1.わが国発の本格的ゴミ発電所が完成 2.環境学習の指導者育成へ
3.温暖化防止へ生活スタイル見直しを 4.省エネルギーで大きな効果
5.北極海への真水流入量増加 6.北太平洋の赤道域で海水温度や海面が上昇
7.生ゴミなど有効活用、バイオマス総合戦略を閣議決定
8.天然資源の有効利用、「資源生産性」を2倍に
9.高知県、「森林環境税」を徴収する条例案を提出
10.国の循環型社会計画案で廃棄物半減と目標設定
11.森林整備と治山事業を統合 農水省、新事業計画策定へ
12.衛星みどり2のセンサー、北極オゾン層の破壊観測
13.深海の次世代エネルギーを掘削 経産省、実用化目指す
14.世界水フォーラム閣僚宣言案、ダム建設を容認
15.企業に「環境格付け」、 情報開示・倫理など20項目調査
16.南極の棚氷の崩壊で、氷床の急激な移動招く
17.紙コップ「退場」、プラスチック製のデポ制を施行
18.農水省が、農業分野の重要性を水フォーラムでPR
19.港湾の海底汚染に歯止めを ダイオキシン対策指針策定
20.<環境首都>福岡市が1位 「首都」称号は見送り
21.県境超えNPOが森づくり 吉野川の上流から下流へ
22.「森林・林業白書」、日本は資源の質が劣化している
23.環境面でも南北格差 世銀がデータ集で指摘
24.食品産業ビジョン策定へ
25.<東京タワー>夏至の夜、一時消灯 環境問題呼びかけ
26.4省庁「エコ」車普のために連携、アイデア持ちより検討
27.<一斉消灯>大阪市は「環境より観光?」で難色
28.三峡ダムに大量のゴミ=重慶だけで7000トン
29.八丈島がデポジット制度の廃止を検討
30.環境省が紫外線保健指導マニュアルを公表
31.環境教育に外部の専門家を活用 環境教育法が成立
32.土石流、3つの治山ダムを破壊
33.レジオネラに総合予防指針、浴槽以外にも対応
34.環境省、環境と経済両立のアイデア募集
35.環境省、水の環境、「環境」の視点から新指標
36.林野庁、間伐材を建材用に モデル地域作り支援
37.企業評価で「企業の社会的責任」が新たな指標に
38.オゾンホール、過去最大に迫る勢い
39.100万人を田舎に戻そう
40.環境省、環境と経済の好循環ビジョン策定へ
41.ISO14001取得が世界で4万9462件に
42.世界気候変動会議が「懐疑論者」集めて異例の会見
43.日本のトキ絶滅、最後の「キン」が死ぬ
44.温暖化で海面上昇、日本の近海最大17センチと試算
45.ごみ固形燃料施設4分の1で事故・・・・消防庁
46.WWF、電力会社のCO2削減「脱原発でも可能」と提言
47.スーパーの生ごみ処理施設で爆発
48.ゴミ拾う客に千円券振る舞う、悩める大阪・アメリカ村
49.回収ペットボトルを再びボトルに
50.温暖化は人間活動が原因と米専門家が分析
51.温暖化でサンマがやせる可能性
52.林業に”新鮮力”、就労の9割が転職組
53.企業の環境対策を格付け
54.国交省など、東京湾のごみ捨て場を森に
55.環境省、河川などの健全性を示す指標策定へ
56.木くずの有効利用で努力 5県知事ら盛岡でサミット
57.批准するだけの根拠ない 京都議定書でロシア高官が表明
58.中国がグリーンGDPの導入を検討している
59.埼玉県戸田市、資源ゴミ持ち去りを禁じる条例を施行
60.南太平洋の島国ツバルに大潮警告 全体が冠水の恐れ
61.温暖化防止の森林整備、「負担は国民全員で」が40%
62.一般廃棄物の排出横ばい 環境省の2001年度調査
63.パソコン1台の資源消費1.8トン
64.オゾン降下が温暖化加速 中緯度帯では影響大
65.二酸化炭素濃度、この1年間に激増
66.「死の海」日本周辺など世界で拡大
67.2001年度物質フロー指標、資源生産性が低下
68.イオン、ごみ爆発事故の調査結果を発表
69.地球観測サミットで「地球温暖化」か「気候変動」かで攻防
70.農作物品種の4分の3消失 国連、食生活に驚異と警告
71.環境省、映画「デイ・アフター・トゥモロー」を異例の大宣伝
72.資源浪費しない経済を 水資源問題などでシンポ
73.国産材消費が15年ぶりに増加
74.土壌や湖沼で酸性雨による影響の可能性大
75.「CO2削減・百万人の環」キャンペーンの実施結果
76.環境ホルモン新戦略、全化学物質に広げ影響調査
77.2010年に100兆円の環境ビジネス国内市場創設を
78.徳島県上勝町、究極のごみの34種類分別で8割再利用
79.オゾン層破壊、依然深刻な状態
80.環境省、エコファミリーを表彰
81.環境省、地域ぐるみの湖沼浄化を支援
82.中国、環境汚染による損失額をGDPに計上
83.経産省、CSRに関する懇談会作成の中間報告書を公表
84.日本の真夏日が2100年には120日に
85.中国国内で割り箸の日本向け輸出に批判高まる
86.子供は大人よりも環境保全に関心が高い
87.経済産業省、1世帯あたりの省エネの目安策定へ
88.日本LCA学会が発足
89.台風が強いのは温暖化の影響?
90.2070年に北極の氷消滅
91.北極で平均気温が今世紀末で最大7度上昇の予測
92.国産材消費拡大で、紙製飲料容器の普及を提言
93.今年は全国各地で記録的な集中豪雨が頻発
94.日本温暖化ガス削減基金が設立
95.クマやシカの生息地、休耕地などで拡大
96.年の平均気温が日本は史上2位、世界では4位に
97.モルディブ、島民全員避難のゴースト島が続出
98.2002年度の「ごみ排出量」、1人1日1111グラム
99.未来型バス、静かに発進
100.京都議定書が発効
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わが国発の本格的ゴミ発電所が完成
2002.11.11 |
わが国初の本格的ごみ発電所が、福岡県大牟田市に完成した。出力は2万キロワットで12月から本稼働するとのこと。エネルギー源は家庭から排出される生ごみなどを乾燥し、固めたクレヨン状の「ごみ固形化燃料(RDF)」である。
発電所には福岡、熊本県から28市町村(人口61万人)が参加する。家庭から出る可燃ごみは、1日約500トン。これを7カ所のRDF製造施設に運び込み、270トンのRDFが毎日、発電所に持ち込まれる。
経営には福岡県や28市町村、電源開発が出資した大牟田リサイクル発電が当たる。電気は九州電力に売却。計画によると売電額は15年間で147億円に及び、6億円の黒字が見込まれている。ダイオキシンは活性炭で吸収し、排出濃度は、最も厳しい1立方メートル当たり0.1ナノグラム(1ナノは10億分の1)を、クリアできる。
政府は温室効果ガス排出削減を目指して、2010年までに風力、太陽光などの新エネルギーによる発電を、国内総発電量の1%にする計画を掲げている。ごみ発電も、その一つで400万キロワットが目標である。
ごみを資源として再利用し、石油や石炭を節約、二酸化炭素の排出削減にもつながる。市町村の負担も従来通りだ。これだけ多くのメリットがあるのだから、全国の市町村もどんどん造ったらいい。
ただ、ごみ対策の立場から見ると「弱点」も抱えている。発電には一定量のごみが必要であるため、廃棄物の排出量が減らない恐れがあることだ。ごみの再利用が成功しても、排出量そのものが増えたのでは廃棄物対策としては問題がある。
減量には住民に、徹底したごみの分別が求められる。分別によって古紙や牛乳パック、木製の家具などが資源としてリサイクルされ、廃棄物の減量につながる。
名古屋市の対策が参考になる。99年に、ごみ非常事態宣言をし、20種類分別を実施し、3年間で排出量を4分の1減らしている。大牟田のごみ発電所が、すべてに合格点をとれるかどうかは、住民の意識にかかっている。
2002.11.7 毎日新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
ごみを単に焼却するのではなく、発電に利用する。確かに有効だろう。しかし、この記事にあるように「発電には一定のごみが必要」なのだ。高価な設備を有効に活用するには、稼働率を上げなければならない。世の中の「ごみ減量」の流れに逆らうことにならなければいいのだが・・・・。数年前のことだが、実際にごみ発電システムを設計していた友人が「このシステムは非常に高価だから稼働率を上げなければならないんだ。でも、ごみがなくなったら困るようなシステムを造っていいのだろうか」と悩んでいたのを思い出す。
また、たくさんのごみが必要になるということは、広域的なごみ収集がなされることを意味する。一般道をごみ収集トラックが行き交うことになる。交通事故の心配をしなければならないし、排気ガスによる一酸化炭素、二酸化炭素、粒子状物質による大気汚染や、その中に含まれる発ガン物質・環境ホルモンの問題もある。いくらダイオキシンを発生しない設備を造ったとしても、ごみ収集車が発ガン物質をまき散らすのであれば、まさに茶番である。さらに、「自分たちの町は他の町のごみ捨て場なのか」と憤慨する声も数多く聞こえてくるのは当然だろう。
ごみは資源。だから有効に使わなければならないのだ。一見、もっともな理屈である。しかし、私は「ごみを燃やす」方策には賛成しかねる。それは次の理由により「ごみは燃やしてはならない」と信じるからである。
ごみを燃やしてはならない3つの理由
皆さんは、「どうして、ごみを燃やしてはいけないの?」と質問されたとき、どのように答えるだろうか。
たいていの人は「ダイオキシンが発生するから」と答える。ダイオキシンは、サリンの2倍、青酸カリの1万倍の急性毒性を持つばかりでなく、慢性毒性、発ガン性、催奇形性、環境ホルモン作用を持つきわめて有害な物質だ。
ごみの中には、塩化ビニルや塩化ビニリデンのラップやトレイが混じっていることが多い。だから、ごみを燃やすとダイオキシンが発生し、環境を汚染してしまうのだ。また壁紙などを燃やすと臭素系のダイオキシン(この毒性も塩素系ダイオキシンに勝るとも劣らないとされている)も発生する。これがごみを燃やしてはならない第1番目の理由である。
ところが研究の結果、ごみを完全燃焼させるとダイオキシンが発生しないことが分かった。そこで最近では、焼却炉を改良して完全燃焼を行おうとする動きが主流になってきた。確かにこの方法でごみを燃やすとダイオキシンは発生しない。ただし、24時間連続運転でない限り、運転開始から完全燃焼に至るまでの間と運転停止してから完全に消えてしまうまでの間は、完全燃焼を確保することは困難なのである。24時間連続運転するということは、ごみが足らなくなっては困るということにほぼ等しい。
ここで質問。完全燃焼とはどういう意味だろうか。
完全燃焼とは、炭素と酸素を100パーセント化学結合させる、つまり二酸化炭素を作るという意味なのだ。いうまでもなく、二酸化炭素は地球温暖化の原因物質である。
IPCCという国連の下部機関は、「21世紀末には地球の平均気温が最高5.8度、海面も最大88センチ上昇する」と発表している。その過程で集中豪雨や干ばつなど異常気象の頻発、環境難民の増大、生物種の絶滅、食糧不足による飢餓などを引き起こす。ごみを燃やしてはならない第二の理由は「温暖化の原因となる」ということである。
さて、ごみの中には「生ごみ」といわれる野菜くずや食べ残しが30〜40パーセントも含まれている。生ごみは汚い物というイメージがあるが、実は栄養であり、生命を持つ生き物なのだ。生き物というのは、多くの生き物と鎖のようにつながっている。たとえば、微生物→プランクトン→小エビ→小魚→中型魚→大型魚→鳥というつながりだ。これを「食物連鎖」という。実際には、鳥が死ぬと微生物によって分解されることから、「食物連環」という輪と考えるべきである。輪である以上、どこかが切れるとすべてが存在できなくなってしまう。食物連鎖が切れる。これが、ごみを燃やしてはならない第3の理由である。
実は生ごみの堆肥化というのは、「食物連鎖を切らない」きわめて有効な手段なのだ。
ごみは燃やしてはならない。では何をすればいいのだろうか。
多くの識者は、「ごみの中で利用できるものが資源である」と信じている。本当にそうだろうか。
私は「すべては資源と捉えた上で、どうしても利用できないもの、あるいは利用しようとしないものがごみである」と信じている。「ごみの一部が資源」ではなく、「資源の一部がごみ」と言うべきではないだろうか。
こういうと、不法投棄を摘発されたとき「これはごみでなく資源だ」とうそぶく輩が出てくる。これを防ぐためには「資源であっても捨てたとたんにごみ(廃棄物)になる」という規定が必要になるだろう。私個人としては「ごみ」という言葉を使いたくないが、この場合は一歩譲ってもいいと思う。
これからは「発生したごみをどうするか」ではなく「ごみを発生させないためには何をすべきか(元を絶つ)」という発想が求められる。それには「自分一人くらい構わないだろう」から「自分一人から実践しよう」という決意が必要だ。
ここではごみ問題を例にあげたが、環境問題の解決は、私たち一人ひとりの生き方が問われているのである。
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環境学習の指導者育成へ 環境、文科両省連携で研修
2002.11.23 |
環境、文部科学両省は17日までに、小中学校の教諭や、子どもたちとキャンプをしたりスポーツ指導をしている地域のボランティアらを、環境学習の指導者として育成する研修事業を2003年度から始めることを決めた。環境教育で両省の連携は初めて。
両省で、学習の手法やアイデアを盛り込んだカリキュラムを作成。環境省出先機関の環境対策調査官事務所と自治体の教育委員会が研修会を共催する。2003年度は、全国に9カ所ある調査官事務所のうち4カ所程度を選び、環境学習の専門家らを招いて各所で年1、2回開く。2004年度以降は実施場所を増やし、より工夫した内容にしていく。
身近な自然の生態系や、ごみのリサイクルを学ぶ環境学習は、総合的な学習の時間でも積極的に取り入れられており、教諭の間でも授業の進め方が大きな課題になっている。
環境省環境教育推進室は「普段接触がない、学校の先生と地域のリーダーが一緒に研修を受けるのも特徴。子どもたちの関心を環境にどう振り向かせるか、さまざまな視点から話し合っていきたい」としている。
2002.11.17 共同通信ニュース速報より
■ワンポイント解説
この記事にあるように、環境教育についての議論が様々なところで行われている。よい傾向だと思う。ただ、(何でも知っている)大人が(何も知らない)子どもに一方的に教えるという愚だけは避けたいものである。
地球環境問題についてすべてを熟知している人間なんて世界中のどこを探しても存在しない(環境問題の一部に詳しい人はおられるが・・・・)。それほど範囲が広くて奥深い問題なのである。大人も子どもも五十歩百歩である。いや、子どもの方が感受性が強い分、この問題の本質をつかんでいるように思える。その意味で、環境教育は、大人と子どもが共に育て合う「環境共育」でなければならない。
ここでは、これからの環境共育のあるべき姿をいくつか提示してみたいと思う。
1.知恵を引き出す
「電気代がムダだからテレビを消しなさい」
「地球環境を守るためにエアコンは使ってはいけません」
地球環境問題を知って驚いたお母さん(お父さん)は、子どもにこのように命令するかも知れない。しかし、突然このように言われた子どもはどう思うだろうか。恐らくたいていの子どもは、いま風に言えば「むかつく」だろう。「環境にやさしくするために」と教える項目の多くは、「〜しなさい」「〜してはいけない」という形で表現されている。少なくともこれらは、地球にやさしいかもしれないが、子どもにとっては「やさしい(表現)」とは言えない。しかも、このような項目が50も100も並んでいると、覚えることも難しいし、ひとつひとつに気を使いながら生活するのは大変窮屈で、とても長続きはしないだろう。
また、これらの命令には怒りの感情が感じられ、相手には伝わりにくいものとなっている。たいていの子どもは「イヤだ」と拒否するに違いない。そして今度は親の方が「むかつく」ことになり、親子ゲンカに発展することは必然である。
さらに、このような命令は「子どもの創造性を奪いかねない」という深刻な問題がある。というのは、子どもに「命令を聞くか拒否するか」という二つの選択肢しか与えていないことになるからだ。
「テレビを消しなさい」という命令は、テレビを消すか消さないか、また「エアコンを使ってはいけません」というのは、「エアコンを使うか使わないか二者択一の選択をせよ」と親が迫っているように子どもは受け取る可能性がある。二者択一の選択しか与えられない子どもに創造性が育つだろうか。それよりも、親がテレビを見ているときに「お母さんもテレビを見てるじゃないか」と反撃されること必至である。こんな時に「お母さんは、大人だからいいの」なんてことを言おうものなら、それこそ親子の断絶だ。
このようなときは、次のように子どもに思いを伝えるとどうだろうか。「今日、地球環境問題の講演会に行って本当に驚いたの。〜講演の内容をかいつまんで説明する〜地球がこんなに破壊されているとは全然知らなかったの。何にも知らなかった自分自身が情けなくって、これからは地球にいいことを何かしようと思ったの。太郎ちゃんも何ができるかお母さんと一緒に考えてくれる?」。
