第3日目.2月 1日(土) ロスアンゼルス〜ラスベガス(移動日)

『全行程添乗員付ツアー』ってやつ…




 甘い寝息を耳に感じ目が醒める。気づくと長いブロンドの髪が、私の鼻先をくすぐっていたー。身体をおこし、朝のまだ、淡い光に輝く彼女の裸身を眺める。
 この国で見た、一番いい景色だと素直にそう思う。激しかった昨夜の行為のせいか、彼女はまだ夢の中、良く考えると、私も夢の中であった(爆)。
午前11時00分 遠慮がちに、ドアをノックする音で目が醒める。

 ボーイが、バゲージを取りにきたらしい。ドアを開け" Sorry ."と謝ると、" Your Welcome "と気さくに答える。さすが、ビルトモアは、従業員の躾が So Good !

 この時間まで寝過ごすとは、時差からか、連夜のイビキ合戦からかなのかは、定かではない。どちらにしても、相当つかれてたのでしょう。

 シャワーを浴び、そして、枕の下にルーム・メイドへの$1チップを置き、部屋を出る。そー云えば、昨日置いたチップは、しっかりと無くなっていた。

午前11時30分 チェック・アウト後、意を決して、ホテルの外へ出る。

 オノボリさんよろしく、ホテルの前で、写真を撮っていると、一見、プエルトリカン・ホームレス風の男が、傍へ寄ってくる。結局、男は、「俺とコーヒーでも飲んで、フリートークしないか」と言っているようだった。私は、虫の居所が悪かったのか、" No !"と怒鳴る。
  私の剣幕に気圧されたのか、「Noトハ、ドーユー事ダイ!俺ハ、コノロスデハ、結構スカーフェイスナンダゼ・・・」などと、ブツブツ言いながら、去っていった。
 結局、一緒についていって、" ヤク "を体験する機会を失ったのか、危険な目に合わなかったのか、定かではない。彼は今、流行の『ワイン・マン』や『サラダ・マン』ではなく、もしかして、新手の『コーヒー・マン』なのかもしれない。




午後12時00分 昼食を取ろうと意を決して、アルコプラザへ徒歩で向かう。

 土曜日のせいか、それとも危険のせいか、ほとんど歩いている人がいない。その辺が、良く判らないのが一番困る。場所は、ロスのセントラル・ライブラリを越えてすぐなのに、その図書館が、見当たらない。よく見りゃ、改築工事中であった。

 やっと見つかったアルコプラザは、早い話、札幌地下街。だが土曜日のため、ほとんど閉店。人の姿は、ひとり、二人・・・。遠くに妙な黒人二人連れが・・・トホホッ、警戒しすぎの我々は、L.A.ギアのスニーカーを買う予定も破れ、早々と退散。帰りの道すがら、結構、雰囲気があったので、歩道橋の上で記念撮影する。

午後12時30分 結局、ビルトモアのもう一軒のレストランで昼食にする。
 ラビオリを食べたが味の方は、一口食べたら、もう残すと云った涙無しでは、語れないものであった。待ち合わせの時刻も迫っているので、早々と退散。

午後13時05分 数えて、六人目のツアコンが、迎えにくる。
 真面目そうな好感を持てる日本人(男)だった。彼の名は「サトルフナキ」と云い、このロスで、フリーのツアー・コンダクターをしていると言う。結局、JTBの下請けなんだけど・・・。

 「僕の妻は日本人なので、マトモなモノを食べさせてくれるが、米国人の妻を貰った仲間は、悲惨です。子供もいます。ただ、この国は学校によって教育レベルが、かなり違うので、僕の子供は、お金が掛かりますが、ミッション系の学校へ行かせてます。日本?きっと帰る事になると思いますが、子供は、日本語を話せないので、いつなる事やら・・・」結局、英語に堪能というだけで、自信を持ってこの国に来たが、現実は、アメリカン・ドリームはそう、たやすくなく結構大変です。彼の話は、そう言っていたように感じた。

 空港に着くと、数えて、七人目のツアコンに、交代。あのビルトモアのツアコンに似た、恐怖の小太りの女性だった。何故こうも、このタイプが多いのかと考えたのだが、それは日本人に合わない、あちら食事と、本人自身の不節制なのかなと思う。その体形の例にもれず、彼女は、空港でチェックインを済ますと、出発まで1時間もあるのに我々を置き去りにする。

