営業販売分離論

営業
販売という仮説
                                     
初に見たように、営業も販売・セールスも早い話が「売ること」においては変わらない、同じようなものだという理解では、これからも「売りの悩み」をはじめ、これからのセールスマンの指導や育成、セールス活性化のマネジメント(日常の活動管理)や仕事の評価などあらゆる問題の解決が行き詰まってくることが想定されます。

それは、言い方を変えれば、今までの考え方は「営業、セールス類似論」(営業販売)と呼ぶべきものであり、そのような理解では、営業という仕事の多様性と複雑さ・難しさ、事業にとっての意味など問題の解決が困難だからです。
(何よりも営業販売類似の考え方では、売れない悩みから抜け出せないし、営業体質も変わらない)
それに対して、先ほど見たように「業」の種類・内容とは、つくる貸す、運ぶ・・いろいろの態様があり、販売は、その一つである(勿論別物ではない)。営業の方がより多くの内容を含む仕事であることの事実を捉えた視点、販売よりも営業の方が内容が多い仕事という仮説を立てれば、そこに問題解決の手がかりやヒントがあることがわかります。

そこで営業と販売とを一度分離して考えて見ます

    (本来、営業と販売の関係は、同心円の関係)・・後述

では、はじめに仕事の定義がしやすい「販売・セールス」という仕事の定義をしておきます。

販売とは

「販売」とは、商品やサービス(ハード、ソフト)を売るという行為であり、少し広げて「受注する」「契約を取る」という活動のこと。

(厳密には、商品・サービスの受け渡しと代金の回収を含みます)
販売は、お客様に(消費者、最終利用者に)「働きかけた行為の結果」
(お客さまから認められた結果)活動であり、売上高(販売、収入金額)や利益の額で表されます。

「販売」をお客様の側から見れば「購買」「仕入れ」「契約」という表現で言うことも出来ます。

 「販売・セールス」は、「商品やサービス」の情報の周知提供からからはじまる。最初に「商品ありき」の活動です。

営業とは

「営業」の文字面と意味から。

「営業」は、その文字の構成にあるように、「業を営む」と云う合成語として日常的に使用されています。その意味からすると、製造業、加工業、輸入業、運輸業、倉庫業、卸売業、仲介業、代行業、リース・・などいろいろの事業を営むことを言います。

メーカーにとって「製品を造ること」は、営業をすることです。造ることが営業なのです。宅配業は、「物を運び届ける」ことが、リース業は、「貸すこと」、卸売業は「仕入れる、卸す」が営業で、その機能やサービスで代金、料金を得ています。

 製造業・・・造る・作る 価値を創り出して収入利益を
上げる
  (代金:料金)
 加工業・・・加工する
 運送業・・・運ぶ
 保管業・・・保管する
 卸売業・・・仕入れ、販売
  ・・・業・・・○○する
 ※販売業・・・販売をする


([営業という言葉は、明治時代に外国の概念を訳して、合成造語として生まれたものといわれます。それまでの日本の概念は「商い」「商売」というものであった。そこに「商いと異なる新たな概念」売る、買う、造る、仲介する・・などの総合性もつ活動として「ビジネス」という概念から生まれたと考えられます)

ちなみに「営業」の英訳は「Business」 
    「販売」は「Sell,Sales」


業を営んでいる状態(商品やサービス、技術を持っている)
       
お客様に利用・購入して頂いて、業として成り立つ

    

顧客、得意先との関係づくり。(見込み・顧客、用法の開拓)
事業には、取り扱う商品やサービスのよる違い(業種)や営みの態様(業態違いメーカー、卸売り、販売店など)の違いなどさまざまですが、その事業が成立する(業を営む)のに欠かせないもの、どの業種、業態の事業にも共通して不可欠な存在として、「顧客」「得意先」という人との関係(友好、信頼の継続)があることがわかります。いわゆる、お客様が無ければ、事業は成り立たないのです。