こうして素直に心の内をうち明けられると、こどもは「多くの選択肢を残してくれている(信頼されている)」と感じ、「お母さんと一緒に考えよう」と思うだろう。そして、持ち前の想像力を発揮して、素晴らしいアイデアをどんどん出してくるはずだ。その中に「テレビを消す」とか「エアコンを使わない」というアイデアも含まれているだろう。しかも、今度は自分で決めたことなので、きちんと守る可能性は高いのは当然である。
そのうち「テレビを見る時間を今の半分にする」とか「エアコンの温度を夏は30度にして上半身はTシャツだけにする、冬は15度にしてセーターを1枚重ね着する」というような誰にでも実行できそうな具体案が必ず出てくる。
そして、いくつかの具体案を模造紙に書き出し、いつも見えるところに張っておき、家族全員で実行するのだ。自分の意見が尊重されたと感じた太郎くんは、ますます豊かな想像力に磨きが掛かるに違いない。
このように環境共育は、知識を教えるためではなく、子ども(もちろん大人も)から知恵を引き出し、創造性を高めるために使いたいものである。「環境にやさしい行動」の数々を周りの人たちに教えて実施させるのではなく、地球環境の実態を話してみたり、自分の思いを伝えることで、その人たちからアイデアを引き出すことが大切だ。ひとしきりアイデアが出そろったときに、「こんなアイデアもあるよ」と紹介するのが効果的だと思う。
2.環境共育はまず大人から
環境共育で一番大切なことは、知識を教えることではなくて「思いやりの心を育む」ことだと思う。地球が今どのように変化しつつあるか、どのように語りかけているかを聴きき取れる感受性を育てたいものである。早急に、心を鍛え、「思いやりの心」を育てる共育システムを確立し、充実させるべきである。
私たちが本来持っている「思いやりの心(やさしさ)」を育てるには、自然に触れるのが一番だと思う。山奥の森林や渓流の中で「自然の景色や音」と戯れるだけで、心からの安らぎが得られ、「思いやりの心(やさしさ)」が甦ってくる。また、時には、突然の雷雨や暴風、逆巻く激流、猛獣の雄叫びに震えながら自然に畏怖するのも、「思いやりの心(やさしさ)」を体感することになるだろう。年に何度かはこうした体験を持ちたいと思う。
ところで、一年中大都市で生活している私たちが「思いやりの心(やさしさ)」を育む方法はないのだろうか。実は、毎日の生活の中で実行できる方法がある。
たとえば、通勤・通学や買い物でいつも通る道に、どのような草花や樹木が生きているかお氣づきだろうか。恐らく、「えっ?、そんなのあったかなあ」とか「確かに草花はあったけど、はっきり覚えていない」という方が多いのではないだろうか。さっそく、今日からよく観察してみよう。きっと、思った以上に多くの草花や樹木が育っていることに驚かれるに違いない。
また、どんなところでもたくましく育つ雑草を見て、「雑草と決めつけてゴメンね。君たちは素晴らしい生命力を持っているね」と感動することもあるだろう。そして、毎日観察していると、「昨日は花が3つ咲いていたけど、今日は4つ咲いている」ということが分かるようになり、ついには「今日はいつもと比べて寂しそう」というように微妙な変化に氣づくようになる。
そしてやがて、草花と会話ができるようになるかも知れない。これは決して超能力ではなく、本当のやさしさを思い出して大きく育てれば、誰でも顕在化する能力のひとつのような氣がする。
ただし、この方法は子どもだけではなく、むしろ私たち大人が初心に戻って体験してみることが大切だ。子どもの世界に「いじめ」があるのは、大人の世界に「いじめ」があるからにほかならない。私たち大人が変われば確実に子どもは変わるだろう。ひょっとして、子どもはとっくに変わっていて、変わっていないのは大人だけかもしれないが・・・・。
今すぐこれを始めれば、近いうちに「思いやりの心」が私たちにも芽生えてくるだろう。それは、やがて「あらゆるものを大切にし、生きとし生けるものを思いやり、いたわる心を育てる」という環境共育にスムーズに結びついて行くことになると思う。
3.イメージできるように工夫する
地球環境を保全するには、一人ひとりができることから実践するのが一番である。家族の団らんは、省エネにも対話の復活にもつながる良い方法だ。さらにもうひと踏ん張りして、環境家計簿もつけてみよう。実践したことが数字やグラフになって確認できて、とても励みになると思う。
人間は結果がイメージできていると行動に結びつけやすい。反対に、イメージできないことは、なかなか実行が困難だ。従って、環境にやさしい行動を起こす場合もイメージがはっきり浮かぶような工夫が大切である。
たとえば、ごみ問題の大変さと解決策をイメージする方法をあげてみよう
ささいなことでも、これが何千万人も集まると考えられないくらいの効果がある。ひとり1sのゴミも日本全体では5000万トン。1sという重さはイメージできるだろう。では、5000万トンは?・・・・たいていの人は、おそらく見当もつかないだろう。東京ドーム137個分といっても、まだピンとこないかもしれない。ここでまず重要なことは、「1sというイメージできる量が日本の人口分集まると、イメージできないような量になってしまう」ということである。
この事実をプラス発想に使おう。一人ひとりの省エネはわずかでも、日本の人口分いや世界の人口分が集まれば想像を絶する効果が生まれることになる。
このことを実感する面白い方法がある(学校の場合)。
たとえば、全校生徒にひとり1個ずつ空き缶を拾って学校に持ってきてもらう。そして、それを校庭や体育館の1カ所に集め、ひとり1個でも全校生徒分集まればすごい量になることを見てもらう。
次に、誰かを指名して「この空き缶をひとりで処理してください」とお願いする。指名された生徒は、絶句するか「こんなのひとりでは無理です」というだろう。そのとき、「では、持ってきたときと同じように、全員ひとり1缶ずつ持ち帰ってください」とお願いするのだ。そうすれば、あっという間に空き缶の山が消えるのが実感できるだろう。
そして、最後にリーダーが「『自分ひとりくらい』の集合が空き缶の山、『自分ひとりでも、自分ひとりから』の集合で空き缶の山が消えるのが実感できましたか。だったら、ひとり2缶だともっと素晴らしいことが起こりますね。でも空き缶が出なければ、拾う必要も無くなりますね」ということを伝えるのだ。
生徒数が少ない場合は、町内会などで、また会社内で実施してみてはいかがだろうか。
このように、イメージできること、実感できることをみんなで創り出してみよう。これこそが、本当の意味で「環境共育」といえるのではないだろうか。
以下、11月26日に追加
ついでといっては何だが、上記のことを別の角度から考えてみよう。
■地球にやさしい行動・・・・それも大切だが・・・・その前に!
◆なぜ私たちは自動車に乗るのだろうか?
『自動車(マイカー)の利用を減らし、アイドリングをやめよう』
もはやこんなことは常識。自動車が二酸化炭素を排出し、大量のエネルギーを消費することは、どの環境関連の本にも書いてある。また、地球温暖化防止京都会議の際には、新聞や環境セミナーなどで盛んに訴えかけていた。
自動車より、バス、バスより電車、電車より自転車、自転車より徒歩の方がはるかにエネルギー効率が高く、二酸化炭素削減にも省エネに役立つことはいうまでもない。しかし100メートル先にタバコを買いに行く際でも車に乗る、という人もたくさんいるし、郊外から大渋滞に巻き込まれながら都会にマイカー通勤(ほとんどひとり乗り)という光景もよく目にするというのが現状だ。
この人たちに、「マイカーの利用を減らし、アイドリングをやめよ」と言っても「そんなことくらい知ってるよ。でも車がないと仕事ができなくなるし・・・・」という予想できる反論(言い訳)が返ってくるだけだろう。また「アイドリングという英語は、日本語でムダという意味ですよ」と教えても、「そんな屁理屈言うな!」と一喝されそうだ。
言ってもムダであれば、法律や条例で規制するという方法がとられるが、徹底されなければまったく効果を発揮しない。たとえばアイドリングストップ条例のある兵庫県では、どこでも条例違反が見られるにもかかわらず、いまだに適用されたことはないそうだ。
それでは、という訳で今度はハイテク装置を車に組み込んで、アイドリングをできなくしたり(エコアラームなど)、車の走行記録をとったり(飛行機のボイスレコーダーの自動車版)とあの手この手が考えているようだ。
これらのことはまったくムダということはないが、その前に次の二つのことが必要と考える。
ひとつは、「地球環境問題の現実を実感する」ということだ。もうひとつは、「私たちはなぜ自動車に乗るのか?」という問いかけをしてみることである。
車を手足のように使いこなしている人にとっては、車はまるで空気のようなものだ。彼ら(彼女ら)はほとんど無意識のうちに運転しているため、「どうして乗るのか?」など考えたことがないのかも知れない。
体の不自由な人や超寒冷地で車を運転せざるを得ない場合は別にして、「よく考えてみると、確かに必要ない場合でも何気なく車を運転しているな」ということに気づくかもしれない。
そして、「自動車よりも自転車や徒歩の方が健康にも良いし、よし!、本当に必要なときだけ車に乗ろう」と思えばしめたものだ。皆さんも一度、家庭や職場で話し合って見てはどうだろうか。
◆なぜテレビを見るのだろうか?
『電化製品の利用を減らそう』
『使わないときは主電源を抜こう』
これらのことも、誰でも知っていることだ。しかし、なかなか徹底できないのが本音かも知れない。
これも、「地球環境問題の現実を実感する」ことが徹底への道のひとつだ。そしてさらに大切なのは、「私はなぜテレビを見るのだろうか?」と自問してみることである。
私も独身(ひとり暮らし)の時、夜自宅に帰って真っ先にすることは、テレビをつけることだった。別に見たい番組があるわけでもなく、ただ何となくとしか言いようがない。ただ寂しかっただけなのだろう。
また、子どもの頃を思い出すと、もちろん面白くて必死に見るということもあったが「アニメのストーリーを覚えていないと友だちとの話題についていけない。仲間はずれになりたくない」という思いがあったことは否定できない。
テレビを見る理由が、「寂しいから」とか「仲間はずれになりたくないから」という思いであることが分かると、この思いを満たす方法はテレビ以外にいくらでもあることに気づく。この人たちは、「テレビを見るな」といわれるまでもなく、何か別のことをするようになるだろう。
子どもたちの場合なら、テレビを見ない変わりに「みんなで遊ぶ」という選択肢がある。もし誰かひとりがテレビを見たとすると、その子が少数派となり、寂しい思いをすることになる。
◆なぜ、テレビがつくまで待てなくなったのか?
『待機電力をなくすために、リモコンを使わないようにしよう』
テレビやビデオの待機電力をなくすためにリモコンを使わなければ、10%以上も消費電力が削減できる。この他にもコピー機やFAXなど待機電力がかなり大きな電化製品がある。したがって、「待機電力をなくすために、リモコンを使わないようにしよう」というのは、非常に有効な方法といえる。
しかし、これまでの例と同様に「リモコンを使うな」というだけでは、せっかくの大きな気づきのチャンスを失ってしまうかも知れない。
ここで、少し時間を使って「なぜテレビなどの主電源を入れて、画面が出てくるまでのの数十秒が待てなくなってしまったのだろうか」と考えてみてはいかがだろうか。
確かに最近のパソコンなどはプログラムが大きいので、主電源を入れてから使用可能になるまでかなりの時間がかかるものもあるが、それでもせいぜい1〜2分といったところだろう。
ほんの10年ほど前までは、5分くらい待っても平気だったような気がする。そういえば、信号待ちでも最後まで待ちきれない人がたくさんいるし、10分程度の電車やバスの時間待ちが長く感じられることもよくあるだろう。飛行機などで予め座席も到着時刻も決まっているのに、搭乗者の列に割り込もうとする人も少なくない。
なぜこんなことが起こるのだろうか。・・・・時間が惜しいから?、イライラするから?。
ではなぜイライラするのだろうか。・・・・思い通りにならないから?。なぜ思い通りにならないとイライラするの?、・・・・いつも一刻を争う社会に生きているから・・・・、など自問自答を繰り返してみよう。ひょっとすると、自分の中にある満たされない心に気づくかも知れない。
私の場合は、「あれもこれもしなければ・・・・」という『あせり』が原因だった。このことに気づいてからは、「いっぺんに一つのことしかできないのだから、一つずつ片づけていけばいいや」と思えるようになり、待つことが苦痛でなくなった(いつもというわけではないが・・・・)。
ちなみに、「あれもこれもしなければ・・・・」とあせっている自分に気づいたとき、頭で考えずに、するべき項目を紙に書き出してみることをおすすめしたい。書いてみると、今すぐすべきことの数は案外少ないものだ。頭で考えると、始めに出てきた項目がまた出てきたりして、頭の中で堂々巡りをしてしまう。その結果「しなければならないことが山ほどあって・・・・」と途方に暮れてしまうことになってしまうのだ。
リモコンを使うもうひとつの理由は、チャンネルを変えたりするときに自分が動かなくてもすむということだ。ただでさえ運動不足になりがちな現代人が、ますます動かなくなるとどうなるか、少し考えてみると分かるはずである。横になってポテトチップを食べ、手元にはリモコンがある生活を続けていながら、ダイエットができないと悩む。現代人というのは本当に不思議な存在だ。
環境にやさしい行動をひとつひとつ実践することは大切だ。ただ、その前に「私はどうして〜するのだろう」と自問しすることをおすすめする。そうすれば、自分に気づき、肩の力が抜けてくる。生活が自然体で、楽しくなる。長続きする。結果として、環境にやさしくなる。まずはお試しあれ!
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温暖化防止へ生活スタイル見直しを 東京で討論会
2002.11.30 |
温暖化を防ぐために今の生活スタイルをどのように見直したら良いのかについて考える討論会がきょう東京で開かれ、二酸化炭素を出す車や電気の使用を減らせるよう社会の制度を作っていく必要があるという意見が相次ぎました。
この討論会は環境省や東京都などが主催して開かれたもので、東京・新宿の会場には学生や環境問題に関心のある市民など500人近くが集まりました。
初めに、環境政策が専門の名古屋大学の柳下正治(ヤギシタマサハル)教授が「日本ではこの10年間に人の移動にともなう二酸化炭素の排出が32パーセントも増えた。温室効果ガスの排出が多い自家用車や飛行機の利用が増えた結果であり、税を導入するなどして対策を急ぐ必要がある」と指摘しました。
会場の参加者からも活発な意見が出され、デパートで環境問題を担当しているという女性は「電気の使用量を減らすため店内の冷房の温度を一度上げると、お客様から『暑い』とクレームが出る。市民一人一人の意識を高め環境に配慮している企業が評価される社会の仕組みが必要ではないか」と述べました。
環境省などでは今後もこのような催しを開き生活スタイルの見直しについて関心を高めていきたいとしています。
2002.11.25 NHKニュース速報より
■ワンポイント解説
このニュースのように、最近至る所で「生活(ライフ)スタイルをどう変えていくか」についての議論が行われている。一昔前には考えられないことで、本当に素晴らしいことだと思う。
ただ議論の中で(すべてではないが)気になることがあるので、ここで指摘しておきたい。
1.ライフスタイルは変えるものではなくて変わるもの
「経済を拡大し続ける社会から環境調和社会へ移行するためには、ライフスタイルの
変更が不可欠」
「二酸化炭素を削減するためにライフスタイルを変えよう」
「今のライフスタイルを変えなくても二酸化炭素の20%削減が可能」
このように、最近ライフスタイルという言葉が盛んに使われている。
確かに、地球環境問題を解決するには「大量消費・大量廃棄(使い捨て)」というライフスタイルを変える必要がある。しかし、ライフスタイルを変える前に、意識が変わらなければ、あたかも無理なダイエットの後のリバウンド(後戻り現象)のように、挫折したときの反動で以前にも増して消費に走ってしまう可能性がある。
さて、「意識」をもう少し現実的に表すと「価値観」という言葉になるだろう。どちらもあやふやな言葉だが、人間自体もあやふやな存在なので、あえて定義する必要もないだろう。「今まで生きてきた経験を統合した現時点における生き様の指針」くらいかな。よけいにややこしくなったみたいだ。
定義はどうであれ、ライフスタイルがスムーズに変わって行くには、まず価値観の転換が必要ということを強調しておきたい。「お金や物重視の価値観から環境や命重視の価値観への転換」、「比較・競争の価値観から共存・共生・調和・循環の価値観への転換」が起これば、自然にライフスタイルは変わっていくものだ。
2. すべては「事実を実感する」ことから始まる
では価値観が変わるために何が必要だろうか。この場合でも、「価値観を変えねばならない」では、楽しくないし、続かないだろう。では、どうするのか?
