映画で英語を勉強しよう!


 この件については、下記の雑誌に私のインタビュー記事という形で紹介されました。ここでは、その本文を掲載します。

 「英語マニアの強烈学習道教えます!」『英語をモノにするためのカタログ’98』
  
pp38-39, アルク, 平成10年1月25日発行

 

英語マニアの強烈学習道教えます!

映画が大好き!
自らシナリオ本を作成
肥沼則明

取材・文:縄倉範男/撮影:武藤滋生

きっかけは『燃えよドラゴン』。映画好きの少年がこのセリフをすべて収録したサントラを買い求めたことから、映画で英語を学ぶ道に。そして今は教育者として、自ら作成したシナリオ本などを使い、ユニークな教育法で子供たちに英語を教えている。

とにかく映画好きだった少年時代

 英語学習の副教材として映画のビデオなどを利用する人は多いが、これも徹底して使いこなせば立派なメイン教材となることもある。それを実践してきたのが肥沼則明さんだ。中学生のときからのめり込んだ映画鑑賞は一次のブランクこそあれ、これまでに観た映画の本数は数知れない。現在も自宅の書斎に500本以上のビデオが所狭しと並ぶ。
 「映画館に通っていたのは中学生の頃がピークでしたが、教員になってから最初の5年間くらいは毎日必ず1本はビデオなどで見ていたくらいで。家庭を持ってからはなかなかそれができないのが残念ですが・・・・」と苦笑する肥沼さんだが、これまでに見た作品を繰り返し視聴することで新たな発見があるのもだいご味の1つという。
 そもそも映画館に自分の意志で足を運んだのは中学生になってからと、決して早いほうではない。が、父親や7歳上の兄が映画や海外ドラマファンだったことから、幼年時代にすでにその影響は受けていたようだ。映画鑑賞と同時にパンフレットやチラシ集めも精力的に行い、こちらのストックも希少品・珍品を含めてマニア垂涎の膨大なコレクション内容となっている。とくに父親から譲り受けた「ベンハー」のパンフレットはおそらく初版で、アカデミー賞受賞に関する記載がいさいないレアな逸品だ。
 「そうやって集めた映画関連グッズの中にサウンドトラック盤のコレクションがあったんですね。たまたま購入したのが『燃えよドラゴン』の劇中のセリフをすべて収録したもの。趣味の一環で繰り返し聞いていたんですが、いつのまにか英語のおもしろさにとりつかれてしまって」。
 「初めは "Hello, Mr.Lee..." ですよね。それからテーマ曲に乗ってメインタイトルが出る前に有名なセリフがあるんです。"Don't think, feel!!(頭で考えるな、感じろ!!)"ってね。これが原点となって、後年に映画のセリフを聞き取って、訳すのが楽しくなりました」。

大学時代から自らシナリオ本を作成

 もっとも、高校・大学時代は水泳部に在籍したり、オートバイに夢中になったことから一時的に映画からは遠ざかってしまった。再び「映画英語」のおもしろさに没頭するようになったのは大学4年生の時。ネブラスカ大学オマハ校に留学生として渡米したのをきっかけに、本格的かつ実践的な英語の訓練が始まった。「なにしろ向こうは映画館の入場料が安いから気軽に足を運ぶことができたんです。当然、字幕は出ないから必死で内容を理解しようとしますし。まあ、勉強が大変だったので頻繁に行けなかったのが残念でしたけど。留学目的は教育関係について広く学ぶものでしたが、その中で1つだけ『映画の歴史』といった授業をとることもできて。無声映画時代から最近の作品まで世界各国の映画を題材にした内容だったんです。当時、授業中に自分の意見を言えるだけの会話力はありませんでしたが、リポートだけはしっかり自分の視点で意見を述べましたね」。
 帰国後は、卒論のテーマが“映画を使って英語を教える”ことだったせいもあるが、あくまでも楽しみの一環として映画のセリフを聞き取り和訳をほどこす作業に没頭した。『スタートレック』『スターウォーズ/ジェダイの復讐』『トワイライトゾーン』『ヤング・フランケンシュタイン』などは肥沼さんの苦労の結晶だ。
 「とりわけ『ジェダイの復讐』は学習教材として最適。ダースベイダーの声は1,2作目は細くて速いものでしたが、3作目から太くゆっくりした声に変わりましたし。また、ルークとダースベイダーの会話には現在完了形がふんだんに使われているので文法の勉強にもなりますよ」。

英会話習得にはSF映画がベスト

 基本的に授業で使うこうした教材はSF作品が多い。なぜなら劇中に時代を反映する鏡となるスラングが出てこないからだ。ゆえに文法的にもしっかりしており、英語学習のビギナーも混乱を避けることができる。
 「作品的には小さな子供も楽しめるような娯楽作品がベスト。年齢を問わず理解できるようなセリフになっていますから。ただ、近年はずっと中学で教えていますので規定のカリキュラムをこなすのに精いっぱいで、なかなか映画を題材にした授業ができないのが少々残念ですね」。
 とはいえ、肥沼さんの授業はすべて英語のみで日本語はいっさい使用していない。いかにわかりやすく簡素な英語を使って会話ができるかをこれも映画のバーチャルな英会話体験から得られたものである。
 「ブラッシュアップにはクローズド・キャプションを使ってビデオを見たり、通勤時間を利用してスクリーンプレイを何度も読み返したり。多くの作品を見るより特定のものに繰り返し接するのがベストかな。その作品のセリフを覚える気持ちで見ることです」。

※『英語をモノにするためのカタログ’98』(アルク出版)より


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