「人間関係」「人脈」「見込み客」「得意先」「愛用者」「お客様の信頼」「顧客満足」・・等の言葉もあるように「お客様との関係を作り
上げる、構築する」・・「見込みを見つける」「お客様にする」「顧客を逃がさない」「アフターフォロー」「営業活動」と云う。

「価値を生み出す」行為として。(うりものをつくる)

「業の営み」が成り立つためにのもう一つの欠かせないものは、(社会生活、お客様にとって)機能や効果などの価値を作り出すことです。その価値とは、形のある商品をはじめ、無形のサービスやシステム(約束ごと)までさまざまなものウリモノとなります。価値のつくり方は、それぞれちがいます。メーカーは「造る」運送業は「運ぶ」加工業は「加工する」倉庫業は「保管する」修理業は「修理する」警備業は「警備する」・・・・などの技術や役務を提供することで業としています。

 それらの技術や役務サービスという「ウリモノ」が顧客、得意先にその内容の信頼性と料金価格の正当性が認められて初めて「売上」という金額、収入として意味を持ってきます。

 その意味では、「営業」とは、「技術や役務サービスをつくる」(他社と差別化できるものに磨く、構築する、システム化する、約束履行する)など「うりものをつくる」「売る仕掛け、仕組みづくる、企画する、プラン化する」することも営業の仕事です。

最初に定義したように「販売を売ること」とするなら「営業は○○をつくる、構築する」と定義することができる。

営業販売分離論でセールス(販売)との関係を表せば「販売」は、「営業という働きかけ」の結果である。

販売成果」を大きくしたければ「営業」をするべし


販売高(赤)の成果が大きくなるためには、営業(黄色)を大きする(その量の拡大、、品質の高度化)ことが必要と考える。

                             

このような視点で見たのが「営業販売分離論」なのです。

営業販売分離論で定義すると 

「営業」とは

まだ取引関係のない消費者に働きかけ、(将来)顧客・得意先になってもらうための(「販売につなげる」)前工程と後工程の活動
(営業とは、新しいお客様を見つけ・ニーズ、用法ををつくること)
(見込み客をつくる、顧客の信頼を得る、顧客のニーズにこたえる、ウリモノをつくる、顧客を愛用者、継続利用者にする)


営業行為その1・・・見込み客をつくる
 

すべての事業に不可欠で共通しているものは「お客様、顧客、得意先」の存在です。営業のねらい、目的は、今まで無関係だった人、会社に対して、顧客、得意先になってもらう“ある関係”をつくること。

“ある関係をつくり出す”とは・・(いずれ)将来お客様になってもらうという関係(周知、認知、信頼)をつくること。

“いずれ・・将来でも良いから・・”という立場
いずれ将来でも良いから、自分(自社)のお客様になっていただくことができれば・・という考えでアプローチすることが営業の立場ということになります。
このことは、多くの優れた営業マンがすでに実証済みです。

売りの呪縛(ノルマ達成に熱心な)にあるセールスマンの多くは、この“いずれ将来・・”の思考がが全くかけているのです。初めて会ったその日に、すぐ売り込みのアプローチをしています。

“いずれ将来・・”とは、いつか。

ただ、いずれ将来が、来週(次回面談の時か)なのか、1ヶ月後か、半年後かということが不確実で、相手次第であることは事実ですがこの状況をを確実性のある「見込みにする働きかけ」が「営業手法」であり「スキル(技術)」というものです。

いずれ将来は、営業する側の継続的な働きかけの量と品質で決まるるもので、今日はダメだから、そのうちに・・というものではないのですから、計画的に、継続的に接触をすることが欠かせません。

“信頼を得るための働きかけ”
人がセールス行為に信頼を寄せるのは、2つの面から行われます。一つは、企業の知名度や規模、歴史、技術実績や実際に利用した実感、、口コミ等により、企業やサービスの信頼する場合ともう一つは、目の前にいる営業マンその人自身の態度や考え方をはじめ、その後の諸行為を通じて、ある種の信頼関係ををつくることの二つのことで信頼を確認します。
信頼関係を築くためには、その人の人柄とか考え方、姿勢(仕事への熱意、取り組み等)や「お役立ち」や「課題解決への熱意」などを認めてもらう為の働きかけ、積み重ねが必要ということです。


