小倉競馬場訪問記 1999/08/05

清松みゆき

 SNE社員旅行を尾道で抜けた僕は、家族の待つ小倉へと向かった。小倉駅が改装でずいぶんと印象が変わっていることに驚きながら、新設「スペースワールド駅」へ。
 ホテルはスペースワールドのすぐそば、「スペースワールド駅」は当然、スペースワールドの最寄り駅。 歩いて5分もあればいいだろう、と思っていたのが……。
 とんでも8分、歩いて(文字どおり)15分である。スペースワールドの敷地をぐるりと外から大回り……。
 スペースワールドもJRもホテルも、少しは連携というものを考えてくれ(笑)。尾道で酷使した両足は、ほとんど上がらなくなってしまった。
 そんなこんなで、食事して一風呂浴びたら、さっさか10時に寝てしまった。

 翌朝、朝食を取ると家族は4人連れ立っておでかけである。またもスペースワールドを大きく迂回しながら、「スペースワールド駅」へ。ふう。智矢はもちろん、栞理もそんなに長くは歩けないから(体力の前に精神力でへばる)、だっこ、だっこである。こ、腰が……。
 再び、小倉駅へ。ここからモノレールに乗り換える。メインレースが900万特別(九州スポーツ杯)などという地味な日だけに、中はかなり空いている。これが、淀や仁川だったら、京阪電車も阪急電車もギュウギュウ詰めである。
 モノレール「競馬場前駅」までは10分。しかし、問題はこの先だ。「スペースワールド駅」の前例があっただけに、この駅からどれだけ歩くことやら。

 などと、思っていたのだが……。

 何と、モノレールの改札を抜けたらもう、すぐ目の前に小倉競馬場の入口が待ち構えている。淀・仁川だったら、どれだけてろてろ歩かされるか……。信じられない光景である。
 入場料は100円。淀・仁川の半額である。ローカルっていいなあ。入口で子供たち2人用に迷子札が渡される。マスコットキャラ・ターフィーを使ったもの。角度によって絵が変わるのを栞理は大層、喜んでいた。これだけで100円×2の元は取ってるよな。
 入口抜けるとパドックの上を通ってスタンドへ行く。これも嬉しい光景だ。スタンドを抜けると緑の芝生が見えてきた。

 ゴール前も、ガラガラやんけ。

 人がいないというわけではない。事実、スタンドの座席はかなり埋まっている。だが、競馬場の広さに吸収されてまばらになっているのだ。きわめて快適である。
 パドックを見てから馬券を買ったであろう人たちがゴール前に集まり始める。それでも、50センチ間隔ぐらいはある。愛機デジタルハンディカムを振り回すスペースは十分。
 2レース・4歳牝馬未勝利戦が始まる。ついたときには、もう輪乗りも始まっていたのでこのレースは見送り。
 SNE旅行と央華TCGイベントまで間がないことから、急遽はさんだ家族旅行。つまり、ここにはスケジュールの都合上で来ただけで、特にお目当ての馬がいたわけではない。しかし。僕は出馬表に1頭、4レース・4歳未勝利戦に因縁の馬を見つけることができた。

 その名はケイティキング。

 え? 誰も知らない?
 そりゃそうだわな。前年度のSNE・POGでの僕の指名馬の一頭なのだが、さほど有名になる理由はない。父:コタシャーン、母:レガシークイーン。へいはた牧場の生産馬だ。
 レガシーワールドという馬がいた。JRA史上初のGIセン馬である。二冠馬ミホノブルボンと同期・同厩(故・戸山厩舎)。厩舎内では、2400までならブルボン、それ以上ならワールドと呼ばれていたという話もある。もし、彼がセン馬でなければ、ブルボンの3冠を阻んだのも、メジロマックイーンの春天三連覇を阻んだのも、ライスシャワーではなく、彼だったかもしれない。事実、菊花賞直前のセントライト記念でライスシャワーを競り負かしているし、僕の記憶が確かなら、ライスシャワーと一緒に走ったレースでは、すべて先着しているはずだ。
 セン馬であることと、去勢手術ゆえに実質的なデビューが遅れたこと、二度に渡る怪我での長期休養などが重なり、ピークは短かったが、(国際)GIジャパンカップ優勝(及び4着)、GI有馬記念2着(及び5着)、GIIセントライト記念優勝などの戦績を残している(他には、GIIで2着が2回、オープン優勝が1回ある)。

 僕はこの馬の熱烈なファンだった(というか、今でも一番好きな馬だ。マックよりも、ブルボンよりも……)。で、このケイティキング、ワールドとは母系が重なり、同じ牧場の生産である。
 しかも、父コタシャーンというのがいい。この馬は、レガシーワールドの競走生活のハイライト、優勝したジャパンカップで、「ゴールとハロン棒を間違えて騎手が追うのをやめてしまった事件」を起こした馬である。そして、2着。
 こういう奇妙に面白い血統に惹かれて、僕はケイティキングを指名したのである。
 あ、一応、言っておくけど、レガシーワールド−コタシャーンの、13/4馬身差は、あのミスがなかったとしてもひっくり返らなかったとは、思ってるよ。

 さて、POGで彼がどれだけ活躍してくれたかというと……今日が初出走ってどういうことやねん!

 そう、年度の間には一度も出走なく、切ってしまった馬なのである。ひょっとしたら未出走のまま終わるのではと思っていた。
 その馬のデビュー戦を、こんなところで見ることになったわけだ。
 3レースが終わった時点で(ん? 馬券? タテ目さ)、パドックへ。そのままさらに返し馬まで、僕はケイティキングを(ビデオで)撮り続けた。
 彼の単勝・複勝馬券を握りしめ、僕はレースを見守ったが、結果は最下位追走、最後にようやくバテた馬1頭だけをかわしてのブービーといいところなく終わってしまった。
ケイティキング ケイティキングの勇姿

 この4レースが終わった時点で、僕たちは小倉競馬場を後にすることにした。午後からは、スペースワールドで子供を遊ばせなければならない。
 でも、いい競馬場だったなあ。機会があれば、もう一度訪れてみたい。そのときも、不思議な出会いが待っていると嬉しいな。
おまけ おまけ画像集


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