古典文法講座
このページは私が今までに授業で使用したプリントをもとにしていますが、体裁を整える余裕がないので、やや見づらいところもありますが、何らかの参考になると思います。
※「古典文法」を学習する意義・注意点については、「古文の学習法」を参照してください。
※一部、学問的には異論があるものもあげていますが、あくまでも受験する上で有効であることを念頭においてお り、その点のご質問にはお答え出来かねますので、あらかじめご了承下さい。
※ここに紹介していない内容も当然ありますが、職務上これ以上の公表はできません。ご了承下さい。
このページが「文法力」をつける一助になれば幸いです。
目次
歴史的仮名遣い
五十音図
品詞分類
動詞の活用のシステム
形容詞・形容動詞の活用のシステム
助動詞の暗記事項
助動詞の意味用法のポイント特別公開
つるちゃんの
助動詞接続の歌<曲付きページへ>
助詞
敬語の解明法
主要敬語
和歌の解釈法
修辞法
<歴史的仮名遣いの法則>
@auはouとなる。
Aeuはiyouとなる。
Biuはyuuとなる。
C語頭以外の「は・ひ・ふ・へ・ほ」は「わ・い・う・え・お」となる。
D「くゎ・ぐゎ」は「か・が」となる。
E「ぢ・づ」は「じ・ず」となる
F「む」は「ん」と読むときがある。
<五十音図はア・ヤ・ワ行が大切>
ア段 イ段 ウ段 エ段 オ段
ア行 あ い う え お
ヤ行 や い ゆ え よ
ワ行 わ ゐ う ゑ を
<品詞分類>
@助詞・助動詞はできるだけ暗記する。
A前の方から意味を考えながら切れそうなところで接続を考える。
B活用しているものは基本形に直して考える。
<動詞の活用のシステム>
☆活用の種類☆
◎覚えるものは覚える◎
@上一段活用は次の十数語のみ。
い ゐ
干る・射る・着る・似る ・見る・居る
《関連語》
鋳る 煮る 率る
鼻ひる・沃る・
顧みる・後ろ見る・試みる・
ひ い き に み ゐる
用ゐる・率ゐる
A下一段活用は「蹴る」のみ。
Bカ行変格活用は「来」のみ。(こ・き・く・くる・くれ・こ)。複合動詞あり。
Cサ変は「す」「おはす」。(せ・し・す・する・すれ・せよ)。複合動詞あり。
Dナ変は「死ぬ」「往(去)ぬ」の二語のみ。
Eラ変は「あり」「をり」「はべり」「いますがり」の四語のみ。
Fア行動詞は「得」「心得」の二語のみ。
Gヤ行上二段活用は「老ゆ」「悔ゆ」「報ゆ」の三語のみ。
Hワ行下二段活用は「植う」「飢う」「据う」の三語のみ。
I「得」・「寝」・「経」には語幹と語尾の区別がない。
J上二段(i・i・u・uru・ure・iyo)
下二段(e・e・u・uru・ure・eyo)
◎決まり手◎
「ず」をつけて活用させて、活用語尾が
@ア段→四段活用
Aイ段→上二段活用
Bエ段→下二段活用
◎「行」の判断は活用している仮名の「行」を調べる◎
例 走りて
↓
ら・り・る・る・れ・れ→ ラ行四段活用
語幹と語尾の区別のない語はその語の行
例 見て
↓
み・み・みる・みる・みれ・みよ→
マ行上一段活用
<形容詞・形容動詞の活用のシステム>
【形容詞の活用】
☆活用の種類☆〜下に「なる」を付けて
@ク活用…青くなる。
Aシク活用…うつくしくなる。
☆活用形☆
未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
く く し き けれ ○
ク活用…
から かり ○ かる ○ かれ
未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
しく しく し しき しけれ ○
シク活用…
しから しかり ○ しかる ○ しかれ
※未然形の「〜く」は仮定条件の時のみに用いられる。したがって、その他の「〜く」は連用形。
※カリ活用とは…
@「く」に「あり」がついて活用したので、ラ変型である。
A下に助動詞が来るのが原則である。
【形容動詞の活用】
☆活用の種類☆
@ナリ活用Aタリ活用〜語尾で決まる。