 待合ロビーにドヤドヤと、ジャップの集団がくる。俗に云う『全行程添乗員付ツアー』というやつだ。

 「皆さーん、動かないで下さい!」と声を張り上げる。その瞬間、ジャップご一行の身体が、凍り付いたように動きが止まったので、笑ってしまう。
 「ハイ。ここが空港のトイレです! 今の内にトイレを済ませて下さぁーい!ここでしなければ、もう出来ませんよーぉ! ハイ。行かない人は、離れないでくぅだぁさーい!」と金切り声でわめく。まるで、角川映画『天国に一番近い島』で、小林稔侍が演じた、ヒステリックなツアコンのイメージそのままであった。
 やはり、旅は気楽な方がいいね。
で、アメリカはほとんどの公共施設は禁煙、待合室にゾロゾロと蟻さんの真似をしている日本人を後目に、我々二人は、煙草を吸うために、空港内のバーに入ってビールを飲む。

午後3時55分 ロス発ユナイテッド・エアライン航空2121便
 飛行機の中から景色を眺める。赤茶けた広い台地の中に、ただ一本、幾何学模様のように道路が細く、頼り無く見える。「こんな道で、トラブルにあったら困りもんだな」とN氏と話す。飛行機のでは、ゆっくり寝たかったのだが、寝る暇もなく、約1時間ほどで、
ベガスに到着する。

午後4時51分 
ラスベガス(マッカラン空港)
 空港に着くと、数えて、8人目の女性のツアコンが待っていた。一瞬の雰囲気が、再びあのロスの最低ツアコンと似ていたので、ギクッとしたが、話してるうちにイイ人だと判ってくる。名前は「ユキさん」。米国人二人目のご主人を持つ、日本の女性だ。

 ユキさんは、「コンベンション(会議)ですか?」と我々に尋ねる。「いいえ、サイトスィーング(観光)です」と答え、どうしてか?と尋ねると、「最近の日本人旅行者にしては、珍しく、スーツ姿で、それに、オプショナル・ツアーの申し込みが入ってなかったもので」「JTBの説明では、現地申し込みになってたものですから」「これからじゃ、間に合うかしら・・・」と云って、すぐ様、携帯電話で歩きながら、連絡をとってくれる。
 話には聴いていたが、
ベガスの空港内には、やはりスロット・マシーンがあったのだ。早くも、ゲームがしたくて身体が、ウズウズする。

















午後6時00分 車は約20分くらい、Las Vegas Blvd.通称ストリップストリートを通り、フラミンゴ・ヒルトンホテルに到着する。

 ユキさんは、ホテル内の施設を詳しく案内してくれ、そのうえ部屋の中まで、一緒に来てくれて、明日と出発日ののモーニング・コールを入れてくれる。

 「事務所の電話は、1800-227-6XX0、自宅の電話は、431-2XX6ただし、毎日10時過ぎないといないわ」と、とても親切。
 部屋は、水色を基調にした結構、明るい雰囲気の部屋。カジノに行かないと困るので、ベガスではしっとりと落ち着いた部屋はないらしい。(噂)

 バゲージ到着を確認後、ユキさんと一緒にJTBカウンターまで行く。お世話になって、何もあげる物も無いので、残った免税煙草をユキさんにあげると「ありがとう!日本にいた時、吸ってたのよ」と素直に喜んでくれる。

午後6時15分 ディナーショー

 ショーの会場に入ったのが、ギリギリで、もうイイ席はないのではと思うほど、会場はギッシリ満席だった。ところが、さすがニッポンJTB!席を案内する男に素早く$10握らす。すると、あろうことか我々は、真ん中の最前列へ案内されたではないか。いかにチップが、最優先する国とは云え、この極端な対応には、ビックリ!

 隣の席には、毛皮をまとったブロンドおばはんとリッチなその夫。取り合えずは、相席になった日本人男女と、ベガスの夜に乾杯する!