“個客のことを知る”

いずれ将来でもいいから、「見込み客」になってもらうためには、そのお客様(顧客ではなく、その個別客)の考え方や関心を持っていることについて知っておくことが必要です。そのことが将来具体的に交渉や折衝、販売の段階でコミュニケーションがスムースに進むことにつながります。人は、自分のことを良く知ってくれている、理解ししようとしてくれる人に対して、信頼感を持つものです。

営業行為その2・・・問題解決のプラン、アイデアをつくる

本来、商品やサービスは、お客様のウォンツを満たす機能や効用、仕組みを形にしたものですが、現在のようなライフスタイルの多様な時代は、だだ、機能や性能が良い、価格や料金が安いというメリットの提供ではなく、個々のお客様が抱えている関心や課題の解決に役立つもの(アイデア、企画・解決プラン)をトータルの満足を作り出す知識や情報が欠かせません。
営業とは「個別客」の問題解決策を考え、そのために商品やサービスの用途や用法をカスタマイズ(個々のお客様の仕様にする)する方向で提案する活動です。
 

“ニーズをつくる”

販売が“はじめに商品・サービスありき”の活動だとすれば、営業は、個々のお客様のニーズに合せて商品やサービスをつくることを前提とした活動だということです。また、“今特に困らない、必要ない”という状態に対して、“それなら欲しい、そうしてくれるなら・・
”というお客様の欲求を引き出す、お客様の要望する商品やサービスつくる(見つける)ことが中心にあります。 

営業行為その4・・アフターフォロー、固定客づくり 

販売した後の商品やサービスの活用には、その後のアフターサーフォローをすることで効果やメリットを確実にし、このことが信頼性を高めて、継続的な愛用者、得意先という固定客となります。アフターフォローは、単なる販売の後の苦情処理やサービスをするという範囲の活動ではなく、「将来の、継続的な見込み客の開拓」として役割があり、「営業」そのものといえます。 
新しいお客様を開拓することと既顧客を愛用者、固定客にして顧客をつくる(顧客の組織化、囲い込み)とどちらが効果的であるかは云うまでもありません。新規見込み客の開拓は比較にならないぐらい難しいことです。


“楽々セールスはお客様の紹介から”

セールス活動で最も困難なのが、新しいお客様とどのように接点をつくるかにあります。実際に個人を対象にした訪問型のセールス場合では、訪問しても半数以上が留守宅ですし、マンションなども飛び込み訪問は難しい傾向にあり、訪問面談の効率は著しく悪いのが現状です。
そのような中で最も効果のあるのが、既顧客からの紹介による訪問接触であることは云うまでも無いことです。新規見込み客の開拓をお客様の人脈を通じて行うことになります。“お客様をセールスマンの味方にせよ”というセールス成功の大原則はこのことを示しています。

営業とは、販売するための前工程と販売後のフォロー
「営業」と「販売」を区分して関連付けると、営業は販売するための見込み客の開拓、顧客のニーズ・課題の発見など販売を確実にするための前工程(見込み発見、仕掛け、仕組みづくり)ということになります。
同時に、販売後は継続的な見込み客、愛用者、リピーターになってもらうための後工程と位置付けされるものです。


営業と販売を区分してみると

 営      業  販      売
 ね  ら  い  見込:顧客を増やす  販売金額を増やす
 必要な知識:情報  顧客の関心、課題  商品知識
 訴求のポイント  役立ち、問題解決
 「顧客満足」
 性能、効能、価格
 「費用、コスト低減
 成     果  新規顧客獲得軒数  販売金額:利益金額
 技     術  聞く:情報収集  説明、説得、提案力
 戦     略  顧客別:地域別  商品別戦略

