風を感じながら歩く。叡電の「きらら」で風景を楽しむのもオススメ。
乗用車:避ける方がよい。できるだけ自然の風を感じながら歩くべし。車で来てしまったら、どうせ上の方に駐車場はないのでさっさと停めて自然の風を感じながら歩くべし。
運転技術:離合が難しいので、高度な運転技術を要する。
駐車場:ないと思うべし。お店を予約している場合はそこの駐車場に停められることも。
服装:夏といえど涼しく、涼しいと思っても坂道であり暑くなるので、調節できる服装を。あと、歩きやすい服装の方がよいでしょう。ヒールはつらいはず。
流しそうめん:できるだけ平日午前中の早めの時間に。「待つ」ことのできる忍耐力のある方向け。
野生動物:鹿や猿がいるそうです。近づかず、目を合わさず、エサをやらず、そっとしておくこと。
参考HP:貴船HP(貴船のお店、貴船マップ、歳時記など、役立つ貴船情報満載)