1番いい方法は、価値観が変わった人に聞いてみることだろう。
地球環境に配慮した行動をとる人のことを「グリーンコンシューマー」と呼ぶ。グリーンコンシューマーは「緑の消費者」と訳されている。しかし、消費という言葉が環境破壊をイメージさせる可能性があるので、ここでは「緑の生活者」としておこう。
さて、グリーンコンシューマーになった人たちは、昔から環境に配慮した行動をとっていたのだろうか。多くの人に聞いてみると、「いや、昔は、電気はつけっぱなし、水は出しっぱなし、車には乗り放題、ポイ捨て商品をどんどん買う、というライフスタイルでした」と最近になって目覚めたというのだ。
では、「どうしてライフスタイルが変わったのですか?」と質問すると、答え方は様々だが、ある共通点が浮かび上がってきた。それは、「ライフスタイルが変わる前に、価値観が変わった」ということだ。また、「価値観が変わると自然に行動(ライフスタイル)も変わった」という人もたくさんおられた。
私は先の質問を多くの方々にしてみて、意識や行動が変わるまでに次のようなステップがあることに氣づいた。それは、ありのままの事実を実感する→驚く→自分で調べる→絶望する→氣づく→自らが癒される(楽になる)→やさしい思いで行動する(活動する、伝える)、というものだ。
では、それぞれについて簡単に説明しよう。
1)ありのままの事実を実感する
いくら「地球環境を守ろう」と訴えても、今の地球の現実を知らない人にとっては「馬の耳に念仏」だ。多くの人たちは、何も地球を破壊しようと思って行動しているわけではなく、地球環境の実態を実感できていないだけなのだ。もし、彼らが現実を実感したとき、今のままの行動をまったく変えないだろうか。「彼らが行動を変えるとは思えないね。新聞やテレビでも毎日のように報道されているし、彼らがそれを知らないはずはないし、知っているけど行動を変えられないというのが実態ではないかな」という声が聞こえてきそうだ。
しかし、そんな彼らであったとしても「このままでは自分の子どもが将来生きていけない」ということを実感したとき、確実に変化のための第一歩を踏み出すことだろう。ぜん息で苦しむわが子の顔にタバコの煙を吹きかける親など滅多にいるものではない。知識として知っていることと、心や体で実感することとは違うのだ。
そのためには、地球環境の現実と予測をできるだけありのままに多くの人に伝えることが必要になる。「こんな恐ろしいことを知らせるとパニックが起こる」とか「この情報は経済発展を阻害する」という理由で情報をストップさせるのは、問題の一時しのぎにしかならない。知りうる限りの情報を余すことなく伝えることこそ、最悪の事態を避ける道ではないだろうか。
2)驚く
地球環境の現実を実感したとき、まず最初に表れる感情は「驚き」ではないかと思う。「えぇー、ウソー」と思わず絶句してしまうことも多いようだ。
どうか、この時の感情を大切にしていただきたい。多くの場合この直後に、「怒り」の感情が表れてくる。このため、その後の行動が「怒り」を伴ってしまいがちになる。「けしからん!」、「〜断固反対」という運動も一定の効果はあるが、背後に「怒り」の感情がある場合は、あまり長続きしないようだ。
たとえば「怒り」で行動すると、怒りをぶつけた相手との間に大きな壁ができてしまう。この壁を力ずくで壊したとしても、すぐにもっと大きな壁ができているという悪循環に入ってしまう。また仲間うちでも、「怒り」の感情の中に埋もれていると、息が詰まってくるものだ。そのうち、だんだん居づらくなってきて、ひとりまたひとりと去っていくということになりかねないし、実際にそうなっているという声もよく聞く。もし、このような状況になったときは、またそうならないためにも、地球環境の現実を実感したときの感情が、「怒りではなくて驚きだった」ということを思い出してほしい。
3)自分で調べる
地球環境の現実を実感して驚いたととき、できればもう一度、自分で調べてみることだ。調べる方法としては、関連する図書を読む(図書館に行くといいだろう)、新聞を読む、インターネットを活用する、などがある。また、最近いろいろなところで開催されている地球環境講演会に参加するのもおすすめだ。誰かがそういっていたから、というのは危険である。もしもその講師が「日本の経済をどん底に突き落とす特命を与えられていた」としたら・・・・。
どうか、納得のいくまでご自分でまたグループで調べてみてほしい。
4)絶望する
意識と行動が変わった人の多くが、「地球環境の深刻さが本当だと実感したとき、絶望感に襲われた」と語っている。私自身も、詳しく調べれば調べるほどより深刻な地球環境に遭遇し、「もう地球はダメかもしれない」という絶望感に包まれた。しかし、そのとき絶望感の背後にキラリと光る何かがかいま見えたような気がして、「絶望」について調べてみたのだ。
たとえば、精神科医の高橋和巳氏は、『人は変われる』(三五館)の中で、「絶望とは、鋭い知性の働きによって知った八方塞がりの状況と結論を、素直に肌身で感じるこころの働き」としている。そして「『ああ、このままいくとダメになってしまう』と将来を予測したとき、たとえ自分に不利な結論であったとしても、言い逃れを考えずに素直にそれを認めることができる能力がこころに備わっているのだ」と語っている。つまり、「絶望することができる」というのは、人間に備わった能力のひとつだというのだ。
そういわれてみて気づいたことがある。
私たち人間は、絶望を感じないうちは、何とか知識で解決しようとする。しかも、何かにつけてできない理由を探し出して、結局何もしようとしない。これは何もしたくないといっているのと同じことだ。
ところが、絶望を感じると、無意識のうちに智慧が働きはじめるようなのだ。この智慧は、あたかも宇宙の創造主からの啓示のような「本質的な創造性」を引き出してくれるように思える。
私たち人類は、地球の将来に対して「絶望」しているだろうか。
地球環境の現実を直視すると、「人類は、地球と生態系を破壊しようとしている罪で、自然から死刑の宣告を受けている」ことが分かる。それを心で感じて純粋に「絶望」することができたとき、智慧が溢れ出し、新しい「希望」が生まれるのかも知れない。
5)氣づく
八方をふさがれ、絶望に包まれていると智慧がでてくると述べた。この智慧が出てくる感覚は、多くの人が「氣づき」と呼んでいるものだろう。
突然、「あっ、そうか!」とか「分かったぞ!」と一瞬にして全体像がつかめた感覚があるが、これが「氣づき」だ。この「氣づき」の感覚が、宇宙レベルで出現したとき、これを「悟り」と呼ぶのではないかと思う。私は、この「氣づき」が地球環境問題を解決する大きなパワーになると思っている。
6)自らが癒される(楽になる)
氣づきがやってくると、気持ちが良くなり、ワクワクしてくる。そして重圧から解放され、心が軽くなる。つまり、絶望→氣づきというステップを経て心身共に楽になるのだ。私はこれを「自らが癒されるステップ」と呼んでいる。
地球環境問題でいえば、「このままでは地球は終わりだ。自分ひとりでは何もできない」という絶望感から、「絶対に地球は大丈夫だ。自分ひとりから始めることが大切だ。なんだか心がワクワクしてくるな」という安堵にも似た気持ちへの転換である。
7)やさしい思いで行動する
自らが癒された人は、笑顔が爽やかで体からエネルギーがほとばしり、しゃべる言葉も自信にあふれている。人間にだけではなく、すべてに思いやりの気持ちで接し、表情や行動はやさしさでいっぱいだ。ここまでくると第三者から見てはっきりと価値観が変わったことが分かる。しかし彼ら自身にしてみれば、意識とか価値観が変わったという自覚さえないだろう。
こういう人たちが、地球環境問題に取り組むならば、あっという間にやさしさの輪が世界中に広がり、素晴らしい世界が出現することだろう。やさしい気持ちで活動し、地球環境の現実を伝えるならば、多くの人が心を開き、氣づきの輪を広げていくことは容易に想像できる。もちろん、地球環境問題に限らず、福祉問題やいじめ問題も解決の方向に向かうに違いない。
一方、「そんなことは理想にすぎない。もっと我々は怒らねばならない」という声が出てくることは充分すぎるほど予想できる。しかし、「怒りによって転換された社会は、必ず怒りによって再び転換されるであろう」ということは、長い(短い?)人類の歴史を振り返ってみれば分かることだ。
少なくとも私には、「我々が怒りをぶつけることによって新しい社会を実現しようという試み」こそ理想論に思えるのだ。たとえ「偽善者」と呼ばれても、何もしないよりは遙かにましだ。世界中の多くの場所で、この7つのステップを体験できる機会を設けることが、今起こりつつある大変動を乗り切るひとつの方法ではないだろうか。
話を「ライフスタイル」に戻そう。
ところで、「ライフスタイルを変えなくても・・・・」という表現は、いかにも「今のライフスタイルが最高」というイメージを抱かせてしまう、と思うのは私だけだろうか。少なくとも私は、今のライフスタイルが最高と思っていないし、二酸化炭素を削減して結果的にライフスタイルが変わったとしても、それが不幸に結びつくとは思えない。むしろ、幸せを実感できる生活が戻ってくるとさえ思っている。
私たちは、ライフスタイルという言葉をあまりに安易に使いすぎていると思う。ただし、ここまで述べたのは、あくまでも私にとっての「ライフスタイル」である。ここらで、改めて「自分にとってライフスタイルとは何なのか」を少し時間をとって考えてみてはいかがだろうか。
3.生活水準が高いとは?
ライフスタイルと同じような意味で「生活水準」という言葉もよく使われている。「生活水準を下げてでも環境に配慮すべきである」とか「生活水準を下げてまでも、地球環境を守りたくない」というように、ほとんどライフスタイルと同じ意味で使われているようだ。強いていえば、「生活水準」の方が「ライフスタイル」よりも、生活の程度の高低を表す傾向が強いようである。
しかし、これもよく考えてみると、「生活水準が高いから幸福で、低いから不幸だ」という訳ではないし、第一「生活水準が高い(低い)」とはどういうことか非常に曖昧だ。
たとえば、東京や神戸、大阪の夜景を見てすごく綺麗だと思う人がいる。また、東京タワーや神戸のルミナリエのライトアップに壮大なロマンを感じる人も多いだろう。おそらくこの人たちは、「私たちは何と生活水準が高いんだろう!」と考えるだろう。
しかし、その彼らも人里離れた山村を訪れて、夜空に輝く満天の星を見たときその素晴らしさに感嘆するに違いない。そして「毎日こんな生活がおくれたら何と幸せだろう」と思うことだろう(もちろん思わない人もいるだろう・・・・)。
さて、もし東京や神戸、大阪で夜間に大規模な停電が発生し、一斉にライトが消えたとき何が起こるだろうか。ニューヨーク大停電のように、10ヶ月後にベビーブームがくる?、そうかも知れない。・・・・冗談はさておき、空を見上げると、あの山村で見た満天の星が輝いているのを発見するだろう。今大都会で夜空の星が見えなくなっているのは、大気汚染というよりもむしろネオンサインや街中にあふれる照明(いわゆる光害)のせいなのだ。
阪神・淡路大震災のとき、すべてが停止した街の星空のそれはそれは美しかったこと。辛く悲しい気持ちがどれだけ癒されたことか。私の心は、そのときのことをはっきりと覚えている。
ここで質問。
皆さんは、ライトに輝く夜景が見える生活と、満天の星を毎晩楽しめる生活とでは、どちらが生活水準が高いと思うだろうか?
二酸化炭素を削減するために、もし夜間の照明を最低限にすることができれば、満天の星とはいえないまでも、天然のプラネタリウムが毎晩楽しめるのだ。少なくとも私は、こちらの生活水準の方が高いと思う。何しろ、夜景は高いところに登らなければ見ることができないが、夜空の星は空を見上げるだけでそこにいてくれるのだから。
4.自分らしい生活=環境にやさしい生活
私たちの生活の中で、「となりがアップライト(縦型)ピアノを買ったから、うちはグランドピアノを買おう」「となりのご主人が部長に昇進したんだって。だったらあなたは取締役になってね」「親友の息子さんが京大に合格したのなら、うちの子には東大を目指すようにハッパをかけよう」等々。
こんな比較の中に生きることって辛くないだろうか。苦しくないだろうか。
もし、つらくも苦しくもないなら、いまのままの生活を続けるのもいいと思う。
でも、「しんどい」のなら少し立ち止まって、自分はどのような生活を望んでいるのか考えてみてはどうだろうか。
興味深いことに、「比較の世界にどっぷり浸かった生活ほど競争や消費を拡大し、環境に大きな負荷をかける」ことになるのだ。しかも「しんどい」というおまけが付いている。
一方、「ピアノがなくてもうちには笑顔がいっぱいあるじゃないか」「うちの主人は万年平社員だけど、早く帰ってきてくれるので一家団らんがあるからいつもにぎやかだ」「うちの子どもは、あまり成績は良くないけど遊びにかけては天才だ」等々。
こんな比較のない暮らしって楽しいと思う(私は)。
そしてうれしいことに、「このような生活ほど自分らしく生きることができて、しかも無駄な消費がなくなり、環境に負担をかけない」のだ。
「比較・競争社会のなかで辛く、苦しく生きるよりも、楽しく、自分らしく生きる方が環境にやさしい」。
私は、このことに気づいたとき、「なあんだそんなことか」と気が楽になった。
これからしばらくの間、「うちの家族にとって幸せとは何だろう。楽しいことってなんだろう。うちの家族らしさとはどんなことだろう。家族ひとりひとりにとって、自分らしいとはどういうことだろう」など家族で話し合ってみてはいかがだろうか。
一家団らんが復活し、家族のきずなが強くなるのは間違いない。
一家団らんが復活すると、部屋にひとりで閉じこもることが少なくなる。
そして、いままで別々に使っていた照明、テレビ、エアコンがひとつの部屋で共用できることになり、自ずと省エネ・省資源につながる。
またコミュニケーションが深まり、ひょっとするといじめの問題も解決できるかも知れない。
一家団らんの復活こそが、地球にも人にもやさしい生活の原点なのだ。
ひとり暮らしの人はどうするのかだって?
