息苦しくて目が覚めた。 ぬくぬくのベッド。窓から差す朝日。 そして・・・自分の上に馬乗りになった兄貴。 「重い」 仏頂面で不平を漏らすと、兄貴はにっこり笑っておはようを云いながら手を伸ばし、 寝癖がついてくしゃくしゃになった俺の髪を撫でた。 優しい手つき。 「リンの寝顔は可愛い」 俺の髪を手のひらで撫でながら、真顔で云われた言葉に少し呆れる。 「俺の寝顔もレンの寝顔も一緒でしょ?」 だって、僕らは双子だし。 顔だけじゃなくて、体格も声もすっかり同じ。 性格だけが、ちょっと違う。 前は性格だって、よく似ていたけど・・・。 レンの手が、髪から頬へと降りてくる。 「自分の寝顔は見られないだろ?」 「んまあ、たしかにそうだけど」 頬から首筋を撫でる手がくすぐったくて首を竦める。 「ね、やろっか?」 小さく耳に囁かれて、俺は思わずレンの顔を見た。 「朝っぱらから?」 「したくない?」 にやり、と笑うレンは少しいじわるな顔をしている。 俺は黙って、レンの首へと腕を回した。 「ん・・・ふ・・・・っ」 指先でさんざん弄られて紅く立ち上がった、胸の先を舌先で舐められて、 俺は絶え間なく、鼻に抜ける甘い声を漏らした。 「相変わらず、感度イイね」 胸から唇を離さずに、目線だけをあげてレンがからかうように云う。 俺はレンの額を軽く弾くと、レンの柔らかな髪に指を埋めた。 レンの唇が、俺の感じる場所に次々に落ちていく。 知り尽くされた俺の身体。 俺はよく知らないけれど、俺の感じる場所と、レンが感じる場所は同じらしい。 「前は俺も、リンみたいに感度良かったんだけどね」 そう言って自嘲するみたいに笑ったレンの顔は、今でもはっきり覚えてる。 「何を考えてるの?」 レンの声にはっとする。 「レンの事」 短く云って、レンの背中を撫でると、レンは小さく笑って俺の首筋を吸い上げた。 真っ赤に痕が付く。 「これで、区別が付くね」 紅い痕を指先で撫でながら、レンが小さく笑う。 「区別って、誰が?」 俺の問いに、レンは少し黙って、それから冗談めかしていった。 「神さま」 神様・・・・かあ。 俺は基本的に、神を信じる。 レンは、信じていないと云う。 俺とレンが、まったく同じ姿形なのも、レンには何の不思議でも無いらしい。 「だって、もともと一つだったのが二つに分かれただけだろ?だから同じなのは当たり前」 あっさりとこう云っていた。 俺には・・・・俺とレンが同じなのはものすごい奇跡みたいに思える。 それこそ・・・神のしたことみたいに。 だから俺は、レンの首を抱き寄せると、そっくり同じ場所に唇を押し当てた。 そのままきつく吸い上げる。 「お返し」 真っ赤についた痕を、俺は指先でそっと撫でた。 区別なんてつかなくていい。 俺はレンと同じがいいんだ。 「リン・・・・リン・・・・」 レンが何度も俺の名を呼ぶ。 俺は息を詰めたまま、ゆっくりと中に押し入ってくるレンの熱さを感じていた。 レンが腰を軽く前後に揺さぶりながら、根本までぐっと突き入れる。 内部がざわめいて、レンを奥へと飲み込もうと動き始める。 その動きに逆らうように、レンは俺の足を抱え上げると腰を引いた。 抜け落ちるぎりぎりまで抜き去って、一気に埋める。 俺はレンを引き寄せるように、両足をレンの腰に巻き付けた。 「もっと・・・・っ」 奥まで来て欲しい。 俺はレンの背中にしがみついて、強請るように腰を揺すった。 腰に巻き付いた俺の足を、肩の上へと抱え上げ、上からのし掛かるようにして レンが俺を一心に突く。 「ひっ・・・あ、あ、ああっ!!」 望んだとおり一際奥を抉られて、俺は背を反らせると、嬌声をあげながら白濁を放った。 同時にレンも、迸りを俺の中へと注ぎ込む。 お互いに息を弾ませたまま、貪るように口づけをする。 一旦火の付いた身体は、そう簡単におさまりが付きそうになかった。 