 「新婚旅行ですか?」の問いに、「いいえ、ただ単に二人で来たんです」と相席になった日本人男女は答えた。『どーなってるんだー!最近の日本のわかーい者の下半身は!!』とネタむ気持ちでいっぱいの我々は、相手の男に辛く当たる態度を取らないようにしようと思うが、それが、かえって逆効果になってゆく・・・。飲み物の注文を取りに来ると、彼の方は、すっかり雰囲気に飲まれてしまい、すっかり、こわばってしまう。

 それを見て、「飲み物は何にしますか?」と、親切に彼等二人の分までオーダーしてあげる。彼女、それを見て、そんな彼をどう思ったのかは、皆さんの想像どおり。(笑)

 夢に見たベガスのディナーの割には、日本の観光旅館のように、いっぺんに料理が運ばれてくる。サラダ、冷めたロースト・ビーフ、パンで、意外に大したことは、ねーや。って感じ!

 突然、隣のブロンド・リッチが、話し掛けてくる。

" Are You Japanese ?"

" Yeah ! "(発音は、ほとんど「ィヤー」+語尾上げる)

" Do You Know コメコーチ ? "、" What ? コメコーチ ? "

" コメコーチ "彼女の云う「コメコーチ」が、全く理解出来ず、

" I Don't Know "それでも、彼女は諦めず、前の日本人男女やN氏に尋ねるが、埒が飽かず、仕舞いに彼女は唄い出した。

 「テルテルボーズテルボーズ、アシタテンキニシテオクレー、イツカノネガイヲキートクレー」

" Do You Know ? "と尋ねてくる。

" Oh Yeah ! It's a Japanese Songs."

 " Do You Know コメコーチ ? "と、再び、彼女は尋ねる。

" Is It Song ? "、" No."

" Is It Food ? "、" No."

" Is It Name ? "、" Yes. It's Place Name."

" Oh Yeah ! It's カミコウチ(上高地)!"

" You See ?"、" Yeah !"

" I Was Born コメコーチ.・・・コネコーチ?"、" No. KA・MI・KO・U・TI."

" KA・MI・KO・U・TI."、" Yeah !"

 この一連の騒動を聞いていた前の席の日本人の彼女が、尊敬の眼差しで、「英語、喋れるんですねー」とのたまった。この程度の英語は、単語の羅列で、会話とは云えないのだが。

 聞くと、今日、日本から着いたばかりだそうだ。来たばかしで、すっかり舞い上がっているのだろう。隣の彼が、やはりコジケテいる。

 海外旅行に来て、イイところを見せたかったのに、すっかり、ビビッた上に、外国慣れした(!?)私たちに圧倒されたのか。大人の私たちは、そんな彼をいたわり、そっとしておくことに決め、彼女ばかりに話し掛けて上げたのだった。やがて、ショーが始まった。



オープニング〜うぅっ!(感涙)来て良かった!思いも寄らぬ超美形のトップレスのダンシング・ショー。やっぱり、これじゃなくっちゃ。と御満悦。私は、左側の女の子の揺れる豊満な乳房にすっかり目が釘付け!(爆)

歌謡ショー〜米国人の生(ライブ)の歌は、よく考えてみると初めて聴く。う、うっ、トテモ上手。こんなのが、ゴロゴロしているのだから、アメリカン・ドリームは、力が無い者が、ラッキーで夢をつかんだのではなく、本当に実力はあるのだけれど、広いアメリカでは、チャンスを掴む、それすら大変なこと。そのワン・チャンスをアメリカン・ドリームと呼んでいるんだと気ずく。

マジック・ショー〜TVでは、何気なく観ているマジックも、現実に自分の目で見ると、けっこう驚き!本当に不思議なエンターメントでした。マジックは、素敵だったが、ちょっと、ザーキな感じで、嫌な奴。

アイススケート・ショー〜このフラミンゴヒルトンの名物ショー。氷のステージで、幻想的な美しい男女ペア・ダンス!この飽きないショーの構成には脱帽。

曲芸ショー〜身体を酷使したパフォーマンスは、割とどこでも見かけるのだけれど、合間に彼が話すジョークの面白いこと!みんなお腹を抱えて大笑いしてる。

 それでいながら、結構、人種差別を逆さに取った、ブラック・ジョークの隠し味で、私達ジャップには、「ムッ」する場面もあったが、他の日本人には、ピンとこなかったのか、『トヨタさん』と呼ばれ、バカにされているにもかかわらず、一緒にアホみたいに笑っていた。やはりジャップは、意味不明のウスラ笑いが出来る民族なのらしい。