営業的なアプローチによるセールス鉄則

■ セールスは訪問・接触の回数だ
   (土壌調べ、種まき、肥料、草むしりしてから・・・収穫だ

■ ”今日は売れなかったが・・・人間関係は深くなった”
■ ”名刺がもらえた、話が聞けた”・・・で十分だ
■ ”断られたら・・・終わり”(売りを急ぐな!”
■ 2回の訪問や接触の方法を開発せよ
■ 
いずれお客様になっていもらえるような人的関係を作
 年賀状、暑中見舞いを出すのが「営業」

「営業販売分離論」の実際例
営業と販売は同じ人がすることは無い。
Aさんは、この4月に入社、経理部に配属されたが、先日高校の同窓会に出席した折、友人たちに仕事の話などして、名刺を渡した。
その折話が出たので、3人を販売課のベテランのBさんに紹介した。Bさんは、その紹介で3人を訪問し、2人の人から契約を取った。
(経理の人でも「営業」は出来るのだ。)
見込み客を見つけたのはAさん、販売したのはBさん。
「営業なら」入社した翌日からでもできる。  
Aさんは、先日大学の同窓生のサークルに出席した、同輩や先輩の人と歓談し、名刺を交換した。自分の配属は庶務課であるがビジネス社会で既に活動している先輩たちの話を聞き、これからも先輩に教えられることを心強く思った。帰ってから、名刺を頂いた先輩には御礼のはがきを出した。    
(名刺を交換しておくことが営業のスタート、教えを頂いたことに お礼のはがきを出したこと・・もらった先輩は、多くの後輩の中 であなたのこと特に印象に残ったはず・・が将来の信頼関係を特  に深くするのだ。)
「お客様から、紹介を受けて」販売が出来た。
お客様さまをセールスマンにせよ!”とは、理にかなったセルス鉄則である。訪問しても、留守だったり、会えても話も聴いてもらえないことばかりの中で、会ってもらえる関係が出来ることがどれほど大切かはいうまでも無い。
まさに「営業」・・見込み客との関係づくり・・をお客様
がして、販売をセールスマンがした、営業・販売分離である
Aさんの本日は、お客様に20軒の訪問してきました。
注文は、1件もありませんでした。
ガミガミ管理者は、おそらく訪問数が少な い、サボっていたあのではないか・・と叱責し、もっと訪問数を多くしろとの指導する。
しかし、Aさん自身では、初めての訪問で会えてて感じよく挨拶を聞いていただいた人が4軒、(今日は今から出かけるので・・)また、次回にとの約束ができた人が2軒、また、一人は以前他社の商品説明が不親切で(売り込むばかりで)業界を信用しないとの厳しい意見があった。また、その他3回目、4回目の訪問をしたお客様も、商談は具体的に出なかったが、顔を覚えてもらっていて、親しい関係が出来たので、今日のセールスは将来の手がかりが出来て満足している。

(業界の不信感を持たれたお客様には、はがきでお詫び)営業販売分離論で行けば、営業的(将来へのつながり)な成果は、大変多かった活動である。
(セールス成果(収穫)は無かったが、営業(種まき、水やり)は充分出来たということ。)
電話を取った段階であなたは「営業マン」だ。
夜7時半に残業で残っていた経理のAさんは、販売課の電話がなっていたので、仕方なく電話を取った。話は、本日納品した商品のことで、販売課の担当のものしかわからない問い合わせであった。お客様は急いでいる様子。しかしどうしてよいかわからず「自分は経理だから、わからない」と伝えた。
この言葉でお客様は激怒。翌日取引自体を中止することに発展した。お客様から見れば、電話を受けた人の社員としての基本のお客様志向のマインド・・営業・・の無さに怒ったのだ。
(個人で携帯を持っている時代、販売担当者、マネージャーの携帯に連絡することを怠ったために、お客様は怒り、長年の信用を失うことになった。)

        皆さんの身近に営業販売分離の事例はは多く見られるはずです

 売れなくて悩んでいるセールスパーソンの皆さん
 営業体質を改革するマネージャーの皆さん


 営業・販売分離論で一度挑戦してください。

 売上倍増、継続的な販売成果が見込めます。


 
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