友達なり、恋人なり、大家さんもいるじゃないですか。
そして、誰よりも身近な「自分自身」がいるじゃないですか。
とここまで書いてきて、ライフスタイルや生活水準という言葉が色あせて見えてきた。
これから「自分らしく」生きていけばいいと思う。
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省エネルギーで大きな効果
2002.12.8 |
今年9月までの1年間に全国の家庭で冷房の設定温度を上げるなどして行われた温暖化対策によって節約できたエネルギー量は、京都府内で1年間に使われるエネルギー量を上回り、原油に換算しておよそ117万キロリットルに相当するという試算を経済産業省の外郭団体がまとめました。
報告書では、「冷房の設定温度を28度以上にした」と答えた人が、前の年より10ポイントあまり増えて30パーセントを超えるなど、生活スタイルの見直しが進んでいると分析しています。
省エネルギーセンターでは、家庭で今後、省エネルギーを進めることによって、さらにおよそ20パーセント削減できるとして対策を取るよう呼び掛けています。
2002.12.06 NHKニュース速報より
■ワンポイント解説
省エネルギーセンターが発表したアンケート結果をもう少し詳しく見てみよう。
ここ1年以内に省エネ対策を新たに講じたことによるエネルギー削減量は、原油換算にして世帯当たりの年間平均削減量は約24.9リットルと試算している。これを全国4700万世帯(平成12年度国勢調査より)で考慮すると今回新規実施による削減量は117万キロリットルとなる。
現状の家庭部門のエネルギー消費量は原油換算で5800万キロリットルとされているが、省エネ行動を継続的に実施していることによる既原油削減量約714万キロリットル(同センター試算)を加算すると、全く省エネを実施しないと仮定した場合のエネルギー消費量は6514万キロリットルとなる。従って、省エネ行動の既継続実施によって、全く実施しない場合のエネルギー消費量から約11%削減していることになる。
なおこの1年間の原油削減量117万キロリットルは、現状のエネルギー消費量の約2%に当たる。さらに、「未実施世帯が省エネ行動を行うことで期待される削減可能量は1116万キロリットル(同約19%)と試算され、現状のエネルギー消費量の約20%が削減可能とも考えられる」としている。
また、今回のアンケート結果から、「前年に対し省エネ行動の実施率が全体的に増加しておりライフスタイルの改善が進んでいることがうかがえる」と分析している。下表は、「省エネ行動実施率が顕著であった主要省エネ行動の例」を示している。
省エネ行動実施率が顕著であった主要省エネ行動の例
| 省エネ行動項目 |
今回実施率
(%) |
前年実施率(%) |
増加%ポイント |
| 冷房設定温度を28℃以上とする |
31.7 |
21.6 |
10.1 |
| 冷蔵庫の無駄ない開閉はやめる |
73.4 |
60.0 |
13.4 |
| シャワーの流しっぱなしに気をつける |
72.2 |
62.3 |
9.9 |
| 暖房便座を使わないときはふたを閉める |
50.7 |
40.3 |
10.4 |
| 待機時消費電力を削減する |
46.4 |
36.6 |
9.8 |
| 短距離の移動はなるべく徒歩や自転車を利用する |
57.0 |
38.8 |
18.2 |
ここまでは、省エネルギーセンター発表の資料によるが、より一層の省エネ効果をもたらすための方策をひとつだけ提案したいと思う。
それは、生活を楽にしたい人たちに、「省エネで光熱費が安くなりますよ」とマスコミを通して大々的に宣伝するということだ。「そんなことは当たり前じゃないか」と環境派を自認する人から叱られそうだが、「当たり前のことが当たり前でないからこのような(環境破壊や温暖化)状況を招いている」のだ。
今までの省エネの呼びかけは、環境に関心を持っている人たちの層に偏りすぎていたように思う。しかし、関心のない人にも省エネ行動してもらわない限り、温暖化をはじめとする環境問題は改善しないだろう。
関心のない人の本音を聞いてみると、「環境問題に関心がないというより、生活が大変で環境問題を考える余裕がない」という人が以外と多い。「環境にやさしい行動は家計に厳しい」というわけだ。しかし、これは「思いこみにすぎない」ことはもはや言うまでもない。こんなことは環境派のあなたにとっては常識だろう。しかし、「知っているけど行動できない」、「知っているけど他人には伝えられない」というのは知らないのと同じことだ。王陽明が「知っているのに行わないというのは、それは本当はまだよく知らないということ」といっているが、私にとっても非常に耳の痛い言葉だ。でも、当たっていると思う。
そこで、初心に戻って周囲の人たちに 「省エネすると、電気代・ガス代・水道代が安くなるよ」と伝え続けてはどうだろうか。最近は、リストラや賃金カットによって家計が苦しくなっている人が非常な勢いで増えている。彼らに、省エネ法のいくつかを伝授すれば、「おかげさまで、光熱費が〜千円も下がったわ。ありがとう」と感謝されること請け合いである。
ちなみに、知人に特に環境派ではないが、毎月の水道代や電気代が千円台の4人家族が存在する。「どうしてそんなに安くすむの? 我慢してるの?」と聞いてみると、「我慢どころか楽しいよ。どうしてるかっていうと、湯船にお湯を下から20センチくらいだけ入れて、家族4人で一緒にお湯につかるんだ。そしたら結構いっぱいになるだろう。スキンシップもできて会話も弾むよ」という返事。「これは、まいった」とギャフンと言わされた経験がある。「環境派でなくても環境にやさしい人はいくらでもいるのだ。うぬぼれてはいけないな」と今でも自分自身を戒めている。
ここまで述べたようなことを、キムタクやモーニング娘などのカリスマ的タレントにテレビやコンサート会場で宣伝してもらえたら最高だ。
もし、環境にやさしいと宣言している企業の方がおられたら、一度検討していただけないだろうか。「・・・・」「○××●」「▼△▲□」・・・・。いろんな声が聞こえてくる。
もう一度思い出していただきたい。「今の地球環境をはじめとする環境の悪化は、もはやできない理由を上げている場合ではない」ということを。できる理由をひとつでも見つけて(創造して)実践する企業。こんな企業が21世紀に燦然と輝くだろう。
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北極海への真水流入量増加 温暖化で、気候に影響も
2002.12.14 |
地球温暖化によってオビ川やエニセイ川などユーラシア大陸の大河から北極海に流れ込む水量が増加傾向にあり、今後も続けば海の塩分濃度が下がって、海水の循環や世界の気候に大きな影響が出るとの解析結果が13日付の米科学誌サイエンスに発表された。
米・ニューハンプシャー大やロシア、ドイツの国際共同研究グループがまとめた。グループは「欧州周辺に大量の熱を運んでいる海水の循環が変わり、英国などは氷河期のように寒冷化する可能性もある」と指摘している。
グループは、オビ川などユーラシア大陸を流れ、北極海に注いでいる6つの大河について、1936年から記録されている流量のデータを解析。36年から1999年までの間に、北極海に流れ込む真水の量が、7%増加していることを突き止めた。
地球の平均気温は過去100年間で0.6度上昇。この結果、陸地からの水分の蒸発量が増えて雨量も増え、河川の水量も増加したとみられる。
100年後には平均気温が最大で5.8度上昇するという気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の予測を当てはめると、北極海に流れ込む真水の量は70%も増加。この結果、地球規模の海洋の大循環が大きく変わる可能性がある。
大西洋などの海水の大規模な循環は欧州周辺に熱を運ぶ役割を持っており、これがなくなると欧州の高緯度地域では寒冷化が進むと予測されている。
2002.12.13 共同通信ニュース速報より
■ワンポイント解説
地球温暖化で寒冷化する地域がある。これを聞いて驚く人も多いと思う。
地球温暖化というのは、あくまでも地球の「平均気温」が上昇していくことであって、どこもかしこも温度が上昇するわけではない。確かに、低温よりも高温が発生しやすくなるが、局地的には寒冷化を起こすところも出てくるのである。
たとえば、ブロッキング現象(偏西風が日本上空で大きく南北に蛇行し停滞する現象)が続くと、極端な冷夏となる場合がある。1993年は、北日本、東日本の夏期の平均気温が平年に比べて2℃近く低く、米作などの農作物に甚大な被害が出たが、このときブロッキング現象がその一因であったことが確認されている。
今年(2002年)、日本の夏は暑かったので温暖化を実感した人が多いと思う。しかし、もし来年の夏が異常な冷夏になったとしたらどう反応するだろうか。「温暖化なんて嘘だろう」という声があちらこちらから聞こえるはずである。
地球温暖化の本質は、気候変動であり、その過程で起こる異常気象の頻発化であると考えた方がいい。気温の高低で一喜一憂するものではないのである。例えば南極の気温を見ても、常に上がり続けるばかりではなく、地域や時期によっては下がる場合もあり得る。温暖化否定論者は、この下がったときを捕まえて「南極の気温は低下している」と発表するだろう。温暖化を強調したい者は、温度の上昇しているデータを強調するだろう。もはや揚げ足取りやケンカをしている場合ではないにも関わらず・・・・。
これからは、異常気象、つまり平常からかけ離れた気象現象が増えていくことを重視していただきたい。極端な集中豪雨と干ばつ、酷暑と冷夏、台風の巨大化と発生数の増加あるいは減少。こうした異変が増加していることをよく観察してほしい。そうすれば温室効果ガスの増加がもたらすものを肌で実感できるだろう。
科学技術庁防災科学研究所は、「(温室効果ガスの増加で半世紀後に)降水量の増加地域では200年に1度も起きない多雨が、また減少地域では同様の少雨がそれぞれ10年に1回起きると予測された。多雨は特に高緯度、少雨は低緯度で多発。日本では東北、北海道で異常な多雨、九州、四国では異常な少雨が多発し、土砂災害や洪水、少雨による農産物被害が頻発する」と発表していることを付け加えておきたい。
しつこいかもしれないが、もう一例。
例えば東京や大阪で1月に大雪が続いたとしたらどうだろう。
現象だけをみれば、明らかに寒冷化を示すものだろう。しかし、このとき天気図をよく見ていただきたい。
まずは、シベリア高気圧が発達し、大寒気団が押し寄せてきた場合を考えてみよう。
バイカル湖付近に1070ヘクトパスカルの高気圧、北海道の東側に960ヘクトパスカルの低気圧。典型的な西高東低、きわめて強い冬型の気圧配置だ。そして大阪・東京の上空5500メートル付近で摂氏マイナス40度という寒気が入ってきたとすると、ほぼ間違いなく太平洋側でも大雪となるだろう。これが続くとすれば、明らかに寒冬と判断できる。
一方、冬型の気圧配置が弱く、太平洋岸を低気圧が東進する場合はどうだろう。この場合空気は圧力の高いところから低いところに向かって流れるので、オホーツク海付近から低気圧に向かって冷たい空気が流れ込み、結果として太平洋側に大雪をもたらす。
この大雪は一般に春先によく起こる現象である。この現象が1月に多発したとしたら・・・・。
もうお分かりのように、現象は雪であったとしても、実際には暖冬といえるのだ。
実際に2002年の1月に東京で何度も降った大雪は、後者の方なのである。
さて、今回の記事は、「大河から北極海に流れ込む水量が増加傾向にあり、今後も続けば海の塩分濃度が下がって、海水の循環や世界の気候に大きな影響が出る」としている。これは北極は寒冷なので海氷ができる。しかし凍るのは淡水なので結果として塩分濃度が上昇する。塩分の多い海水は比重が大きくなるので、北極海で下降流が発生し、海水の大循環が生まれる。ここで大河から淡水が流入すると塩分濃度が薄まり、下降流が弱まる。すると海水の大循環が大きく変動する可能性があるということである。場合によっては停止するかもしれない。
イギリスや北欧は、この大循環から発生するメキシコ湾流という暖流によって暖められ、本来あるべき気温よりも高くなっている。つまり、大循環が停止すれば本来の寒冷な気温にまで低下するというわけである。
今回発表されたのは大河による影響であるが、すでに他の要因も発表されている。
一つは、北極海付近の気温上昇のために淡水からできている海氷が解け、その付近の塩分濃度が薄まるというものだ。塩分濃度が薄まると下降流が弱くなる。そして海氷がなくなることで海水が太陽熱を吸収し、さらに海氷の溶解を促進する。こうして悪循環が生まれることになる。2000年の8月にマッカーシー博士(ハーバード大学)らが北極点に達したとき、「船の周りには氷がなくて海に囲まれていた」というのはよく知られた事実である。
もう一つは、アラスカやグリーンランドの氷河が溶けて、大量の淡水が北極海に流れ込んでいる、というものである。
このように、種々の要因が重なり合い、特に北欧では「地球温暖化による寒冷化」がいよいよ現実を帯びてきているのである。
ところが、「地球温暖化を温度上昇とだけしか理解していない」人が多いのが現実である。一般人ならともかく、その発言が大きな影響力を持つ知識人の中にも唖然とする見解を持つ人がおられる。これは私としては大ショックだ。次のコメントを見ていただきたい。
地球が温暖化し世界中の水位が50p上昇したら多くの都市が水没してしまうといわれる。確かに水没してしまう都市の人たちにとっては困ったことかもしれないが、他の土地へ移り住めばいいだけの話である。逆に、これまで寒くて住みづらかったシベリアにとって温暖化は歓迎すべき変化であり、多くの人がシベリアに移住するかもしれない。
これはある日本を代表するシンクタンクの元会長が、自著の中で述べている言葉である。私はこれを読んで信じられなかった。少し環境問題を勉強している人なら、絶対にこんなことは言わないと思う。これが文芸作品ならともかく、ベストセラーになった環境本なのだ。この人は日本を代表するオピニオンリーダーなので、たくさんの人がこれを読んだはずだ。その影響力を考えると、背筋が凍り付いてしまうのは私だけだろうか。
その影響からか、「北海道が暖かくなり住みやすくなるから温暖化は歓迎だ」と言う声もよく聞かされる。本当にそうだろうか。「気温上昇のスピードが速すぎて、生態系がついていけない」というのは今では常識になったようだ。このほかにもいろいろある。
例えば、毎冬に北海道沿岸に漂着する流氷を考えてみよう。
この流氷はシベリアのアムール川の淡水が凍ったものだ。近海の海水が凍ったものではない。この流氷の中には、アムール川上流の森林地帯からの栄養分がたっぷり含まれている。これが北海道沿岸にたどり着くのだが、春になって流氷が溶け出したとき、中に含まれていた栄養分が沿岸海域に広がっていく。そのためこの地域でプランクトンが繁殖し、絶好の漁場となるのである。もし、温暖化で流氷が漂着しなくなったとき、それは北海道近海の漁場が壊滅する可能性が大きくなることを意味するのである。
ちなみに、異常に寒冷化すると流氷が巨大になり、海底を削りながら沿岸に漂着することになる。こうなると昆布がはぎ取られてしまい、やはり大打撃をこうむることになるのだ。もちろん温暖化や上流での森林伐採などによる保水能力の低下によってアムール川が増水し、流氷の厚みが増すこともあり得る。このように自然は絶妙なバランスでできあがっている。太陽活動などの自然変化が原因ならやむをえないが、人間の活動でバランスを崩しつつあるというのが現状である。
これまで述べてきたように、温暖化は温度の上昇だけを意味するものではない。温暖化の本質が「気候変動」ひいては「気象変化」であり、異常気象の頻発化であることを強調したほうが多くの人の行動に結びつくのではないだろうか。温暖化という用語は、あくまでも地球の平均気温の上昇を表すときにのみ使うべきである。そうしなければ、「地球温暖化は問題ではない。気候変動が問題なのだ」という奇妙な見解がどんどん力を増してくるだろう。
さらに言えば、温暖化という語感そのものが、温暖化防止に対する危機感を弱めてしまっているのではないだろうか。「寒冷化」と「温暖化」とでは、特に日本人にとってどちらがイメージが悪いか考えてみれば分かると思う。
事実、世界的には温暖化というより「気候変動」が多く使われている。IPCCは「気候変動に関する政府間パネル」だし、COP3は「温暖化防止京都会議」ではなく「気候変動枠組み条約第三回締約国会議」が正式名称である。
我が国においても、「地球温暖化」という用語を「地球の平均気温が上がっている」ことを表すときにだけ用い、一般には「気候変動」あるいは「地球規模の循環異常」(「循環」とは、言うまでもなく「大気の循環」「水の循環」そして「いのちの循環」である)などの言葉を使うべきだと思うが、いかがだろうか。
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北太平洋の赤道域などで海水温度や海面が上昇
2002.12.21 |
発達中のエルニーニョのため、太平洋の赤道域の海水温度が上昇、海面が高くなっている様子を米航空宇宙局(NASA)の人工衛星が16日までにとらえた。
NASAが2001年12月に打ち上げた海洋観測衛星「ジェイソン」の2002年12月2日の観測データを解析した結果、太平洋の赤道域の広い範囲で、海面が通常より約10センチ、場所によっては14〜32センチも高くなっていることが分かった。
エルニーニョによる温度上昇で海水が膨張したためで、赤道域の温度は通常より1.5〜2.5度高くなっているという。
一方、北部太平洋でも、気温などがエルニーニョより長い20〜30年周期で変動する現象の結果、海水温度が上昇していることが分かった。
NASAは「これらの広い範囲にわたる海水温度の上昇が、各地に異常気象をもたらしている可能性がある」としている。
2002.12.17 共同通信ニュース速報より
■ワンポイント解説
エルニーニョ現象は、南米沖から中部太平洋の赤道域にかけての海水温が上がる現象で、異常気象を引き起こすとされている。しかし、異常気象がどこで起こるかは、エルニーニョの発生位置や発生規模、水温上昇の程度などで大きく異なるはずだ。「エルニーニョが起こった年、日本は冷夏になることが多い。だから今年は冷夏となるだろう」と予測する専門家がいたが、特に東日本や西日本では酷暑となったことは記憶に新しいところだろう。短絡的な憶測は避けるべきであるが、防災などの対策は早めにとっておくべきである。
◆熱帯低気圧が巨大化
海水温度が上昇すると、台風やハリケーンなど熱帯低気圧が巨大化すると予想されている。熱帯低気圧にエネルギーがどんどん補給されるからである。
そして私見であるが、日本沿岸など、比較的緯度が高いところで水温が高くなると、熱帯低気圧の勢力が非常に強いまま沿岸地帯に上陸する可能性が強くなると考えられる。
現在の熱帯低気圧は、はるか南方海上では猛烈に発達していたとしても、上陸する頃にはかなり勢力が衰えている。これは、沿岸部に近づくにつれて海水温度が低くなり、水蒸気(エネルギー)の補給が少なくなるからだ。しかし、沿岸部に来てもどんどんエネルギーが補給されることで、猛烈な勢力を保ったまま上陸する可能性が強くなる。
温暖化で海面が上昇するうえに、熱帯低気圧が巨大になり、しかも勢力が衰えないとしたら、沿岸地域は防災上で大きなリスクを負うことになる。
ただしエルニーニョと温暖化を総合して長期的に見た場合、赤道付近と日本近海との温度差が小さくなり、台風の発生が少なくなることも予想される。場合によっては、台風そのものが発生しなくなる可能性もあるのではないだろうか。
◆海水温度の上昇で水産資源が減少する
海水温度の上昇で温暖化で魚や貝などの水産資源も危ないとされている。すでにその兆候が現れている。
たとえば、アメリカのカリフォルニア州沖の太平洋で最近約40年間に、海水の温度上昇が引き金となってプランクトンの数が80%も減っていたことが分かった。
付近の海域を調べてみると、プランクトンが減っているところの水温が、1.1〜1.7℃高くなっていた。水温の上昇は、海面から深さ180メートルのところまで起きていて、海面に近いほど温度が高くなっていたのだ。
なぜ水温が上がるとプランクトンが減るかというと、海底から湧き上がってくる地下水が海面まで昇ってこれなくなるからである。
この地下水は比較的温度が低いのだが、通常の海面温度であれば海面付近まで昇ってきて、プランクトンにミネラルなど栄養分を補給する。しかし、海面の温度が高くなると地下水が上昇できなくなり、プランクトンの栄養が絶たれてしまう。