 なんと!ジャパニーズ・フェスティバル〜ジャパニーズ・マネーのパワーも、来るところまで来たようだ。何故か、オリエンタルなドラの音と共にオープニング♪和服トップレスのダンシング・ショー「サクラ〜♪ サクラ〜♪ サクラ の はなぁわぁ〜♪」

 確かに、ショーは素晴らしかったのだが、今思えば、夢のようなひとときではあったのだが、『あぁ、こんなもんかな』って感じ。その時の私は、なんだか贅沢すぎて、素直に感動出来ない自分と、贅沢に慣らされた日本での生活水準を感じた。

 日本で見聞きするものが、世界中でも Hi-Topのレベルにあるのではないだろか。確かに米国人のライブも、マジック・ショーも超一流。アイススケート・ショー、曲芸ショーもレベルは高い。だのに、私の想像出来る範囲以下のものだったのだ。

午後9時30分 ディナーショー終了後、部屋にも戻らず、すぐナイト・ツアーのピックアップ場所に向かう。ユキさんと一緒にバスでナイト・ツアーに出発。

シーザース・パレス(ホテル)の火山噴火〜あのTV番組『なるほどザ・ワールド』でも紹介されたイベントです。その地震サウンドも、噴火の炎もTVより迫力がありました。






























































































































ダウン・タウン〜
 
本当に夜でも、ノー・フラッシュでも撮影出来るくらいのネオンの洪水。この国でも、ここは治安がイイことで有名ですが、このダウン・タウンのカジノ雰囲気は、比較的、身なりもラフな人も多く、ガヤガヤと賑わい日本のパチンコ屋に近いような印象です。やはり、ここでもネオンの洪水をバックに記念撮影する。
夜景バー〜
 
スカイ・ラウンジから見る街のネオンもまた、格別!光の洪水ファンタジーって感じ。ここで、カクテル・サービス。混んでいれば中止、金は返さないという。運良く、20人くらいの席は、確保出来そうだ。(ユキさんが、必死になって席を確保してくれた。ただ、米国人に無理やり席を譲って貰ったしてもらったり、ちょっと、やりすぎかなって気もしたことも事実。)

 で、席に着くことにする。やはり、新婚さんは、新婚さん同士。 ギャルは、ギャル同士。
 結局、同席したのは、おばさん二人組(友人同士の旅行らしい)。

「ロスで、コリアか?って言われたのよー。ショック!」と、軽い乗りで、人種差別(当時)を口にする。見ると確かに、良く似ている。以後、再びシスコで再会する、このおばさん二人組を”コリアおばさん”と呼ぶことにする。

 二十四時間、簡単な結婚式が出来る、ウェディング・チャペル(Wedding Chapel)を左に見ながら、帰途に着く。







午後11時30分 フラミンゴ・ヒルトンに戻る。

 バスの他の客は、ディナーショーを見るため、わざわざフラミンゴまで来ているので、「えぇーっ、フラミンゴに泊まっているのー」と、ここでも、ジャッピーから、羨望の視線。

 ホテルに戻り、いつもの『パスポート等、金品をセーフティボックスに預ける』儀式を向かえる。このホテルでは、セーフティボックスはフロントではなく、地下にあると云う。ホテルは広く、少々遠い。地下に行き、ユキさんに聞いた通りに、ブザーを鳴らす。返事のブザーが鳴ってから入る。(勝手にはいると強盗と間違えられ、撃ち殺されるかもしれないという。)

 中には、警備員スタイルの黒人の女性が二人。モチロン拳銃付。

ここでは、" Yes sir."などとは、言ってくれない。

 小心者の我々は、" Safety Box Please."(あのースイマセンが、よろしければ金庫貸していただけないでしょうか)、 " OK !"(いいわよ)と彼女は言うが、その眼光は鋭く、どうやら我々を値踏みしているようだった。

 部屋番号と自分のサインと、更に、ここでは、自分の母親の名字を書かされる。同姓同名を避けるためだと言う。これだけ警備が強固なら、黄門様から預かった印篭だって大丈夫だ。息ヨーヨーとカジノへ向かう。


カジノ・ゲーム(ホテル・フラミンゴ)

 この日の予算、$300。私は、予定どおり大勝ちし、カジノで出会ったブロンド・バニー娘ふたりを横にはべらせ、取敢えず、円形の泡風呂で、勝利の美酒、シャンペンで祝杯をあげる。

