北 摂

− 大阪の里道 −

 


【踏 行 日】2005年11月下旬

【撮影機材】OLYMPUS E-1, ZD14-54F2.8-3.5, ZD50-200F2.8-3.5, CASIO EX-P505

…梅田駅=(阪急電鉄)=箕面駅〜箕面大滝〜政ノ茶屋園地
【アプローチ】箕面駅から東海自然歩道の西の起点まで徒歩2時間ほど。自然が多くて楽しめる。
政ノ茶屋園地〜最勝ヶ峰(535m)〜北摂霊園〜泉原
★★☆ 東海自然歩道の入りは軽ハイクコース。山道を伝って標高600mまで上がる。後半は一転、林道歩きが長い。
泉原〜忍頂寺〜竜王山(510m)〜車作〜竜仙の滝〜荻谷〜摂津峡
★★☆ 山間の集落と田園風景の里道で繋ぐ。山道は竜王山の前後、竜仙峠の前後だけ。集落では道が細かい。
摂津峡〜高槻駅…
【帰路】駅まで歩いたが、その必要は全然無い。高槻市営バス・下の口バス停より高槻駅行きバスあり。

…梅田駅=(阪急電鉄)=箕面駅〜箕面大滝〜政ノ茶屋園地

箕面駅

阪急箕面(みのお)駅。大阪府は箕面市

紅葉飾り

ここから「東海自然歩道西の起点」を目指す

塔

駅前の広場には塔が立つ。何の塔かは不明

大阪は梅田駅。

阪急電鉄の幾つも並ぶホームから1つを選択。宝塚線だ。小豆色の列車に乗り込む。

石橋駅では箕面線に乗り換え。併せて30分ほどで終点・箕面駅に到着する。ごく短い列車の旅がここで終了。

駅から出る。朝早いだけあって、駅前に人は少ない。

――さて、今日の目的はズバリ「紅葉」。自身、今年の紅葉狩りは10月頭の御嶽山・乗鞍岳から始めたのだけど、やがて低山に下りてきて、11月下旬の今日は遂に平地に到達した、というわけだ。その紅葉シーズンが終わると、いよいよ2005年も暮れる。

そして箕面は紅葉の名所。大阪駅の北方12kmに位置する、大阪平野の北のふちの町。


駅前商店街

駅前商店街を抜ける

箕面スパーガーデン

箕面温泉へのエレベータ

箕面公園入り口

箕面公園入口。明治の森・箕面国定公園


箕面駅前から歩き始める。時刻はAM7:07、方角は北。

商店街を抜け、スパーガーデン案内所の前を抜けていくと、ものの10分で箕面公園入り口に到着。ここから「滝道」。舗装道だけど、峡谷を潜るように抜けていく薄暗い道と聞く。歩くのは初めてだ。


 



昆虫館

昆虫館

滝安寺・みのお弁財天

みのお弁財天。日本四弁財天の1つ、とも

いつものように、いきなりトップスピードで歩き出す。

……にしても早朝ウォーカーがやたら多い。自分も結構な速度で歩いているのに、皆だいたい同じぐらいのスピード。そんなわけで自分もウォーキングの人と間違えられ、すれ違う度に「おはようございます」と声をかけられる。


紅葉の滝道

紅葉の滝道。ウォーカーのメッカ

滝道の茶屋

滝道の茶屋。この時期、焼き芋はありがたい筈

「お早うございます」と挨拶を返しつつ道を急ぐ。肌に心地よい11月の朝の冷気。紅葉のトンネルに箕面川のせせらぎ。

昆虫館。瀧安寺。時々、道の脇に茶屋が現れる。「もみじの天ぷら」の看板も。ただ、まだ開店前だ。山に上がっていく遊歩道も幾つか現れる。入り込みたくなるのを我慢して、直進。

――紅葉は確かに素晴らしい。けれど、朝早過ぎた。こういった谷道に日が照り付けるのは昼間限定だと気付く。


滝道終点

赤い橋と白い瀑布。滝道終点はもうすぐ

紅橋

その橋から眺めた日本の滝百選の――

紅葉の箕面大滝

箕面大滝、落差33m。まだ朝陽が射し込んでいない

と、それまでぐねぐねうねっていた道が少し真っ直ぐになって、前方が開けた。忽然と現れたのが、箕面大滝。

滝の手前ではウォーキングをしていた人たちが体を休めている。ここを折り返し点として、また下って行くのだろうか。それとは別に、どこから涌き出したのか観光客然とした家族連れ。