こうして、栄養を絶たれたプランクトンが減少すると、イワシやサバなどのエサが不足し、飢えて死ぬ。すると今度は、ハマチやマグロなどの大型魚のエサがなくなるといった具合に、食物連鎖を通じて水産資源も大きな影響を受けてしまうことになるわけだ。
日本近海でも、最近イワシが激減しているが、これも海水温度の上昇による影響が原因のひとつと見られている。
また、北太平洋の東部に生息する大型のセミクジラが、過去に行われた捕鯨の影響で個体数が数十頭程度にまで減少していた。米海洋大気局(NOAA)は、「地球温暖化によるとみられる近年の海水温の上昇傾向などの影響もあって、種の存続が極めて危うくなっている」と発表している。
セミクジラは体長15メートル、体重は80トンにもなる大型の鯨。かつては世界中の海にいたが、捕鯨によって1960年代までにほとんどみられなくなった。
これまで知られているセミクジラが、深い海に潜ってプランクトンを食べていたのに対し、この地域のセミクジラは水深が50〜80メートルという比較的浅い海でえさを取っていた。NOAAは、「鯨にとって重要なこの海域は、海水温度の変動の影響を受けやすい。最近は海水温が上昇傾向にあり、種の存続が危ぶまれる」と指摘している。
水産資源の減少というと、食料への影響を考えがちだが、生態系のバランスが破綻することがより大きな問題だと考える。
最近、クジラやサバ・イワシの減少に関して、その原因を「捕獲」に絞りすぎているような印象を受ける。エルニーニョ、温暖化、オゾン層の破壊による紫外線増加、水質汚染などの直接影響、これらの複合作用による食物連鎖の断裂による影響など、様々な要因を考える必要がある。人為的に「捕獲量」を決めたからといって、必ずしも生態系が維持されるとは限らない。最悪の状態に陥ったとき、「予測を超えていた」ではすまされない。専門の枠を超えた取り組みと対策が不可欠である。
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生ゴミなど有効活用、バイオマス総合戦略を閣議決定
2002.12.28 |
政府は12月27日、新たなエネルギー源として、生ゴミや木材クズなどの生物資源の活用を図る「バイオマス・ニッポン総合戦略」を閣議決定した。具体的目標として、2010年をめどに、生ゴミ、木材くずのほか家畜のふんなどの廃棄物系資源については80%以上(炭素量換算)、稲ワラ、モミ殻など未利用の資源については25%以上(同)を利用することを掲げている。また、地域の実情に即したシステム構築の必要性を強調し、廃棄物系資源を90%以上、あるいは未利用資源を40%以上利用するシステムを持つ市町村を500程度構築することを想定している。
具体的取り組みとしては、生ゴミや木材などから取り出したメタンガスやアルコールでの発電や自動車燃料への使用などを挙げている。
バイオマスなど新エネルギーの利用促進は、京都議定書に地球温暖化防止策の一つとして盛り込まれている。政府が3月に決定した「地球温暖化対策推進大綱」では、2010年度のバイオマスエネルギーの目標として、「発電分野」では現在の5万4000キロ・リットル(原油換算)から約6倍の34万キロ・リットルに増やし、「熱利用分野」との合計で101万キロ・リットル(同)まで拡大することを掲げている。
2002.12.27 読売新聞ニュース速報より
■ワンポイント解説
日本の一般ゴミはおよそ5千万トン、産業廃棄物が約4億トンで、ここ数年ほぼ横ばい状態が続いている。一般ゴミを東京ドームに入れたとすると137杯分に相当する。国民1人が1日に出す一般ゴミの量は1100グラムになる。
飢餓で苦しむ人が聞くと叱られそうだが、国民全体では、食べ物の40%を生ゴミとして捨てているという。家庭ではもう少し低い割合だが、食堂の残飯、ホテルの宴会の残り、コンビニの弁当の売れ残りとか、ハンバーガーショップや回転寿司で30分たったら捨てられる商品などを入れると40%というのは妥当な数値だろう。最近では、さすがにこのような「もったいない」ことは許されなくなりつつあるが、それでもかなり高率なことは間違いない。
一方で、日本の食糧自給率はカロリーベースで40%を切っているという。これは、最貧国なみの低い数値である。ただし、食糧不足状態での40%と食糧過剰状態での40%とは意味がまったく異なる。もし日本人が必要最小限のカロリー消費で生活しているとすれば、実際の自給率はもっと高い数値になるだろう。1日2食ぐらいは確保できるのではないだろうか。カロリー過多の日本人には、2食ぐらいがちょうどいいかもしれない。
さて、ここで注意しないといけないのは「生ゴミ」という言葉である。
私は講演でよく「生ゴミが美しいと思う人はいますか?」と質問したとき、手を挙げた人は今のところ皆無である。反対に、「生ゴミは汚いと思う人は?」と尋ねると、ほとんどの人が手を挙げる。
ここでイメージしてみよう。
パーティーなどで目の前にごちそうがあって、みんなで「おいしい、おいしい!」といって食べていたとする。やがてパーティーが終わりに近づく。しかし、ごちそうは食べきれずにたくさん残っている。
そしてみんなで「ごちそうさま」といった瞬間に、ごちそうが「生ゴミ」という名前に変わる。
これはどう考えてもおかしいと私は思う。ごちそうがなぜ突然、「生ゴミ」という名前に変わってしまうのか。おそらく「生ゴミ」という名前を使った時点で「汚い」というイメージが湧き出てきて、捨てるという行為につながるのではないだろうか。
どうやら、多くの人は「生ゴミ」とか「廃棄物」という言葉を聞くと、条件反射のように「なれの果ての姿」を思い浮かべるようである。「生ゴミ」が腐ってハエがたかり、悪臭がしている状態。また「廃棄物」が野ざらしになって、サビで赤茶け、真っ黒な液体がにじみ出ている状態。こんなイメージではないだろうか。
しかし、そんなに汚いものならば、私たちは汚いごちそうを食べていたことになるし、工場の製造現場で汚い材料を使っていたことになる(お客さんに失礼だ!)。ごちそうが「生ゴミ」という名前に変わった瞬間は、「ごちそう(ステーキはステーキ、ケーキはケーキ)」のままだし、材料が「廃棄物」という名前に変わった瞬間は、あくまでも「材料」そのものなのだ。
今日のテーマに従い、「生ゴミ」に焦点を絞ろう(廃棄物も同様だが)。
とにかく現状のままでは、「生ゴミ」という言葉を使うことで「捨てる」という行為を正当化してしまう。あくまでも「捨てているのは栄養、ごちそう」だということを忘れてはならない。栄養だからこそ堆肥化できるのだ(生ゴミを堆肥化するのではなく、栄養を堆肥化するのだ!)。
これだけ言っても 「そんなのは屁理屈で、理想論だ」と抗議する人には、「生ゴミを捨てているように見えて、実はお金を捨てているのだ」と言い方を変えてみてはどうだろうか。100円のキャベツを買ってきて、40%捨てると言うことは、「100円玉を買ってきて、40円を捨てている」のと同じことである。これでは、生活が楽になるわけがない。
これからは、できるだけ「生ゴミ」という言葉を使わずに、「ごちそうはごちそう、栄養は栄養だ」ということを言い続けると、「もったいない」とか「丸ごと全部食べよう」という意識が芽生えるのではないだろうか。
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天然資源の有効利用、「資源生産性」を2倍に
2003.1.11 |
大量生産・大量消費を改めて、省資源やリサイクルを促進するため、環境省は天然資源を有効に利用しているかの指標である「資源生産性」を2010年までに1990年比で2倍程度に引き上げることを決めた。また、資源生産性を先進諸国の共通指標とし、地球規模で取り組んでいくことを呼びかける方針だ。
2003.1.9 朝日新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
資源生産性は、国内総生産(GDP、金額ベース)を、生産に使用された国産・輸入天然資源と輸入製品の総量(重量ベース)で割ったものである。その国の産業や国民が資源を有効に利用しているかを表す指標で、より少ない資源でより多くの生産ができれば値は上がる。日本は2000年で1トン当たり25万5000円である。
経済協力開発機構(OECD)の統計によると、日本の資源生産性は既に世界最高水準だが、環境省は、ごみの発生抑制やリサイクルの促進、資源投入量の少ない製品や製 品技術の開発などを進め、2010年までに1990年比で1.8倍の35万8000円に引き上げることを決めた。
環境省は2002年12月、製品の再利用・再生率やごみの最終処分量について、国や企業、国民が2010年までに達成すべき数値目標を設けることを決め、目標値の案を公表している。限られた資源で経済を発展させ、環境への負荷を減らす「循環型社会」の実現を目指す。中央環境審議会で、2003年3月までに同省がまとめる「循環型社会形成推進基本計画」に盛り込むための議論が進められている。
基本計画は2000年に成立した循環型社会形成推進基本法に、早期に作ることが定められており、2002年の中環審循環型社会計画部会で3つの目標値を提示している。
具体的には、(1)「資源生産性」は前述の通り1トンあたり35.8万円、(2)製品の再使用・リサイクル率の「循環利用率」は12.8%、(3)産業廃棄物など国内のごみの「最終処分量」は年間3000万トン、となっている。ちなみに2000年時点で、日本の資源生産性は25.5万円、循環利用率は9.5%、最終処分量は約6000万トンである。
環境省は、「数値目標の設定により、政策の進み具合の監視や達成度の評価が可能になる」としている。また「目標達成には、生産、流通、消費の各場面でごみを減らして製品の再使用、リサイクルを推進するほか、環境負荷が少ない製品を評価する制度や地域資源の活用が有効」としている。
具体的には、石油や石炭といった化石燃料の使用を抑える森林資源の活用や、物の購入や所有よりも余暇を楽しむ生活の推奨、ごみの発生しにくい製品を作るよう製造者などに義務づける拡大生産者責任の導入などを目指す方針である。
さらに環境省は、国民1人1日あたりのごみ排出量(現在約1100グラム)や、環境にやさしい商品の購入量など、個人や企業が取り組む目標値もあわせて設定し、「循環型社会形成推進基本法」に基づく基本計画の中にで、政策目標として位置づける。
大量消費型社会を改めることについては、2002年9月に南アフリカで開かれた「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(環境開発サミット)で生産消費形態の転換のための10年計画を各国が策定することで国際合意ができた。
環境省は、各国が同じ指標で計画をたてることが地球全体の省資源を促進することや、地球規模で取引されている天然資源の有効利用には特に先進諸国が協調することが必要 なことから、G8環境相会合など、今年前半の国際会議で資源生産性を先進諸国共通の指標とするよう呼びかけたいとしている。各国の同意が得られれば、情報交換など連携体制づくりを進めたい考えだ。
◆GDPを使っていいのだろうか?
「資源生産性を高めよう」という目標は大いに歓迎したいところであるが、その算出に国内総生産(GDP)を用いているのは問題ではないだろうか。
GDPは、各国の経済規模や経済成長度を比較する際に重宝されてきた。たとえば「ある国のGDPが毎年10%以上伸びている」「日本のひとり当たりのGDPは中国の40倍もある」「日本のGDPは世界第2位だ、日本のGDPはほぼ横這いで経済はほとんど停滞している」というように、国のランク付けや景気状況を表す指標として多用されている。
しかし、「GDPでは真の豊かさを表すことができない」というのはもはや常識である。大量の汚染物質を排出して大気や水を汚したとしても、生産額が増えさえすればGDPが増大する。そして汚染物質を除去するための装置を設置すると、開発費、装置価格、運転費用、メンテナンスサービス費用などが支払われ、当然のことながらGDPが増加する。
また、自然を破壊して「開発」という名のもとに大規模な建造物を建設すると、破壊そのものの費用、整地の費用、建設費、開業後の運営費、入場・宿泊料などがGDPに加算される。そこの自然を破壊しなければ、GDPが増えることはなかったはずだ。さらに、開発された場所を自然に戻す場合、自然復元に莫大な費用がかかるが、これもGDP増に貢献する。
つまり環境を汚染・破壊しても、環境汚染を防止・復元してもどちらもGDPの増加につながるということである。これでは「いったん開発して、その後に復元したほうが何もしないよりGDPが増える」ことになってしまう。当然のことながら、環境を汚染したり破壊しなければ、工事、汚染防止、復元などの費用が発生しないのでGDPは増加しない。
さらに、現在医療費は年間30兆円を超えており、このままでは2010年に88兆円になるといわれている。いうまでもなく、この医療費はGDPに加算される。病気が蔓延し、医療費が何百兆円増えてGDPが激増してもまったく意味がない。
◆グリーンGDPとは?
以上のことから「GDPの拡大を目的とする限り、幸福な世界を実感することは不可能」ということで、提案されているのが「グリーンGDP」に代表される新しい指標である。
グリーンGDPは、従来のGDPから環境破壊による経済的損失(外部不経済)を差し引いて算出する指標で、国連が1993年に打ち出した「環境・経済統合勘定」に基づいて各国で検討されている。一般的には、前述のような経済活動に伴う環境に関する外部不経済を貨幣評価(帰属環境費用の算出)し、国内純生産(NDP)から帰属環境費用を差し引いた環境調整済国内純生産(EDP:Eco
Domestic Product)をグリーンGDPと呼んでいる。日本では1995年、経済企画庁によって本格的な試算が公開された。
この試算によると、1990年の環境破壊によって発生した経済的損失は8兆4000億円で、名目GDPの2%に達している。ここでは、大気汚染、水質汚濁、国内の土地開発や森林伐採による生態系の破壊、地下資源の枯渇というマイナス分を評価し、GDPから差し引いている。
ただし、この中には土壌汚染や騒音・振動、水資源の維持費用、地球温暖化問題、日本の木材輸入による発展途上国の森林破壊などが考慮されていない。もしこれらを考慮すると、経済的損失は大変な金額に達すると思われる。一方では、水田や森林による国土保全・環境保全機能などのプラスの効果が無視されている。
このように、グリーンGDPはまだまだ不十分な指標ではあるが、GDPそのものの数値を使うよりは遙かに実状に合うのではないだろうか。できるだけ早い時期に、資源生産性の分子に「グリーンGDP」あるいは、他のより有効な指標が使われることを望みたい。
また、グリーンGDPは貨幣価値に換算できるものしか扱えないので、幸福感やボランティア活動などによる充実感など、極めて大切な価値(精神的豊かさなど)を表せない。すでにいくつかの指標が提案されているので、近い将来、「真の目標」となり得るような総合指標が確立されるものと思われる。
◆群を抜くわが国の「資源生産性」
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GDP(兆$) |
国内の総物質需要量TDO(億t) |
資源生産性 GDP/TDO
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| オーストラリア |
0.023533 |
1.713 |
0.0137 |
| オランダ |
0.04105 |
3.811 |
0.0108 |
| ドイツ |
2.4466 |
34.922 |
0.0700 |
| 日 本 |
5.3389 |
26.321 |
0.2028 |
| アメリカ |
7.3906 |
232.610 |
0.0318 |
|
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1996年度の各国資源生産性.The Weight of Nations(WRI等,2000)による
東京大学「国際・産学共同研究センター」の資料より
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上表から明らかなように、日本は「資源生産性」に関して世界最高水準を誇っている。日本の「資源生産性」は、ドイツの3倍、アメリカの7倍、オランダの20倍である。アメリカはともかく、多くの人はドイツやオランダが「日本よりも遙かに進んだ環境先進国」と信じて疑わないのではないだろうか。
日本は特にヨーロッパから「環境後進国」と非難されているし、日本国内でもそう思いこんでいる人が非常に多い(確かに否定できない部分もあるが)。「日本はダメだ」「ドイツはすごい」・・・・。このままでは将来を担う子供たちにとって「日本は夢も希望もない国」となりかねない。環境省が「資源生産性」を国際指標にしようとしているのは、この「濡れ衣を晴らす」目的もあるのではないかと思われる。日本人は、もっと胸を張って環境政策・環境経営のリーダーシップをとるべきではないだろうか。
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高知県、「森林環境税」を徴収する条例案を提出
2003.1.18 |
県土の八割以上を森林が占める全国一の“森林県”、高知県が、県民税に一律、年500円を上乗せし、「森林環境税」として徴収する条例案を、2月の県議会に提出する。年約1億4千万円の税収は、良質の水道水確保のため、水源地域の放置林を間伐することなどに活用される。
最近、自治体の間で独自課税の導入が活発だが、域外の個人や法人に負担を求める傾向が強い。そうした中で、高知県の場合、県民自身が税を負担し、環境改善しようとしている点が注目される。
2003.1.18 読売新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
日本は世界でも有数の森林国である。国土の約66パーセントが森林で、これは「森と湖の国」と呼ばれるフィンランドの約70パーセントに次いでいる。また日本の森林蓄積量は約35億立方メートルあり、毎年国内の総消費量に相当する木材を生み出している。しかし、実際に伐採されているのはそのうちの3分の1程度にすぎない。日本は十分な森林資源がありながら40年ほど前から輸入を始め、現在では80パーセントを輸入に頼っている世界最大の木材輸入国なのだ。木材自給率は、1961年に82%だったものが最近では20%にまで低下している。
この理由は、国産財に比べて南洋材が安いからといわれているが、真相は「安いのではなく安くしているだけ」なのだ。数年前の実績によると、直径60センチ以上の合板用の南洋材が1立方メートル当たり2万数千円で輸入されていた。これは国産の直径14〜22センチの丸太とほぼ同じ価格だ。これはどう考えても不思議である。
実は、南洋材の価格には、木そのものの値段、森林再生コスト、生態系の回復コスト、地域の自給自足を破壊したコスト、などが含まれていない。これは「伐り逃げ」といって、「ひとつの地域を伐採し尽くすと、再生させることなどまったく考えないで次の原生林を伐採する」という極めて身勝手な手段なのだ。
日本は、「伐り逃げ」によって1960年代はフィリピン、70年代はインドネシアを丸裸にし、少し前まではマレーシアから大量に輸入していた。これらの国は資源枯渇と環境破壊に悩んでいることは周知の通りである。
そして最近では、シベリア、カナダ、ブラジルなどにも触手を伸ばしている。これでは日本に森林資源を輸出している国の人たちが、「日本は砂漠の国」と思っているのもうなずける。真相がどうであれ、このために熱帯林の激減と日本の林業が衰退したことを認めないわけにはいかない。
今後は、地球規模の森林破壊による輸入木材の高騰、さらにはマレーシアが実施に踏み切った森林伐採禁止などで、国産木材を使わざるを得ないような状況になるだろう。
また「1998年に中国を襲った大洪水の原因は、河川の上流の大規模な森林破壊である」として、中国政府は山岳地域の森林伐採を禁止した。その他の地域も、近いうちに伐採禁止に踏み切る可能性が大きいと思われる。
このことからも、一刻も早く日本の林業を復活させなければならないのである。
今回の高知県の政策は、その嚆矢として非常に評価できるものである。 税の導入に当たり、高知県では、1年間、意見交換会やシンポジウムを重ねてきた。その結果、「森の多面的な機能を見直し、再生の活動として広げるには、森林県の県民が一体となって負担する税方式が望ましい」という結論になった。
当面、5年間の限定課税とし、森林環境保全基金(仮称)として税収を管理し、使途は徹底して公開するという。また間伐に県民の参加を求め、体験を都市圏に伝えることで、森林の大切さについて認識を広めることにしている。