☆活用形☆
未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
なり
ナリ活用…なら なり なる なれ (なれ)
に
未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
たり
タリ活用…たら たり たる たれ (たれ)
と
※連用形部分は…
形容詞のカリ活用と同じく「なり・たり」の方は下に助動詞が来るのが原則。
【形容詞・形容動詞の語幹用法】…公式として暗記してしまうことが大切。
@名詞+(を)+形容詞の語幹+み→〜が〜ので
Aあな(あら)+形容詞・形容動詞の語幹→ああ〜だなあ
B形容詞・形容動詞の語幹+の→連体修飾格
<助動詞の暗記事項>
[接続]
@未然形につく → (る・らる・す・さす・しむ・む・ず・むず・じ・まし・まほし)
A連用形につく → (き・けり・つ・ぬ・たり《完了》・けむ・たし)
B終止形につく → (らし・めり・なり《伝聞推定》・まじ・らむ・べし)
*ただし、ラ変型の活用語には連体形につく
C連体形につく → (なり《断定》・ごとし)
*体言や助詞にもつく
*断定「たり」は体言のみにつく
Dサ変の未然形・四段の已然形につく → (り)
[活用の種類]
@「○・○・む・む・め・○」(四段型)で活用する
→ (む・らむ・けむ)
A「e・e・u・uru・ure・eyo」(下二段型)活用
→ (る・らる・す・さす・しむ・つ)
B「○・○・むず・むずる・むずれ・○」(サ変型)で活用する
→ (むず)
C「な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね」(ナ変型)で活用する
→ (ぬ)
D「ら・り・り・る・れ・れ」(ラ変型)で活用する
→ (なり《推定》・めり・けり・たり《完了》・り)…「り」で終わるもの。
E形容詞型で活用する → (べし・まじ・ごとし・まほし・たし)…「し」で終わるもの。
F形容動詞型で活用する → (なり《断定》・たり《断定》)
G不変型 → (じ・らし)
H特殊型 → (き・ず・まし)
*特殊型の活用表を書け→「き」
せ・○・き・し・しか・○
「ず」 ず・ず ・ず・ぬ ・ね ・○
ざら・ざり・○・ざる・ざれ・ざれ
「まし」ましか・○・まし・まし・ましか・○
(ませ)
[意味]
@過去 → (き)
A過去・詠嘆→(けり)
B完了・強意→(つ・ぬ)
C完了・存続(たり・り)
D自発・可能・受身・尊敬 → (る・らる)
E使役・尊敬 → (す・さす・しむ)
F打消 → (ず)
G断定 → (なり・たり)
H願望 → (まほし・たし)
I比況 → (ごとし)
*推量系
過去推量 (けむ) 伝聞・推定 (なり)
現在推量 (らむ) 婉曲・推量 (めり)
推定(らし)
\ /
推量 (む)=(むず) ←→ (じ)
打消推量
意志
打消意志
仮定・婉曲
適当(勧誘)
《可能》
↓
推量 (べし) ←→ (まじ)
打消推量
意志
打消意志
可能
不可能
当然(義務)
打消当然
命令
禁止
適当(勧誘)
不適当
↓
反実仮想 ( まし )
特別公開<助動詞の意味用法のポイント>
a、「き」と「けり」
「き」…過去(〜た・〜そうだ)
「けり」…(1)過去(〜た<そうだ>)
(2)詠嘆(〜たのだなあ・〜だよ)
☆ポイント☆
@原則として、「き」は直接経験した過去に、「けり」は聞き伝えで知った過去に用いるという差がある。
A「けり」が「詠嘆」の意味になるのは次の三つの条件のうちいずれかに該当するときである。
(1)目前事実について用いられている。
(2)自分の意見について用いられている。
(3)和歌に用いられている。
b、「つ」と「ぬ」
(1)完了(〜た)
(2)強意(きっと〜・〜しまう)
☆ポイント☆
@「つ」と「ぬ」の差は気にしなくてよい。
A訳をして動作が完了していない場合、「強意」になる。