それにしても――豪快に水を落とす滝。もし仮に、東海自然歩道を東京から歩いたのだったら、この滝の出迎えは感動ものだろう。そして、紅葉で真っ赤の滝道がゴールの後のプロムナード。

箕面を歩くなら秋がいい……勝手に、そう断定しておく。


 



大日橋駐車場

府道43号・豊中亀岡線と、満車に近い大日橋駐車場

先に続く道をキョロキョロ探す。けれど、それらしきものが無い。見当をつけて左岸、逆方向上方へ伸びる遊歩道に取り付く。

家族連れがいっぱい下りてくる。どうやら上に駐車場があるらしい。樹林の中の勾配のきつい上りで、一度大きくターンして滝方面に再び向き直る。箕面のサルたちは未だ活動時間では無いのか、気配は無い。

ほどなく峡谷沿いの府道に合流した。車道脇の歩道を北に向かって歩き始める。滝は遙か下方にあるのだろう、見えることは無い。

短いトンネルを1つくぐり、左に降りていく小道に興味を惹かれつつも府道上をそのままと進む。向かって来る人の流れが強くなって……大日橋駐車場に到着。

府道をさらに先へ。山蔭に入り、人影も無くなる。動くものは、間歇的に走り過ぎていく車だけ。


自然研究路入り口

百年橋の先の自然研究路2号線入口

箕面の森の紅葉

紅葉を望遠レンズで狙い撃ってみる


箕面自然歩道合流地

箕面自然歩道合流地。五月山へ続く

自然研究路3号線

緑の木漏れ日の中、急下降

府道ベタ歩きの予定だったけど、日和の良さがだんだん勿体無くなってきた。丁度、左に自然研究路の入口を発見。

そちらに入り込むと、ようやくの山道。序盤の登りはすぐに落ち着いて、朝日の射し込む道を落ち葉を踏み締めつつ歩いていく。ただし周囲は人工林で、紅葉はほとんど無い。

もう一度上っていくと、稜線上の分岐に出た。ここで散歩中のおじさんおばさんに道を聞かれる。自分も下りる道を間違い無いよう、地図で道筋をしっかりと確認。ビジターセンターへ向かう急下降の道を採る。


 



ビジターセンター駐車場

駐車場とトイレ。夜間、車は進入禁止

箕面ビジターセンター

箕面ビジターセンター。モグラ??

府道に出た。すぐにビジターセンター到着。

開館は10:00-16:00とある。ゆえにまだ開いていない。その脇手を進むと駐車場に出た。

――そしてそれはそこにあった。「東海自然歩道」の名を刻んだ石柱。

ただ、地味。案内板もあるけど、それも『おおさか環状自然歩道』のもの。確かに、ここから東京を目指す人なんて滅多にいないだろうけど、もう少し背中を後押しするような「起点」であって欲しい……。


政ノ茶屋園地

日が射し始めた政ノ茶屋園地もみじ広場。東海自然歩道最初の、もしくは最後の園地

射す朝日

どういうわけだか荘厳な雰囲気……

少し奥まった処に政ノ茶屋園地。朝の光が射し込んでいて清々しい。

そしてここは「終点」でもある。雰囲気は申し分ない。東海自然歩道を歩く人たちの旅の道中が平安であらんことを。


 


政ノ茶屋園地〜最勝ヶ峰(535m)〜北摂霊園〜泉原

東海自然歩道・西の起点

東海自然歩道・西の起点はこんなところで結構、地味

起点の片矢印

起点の片矢印。この碑は立派

東海自然歩道・西の起点。標高は285m。

AM8:52、第一歩を刻む

……と言っても東京を目指すつもりは毛頭無い。現に高尾山は一度歩いているし、丹沢の東海自然歩道区間もよく歩いた。そういう意味で、その「西の起点」に来たのはどちらかというと"郷愁"。道は繋がっているんだ、と懐かしむため。