読売新聞によると、水源地域の整備を目的とした新税は、四国山地に共に水源を持つ徳島、愛媛、香川の三県をはじめ、神奈川、新潟、岡山、鳥取、島根の各県も検討中だ。また神奈川県は、水源地域の私有林を買い上げたり、整備協定を結んだりする「水源の森林づくり」を進めている。東京都も「多摩の森林再生」を始めている。
和歌山県は、政府の緊急雇用交付金を利用して「緑の雇用」を展開中だ。約120人を採用して間伐を進め、来年度も新たな採用をする。三重県も、林業経営を目的としない環境林を指定し、その整備に65人を受け入れる。さらに青森、秋田、岩手3県は、国有林を帯状につなぐ林野庁の「緑の回廊」を、民有林に広げる構想に着手しているということである。
これらの政策が、林業の復興、ひいては世界の森林資源の再生につながることを心から望みたい。
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国の循環型社会計画案で廃棄物半減と目標設定
2003.1.25 |
リサイクル促進とごみの発生抑制を目指す、国の2010年度までの循環型社会形成推進基本計画案が22日、明らかになった。27日の中央環境審議会の了承を得て3月末までに閣議決定し、2003年度から実施する。循環型社会形成推進基本法に基づく初の
計画で、5年後に見直す予定だ。
計画案は大量生産と大量消費の社会は持続不可能とし、資源を循環させ自然と共生する社会を提案。四季を感じながら生きるスローライフが受け入れられ、生ごみの堆肥(たいひ)利用などが進むとイメージを示した。
2010年度の具体的数値目標として、リサイクル推進と資源消費量の抑制で、廃棄物の最終処分量を2000年度(5600万トン)の約半分の2700万トンと設定。
国民一人ひとりの意識改善が不可欠とし、ごみの減量化やリサイクルを心がけている人の割合を90%(2001年の内閣府調査で71%)、環境保全活動に参加した人の割合を50%(2002年の環境省調査で20%)にすることを目指すとした。
企業に対しても環境対策と成果を会計的に示す環境会計の積極導入を呼び掛けることにした。
また国自ら、事業者や消費者としてリサイクルなどを率先して実行することを約束した。
2003.1.22 共同通信ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
今の社会は「環境では儲からない仕組み」になっている。「環境で儲からない」のは、森林などの再生費用を無視する(外部化)などの、「環境に配慮すると損をする」経済の仕組みで動いているからだ。だったら「環境で儲かる仕組み」を用意すればいい。
その仕組みの中で有力なのが、すでに欧米で採用されている「デポジット制度」である。デポジット制度とは、飲み物の缶やびんに預かり金を上乗せして販売し、容器を返すと預かり金を返却する制度のことだ。たとえばドイツでは、飲料容器のほか、洗剤や塗料の容器にも適用されている。
日本でもビールビンでデポジットに似た保証金制度があるが、正式な制度にすべきだろう。その際、1本当たり10円ではなく100円くらいにすればいいと思う。ただし、環境負荷が最小になる容器が選択されるような課金体系にすることが必要である。
実際には先払いしたお金が返ってくるだけだが、「何か得したような気がする」と思うのは私だけだろうか。反対に考えると、「返さなければ100円損する」わけだから、やはりリサイクルへの動機付けにはなると思う。アメリカでは、貧困家庭の子供たちが町中のビンや缶を拾い集めた結果、街が随分きれいになった事例があるようだ。
初めは「お金が儲かる」という動機(本音)でもいいと思う。「街が美しくなれば、心が穏やになり、心が穏やかになれば、環境をきれいにしようと思う、そしてもっと街が美しくなる」という素晴らしい循環が生まれると思う。いじめの問題なども少なくなるかもしれない。
社会には様々な人たちがいて、多様な価値観で生活している。かなり泥臭い世界だ。自分の思い通りに動いてくれるはずがない。確かにグリーンコンシューマーの育成は非常に大切なことだが、この現実社会を前提としたシステムや制度も絶対に必要だ。そのためには、環境配慮の意識があろうとなかろうと、「結果として」環境負荷を低減するような行為を奨励するような制度が数多く必要と考える。
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森林整備と治山事業を統合 農水省、新事業計画策定へ
2003.2.1 |
農水省は、造林などを行う森林整備の事業計画と、災害から守る治山事業の計画を統合し、総合的な「森林整備保全事業計画」を策定する。
林業不振で森林の維持管理がなされず、林が荒廃。土砂流出などが進むなど災害の危険性も高まっていることから、同省は森林の整備と治山事業を合わせて実施することが必要と判断した。
2004年度からの5カ年計画。経済財政諮問会議などの公共事業見直し方針に沿い、保全する林の面積などの成果目標を盛り込んでいく。
二つの事業計画は従来、森林整備事業は森林法で、治山事業は治山治水緊急措置法で別々に定められていた。統合に伴い、治山治水緊措法は廃止。新たな治山事業の法的位置付けが必要となるため、農水省は今国会で森林法を改正、治山事業計画を組み入れる。
森林整備事業は造林や間伐、下刈りなどの整備や林道づくり、治山事業は土留めや治山ダム建設などを主な事業としている。
2003.1.27 共同通信ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
このままでは、「緑の惑星」が危機にさらされ、地球生態系が崩壊することは避けられない。一刻も早く、森林の破壊を食い止めなければならない。そのためには、地球の生態系にとって「森林の働き」がなぜ重要か、また森林破壊が何をもたらすかを知る必要がある。
ここで、「森林の働き」について確認しておきたい。
1.森林の働き
@生態系を育む
森林の中では微生物、昆虫、鳥、小動物、大型動物が食物連鎖の中で共生している。 これらの生命は森林がなければ生きていけない。また森林からの栄養が川を伝って海に流れ込み、沿岸地域の魚介類を育てる。海の生物は森林が育てているとも言えるのだ。
このように森林は、地球全体の生態系を育むための重要な役割を担っている。
A土をつくる
落ち葉や倒れた木を微生物が分解することで、栄養分豊かな腐葉土という土ができる。1立方センチ、つまり角砂糖1個くらいの土の中には、微生物、昆虫、小さなミミズなど10億くらいのたくさんの生命が存在している。この意味で土は生きているといえるのだ。
B土を保つ
樹木の根は土をしっかりつかんで放さない。森林には多数の樹木が集まっていて、その地域全体の土が雨などで流出するのを防いでいる。
C水を保つ
樹木は常に根、幹、葉に水を蓄えるので、降った雨はすぐに下流に流れ出さない。そのために、森林地帯は「緑のダム」と呼ばれている。もし森林がなければ、降った雨 があっという間に海に流れてしまい、飲料水など淡水資源が確保できなくなる。
また、森林破壊が大規模になれば、葉から蒸発する水分や雨の核となる微粒子が不足する。森林がなくなれば、雨そのものが降りにくくなる。
D空気を浄化する
樹木は二酸化炭素を吸って酸素を出す。つまり光合成、言い換えると炭酸同化作用を通じて呼吸をしているわけだ。これは、森林がなくなると二酸化炭素が増えて、酸素が減るということを意味する。二酸化炭素が増えると地球温暖化につながる。
また、木の葉は大気中から二酸化炭素を吸うとき、同時に空気中の窒素酸化物や硫黄酸化物などを吸って周囲の環境を浄化してくれる。特に広葉樹では、広い葉の表面にある気孔に窒素酸化物、硫黄酸化物などの有害物質を取り込む。工業地帯や自動車道路の周囲の森林は、大気汚染を浄化してくれる。
このほかにも、森林には「人間の心を癒す」「木造建築の材料になる」という人間にとって便利な働きもある。森林が破壊されると、これらの働きを失うことになるのだ。
2.森林の種類
◆人工林と原生林
森林には大きく分けて、人工林と原生林(自然林、天然林)の2種類がある。同じ林という文字がついていても、この2つはまったく異なる。
人工林は人間がつくった森林で、原生林は人間が手を加えていない森林と言える。ただし、熱帯林の中には、何千年も樹木と共生してきた先住民族といわれる人たちが生活していて、この人たちは少しだが原生林に手を加えている。
とは言っても、彼らはその地域一帯の食物連鎖の輪の中に入っていて、調和した生活を送っている。したがって、彼らが手を加えた森林も原生林と考えていいと思う。
◆人工林の特徴
@同じ種類の木ばかり
一般に、人工林には1ヘクタール当たり1〜2種類の木しか植えられていない。しかもマツ、スギ、ヒノキなどの針葉樹がほとんどだ。しかし同じ種類の木ばかりだと、いったん病虫害が発生すると、あっという間に被害が広がり、その一帯が全滅してしまう。
また、人工林は(カラマツやメタセコイヤなどの落葉針葉樹を除いて)落葉するものが少なく、土が非常にやせている。このため生物がほとんど棲みつかず、生態系を育む力が極めて弱い。
A光合成の能力と空気浄化の力が弱い
針葉樹は葉の面積が小さいので、二酸化炭素の吸収、酸素の発生、汚染物質の浄化能力が広葉樹と比べてかなり劣る。また根や葉に蓄える水量も少ないので、保水能力が小さいと言える。
B人手をかけないと育たない
人工林は適当な時期に間伐しなければ、隣接する木と木の間で光や栄養を奪い合うためうまく育たない。また成長するにつれて一帯の木の葉が重なり合い、密集するようになる。
このために降った雨水が葉伝いに流れ、地面に届かなくなってしまう。さらに、地面に太陽の光が当たらなくなり、下草も生えない。その結果、土が乾燥し、木が弱ってしまうのだ。このような植林地帯を「緑のダム」に対して「緑の砂漠」と呼ぶ。
日本の多くの人工林は、地面は砂地でつるつる滑るし、ところによっては砂も流されてしまって、岩肌がむき出しになっている。こうなると、根が岩にへばりついている感じになり、土をつかむことができなくなる。そこに大雨が降ると、土砂崩れが発生して、一帯の森林が押し流されてしまうのだ。
◆原生林の特徴
@多種類の樹木と多くの生物が共生している
原生林には、同じ種類の木は1ヘクタールに数本しか存在しない。しかもその数本は離ればなれになっているので、病虫害が発生しても伝染しにくい。また、原生林にはシダ類や草花などが共生して密集している。
木ノ実や果実なども豊富にあり、多くの昆虫、鳥、動物が共生し、生物の声、羽音、ざわめきが聞こえ、大変にぎやかだ。
このように原生林は、たくさんの樹木の周りに強固な生態系を形づくっている。
A豊かな土を作り、保水能力にもすぐれる
原生林には落葉樹が多く動物も多いので、落ち葉や動物のフンや死体が微生物によって分解される。その結果、栄養分豊かな土が作られ、それが木の成長のために使われるという循環によって生態系が維持される。
また、豊かな土や葉が巨大なダムの働きをするため、保水力にもすぐれている。少しずつ水を流すので、洪水も起こりにくくなる。
B光合成の能力と空気浄化の力が強い
原生林には葉の面積が大きな広葉樹が多いので、二酸化炭素の吸収力、酸素の供給力つまり光合成の力が強い。また、汚染物質の浄化能力が、人工林と比べてはるかにすぐれている。
C人がむやみに介入するとダメになる
原生林は人工林の反対だと考えると、「人手をかけるとダメになる」ということになる。しかし、先住民族のように人手をかけてもダメにならないこともある。
この原生林に人が介入し、食物連鎖を断ち切ると生態系全体が崩壊してしまう。こうなると、二度ともとの姿に戻すことはできない。
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衛星みどり2のセンサー、北極オゾン層の破壊観測
2003.2.8 |
環境省は5日、昨年12月にH2Aロケット4号機で打ち上げられた環境観測技術衛星「みどり2」に搭載されているオゾン層観測センサーが初めてデータを取得し、グリーンランド上空22キロ付近でオゾン層の破壊を観測した、と発表した。
今後オゾンホールにまで悪化するかどうかは気温など今後の大気状況によるとして、観測を続ける。毎年出現する南極上空のオゾンホールとは違い、北極上空では過去3回しか出現が確認されていない。
データ取得で、みどり2に搭載されている5つのセンサーのうち、3つが正常に機能していることが確認された。
オゾン層観測センサーは同省と国立環境研究所(茨城県つくば市)が開発。大気中のオゾンや水蒸気、エーロゾル(浮遊粉じん)など多種類の物質の濃度を連続測定し、オゾン層の破壊状況を監視する。
2003.2.5 共同通信ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
成層圏のオゾン層を破壊するフロンなどの影響で、北極上空で形成されたオゾン濃度の低い空気の塊が北日本上空に流れ込み、北海道などではオゾン濃度が大幅に低下する場合があることが、国立環境研究所(茨城県つくば市)と名古屋大の研究グループの観測で明らかになっている。
研究グループは1996年と1997年の2回、北海道幌加内町の名古屋大の観測所で気球を使って上空のオゾン濃度を観測した。
その結果、1996年は4月14日から25日にかけて、高度20キロ以下の地点でオゾン濃度が通常より30%以上低下したことを確認した。そして97年も5月12日に同様の現象が起こっていることを突き止めた。
気象データの解析結果からこれらの日には、北極上空にあった極渦(きょくうず)の形が変わって先端が南下し、日本の北半分を広くおおっていたことが分かった。
南極や北極では、極渦という外部との大気のやり取りが少ない空気の渦の中で、フロンから放出された塩素との反応でオゾンが破壊され、オゾンの濃度が低い大気の塊が生じる。
研究グループによると、「北極の極渦は南極に比べて不安定なため、南極のようなオゾンホールにまでは発展しない半面、形が変化して南下したり、断片がちぎれたりして、日本を含む中緯度地域上空でもオゾン濃度が低下するケースがある。今回、北海道上空でオゾン濃度が低下したのもこのためと考えられる」としている。
最近、北半球でもオゾンホールが出現しているという情報もある。たとえば、北極、チベット、スカンジナビア半島上空などである。
これは次の2つの理由によって、オゾン層付近の温度が低下し、南極と同じような条件がつくり出されるためと考えられる。
@オゾンが破壊されることで紫外線の吸収量が減って、オゾン層付近の温度が下がる。
A地球温暖化は地表付近の気温も上昇させる一方で、成層圏(オゾン層付近)の温度を
低下させる。
なおNASAは、「1997年4月8日に北極圏のオゾンが40%減少していた」と発表している。
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深海の次世代エネルギーを掘削 経産省、実用化めざす
2003.2.15 |
経済産業省は03年度、海底に大量に埋蔵し、未来の国産エネルギーとして期待を集めるメタンハイドレートを日本近海で掘削する研究に乗り出す。100億円を投じて本州沿岸の深さ2000メートルの7〜10カ所で掘り出し、埋蔵量や成分を研究、13年後の実用化をめざす。深海での大規模な採掘は世界でも初めてだという。
事業を委託された石油公団など3団体が2004年1月、東海沖から熊野灘にかけての南海トラフを掘削する。人工的に発生させた地震波の反射度合いで埋蔵の有無を調べ、船から下ろしたドリルパイプで数十メートル分の地層を抜き取る。公団や国内の研究所、企業に委託し、分解してメタンを取り出す方法を研究する。
日本はこれまで、カナダの陸地のほか、海底でも950メートルと比較的浅い場所で掘削したことがあるが、今回はその倍の深海。このため、200気圧の高圧のまま、温度が低い状態で引き揚げる機器を新たに開発した。
2003.2.13 朝日新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
メタンハイドレートは、天然ガスの主成分であるメタン分子を水分子が取り囲むシャーベット状の固体で、「燃える氷」とも呼ばれる。旧通産省の地質調査所は、音波探査や地質調査データなどから、日本近海では太平洋岸の南海トラフ(海盆)やオホーツク海などの海底地層に、4.7兆立方メートルの資源があると試算している。その下にあるメタンガス2.7兆立方メートルを合わせると、天然ガスの96年度の国内消費量(630億立方メートル)の約117倍に当たる。
メタンハイドレートは、深海での掘削が難しいこともあってコストがかかるため、これまでは資源開発が見送られてきたが、最近、海外で水深約千メートルの海域での油田の開発・生産技術が発達し、採掘が現実味を帯びてきている。
日本は、天然ガスを火力発電所の燃料や都市ガス原料などに利用しているが、約96%を東南アジアなどから輸入した液化天然ガス(LNG)で賄っている。このため輸入価格は、調達先が北海やロシア、アフリカなど多岐にわたるヨーロッパ諸国に比べて3、4割も高いといわれている。
地球温暖化の要因である二酸化炭素排出量(燃焼時)は、石炭の57%、石油の80%程度である。しかし、メタンは同じ質量ならば、二酸化炭素の58倍(同じ体積ならば21倍)もの温暖化の力を持っている。もし、採取の途中で大気中に漏れると逆に温暖化を招くおそれもある。以前、「地球温暖化で海水温度が上がって、海底に大量に沈んでいるシャーベット状のメタン(メタンハイドレート)が融けて、ガス状になって大気中に吹き出してくる。そうなると温暖化のスピードが10倍以上になる」という説がNHKテレビで取り上げられたことがある。採掘にあたっては、十分な配慮が必要である。
また採掘のために大きなエネルギーロスが発生し、逆効果となりかねないので、LCAを徹底しなければならない。
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世界水フォーラム閣僚宣言案、ダム建設を容認
2003.2.22 |
京都市で来月開かれる世界水フォーラム閣僚級国際会議で採択を目指す閣僚宣言の概要が19日わかった。脱ダムの動きが国内外で広がる中、あえて水力発電や貯水池の有益性を挙げ、ダム建設を後押しする内容になっている。水道事業について、民営化に一定の歯止めをかけることにも言及。海水の淡水化や、地球規模での水循環監視、乾燥に強く収穫量の多い新種の米であるネリカ米の普及など、わが国が実績のある分野を具体的目標として掲げ、主催国の独自色を出した。
宣言文は「ダム」という言葉の使用を避けながらも、「水力発電は再生可能エネルギーとして重要」、「貯水池や堤防によって洪水や干ばつに対応する」といった表現で、ダム建設を認めている。
ただし、建設にあたっては環境保全に努めること、また災害防止のため予報システムや規制といったソフト面の整備も並行して進めることとし、反対派の理解を求める。
2003.2.20 読売新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
◆ダムの建設
近年、ダムの建設をめぐる議論が盛んに行われている。田中長野県知事の「脱ダム宣言」など、ダム不要論が力を増しているが、実際のところはどうなのだろうか。今後、重要なテーマになると思われますので、少し時間をかけて考えてみよう。
ダムが建設されるのは、非常に大きな保水能力がある森林地帯だ。山間部に降った雨は、いったん森林に蓄えられる。根、幹、葉そしてスポンジ状の土は大量の水を保持することができる。つまり、森林地帯はそれ自体が巨大なダムといえるのだ。
たとえば、日本の森林の総貯水量は480億トンといわれており、これは日本最大の貯水量を誇る奥只見ダム(6億トン)の80倍もある。ところが、この自然のダムである森林地帯を切り崩し水没させて、巨大な人工のダムを造っている。しかも、ダムの上流では建築材や紙を作るために大量の森林が伐採されている。このため上流で降った雨がむき出しになった土砂を洗い流してダムに流れ込み、やがてダムは大量の土砂で埋まって使えなくなってしまう。
また、もともと森林地帯であったダムの水には栄養分が多く含まれているため、藻が異常繁殖したり、赤潮が発生したりすることになる。この汚れた水を放流すると、下流の方も汚染されることになる。
これに対して、自然のダムは、森林地帯の木々におおわれている限り永久的にに水を保ち、また自然の浄化力(自浄作用)が大きいので、美しい水質を維持してくれる。だから、「自然のダムである森林地帯をこれ以上壊さないで欲しい」という声が出てくるわけである。
●ダムで洪水を防ぐことができる?
