日々、市民の生活と権利を守るための取り組みに奮闘されておられることに敬意を表します。
空前の大不況の中、保護受給者は全国で137万人を超え、生活保護制度の重要性はますます増してきています。ホームレスの人の増加や餓死事件、保護申請の拒否などに見られるように生活保護制度が最後のセーフティネットとしての役割が果たせていないのではないか、本来保護を受けることの出来るはずなのに保護を受けられずにいる人が多数存在するのではないかなどと指摘がなされています。
昨年6月から社会保障審議会福祉部会に「生活保護制度の在り方に関する専門委員会」が設けられ、保護基準をはじめとする生活保護制度全般に関して議論が行われていますが、昨年12月の「中間とりまとめ」で十分な議論のないまま老齢加算の廃止、母子加算の見直しなどが打ち出され、今年度には老齢加算が削減され来年度には廃止されようとしています。生活保護制度改革に際しては生存権を保障し自立を支援する制度としての役割を果たすためには何が必要かという観点で議論がなされるべきで、拙速な結論は避けるとともに、制度の在り方や基準額の議論は財政的な問題からの視点でなされるべきではありません。専門委員会の議論がなされている中、突如保護費の国と地方の負担割合を2:1にするという案が厚生労働省から出されましたが、このようなことが行われたなら保護の抑制に拍車がかかり、生存権保障という任務を生活保護が果たせない事態に陥ることは容易に予想され、絶対に行われるべきではありません。
一方、生存権保障の理念に反した保護の運用に対しては、全国的に審査請求・訴訟が数多く提起され、昨年の金沢高訴訟の最高裁勝訴、釜が崎佐藤訴訟の大阪高裁勝訴、今年になっての福岡中島学資保険訴訟での最高裁勝訴と画期的な成果が勝ち取られています。
生活保護制度は生活に困窮した時にスティグマを感じることなく利用でき、自立を積極的に援助する(=すなわち、入りやすく出やすい)制度であるべきです。その意味で自立を妨げている現行の資産保有などの規定を改善するとともに、扶助の内容についてもその観点から充実が図られるべきです。また、全国的に見られるホームレスの人や稼働能力のある人の保護からの排除など本来の制度の趣旨や実施要領に反した取り扱いについても、単に個別の実施機関や個人の問題ではなく制度の根本に関わる問題として捉え、誤った運用の早急な是正はもちろんのこと、そのような運用を生み出す背景も改革していかねばなりません。
このような状況の中、私達は国の動きを待つのではなく、市民の生存権を守るために取り組んできたグループや個人が協働して積極的に行動を起こし、地域から「生活保護改革」への流れを作り出していく必要があると考えます。
私達は、今年2月28日に「生活保護改革を考える神戸集会」を多くの人の参加を得て開催しました。この集会の成果を基に、これからも協働して地域から「生活保護改革」に取り組んでいくことを確認し、「生活保護改革を考えるひょうごネットワーク(仮称)」を設立することにしました。
この「ネットワーク」では、実際の現場での運用の改善のための行動、専門委員会に対する意見の提出、保護制度の改革の具体的な内容の検討、ケースワークや専門性のあり方など、生活保護制度が最後のセーフティネットとして正しく役割を果たすための改革へ向けた議論と行動を行いたいと考えています。
多くの方、団体の「生活保護改革を考えるひょうごネットワーク」へのご参加を呼びかけるものです。
2004年4月12日
「生活保護改革を考える神戸集会」実行委員会
(連絡先)觜本 090−6735−8138、
高橋 090−3652−8652
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