今日のところは一区画を歩いて、東京・神奈川のそれとどのくらい違うのか、もしくは同じなのか、確かめてみるつもり。


丸木階段

丸木階段で高度を稼ぐ

最初の陸橋

最初に現れた陸橋は秋色で飾られていた

――もっとも、それさえ「ついで」。本目的は紅葉狩り。

石の階段はすぐ途切れ方角をいよいよ東へと変える。そこが自然研究路4号線との分岐。

この4号線は勝尾寺までほぼ平坦に続くらしいので、紅葉を目的にする場合は良い選択だろうと思う。

ただ、今日は登りを渇望している。従って山の稜線を目指し、東海自然歩道の木の階段を踏み上げて行く。


箕面川ダム

陸橋から箕面川ダムを見る

府道4号線を見下ろす

陸橋から府道4号・茨木能勢線

とは言え階段ばかり続くのもなあ、と思い始めたところで前方に陸橋が現れた。しかも、真っ赤な紅葉で飾られている。一転して道の印象が良くなるのだから、人の気分なんていい加減なものだ。

陸橋は府道4号を跨いでいた。こうやって見下ろすと、もうすっかり山の中の車道だ。左手には大きく箕面川ダム。

渡り切ると、ごく普通の山道に。――さあ、自然歩道も本番だ。


 



最勝ヶ峰へ向かう

多少のアップダウンもある尾根道

山栗

秋のしるし、山栗(っぽい実)

林間

林の中の道が多い

好印象を引き摺って、気持ち良く感じられる尾根道を進む。なにより周囲が自然林なので赤や黄色の木々を楽しみながら歩ける。

ただ、その後は北側から人工林と成り代わっていった。アップダウンも多く、見晴らしもほとんど無くなった。

何箇所かに休憩のためのベンチが設置されており、道標も多い。道の幅・状態とも申し分なく、良い散策道と言える。けれど、だんだん退屈になってきた。


最初の物体

山道に、突如現われる

展望盤

手前、大阪湾から淀川が大阪平野を貫く。箕面の山は左奥

途中、石の展望盤があったけれど肝心の展望がほとんど無い。きっと自然歩道開通当時は展望があって、「かの千里ニュータウンが間近に!」というポイントだったのだろう。

日本初の大規模ニュータウン千里――その謳い文句が喧伝されてから40年近くが経過。周囲の木々が高々と育つとともにニュータウンはニュータウンで無くなった。時間の流れを思う。

先へ進む。


最勝ヶ峰ピーク付近

最勝ヶ峰ピーク付近の木道

開成皇子の墓

宮内庁管理の開成(かいじょう)皇子の墓

最勝ヶ峰のピーク付近は木道で回り込む。この時、初めて北方への展望が得られる。と、言っても向こうもこちらと同じような一本の稜線が見えるだけ。

AM9:31、最勝ヶ峰到着。

標高は535m。低山だ。しかも、山頂は開成皇子の墓があって立ち入り禁止となっている。これじゃあ、山頂に到達したという感じはしないなあ。


 



見晴らし箇所

山頂付近の岩場。好展望

最勝ヶ峰からの眺望

最勝ヶ峰からの眺望。大阪平野そのものが見える。左の山影は金剛山(1,125m)

脇には説明板。あまり長居せずに、先を急ぐ。

……と、少しだけ岩場があって、そこで初めて南方への展望が得られた。淀川に沿う北摂の街並み、大阪万博公園と太陽の塔の背中。ただ、霞がかってしまっており、たいして遠望は利かない。


勝尾寺分岐

勝尾寺(かつおうじ)分岐。寺まで高度差あり

石塔

5基の石塔。勝尾寺の施設?

少し下るものの、すぐに上り勾配。石段が現れ「勝尾寺」を示す道標。勝尾寺は西国三十三ヶ所札所の23番。千本のカエデがあるということでこの時期には真っ赤に染まっていそうだ。

残念ながら、その赤はここまで届かない。勝尾寺の施設なのだろうか、石畳の上に石塔が並んだ区域を過ぎ、「勝尾寺園地」への道標が立つ十字路も過ぎてさらに上る。


鉢伏山

墓地と鉢伏山(604m)。中央の僅かな出っ張り

鉄塔2つ

見上げると鉄塔が仲良く2つ並んでいた

あまりに上るので地図を良く見てみると、先ほどの最勝ヶ峰は単に稜線派生ピークに過ぎず、この先にもっと高い無名ピークがあることが分かった。まあ、さっきのピークじゃあ物足りないと思っていたところだ。

双子鉄塔を通過。

やがて左手に整然と立ち並ぶ墓石が見えるようになる。地図で確認すると、北摂霊園とある。


北摂霊園

高度500mの高台に拓けられた北摂霊園

青と赤

その駐車場の傍を通る

同時に北への展望も開ける。じつは今日のコースの最高地点はここ。標高は600m近くなのだけど……どこがその地点か分からない。

そしてその最高地点にあったものは墓地。達成感は無い。

道はいったん霊園の車道に抜けるものの、すぐに右手に、山から下りていく東海自然歩道の入り口が見付かる。さあ、下りるか。なんか早過ぎるような気もするけれど。

と、車道の下り坂を競技用自転車がつーっと走り抜けていった。


 



石堂ヶ丘稜線?