ところで、「ダムには洪水を防ぐ働きがある」という説があるが、本当はどうなのだろうか。
昔は川の上流にはたくさんの木があり保水能力が非常に大きかったので、少しくらいの大雨ではびくともしなかった。ただ、何十年かに1回の集中豪雨が降ったときに、一気に大量の水が流れてきて川がたびたび氾らんしたようだ。しかし昔は、川が氾らんして大洪水になっても何の問題もなかった。大洪水が起こるようなところには、人間が住んでいなかったのだから。
むしろ洪水になることで、山から栄養分たっぷりの土が中流や下流に運ばれてきて、よく肥えた土地ができた。その肥えた土地を後になって人間が農耕に利用してきたのだ。この意味で、洪水のおかげで農業を営むことができるようになったとも言える。しかし、人口が増えると、川の近くにもたくさんの人間が住むようになってきた。そうなると洪水が起こると、家が流されたり、多くの人が死んでしまうし、せっかく作った農作物が全部ダメになってしまうという大問題が出てきたのである。
だからといって、即「ダム建設」に走ったわけではない。昔の人は、洪水がよく肥えた土を運んできてくれることをよく知っていて、洪水を止めるのではなく活用しようとしていた。たとえば、いつも洪水が起こるところに森や竹林を造って、水の勢いを弱める工夫をしたり、大きな湿地帯を設け、堤防を越えてきた水をそこに流し込んだりしていたのだ。そうすることで肥えた土も確保できるわけだ。ところが最近は土木技術が発達したために、コンクリートや鉄鋼を使って、洪水そのものを封じ込めようとしている。それが、治水ダムや可動堰(せき)というものなのである。
しかし、ダムとか堰を造ってもすぐに埋まってしまうので、そのダムの上流に、土砂を止めるための砂防ダムというのを造って、それが埋まるとまた砂防ダムを造って・・・・ということを繰り返したり、浚渫(しゅんせつ:泥の除去)に莫大な費用を投入したりという、後追い的な政策がとられることになってしまった。
●あり得ないことは、あり得ない!
もし仮に、ダムで洪水が100%を防げるのであれば、ダムの存在価値は大きいと言えるだろう。しかし、100%なんて絶対に言えない。自然というものは、はるかに人知を超えるものなのだ。自然の大災害が起こって、いかにも頑丈そうな建物や道路が倒れたとき、必ずといっていいほど『予想をはるかに超えた揺れだった』とか『想定を超えた雨量だった』とかの言い訳が出てくる。『あり得ないことはあり得ないし、あり得ないことが起こったときに大惨事になる』という当たり前のことに気づかなければならない。
1995年に日本で阪神・淡路大震災が起こったとき、絶対大丈夫といわれていた高速道路やビルが倒れた。そのとき、設計者や自治体の責任者が『まさかこんなことが起こるとは思わなかった』とか『予想を超えた揺れだった』と言っていたことを、私は被災者の一人としてはっきりと覚えている。
●温暖化を考えるとダムは造れない!
今あちらこちらで計画されているダムや可動堰は、たいてい100年とか200年に1度起こるような洪水を防ぐことができるように設計されている。問題は、この予測の中に地球温暖化の影響を入れていないということだ。
地球温暖化によって異常気象が増えると言われている。旧科学技術庁は、200年に1回起こるはずの出来事が10年に1度で起こるようになると発表している。また、台風が大型化する可能性も大きくなると言われている。このことは何を意味するのだろうか。
地球温暖化のことを考えずに、100年とか200年に1回の洪水を防ぐ設計になっているということは、地球温暖化を考えれば10年に1回の洪水を防ぐことしかできないということになる。旧科学技術庁の見解に従うと、地球温暖化のことを考えて、500年に1回とか1000年に1回の洪水に耐える設計をしなければならなくなる。
いったい、どれほど巨大なダムや可動堰を造らないといけないのだろうか。天文学的な建設資金(まず調達は不可能)が必要になるし、実際に1000年も持つようなものが造れるとは考えられない。
●原点に戻る
どうして洪水を防ぐためのダムが必要なのだろうか?
一言でいえば、「洪水が恐いから」だろう。
ではどうして洪水が恐いのだろうか?
もちろん「たくさんの人が死んだり、農業ができなくなると困るから」。
どうして人が死んでしまうのだろうか?、どうして農業ができなくなると困るのだろうか?・・・・昔と違って今は気象レーダーがあるので、上流で集中豪雨があったことはすぐに分かるし、台風なんかは何千キロも離れているところからでも、どこにあって、どこに向かっているか分かるはずなのに・・・・それでも逃げることができなくて、たくさんの人が死んでしまうのだろうか。
洪水が恐い本当の理由は、「防災体制、避難誘導システム、救援システム、損害補償制度などができていないから」だと私は思う。たとえ農業ができなくなったとしても、しばらくは生活できるような補償があれば、恐怖心はかなり軽減できるのではないだろうか。
少なくとも、防災・避難誘導・救援・損害補償システムが整備されれば、「大洪水が起こったらどうなるか」という不安は解消されるはずである。そうなれば、洪水対策としてのダムや可動堰の建設は必要なくなるように思う。今、洪水の心配についてあれこれいわれてるのは、これらのシステムが整備されていないからではないだろうか。
確かに「ダムを造るべきとか、造ってはいけない」という議論も必要かもしれないが、一刻も早くシステムを完備させておく必要がある。議論の結果、仮にダムが必要と言うことになったとしても、建設中に大洪水が起こることもあり得るのだ。
●逆ゼネコンという手がある
ダムを造れなくなったら土木や建設会社の人が困るという意見が当然出てくるだろう。
しかし、本当にそうなるだろうか。
今、世界中には100年に1回どころか、「ちょっとした大雨で裏山が崩れて家と命がなくなってしまう」という不安をかかえている人が何千万人もいる。ひょっとすると何億人かもしれない。一つひとつはダムに比べてはるかに小規模だが、数が多いので補強工事だけでも十分な利益を確保できるはずだ。
また、逆ゼネコンという「いったん破壊した自然を元に戻す工事」を積極的に請け負えば、環境に貢献してなおかつ利益が得られることになる。すでにコンクリートで固められた直線状の河川を昔のように蛇行させたり、ダムの撤去などが始まっている。いったん壊れた自然を元に戻すのは難しいかもしれないが、とくに川を昔の姿に戻すことは必要不可欠だと思う。
そのためには、まず川の役割を見直さなければならない。川は単に水が流れているだけではなくて、生命の循環の仲立ちをしている。山から土や栄養が流れてきて中流や下流の命を育てる。そしてやがて海に入って、海草や魚介類を育む。実は、山が海の生き物を育てるのだ。川は山と海を結ぶ血管。川にダムや可動堰を造ることは血管を細くしたり、ふさいでしまうということ。つまり、生命の循環を断ち切ることになるのである。
川をダメにすることは、山をダメにするのと同じこと。そしてやがて、海もあらゆる生命もダメにしてしまう。・・・・海に入った水は蒸発して、再び山に戻っていく。まさに命の循環なのだ。
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企業に「環境格付け」、 情報開示・倫理など20項目調査
2003.3.1 |
大学や企業の研究者らでつくる環境経営格付機構(三田和美理事長)が、企業の環境への取り組みと経営状態を総合的にとらえた「環境格付け」を初めてまとめた。26日に東京都内で開くシンポジウムで発表する。
環境に積極的に取り組んでいるとされている約100社を対象に「情報開示と説明責任」「地球温暖化」「企業倫理」など20項目について調べ、社長などの面接を含め、1社あたり調査に16時間かけた。
組織、戦略、成果の状況を4段階で評価し、結果が一目でわかるように、木のイラストで表示した。評価が「優」であれば緑の葉っぱ、「良」は黄色、「可」は赤。「不可」は枯れ葉が地面に落ちている。
精密機器の分野でトップだったキヤノンは、企業経営などは「優」だが、企業倫理は、社員やグループへの徹底が不十分だとして「良」。一方、下位5社は、全体的に良や可が目立つ。 キヤノン以外では日本IBMや日立製作所などの格付けが高かった。
環境経営に関する格付け機関は欧米では10ほどあるが、日本では格付け手法の確立が課題。同機構は環境経営学会(会長=西沢潤一・岩手県立大学長)が2001年11月に設立。科学技術振興事業団の研究助成を得て格付け手法の開発をしている。
2003.2.26 朝日新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
最近、企業を環境の観点から評価し、公表しようという「環境格付け」が行われている。我が国では、1997年から日本経済新聞社が始めた「環境経営度調査」が有名だが、ここに来ていくつかの機関が本格的な「環境格付け」を実施し始めている。
この格付けによって、株価や企業イメージひいては収益性にも影響するため、企業における環境経営に対する意識が非常に高まっている。環境格付けの本来の目的を忘れない限り、非常に有効な方法と言える。しかし、各企業が「格付け機関」の方を向いて対策を講じるようになると、必然的に形骸化することになるだろう。
◆企業格付けから業界格付けへ
私は企業格付けに加えて、「業界格付け」が必要ではないかと考えている。たとえば、ペットボトルを代表とする容器の種類が、目を覆いたくなるほど増えている。中身で差別化できないので、「目先のデザインでしか勝負できない」ことを暗に認めているとしか思えない。これでは、単品としての環境負荷を減らしたとしても、業界全体では大幅に増えることになる。もちろん容器だけでなく、あらゆる業界で総環境負荷が増えていると言える。
この状況を打開するには、業界全体としての総環境負荷の増減比率についての「業界間比較(業界格付け)」が必要だと思う。これに対応するために、「ペットボトルなど容器の統一化(リターナブル化)」「使用素材の統一化」「主要部品の統一化」など、業界標準を決めざるを得なくなるだろう。そうすれば、業界の総体である産業界全体の総環境負荷を低減することができるのではないだろうか。
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南極の棚氷の崩壊で、氷床の急激な移動招く
2003.3.8 |
海に張り出した南極の棚氷の崩壊がきっかけになって、大陸上の氷河の氷が海に向かって急速に動き出していることを、アルゼンチン南極研究所のグループが人工衛星のデータなどを使った解析で突き止め、3月7日付の米科学誌サイエンスに発表した。
地球温暖化の進行で棚氷の崩壊が進めば、大陸上にある大量の氷が海に流れ込んで溶け出し、急激な海面上昇を引き起こす危険性があるという。
2003.3.7 共同通信ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
グループは、1995年にラルセン棚氷が崩壊した後、陸上の氷が海に向けて動き出すことによってできる高さ20〜40メートルのテラス状の地形が数カ月の間に形成されたことを確認。ほかにも、波のような地形や氷の割れ目の移動など、氷が海に向かって急激に動き出したことを示すさまざまな証拠をみつけた。
棚氷の崩壊が、陸上の氷の急速な移動のきっかけになるかどうかについては、これまで諸説があったという。
研究グループは「南極の棚氷の一部では現在も崩壊が続いており、これがきっかけになって、今後、大規模な氷床の流出が起こる危険がある」と警告している。
◆極端な海面上昇の可能性も
最近、この種の警告が増えている。IPCCのロバート・ワトソン議長は、「海面が6メートルも高くなるという取り返しのつかない影響のきっかけをつくることになる」と破局的な事態すら起こりかねないと警告している。この警告の背景には、次々に明らかになる深刻な温暖化の実態がある。IPCCの第三次レポートでも次のように報告している。
氷床は気候の温暖化に反応し続け、気候が安定したのち数千年間にわたって海面水位上昇の一因となり続けると見込まれる。グリーンランドで気温が3℃以上高い状態が数千年間続けば、グリーンランドの氷床は完全に融けて、海面水位が約7m上昇すると予測される。また、グリーンランドで気温が5.5℃高い状態が1000年続けば、グリーンランドの氷床融解により、約3mの海面水位の上昇がもたらされる可能性が高い。さらに、西部南極氷床がこの先1000年間に3m海面水位上昇をもたらす可能性がある。
◆想像以上に崩壊しやすい南極の棚氷
この他にも、米航空宇宙局(NASA)は、「南極大陸から海上に張り出している広大な棚氷は、南極の短い夏の気温が高くなるだけで崩壊し、世界規模の海面上昇を招く恐れがある」と警告を発している。
従来は、地球温暖化が進んでも南極の年間平均気温は氷点(摂氏零度)を大きく下回っているため、巨大な棚氷が崩壊する可能性は少ないとみられていた。
研究チームは、1998年に一部崩壊した南極半島東側のラルセン棚氷の崩壊メカニズムを分析した。その結果、同年の夏(2月)に棚氷付近の気温が摂氏零度上回ったため、表面の氷の一部が解けて亀裂に流れ込み、水がその重さでくさびのように作用して棚氷が割れたことが分かった。
同チームのテッド・スキャンボス博士は「厚さが約200メートルある棚氷でも、表面にできた深さ5〜15メートルの亀裂に水が流れ込むだけで割れてしまうことが判明した。棚氷は従来考えられていたより、はるかに崩壊しやすい」と指摘している。
崩壊すれば数メートル以上の海面上昇をもたらすとされる南極最大のロス棚氷付近も、最近では夏の気温が氷点下4〜6℃まで上昇しており、同博士は「崩壊の瀬戸際に近づいている」と話している。
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紙コップ「退場」、プラスチック製のデポ制を試行
2003.3.15 |
使い捨ての紙コップは“退場”――。環境省などはJリーグの試合会場で売店の紙コップをプラスチック製コップにして回収・再利用する試みを始める。一定額を上乗せして飲料品を販売し、コップを返却したら購入者に上乗せ分を戻すデポジット(預かり金)制度の試行で、ごみの削減効果を見極める。
15日に開催される大分トリニータ対名古屋グランパスエイト戦(大分スポーツ公園総合競技場)で実施。ビールやジュース一杯当たり100円を上乗せして販売、コップを返却した購入者には100円を支払う。
コップを効率よく回収できるほか、きれいに洗って次の試合に再使用できる。紙コップの廃止により同競技場の売店から出るごみの7割を減らせるという。
同競技場で飲食売店を受託運営する給食サービス会社、エームサービスではJリーグなど同競技場でのイベントで再利用する。環境省は2003年度末までに普及に向けた課題を洗い出す。
2003.3.12 日本経済新聞朝刊より抜粋
■ワンポイント解説
デポジット制度とは、飲み物の缶やびんに預かり金を上乗せして販売し、容器を返すと預かり金を返却する制度のことである。たとえばドイツでは、飲料容器のほか、洗剤や塗料の容器にも適用されている。日本でもビールビンでデポジットに似た保証金制度があるが、正式な制度にすべきだろう。その際、1本当たり10円ではなく100円位にすればいいと思う。ただしこの際、環境負荷が最小になる容器が選択されるような課金体系にすることが必要である。
実際には先払いしたお金が返ってくるだけだが、「何か得したような気がする」と思うのは私だけだろうか。反対に考えると、「返さなければ100円損する」わけだから、やはりリサイクルへの動機付けにはなると思う。アメリカでは、貧困家庭を救うために子供たちが町中のビンや缶を拾い集めた結果、街がずいぶんきれいになった事例があるようだ。
初めは「お金が儲かる」という動機(本音)でもいいのではないだろうか。「街が美しくなれば、心が穏やになり、心が穏やかになれば、環境をきれいにしようと思う、そしてもっと街が美しくなる」という素晴らしい循環が生まれると思う。いじめの問題なども少なくなるかもしれない。
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農水省が、農業分野の重要性を水フォーラムでPR
2003.3.23 |
農業用水は最大の水ユーザー。第3回世界水フォーラムで、農水省は農業用水の効率性向上や農地の多面的な役割、食料生産と環境の共生などをテーマに、農業、食料と水のかかわりのPRに努めている。
農水省によると、農業用水は世界の水使用量の70%を占めている。世界の人口増に対し、食料生産の伸びが十分でないために、大規模な食料危機の発生が危ぐされているという。
2003.3.19 共同通信ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
日本は農産物、たとえば小麦や大麦、豆類の9割以上、果物のおよそ半分を外国から輸入している。一般に、農産物1キロに対して1トン(何と1000倍)もの水が必要といわれており、農産物を輸入するということは1000倍の重さの水を輸入していることなのだ。
最近の研究結果によると、トウモロコシで1キロあたり2トン、小麦粉で4.5トン、精米後の米で8トンの水を利用していることが分かったという(総合地球環境科学研究所の沖助教授の研究)。もし、これらをエサとして使って日本で家畜を育てた場合、鶏肉でも5トン、豚肉で11トン、牛肉ではなんと100トンの水を利用しているというのだ。牛丼1杯食べるのは、9トン以上の水を飲んでいるのと同じことになるそうだ。
農産物1キロに対して1トンという数値を使ったとしても、農村物を輸入することで52億立方メートルの水を輸入し、消費していることになる。これは、国内のおよそ3千万人分の生活用水に匹敵する。この他にも、木材や繊維製品などを輸入しており、「日本人の生活と経済は世界の水によって支えられている」といえるのである。