多くの場合、下に推量系の助動詞(む・べし・ましなど)が来る。
B「浮きぬ、沈みぬ」などのような「並列」の用法もあるが、あまり問われない。
c、「たり」と「り」
(1)完了(〜た)
(2)存続(〜ている)
☆ポイント☆
@「たり」と「り」は接続が違うだけである。
A「〜ている」と訳さないと文意が通じない場合、「存続」になる。
d、「る」と「らる」
(1)自発(自然と〜される・思わず〜しまう・〜せずにはいられない)
(2)可能(〜できる)
(3)受身(〜される)
(4)尊敬(〜なさる)
☆ポイント☆
@「尊敬」は一番最後に考えること。(1)〜(3)のどれでもなかったら「尊敬」である。
A上に「心情語・無意識の動作」が来ると「自発」であることが多い。
B平安時代は、「可能」であるためには下に「打消表現」が必要である。
C「受身」は文脈で「〜から〜されている」のを確認して決める。
D無生物が主語のときは受身表現はとらないのが原則である。
E下に尊敬表現が来る「れ・られ」は「尊敬」にはならない。<れ・られの制限>
e、「す」と「さす」と「しむ」
(1)使役(させる)
(2)尊敬(なさる)
☆ポイント☆
@敬語を伴わないものは「使役」である。
A下に尊敬語が来た時は、「尊敬」が多く、「使役」になるのは「文脈に使役の根拠が明示されている」時のみで
ある。
<使役の根拠>
一、使役の対象が明示されている時。
二、本人がしている可能性が全くない時。
三、最高敬語がふさわしくない時。
B軍記物語には、「受身」で解釈するべき用例がある。
f、断定と推定の「なり」
断定の「なり」…(1)断定(である)
(2)存在(にいる・にある)
推定の「なり」…(1)伝聞(〜と聞いている・〜そうだ・〜らしい・噂によると〜)
(2)推定(〜の音・声が聞こえる・〜ようだ・〜らしい)
☆ポイント☆
@両者を判別するにはまず接続を確認する。
・終止形(ラ変型は連体形)につく→伝聞・推定。
・体言・連体形につく→断定。
・断定の「なり」は「と・て・ば」などの助詞や副詞にもつくことがある。
A接続で両者が判別出来ない場合は次のような方法がある。
・場面に音声が流れている場合→推定。
・断定せずに人の話や言い伝えで推定している場合→伝聞
・撥音便無表記の助動詞の下に来ている場合→伝聞・推定
B断定の「なり」は「場所と思われる名詞」の下に来る場合、「存在」となる。
g、「む(=ん)」
(1)仮定(〜としたら)
婉曲(〜ように)
(2)意志(〜しよう)
(3)適当(〜のがよい)・勧誘(〜しないか)
(4)推量(〜だろう)
☆ポイント☆
@「仮定婉曲」を最初に確認し、どれでもなかったら「推量」とする。
A下に「体言の省略された助詞・体言の省略された読点・体言」が来る場合「仮定・婉曲」となる。両者は要求され
ないかぎり区別しなくてよい。
B「意志・適当・勧誘」は訳で決定する。
C「反語表現」を伴う「む」は「可能推量(できようか)」となることがある。
D「むず」は「む」を強めた意味だが、意味は狭い。ほとんど「推量」か「意志」。
h、「べし」
(1)適当(〜のがよい)
(2)当然(当然〜はずだ)・義務(〜べきだ・〜しなければならい)│
(3)命令(〜せよ)
(4)意志(〜しよう)
(5)可能(〜できる)
(6)推量(〜だろう・〜にちがいない)
☆ポイント☆
@「む」と同様、「推量」は最後に考えること。
A「〜べきだ」と訳せる場合は(1)(2)(3)のいずれかである。
B(1)(2)(3)の差は「強さ」の違いで、文脈で判断するしかない。
C「当然」と「義務」は、合わせて「当然」とすることが多い。従って、「べきだ」と訳せなくても、「はずだ」と訳せれば、
「当然」となる。
D「能力・許容」を表す文脈に用いられいる場合は「可能」である。
E「む」と「べし」は一つの意味に絞れない場合も多いので、問われていない時は悩むな。
F「じ」と「まじ」はそれぞれ、「む」と「べし」の打消である。
i、「らむ」と「けむ」