北東への見晴らし。石堂ヶ丘稜線?

下降

林間の山道を下降する

さて、北摂霊園で箕面国定公園から出たことになる。ここから先は大阪の里道。手元にある"北摂・京都西山"の5万分の1登山地図を見ながら、山歩きだったらこのくらいからが本番なのに、と思う。

とりあえず、次の竜王山を目指すための長いアプローチと考えておくか。竜王山は、低山だけれども地図で見る限り山らしい山。その山頂には展望台もあるらしい。

もっとも、竜王山の山頂はここより低いのだけど……。


林道終点

車道の始点。コース案内板がある

黄

わんさか咲いているセイタカアワダチソウ

林の中の山道を下る。結構、急。勢い良く下って、下り切ると小さな広場に出た。

脇には真新しい木製の自然歩道の案内板が立っていた。ただし、またもや大阪環状自然歩道のものだ。これより、箕面市から茨木市に入ったことが分かる。

ここを始点に舗装道が伸びていく。林道だろうか?


林道

山腹を巻く林道。無駄に?整備が良い

集落

見下ろすと山あいに棚田と集落

エミュー

見下ろすとダチョウのような鳥が……

フラットな舗装道。山肌を巻きながら東へ向かっている。

歩き出す。展望のある箇所の多い、明るい道だ。見えるものは環境クリーンセンターの大きな建物、府道43号・亀岡豊中線とその路傍の集落、棚田。それ以外は緑。

――鄙びた山奥の集落だ、と言っても違和感は無いかも知れない。箕面駅は確かに郊外都市の雰囲気であった。そこから少し山に入っただけなのに、随分と雰囲気が変わるものだ。

道はごくゆるやかに下りながら続く。行程は単調、気候が良いこともあって、眠たくなってきそうだ。車の往来もまったく無い。まったく、山歩きでも無い。


 



レール

頭上を運送用レールが渡る

府道から分かれる

府道から分かれる。分かりやすい目印

やがて北摂霊園から下ってくる車道と合流、さらに二車線の府道43号にぶつかる。ここで標高は370mほど。意外と、高度を維持している。

左折して1分ほど府道を歩く。さらに左手に上がっていく別の細い舗装道に取り付く。その分岐には大きな丸い石があって目印になっている。

……とりあえず、街から離れていく方向でホッとする。


山脈自然歩道

山脈(やまなみ)自然歩道をゆく

泉原に向かう

山脈自然歩道から逸れ、泉原へ

ここから先は、茨木市の「山脈自然歩道」との重複区間らしい。林が切れると棚田や段々畑が現れ、山里の雰囲気が漂う。

完全な林の中の道となる。と、道標があって180°のターンを指示。そのまま直進していく山脈自然歩道を見送って、細く薄暗い道に入る。

木立の道をくねくねと進む。と思うと展望が開けて、棚田の最上部の道となったりする。

――やっぱり、どうも山歩きとは勝手が違う。ピークを目指さないトレッキング、というのとも違う気がする。これが日本の自然歩道歩きというものなのだろうか。ただ、東海自然歩道の丹沢区間は単純に山の稜線歩きの登山道で、常にアップダウンを繰り返していた。高い山の無い関西だからこう、というのも考えられる。

と、眼前に住宅地が現れた。泉原の集落だ。

府道まで下りる。が、指導標らしきものはどこにもない。手元の「登山地図」は府道まで赤線が引いてあるけど、いかんせん5万分の1、細かい道は分からない。うーん、どうも道に迷ったようだ。



田

刈り入れのとっくに済んだ田を見ながら歩く

泉原西バス停

阪急バス・泉原(いずはら)西バス停

とりあえず車の往来のある府道を東に歩いてみる。すぐに泉原西バス停に到着。AM11:12。

再度、地図を開く。府道をこのまま進むと「キリシタン自然歩道」に合流するらしいけど、東海自然歩道は北方向へ引き戻る形だ。さてどうするか……。

ちなみに、バスはきっちり1時間に1本の運行となっていた。――諦めて帰る、という選択は無い。



先のコースへ進む→


 

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