 このホテルで一番高い、ロイヤル・スィートに部屋を換えたのだ。じぃんせぃ〜♪ 楽だけー♪ 苦はぁ、ないさぁ〜♪♪♪

 N氏、有り金、全部スッてしまい、可愛そうだったので、カジノで拾った気だてのいい黒人娘を二人あてがってやり、その上、彼を気遣い、ダイエット・ペプシまで与えてやる。

 ・・・・・と夢を見たのも、プレイする前までの話。

 まずは、キャシャーで両替なのだが、キャシャーはキャシャーでもコインを現金に換えるところへ、行ってしまったようで" Change Please "というと、早口でここじゃないというしぐさをする。

 " Why ? "
(俺たちを誰だと思ってるんだ!日本の殿様だぞ!)
と云うと、
" Are you MEXICAN ? "
(ワカラナイコトヲ、イウヒトネ!アンタハメキシコジン?)
と言い返される。

 " No Japanese ."
(ざけんじゃねーよ、ハラキリをみせよーか)

この言葉に彼女は、すっかり負けて、これでいいんだろとコインを差し出す。
 バっカやろ〜、最初から素直にそうすりゃーいいんだよ。^^;(やはり、賭事は人格を変えるのだろうか?)

 我々は、意気揚々とスロットへ向かった。今朝のフリー・ツアー・コンダクター「サトルフナキ」から仕入れた情報どおり、トイレから3、4番目の台を狙う。手にしたフラミンゴの$1コインケースは、ズシッと重い。

 10分くらいで、最初の$20失う。今度は間違えずに、もう一つのキャッシャーへ行き、トラベラーズ・チェックを両替する。
 $600(約78,000円)両替しようと、$100のトラベラーズ、6枚にサインする。しかし、そこでまたキャッシャーの彼女は、" PASSPORT ? "パスポートを見せろ言う。

" Oh No ! My PASSPORT Is Safety Box."
(お忍びの旅だ。俺の印篭は、助さんに預けている)

" No! PASSPORT !"
と彼女は、ニベもない。

 俺は、早くスロットがしたくて、イラつき、珍しく言葉を荒げる。

" My PASSPORT Is Safety Box. You See !"
(判らない奴め!助さんに預けていると言ってるだろう!)

"No !"
彼女もムッとして答える。

" OK ! Remit ? "(判ったぜ! いくらまでならいいんだ?)
"$400."(お客さんは、私好みのイイ男だから、特別に400ドルまでいいわ)

"$450."(チップを450ドルやろう)

" No! $400Only ."
(私好みのイイ男には、1ドルも、もらえない。400ドルまでなら交換するわ)

 人の心の『わび』、『さび』を理解出来ない人種に、これ以上、何を言っても通じないので、寛大な私は、許すこととし、2枚のトラベラーズを引っ込めた。しかし、これがまた次の災いを呼ぶことになる事を知らなかったのだ。

 せっかく、換金したその金も、1時間もしないうちに底をついてしまい、またもや、キャッシャーへ向うはめになった。

 今度は、先程の黒人を避け、一番左端にいるブロンド美人のところへ行き、サイン済のトラベラーズ2枚を渡した。さっきの一件もあったので、" Change, Please."と、低姿勢に頼む。

 すると、あろうことか、

" Are You Sure ? "(貴方は、手話が出来るの?)

" Oh ! This Is My Sign!"
(何ってこったい!俺のサインに決まってるじゃねーか!)
と声を荒げる。
" Yeah, But Write Again Here."
(わかったわ、それじゃ、ここにもっかい書いてよ)
と云う。
いまいましいが、『泣く子と現地人には勝てない』と、ツアーガイドにも書いてあったようなので、しぶしぶサインして見せる。

" Really ?"(モノホンだろ?)
" Yes." sir をつけない事に、腹を立て、

" Do You Know Japanese SAMURAI ?"と尋ねる。

" SA・MU・RA・I ? "と彼女が、オウム返しに尋ねる。

" Yeah, SAMURAI. It's Me !"と訳の判らないセリフをかまし、その場を去る。


 それでも、賭博の楽しさと、酒に溺れ、時間を忘れ、「ベガスは、サイコー!」と、ハマり込む。


午前 5時30分 ボロボロになって、二人部屋に帰る。
寝る。8時半には、起きなきゃならない。3時間でも、寝ないよりマシだ。