「らむ」…(1)現在推量(今頃〜ているだろう)・現在の原因推量(〜ているからだろう・
〜ているのだろう)
(2)現在の婉曲(ているような)・現在の伝聞(〜ているという)
「けむ」…(1)過去推量(〜ただろう)・過去の原因推量(〜たからだろう・〜たのだろう)
(2)過去の婉曲(〜たような)・過去の伝聞(〜たという)
☆ポイント☆
@両者とも(1)(2)それぞれの内容の細かいところはあまり気にしなくて良い。
A両者とも(2)の場合は下に体言が来ることが多い。
B「らむ」は「目前にない現在の事実を推量する」のが基本である。これは読解に使える。
j、「らし」と「めり」
「らし」…推定(らしい)←根拠を持って推定する。
「めり」…(1)婉曲(ようだ)←客観的事実なのに断定を避けて表現する。
(2)推定(ようだ・のように見える)←眼前の事実をもとに主観で推定する。
☆ポイント☆
@両者とも速読の時は、「らし=らしい」「めり=ようだ」ぐらいの知識で充分である。
A「めり」の(1)(2)の区別が問われることは少ない。
B「らし=確信的な推定」「めり=視覚による推定」「なり=伝聞による推定」とまとめることができる。
k、「まし」
(1)反実仮想(〜だったら〜だったろう・〜だったらよかったのに)
(2)ためらいを含む意志(〜しようかしら)
(3)推量(〜だろう)・意志(〜しよう)
☆ポイント☆
@(1)の場合は「ましかば・ませば・せば・未然形+ば・その他の仮定条件」を伴う。あるいは仮定条件が省略されて いる場合は文脈でつかむ。
A(2)の場合は「疑問表現」を伴う。
B(3)は問われることは少ない。
l、その他
「ず」…打消(ない)
「ごとし」…(1)比況(まるで〜のようだ)
(2)例示(たとえば〜のようだ)
「まほし」…願望(〜たい・〜てほしい)
「たし」…願望(〜たい・〜てほしい)
<助詞はこれだけやれ!>
☆格助詞☆
(1)が・の
@「〜が」と訳す→主格
A「〜の」と訳す→連体修飾格
B※構文確認→同格
C「〜のもの」と訳す→体言の代用・準体言
D「〜のように」と訳す→比喩・連用修飾格※「の」のみ
※同格構文
「〜の(が)〜連体形+助詞・読点」の形で「〜」が同じ名詞の説明をしていて、+の部分に共通する名詞を補うことができる場合。
(2)を・に
(3)より
@手段・方法(〜で)
A即時(〜するとすぐに)
B経過点(〜を通って)
(4)にて・して・と等
☆接続助詞☆
(1)ば
(1)未然形につく→仮定条件(〜ならば)
(2)已然形につく→@原因理由(〜ので)
A偶然条件(〜ところ)
B恒常条件(〜すると必ず)
(2)を・に・が
(3)ながら…@〜のままでA〜全部
(4)ものから…〜けれども
※近世には原因理由も
(5)つつ…反復・継続(〜しては〜)
(6)て・とも・ども・ものの・ものを等
☆副助詞☆
(1)だに…@類推(〜でさえ)
A最小限(せめて〜だけでも)←意志・願望・仮定表現を伴う場合。
(2)すら(そら)…類推
(3)さへ…添加(その上〜までも)
(4)のみ・ばかり…のみ=@限定A強意 ばかり=@限定A程度
(5)し…強意
☆係助詞☆
<係り結びの法則>
文末の形(結び) 働き
↓ ↓
ぞ・なむ → 連体形 強意
や・か → 連体形 疑問または反語
こそ → 已然形 強意
※『係り結び』とは右の文末の形が法則通りの文末になっている場合(成立)のことを言う。
※「は・も」は係助詞だが、法則には入れない。
※次の場合は法則通りでないが、文法的に説明がつく。
@結びの単語がない。→「結びの省略」という。
A結びの単語はあるが、下に来る語の影響で法則通りの形になっていない。」
→「結びの流れ(消滅・消去)」という。
※係り結びの法則とは関係がなく文末が連体形になることがある。
@疑問語を伴う場合。
A文末を連体形にして余情を表わす場合。
B中世以降の、連体形が終止形の変わりに用いられようになったものの場合。
(Bは平安時代の文法では破格となる)