「口でやらせて」 レンの下から抜け出して、白濁に汚れたレンのモノへと手を伸ばす。 途端に、案の定手が押さえつけられた。 「ダメだ」 首を振ってレンが云う。 レンは俺のをとろけそうなくらい丁寧に口で愛撫してくれるけれど、俺がレンのを 口でした事はない。 レンが絶対にさせたがらないのだ。 レンは理由を云わないけど、俺はその理由を知っている。 だからいつも、強く言い張ることはできなくて・・・。 でも、たまには俺だってレンに何かしてやりたいと思う。 「じゃあ、上に乗らせて」 俺はやったこともない事を、レンに頼んでいた。 「上にって、騎乗位?やったことないじゃん」 びっくりしたように、レンが俺の顔を見つめる。 俺は、レンの頬に口づけを落とすと、そっとレンの両肩をベッドへと押し倒した。 「俺、リンにそんなことして欲しくない」 困惑したように呟くレンの唇を塞いで、レンの腰を跨ぐ。 そっと唇を離すと、俺とレンの唇を銀糸が繋いだ。 「たまには、弟のわがままも聞いてよ」 じっとレンの顔を見つめると、レンはほんの少し悲しそうな目で俺を見て、それから小さく頷いた。 レンのモノを軽く扱いてから、後ろ手に両手で支える。 ふらふらと頼りない俺の身体を、レンの手がしっかりと支えていてくれた。 軽く深呼吸してから、ゆっくりと腰を落としていく。 俺が腰をおとした分だけ、レンのモノが俺の中へと入っていく。 俺が腰をあげれば、その分だけレンが抜け出ていく。 初めての感覚。 俺は半ば夢中になりながら、レンのモノを体中で貪った。 自分の体重と重力を味方に付けて、身体の奥深くまでレンを飲み込む。 中を満たす圧倒的な質量と、火傷しそうな熱さに、俺はうっとりと目を閉じた。 目を閉じたまま、腰を上下に揺らめかせる。 「リン」 自分の動きに集中していて、反応が遅れた。 「リン!」 名前を呼ぶ声に目を開けると、レンがじっと俺を見ていた。 「目、閉じないで。俺を見てて?」 レンは懇願するように云いながら、そっと俺の頬を撫でた。 「うん・・・見てる・・・・」 頬を撫でる手を掴んで、俺は舌足らずな声で云って頷いた。 片手はレンの手を握ったまま、片手はレンの胸に付いて、一心不乱に腰を振る。 「リン」 熱を含んで僅かに潤んだレンの目が、じっと俺を見つめている。 俺は、快感に乱れる息を押さえながら、レンの目を見つめ返して囁いた。 「レン」 レンの手が腰を掴む。 急に下から突き上げられて、俺は思わずレンの手を離して、両手をレンの胸に付いた。 「もっと・・・・呼んで」 荒い息を吐きながら、レンが俺に向かって云う。 俺は、レンの目を見つめたまま、何度もレンの名前を呼んだ。 名前を呼ぶ度に、下からの突き上げが激しくなる。 「レン、レンっ・・・・・廉!!」 ポイントをぐりりと抉られて、俺はたまらず仰け反って精を放った。 レンの胸元まで、白濁が飛び散る。 精を放つ俺の内部の引き絞りに、レンも俺をきつく抱きしめて身体を震わせた。 身体の中に満ちる熱い飛沫に、半ば陶然としながら脱力する。 「倫」 耳元で囁かれる自分の名前を聞きながら、俺はふっと気絶した。 気が付くと、俺はレンのベッドに居た。 見晴らしの良いこの場所は、さっき俺らがヤってた上で。 二段ベッドの1階が俺で、二階がレン。 どうやら、気を失った俺を、レンが上まで運んだらしい。 どろどろだった身体はすっかりキレイに清められて、ちゃんとパンツも履いていた。 横にはすうすうと穏やかな寝息を立てて、レンが眠っている。 俺はそっとレンの髪を掻き上げると、白い額へと口づけを落とした。 ・・・・こんな寝顔なら、たしかに可愛いな レンの寝顔を見て思う。 自分と同じ寝顔かどうかは、たしかめるべくも無いけれど・・・ きっと俺も、同じ顔をして眠っているのだろう。 俺はごそごそとレンの身体に擦り寄って、シーツをひっぱりあげると、 ゆっくりと目を閉じた。 心臓の音が、ユニゾンで聞こえる。 |