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−登校・登園の目安について−


学校伝染病は、学校保健法施行規則により3類に分類されています。(伝染病予防法が廃止され、感染症予防法(いわゆる感染症新法)の制定に伴い、学校保健法も平成10年12月一部改正されました。学校保健法では感染症予防法で使用されている「感染症」という言葉は使用されていません。学校保健法では風疹などのように「人から人への伝染する疾病」という意味で従来どおり「伝染病」という用語が使用されています。

(著者コメント:伝染病という用語は伝染病予防法当時の悪いイメージが残っており、「学校伝染病」も同じように「学校内感染症」と総称しても何ら不自然な感じがしないが・・)

第1種学校伝染病はジフテリア、ポリオ、コレラ、エボラ出血熱、赤痢などの感染症第2種学校伝染病はインフルエンザ、百日咳、麻疹、流行性耳下腺炎、風疹、水痘、咽頭結膜炎など小児に罹患頻度の高い感染症と結核がいわゆる学校伝染病と称するもので、第3種学校伝染病は腸管出血性大腸菌感染症、流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎で小児に罹患しやすい感染症と理解されます。
このうち第2種学校伝染病については集団生活における病気の蔓延防止の目的で次のように学校停止基準が定めれています。
但し、症状により学校医その他の医師が病気の予防上支障がないと認めたときはこの限りでないと述べられています。いずれにしても学校医、かかりつけ医にご相談のうえ、登校(園)を決めて下さい。

登校基準について

第2種学校伝染病
飛沫感染する伝染病で、児童生徒の罹患が多く、学校において流行を広げる可能性が高いものが分類されている。
  • インフルエンザ…解熱後2日経過するまで。
  • 麻疹…解熱後3日経過するまで。
  • 百日咳…特有の咳が消失するまで。
  • 風疹…発疹が消えるまで。
  • 水痘…すべての発疹が痂皮となるまで。
  • 流行性耳下腺炎…耳下腺の腫脹の消失まで。
  • 咽頭結膜炎では、主要症状が後、2日経過するまで。
   結核は病状により伝染のおそれがないと認められるまで。
公欠・・・第2種届出伝染病は医師の診断書(登校許可書)があれば、出・欠席いずれにも相当しない公欠として処理されます。該当する授業の回数と欠席回数を公欠回数分減らす措置で、欠席を出席扱いにするものではありません。(学校保健法12条出席停止の規定)

学級閉鎖・休校(出席停止及び臨時休業)・・「校長は、伝染病にかかっており、かかっておる疑があり、又はかかるおそれのある児童、生徒、学生又は幼児があるときは、政令で定めるところにより、出席を停止させることができる。」(同第13条 臨時休業の規定)
(*学校での感染症の流行を防ぐために、患者となった生徒の出席を停止させたり、クラス・学校を臨時休業としたりすることがあります。これらの出席停止や臨時休業は学校保健法に基づいて行われるものです。)
第3種学校伝染病
学校において流行を広げる可能性があるもの。
  • 腸管出血性大腸菌感染症
  • 流行性角結膜炎
  • 急性出血性結膜炎
症状により学校医その他の医師において伝染のおそれがないと認めるまで。

伝染性紅斑、手足口病の登校(園)停止については、第2種学校伝染病として扱われていないので、それぞれの病気の項目を参考にして下さい。注:溶連菌感染症も「その他」に分類されています。)


付記: 伝染性紅斑、手足口病の登校(園)停止について−見解−
                          日本小児感染症学会運営委員会

学校伝染病第三類「その他の伝染病」の内容について明文化されたものはないが、伝染性紅斑、手足口病はこの範疇に含まれる疾患である。学校保健法施行規則第19条(昭和57年改正)によると、これらの疾病による出席停止期間の基準は「治癒するまで、ただし学校医その他の医師が適当と認める予防処置をしたとき、または病状により伝染の恐れがないと認めたときはこの限りでない」となっている。つまりこの法の趣旨は学校での伝染病の蔓延防止が目的であるので、その観点から検討すべきと考える。

1 伝染性紅斑 (註:リンゴ病)
伝染性紅斑はヒトパルボウイルスB19の感染症である。顔面の蝶型紅斑に続いて、四肢に網目状(レース状)の紅斑の出現で診断される。通常感染後17〜18日後に発疹が出現する。ウイルスは感染後5〜10日に血清及び気道分泌液中に陽性となるが、発疹出現の時ではウイルスの排泄はほとんどない。
 その他合併症、随伴症状などについて問題点はあるが、すでに発疹出現前に他への感染は拡大しており、発疹出現後の出席停止が本症の学校での蔓延防止に意味があるとは思えない。
したがって発疹期にある患児を他への感染を理由にして登校(園)を停止させる必要はないと考える。
ただし、本症には合併症も見られることがあり、個々の症例の最終判断は主治医が決めることになる。
以上の考えに基づいて地域の学校医(または医師会)で見解を統一しておくことが望ましい。
2 手足口病
手足口病はコクサッキーウイルスの感染であり、A16型、71型による報告がほとんどである。
A6、5、6、10型の報告もある。潜伏期間は3〜6日でウイルスの排泄期間は長く、咽頭から1〜2週間、便から3〜5週間排泄される。本症の場合は、発症後のウイルス排泄期間が長く、実質的に登校停止で感染を予防することは困難である。また全体的にみて不顕性感染も多く症状も軽微のため、本症をもって他のと分けた特別の扱いは不要である。したがって、本症の発疹期にある患児でも、他への感染のみを理由にして登校(園)を停止する積極的意味はないと考える。
 ただし、本症には合併症も見られることがあり、個々の症例の最終判断は主治医が決めることになる。
以上の考えに基づいて地域の学校医(または医師会)で見解を統一しておくことが望ましい。

付記
1 発熱があっても1日程度の軽症例が多い。口内疹による痛みで食べ物 がとれず脱水症をおこすことがある。 
2髄膜炎を中心とした中枢神経合併症があるので、臨床症状と経過に注 意し、個々の症例については主治医の判断にまかせる。

日本小児科学会雑誌 97:1875-1876,'93