※係助詞の特殊な用法
@「こそ〜已然形、」は逆接で下に続くことが多い。
A「もぞ」や「もこそ」の形になると危惧の念を含むことが多い。
B「人名+こそ」の「こそ」は係助詞ではなく、呼びかけの接尾語である。
☆間投助詞☆
@や・を…詠嘆・整調
☆終助詞☆
(1)願望
◇未然形につく
なむ〜てほしい
ばや〜たい
◇連用形につく
てしがな〜たい
にしがな
◇種々の語につく
もがな〜があればなあ・であればなあ
(2)かし〜念押しの終助詞
(3)かな〜詠嘆の終助詞
(4)な・は・よ等
<敬語の解明法>
[一]敬語の種類
(1)尊敬語・・・給ふ(四段)・おはす等多数。
(2)謙譲語・・・給ふ(下二段)・奉る等多数。
(3)丁寧語・・・侍り・候ふの二語のみ。
☆単語を覚えるしかない。
※入試には特殊な用法が出るのだ。敬語でその特殊な用法があるのは次の三つ。
@給ふ〜四段活用←尊敬語
下二段活用←謙譲語
A参る・奉る〜「飲食物・着物・(乗り物)」に関して用いられると「尊敬語」になる
ことがある。文脈判断が必要。
B侍り・候ふ〜「貴人のお側に」という文脈のときに「謙譲語」になる。
☆「補助動詞」は活用語(動詞・形容詞・形容動詞・助動詞)の連用形につき、動詞本来の意味を持たないとき。
※「活用語の連用形+助詞+補助動詞」や「副詞(+助詞)+補助動詞」の形もある。
[二]敬意の方向
(1)誰からの敬意か。
☆敬意を払う人(=誰からの敬意か)は初めから決まっている。
地の文〜作者(書き手)から(『大鏡』・『無名草子』は「語り手」から)
会話文〜話し手から(登場人物の名前で答える)
☆文章の敬語使用は作者(書き手)が決めるのだ。敬意を表したくなければ敬語表現にしなければよいのだから。(会話文も話し手がどう話すかを決めるのだから)
(2)誰に対する敬意か。
尊敬語・・・作者(話し手)から動作主(敬語表現されている動作をしている人)
に対する敬意。
謙譲語・・・作者(話し手)から動作の受け手(敬語表現されている動作を受ける
人)に対する敬意。
丁寧語・・・作者(話し手)から読者(聞き手)に対する敬意。
☆丁寧語は「動作」を考える必要はない。文中の動作が問題ではなく、読者(聞き手)
に対する言葉遣いを丁寧にし たものと思ってよい。
<主要敬語 >(名詞・接頭語・接尾語・助動詞は除く)
<一>尊敬語
[動詞]
おはす・おはします・ます・まします・いまそがり
(いらっしゃる)
おほす・のたまふ・のたまはす (おっしゃる)
きこす・きこしめす (お聞きになる・召し上がる)
御覧ず・見そなはす (ご覧になる)
おぼす・おぼしめす・おもほす (お思いになる)
しろす・しろしめす・しらす・しらしめす (お知りになる・お治めになる)
たまふ・たぶ・たうぶ (お与えになる)
たてまつる《衣食乗に関して》 (お召しになる・召し上がる・お乗りになる)
まゐる《衣食に関して》 (お召しになる・召し上がる)
めす (お呼びになる・召し上がる・お召しになる)
大殿籠る (おやすみになる)
あそばす (お弾きになる・お歌いになる・なさる)
[補助動詞]
たまふ《四段》・たぶ・たうぶ (〜なさる)
おはす・おはします (〜いらっしゃる・お〜なる)
<二>謙譲語
[動詞]
はべり・さぶらふ (おそばに仕える)
まゐる・まうづ (参上する)
まかる・まかづ (退出する)
まうす・きこゆ・きこえさす (申し上げる)
奏す《天皇に対して》・啓す《皇后・皇太子に対して》
(申し上げる)
うけたまはる (お聞きする)
たまはる (いただく)
たてまつる・まゐる・まゐらす (差し上げる)
つかうまつる (お仕え申し上げる)
[補助動詞]
たてまつる・まうす・きこゆ・たまふ《下二段》・まゐらす
(〜し申し上げる)
<三>丁寧語
[動詞]
はべり・さぶらふ (あります・ございます)
[補助動詞]
はべり・さぶらふ (〜でございます)
<和歌の解釈法>
@五/七/五/七/七
A句切れ(訳をする時、「。」を付けるところ)を探す。
B文法力・単語力で直訳する。
C直訳して意味の通じにくいところに修辞法があることが多い。
D本文で「誰が・どんな状況で・どんな心情を・何のために詠んだのか」を確認する。
E修辞法に注意して、Dを汲み取りながら解釈する。
<修辞法>
《枕詞》・・・ある特定の語を導くために前に置く語。
@五音(ひらがな五文字)が中心。
Aかかる語が決まっている。
B訳さない。
あかねさす→日・昼・紫 あしひきの↓山・岩根
あづさゆみ↓いる・ひく・はる
あらたまの→年・月・春 あをによし↓奈良
うつせみの↓世・命
うばたまの→黒・夜・闇 くさまくら↓旅
しろたへの↓衣・袖
ひさかたの→天・空・光 たらちねの↓母・親
ちはやぶる↓神
《序詞》・・・ある語を導くために前に置く語句。
@六音以上。
Aかかる語は決まっていない。
B訳すことが多い。
序詞の三態・・・「序詞」はあくまでも「序」。「序詞」に続く部分が和歌の中心だ。
@同音の繰り返しでかかる。
逢坂の関にながるる岩清水いはで心におもひこそすれ
(「逢坂〜岩清水」が「いは」を導く序詞。逢坂の関に流れている岩清水の「いは」
という言葉ではないが、私も何も言わないで、心ではあなたを思っています。)
A比喩としてかかる。
秋風にあへず散りぬるもみぢ葉の行くへ定めぬ我ぞかなしき
(「秋風〜もみぢ葉の」が「行くへ定めぬ」を導く序詞。秋風に耐え切れないで散
ってしまう紅葉のように、どこへ行くかわからない自分が悲しい。)
B掛詞としてかかる。
わが背子が衣はる雨降るごとに野辺のみどりぞ色まさりける
(「わが背子〜衣はる」が「はる雨」を導く序詞。私の妻が着物を張る春になった
が、春雨が降るたびに野原の緑は色濃くなるなあ。)
《掛詞》・・・一つの語に、同音であることを利用して、二つ以上の意味を持たせた語。
けふわかれあすはあふみとおもへども夜やふけぬらん袖のつゆけき
(「あふみ」に「会ふ身」と「近江」がかけられている)
*「掛詞」は「和歌中の用語」「本文の内容」の両方面から推測しよう。
あきー飽き・秋 あふー逢坂・近江・逢ふ
きくー聞く・菊
ながめー眺め・長雨 あかしー明し・明石
うさー憂さ・宇佐 おくー置く・起く
かるー枯る・離る すむー住む・澄む
ふるー降る・経る・古る
もるー守る・漏る うらー浦・恨
こひー恋・火 思ひー思い・火
よー夜・世・節
《縁語》・・・ある語を用いた場合、意識的に使われる語。
鈴虫のこゑのかぎりを尽くしてもながき夜あかずふる
涙かな
(「ふる」は「鈴」の縁語。さらに「ふる」は「涙」の縁語。すなわち、「ふる」は
「振る」と「降る」が掛けられている掛詞である。)
*このように、「縁語」によって導かれた語は「掛詞」になることが多い。
《隠題(物名)》・・・題となった物の名前を歌の中に詠みこむこと。(掛詞とは違って、「訳さない」)
「日根ということを歌によめ」と仰せ言ありければ、・・・・
ふるさとのたびねの夢に見えつるは恨みやすらむまたととはねば
(「たびね」に「ひね」が隠れている。)
*これも、「本文の内容」が重要。
《折句》・・・和歌で各句の始めに一文字ずつ(計五文字)をおいて詠むもの。
から衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬるたびをしぞ思ふ
(「かきつはた」が隠れている)
《その他の和歌用語》
歌合(うたあわせ)・・・歌人が二組に分かれ、一首ずつ歌を詠み、判者が優劣を判定
する遊び。貴族達にとっては単 なる遊び以上に熱の入る競技
であった。
本歌どり・・・意識的に古歌を取り入れて新しい歌を詠み、余情をもたせる技法。
歌枕・・・和歌に多く詠みこまれている諸国の名所。
明石の浦 安積山 逢坂山 志賀 因幡 白河の関
水無瀬川 etc
たったこれだけで「古典文法」は君のもの!
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