こうした危機感から3月21日に農水省と国連食糧農業機関(FAO)が主催する「水と食と農」閣僚会議を大津市で開催。約35カ国から農業用水を所管する閣僚が集まり、農業を取り巻く課題について議論した。 「農業、食料と水」をテーマにした分科会では、日本の水田を紹介し、米作りが守る日本の農村の多用な生態系を取り上げた。ほかにもアフリカ、中近東の乾燥地で協力している砂漠化防止対策などを紹介した。
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港湾の海底汚染に歯止めを ダイオキシン対策指針策定
2003.3.29 |
国土交通省は26日、港湾の海底の泥が環境基準を超えるダイオキシン類に汚染されていることが分かった場合、汚染範囲を把握して魚介類への汚染拡大を防止するため、調査方法や対策工事などを例示した技術指針をまとめた。
2003.3.26 共同通信ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
指針では、しゅんせつ工事前の調査などでダイオキシン類の汚染を発見した際、広範囲で再調査し、汚染部分を特定すると規定。汚染された泥の厚さや量も把握、汚染経路を推定する。
その後、魚介類を通じて人がダイオキシン類を摂取しないよう、汚染された泥を@しゅんせつして除去し、無害化や埋め立て処分するA土砂などで覆って拡散や魚介類への蓄積を防ぐBセメント系の固化剤を注入して固める―のいずれかの対策を実施。着工前から完工後まで段階や工法に応じて、汚染が広がっていないかなどを監視するとした。
海底の泥のダイオキシン類の環境基準は1グラム当たり150ピコグラム(ピコは1兆分の1)。
ダイオキシンは、分子中に塩素を含むポリ塩化ダイベンゾ・パラダイオキシン(PCDD)の通称でである。これにポリ塩化ダイベンゾ・フラン(PCDF)とコプラナーPCBを加えたものを「ダイオキシン類」としている。
その中で最も恐れられているのが2,3,7,8四塩化ダイベンゾ・パラダイオキシン(TCDD)です。これは、人類がつくりだした毒物の中でも最も強力な化学物質のひとつであると言われている。モルモットに対する半数致死量(半分が死ぬ量)は、体重1キログラム当たり0.0006ミリグラムという驚異的な急性毒性を示す。
また、このTCDDは急性毒性が強いばかりでなく、発ガン性、環境ホルモンとしての作用や慢性毒性も極めて強いことが知られている。ベトナム戦争で米軍が使った枯れ葉剤に含まれ、多くの胎児奇形の原因と報告されたことはあまりにも有名だ。
塩素系プラスチックを燃やすと発生する。非塩素系であっても焼却炉中に他の塩素系プラスチックや塩分が共存していると、ダイオキシン類が発生する可能性がある。また完全燃焼させるとダイオキシン類が発生しないといわれているが、「すべての焼却炉で完全燃焼が可能なわけではない」、「完全燃焼させると二酸化炭素が発生し温暖化の原因となる」、「燃やすと食物連鎖が切れてしまう」など多くの問題がある。
さらに、断熱材や壁紙には臭素系の難燃剤が使われており、これらを燃やすと臭素系のダイオキシン類(この毒性も塩素系ダイオキシンに勝るとも劣らない)が発生することが分かっている。私たちは、燃やすという行為をやめない限り、環境問題を根本的に解決することはできないだろう。燃やさないための一番の対策は、いうまでもなく「捨てない」ということである。
最近、「ダイオキシン騒動は幻想であり、その毒性など取るに足りない」という意見がある。本当のところはどうなのだろうか。
人間は、自分が正しいという思いにとらわれたら、それ以外の意見をバカにしたり、無視したりすることがある。特に「自分は賢い」と思いこんでいる科学者にその傾向が散見される。傲慢な態度は、科学的態度とは言えない。自分は客観的だといいながら、自分の考えに合致するものや、自分にとって都合のいいデータしか目に入らなくなってしまう。環境ホルモンやダイオキシンがガンの原因だと主張する人も、いや原因ではないと主張する人も、どちらもその主張を裏付けるデータ(しかも単独影響)ばかりに目がいきがちになることを自戒すべきである。
ダイオキシン、環境ホルモン、トリハロメタン、重金属、農薬・・・・。これらがマスコミで取り沙汰されたとき、それぞれの専門家が「すぐに健康に影響があるとは言えない」「単独では因果関係が認められない」というコメントを出すのが普通だ。しかし、単独で影響があろうとなかろうと、ガン患者が急増しているのは紛れもない事実である。明らかに「何らかの原因が存在する」のだ。おそらく自然科学的影響だけでなく精神的影響も含めた複合原因のはずだから、専門の枠を超えた取り組みが不可欠である。
ダイオキシンが発生するような条件(たとえば不完全燃焼下)においては、数多くの発ガン性物質や有毒物質が同時に発生する。こんな状況下で、ダイオキシンだけの濃度に注目し、「急性毒性など取るに足りない」「発ガン性は嘘だ」と叫んでも無意味である。「ダイオキシンの」ではなく、「ダイオキシンを含んだ」食べ物・水・空気に発ガン性や催奇性がないかという検討が必要なのだ。今の科学は余りにも専門が分散化(枝葉末節化)しすぎているため、トータルで判断することは無理なのだろうか。私たちは、「因果関係を特定する意味」について、改めて考える必要があるようだ。
今日のコメントには「怒り」が感じられる。反省、反省。
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<環境首都>福岡市が1位 「首都」称号は見送り
2003.4.5 |
環境保全に関する自治体の取り組みを客観評価しようと、全国のNGO(非政府組織)が昨年から共同実施している2回目の「環境首都コンテスト」の結果が31日、発表された。昨年2位だった福岡市が1位を獲得したが、NGO側が求めた一定レベルに達せず、「環境首都」の称号授与は昨年(1位・名古屋市)に続いて見送られた。
2003.3.31 毎日新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
NGO10団体で構成する「環境首都コンテスト全国ネットワーク」が主催。「自然環境の保全」「ごみの減量化」など16項目約90問に応募自治体が回答し、ヒアリングを経て1000点満点で採点され、福岡市は561点だった。
参加自治体は昨年より22増え、115自治体。主幹事団体のNPO法人「環境市民」(京都市)のすぎ本育生代表によると「上位の自治体は共通して地域の特性をつかみ、新しい施策にチャレンジしている。住民の参画率も高い」といい、3位に熊本県水俣市、5位に兵庫県尼崎市が入るなど、かつて公害都市として知られた自治体の“変身ぶり”が目を引く結果となった。
私は兵庫県の尼崎に住んでいた関係で、環境問題に取り組んで35年以上になる。当時は公害と呼ばれていた。私が住んでいた尼崎は亜硫酸ガスの最高濃度を記録したところだし、これまでに3千人以上の人が死亡し、いまだに3千人以上の方が公害病で苦しんでいる。
私は5年生の時に公害問題に気づいた。教室で同級生が5、6人、常にセキ込んでいた。しかも床を転げ回るくらいの苦しみ方だった。近くにいるお年寄りがぜんそくや気管支炎で亡くなられた。
そして、とうとう自殺者が出た。その方が遺書を書いたのだが、なんと自分の血で書いた血染めの遺書だった。それを聞いて、私は小学生ながらすごくショックを受け、この公害問題を解決したいというのが夢になった。
当時は尼崎市をはじめ水俣などは「公害都市」というレッテルを貼られ、市民は情けない思いで暮らしていた。その悔しさをバネに、数多くの市民が美しい街づくりに力を注いだのだ。そして今、その2市が上位に入っているのを見ると、隔世の感がある。
参考:第2回環境首都コンテスト結果発表(環境市民のホームページより)
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県境越えNPOが森づくり 吉野川の下流から上流へ
2003.4.12 |
吉野川上流の早明浦(さめうら)ダム付近にある森林の保水力を高めようと、徳島市の民間非営利団体(NPO)「新町川を守る会」は4月20日、高知県大川村の村有林にブナなど広葉樹の苗木約300本を植樹する。
2003.4.12 共同通信ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
吉野川支流の新町川の清掃などをしていた同会は、徳島市などの下流域が上流域から恩恵を受けていることなどから、上流域への植樹を計画。大川村の住民との交流も行っている。
植樹は昨年に続き2回目で、今回の対象は面積約0.1ヘクタール。木と木の間隔が大きく開いた場所を選んで植樹し、2カ月ごとに草刈りも行う。
同会の中村英雄理事長は、「植樹した場所には『3001年の森』という看板を立てた。千年かけて森づくりをしていこうという気持ちを込めた」と話す。
大川村は1973年の早明浦ダム建設で集落の一部が水没。94年の渇水をきっかけに香川県のNPO「どんぐりネットワーク」がまず植樹を始め、これまでに約1.8ヘクタールの村有林に木を植えた。
徳島市から参加する場合は会費2000円、現地集合も可能。問い合わせは同会の中村理事長方、電話088(655)1201まで。
川は単に水が流れているだけではなくて、生命の循環の仲立ちをしている。山から土や栄養が流れてきて中流や下流の命を育てる。そしてやがて海に入って、海草や魚介類を育む。実は、山が海の生き物を育てているといえる。
川は山と海を結ぶ血管。川にダムや可動堰を造ることは血管を細くしたり、ふさいでしまうということ。つまり、生命の循環を断ち切ることになる。
川をダメにすることは、山をダメにするのと同じこと。そしてやがて、海もあらゆる生命もダメにしてしまう。
・・・・海に入った水は蒸発して、再び山に戻っていく。まさに命の循環。山(森)、川、海は三位一体なのだ。
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「森林・林業白書」、日本は資源の質が劣化している
2003.4.19 |
亀井善之農相は18日、02年度の「森林・林業白書」を閣議に報告し、了承された。世界の森林が貧困や人口増加に伴う過剰伐採で減少する中、日本は人工林が毎年7000万平方メートル増加するなど量では充実しているのに、木材価格の低迷などで間伐といった管理が行き届かず、資源の質が劣化していると指摘。木材自給率が18.4%という輸入大国の日本は適切に国内森林を管理し、世界の持続可能な森林経営や温暖化対策に貢献すべきだと強調している。
2003.4.18 毎日新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
日本は世界でも有数の森林国である。国土の約66パーセントが森林で、これは「森と湖の国」と呼ばれるフィンランドの約70パーセントに次いでいる。また日本の森林蓄積量は約35億立方メートルあり、毎年国内の総消費量に相当する木材を生み出している。しかし、実際に伐採されているのはそのうちの3分の1程度にすぎない。このように日本は十分な森林資源がありながら40年ほど前から輸入を始め、現在では80パーセント以上を輸入に頼っている世界最大の木材輸入国になっている。
この理由は、国産財に比べて南洋材が安いからといわれているが、真相は「安いのではなく安くしているだけ」なのだ。
数年前の実績によると、直径60センチ以上の合板用の南洋材が1立方メートル当たり2万数千円で輸入されていた。これは国産の直径14〜22センチの丸太とほぼ同じ価格である。これはどう考えても不思議だ。
実は、南洋材の価格には、木そのものの値段、森林再生費用、生態系の回復費用、地域の自給自足を破壊した費用、などが含まれていない。
これは「伐り逃げ」といって、「ひとつの地域を伐採し尽くすと、再生させることなどまったく考えないで次の原生林を伐採する」という極めて身勝手な手段なのだ。
日本は、「伐り逃げ」によって1960年代はフィリピン、70年代はインドネシアを丸裸にし、少し前まではマレーシアから大量に輸入していた。これらの国は資源枯渇と環境破壊に悩んでいることは周知の通りである。
そして最近では、シベリア、カナダ、ブラジルなどにも触手を伸ばしている。これでは日本に森林資源を輸出している国の人たちが、「日本は砂漠の国」と思っているのもうなずける。真相がどうであれ、このために熱帯林の激減と日本の林業が衰退したことを認めないわけにはいかない。
今後は、地球規模の森林破壊による輸入木材の高騰、さらにはマレーシアが実施に踏み切った森林伐採禁止などで、国産木材を使わざるを得ないような状況になるだろう。
また「98年に中国を襲った大洪水の原因は、河川の上流の大規模な森林破壊である」として、中国政府は山岳地域の森林伐採を禁止した。その他の地域も、近いうちに伐採禁止に踏み切る可能性が大きいと思われる。
このことからも、一刻も早く日本の林業を復活させなければならないのである。
ところで、人工林は適当な時期に間伐しなければ、隣接する木と木の間で光や栄養を奪い合うため うまく育たない。また成長するにつれて一帯の木の葉が重なり合い、密集するようになる。
このために降った雨水が葉伝いに流れ、地面に届かなくなってしまう。さらに、地面に太陽の光が当たらなくなり、下草も生えない。その結果、土が乾燥し、木が弱ってしまう。このような植林地帯を「緑のダム」に対して「緑の砂漠」と呼ぶ。
日本の多くの人工林は、地面は砂地でつるつる滑るし、ところによっては砂も流されてしまって、岩肌がむき出しになっている。こうなると、根が岩にへばりついている感じになり、土をつかむことができなくなる。そこに大雨が降ると、土砂崩れが発生して、一帯の森林が押し流されてしまうのである。
森林破壊の原因は、日本など先進国の大量消費にある。このままでは森林は全滅して、地球の生命維持装置が破綻しそうである。やはり、とくに日本の木材消費を減らさなければならない。そのためには、輸入木材の値段を大幅に上げることが必要だ。そうすると、国産材の方が安くなって林業も復活すると思う。
もともと日本には、すべての需要をまかなうだけの森林資源があるのだから、本気で取り組めばうまくいくはずだ。また、木材製品をもらわない、買わない、使わない、捨てない、リサイクル使用するということも重要である。
具体的には、「消費を減らして国内の需要は国産木材でまかなう」「計画的に森林の植林を行って、成長量以上に伐採しない」「原生林の伐採を禁止する」などが必要だろう。
個人レベルでは、「できるだけ割り箸を使わない」というのは誰にでもできる方法だ。よく「割り箸は熱帯林を破壊している。いや、不要な枝を使っている」などの議論が行われているが、いずれも「割り箸は使い捨て」という前提に立っている。しかし、「割り箸は使い捨て」というのは思い込みで、実際は「割り箸は何回でも使える」のだ。
割り箸を「木という命から生まれたもの」と考えると、「いままで生きていた命を1回で使い捨てするのはもったいない」という発想が出てくるのではないだろうか。
このほかにも、「過剰包装を断る」「買い物かごを持参する」「紙コップなど使い捨てを減らす」「高くても再生品、リサイクル品を買う」「植林、間伐、草刈などの森林保全活動に参加する」などたくさんある。
ただし、一番大切なことは、自分にできそうなものを見つけて、実行してみることである。そして、「多くの人に事実を伝えること」も大切です。自分の実践を周りに伝え、輪を広げよう。
最近、多くの日本人がこれまでのことを反省して、「世界の森林を守ろう!」「砂漠や森林伐採地に植林しよう!」と、中国やアフリカにボランティアで植林に出かけている。かつて日本が伐採した荒れ地や砂漠地帯を緑化しようと、大変な努力が始まった。最近各地から植林成功の知らせが届き始めており、嬉しく思う。
国内では、「国産材の家に住もう!」という運動が始まっている。大賛成だ。「少々高価でも、国産の木材を使うと熱帯林の破壊を止められるし、日本の林業の振興にもつながる」というわけである。
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環境面でも南北格差 世銀がデータ集で指摘
2003.5.3 |
発展途上国で人口増加や都市化が急激に進んだ結果、環境破壊が深刻化し、環境汚染対策が進んでいる先進国と環境面での格差が広がっているとのデータブックを29日、世界銀行が発表した。
世銀のクリスタリーナ・ゲオルギエバ環境局長は「先進国に住む15%の人が、世界のエネルギーの半分を消費、大量の二酸化炭素を排出している」と指摘。「環境保全と両立した、持続可能な開発実現への歩みを早める努力が必要」と述べた。
データブックは、世界約200カ国について、エネルギーや水資源、生物多様性など約五十項目のデータを集め、先進国と途上国間や、アジア、中南米などの地域間で比較した。
中南米では都市人口が全人口の75%以上、中東・北アフリカでも60%弱になるなど、途上国で都市化が進行。主要都市の大気中の有害微粒子の量は、先進国の2倍以上になるなど、環境汚染が進んでいる。森林破壊や生物種の減少も、途上国で目立った。
米国の一人当たりのエネルギー消費量は、インドの16倍に達するなど、先進国がエネルギー資源を大量に消費、地球温暖化を深刻化させていることも浮き彫りにされた。
2003.4.30 共同通信ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
◆人口爆発したのは貧しいから?
この100年で地球の人口が4倍になり、いまでも毎年8000万人以上増えています。ただし、増えているのは東南アジアやアフリカなどの途上国です。
では、なぜ先進国では人口が増えていないのに、途上国で人口爆発が起こるのでしょうか?
この質問に対して、多くの人は「貧しいから人口爆発が起こる」と答えます。「貧しいと教育が受けられなくて、避妊の方法も教えることができないから」というのが大方の意見です。
貧しいことと避妊の方法を知らないのとは、どう結びつくのでしょうか?
貧しいから人口爆発が起こるのであれば、アメリカインディアンやアボリジニなど、先住民族と呼ばれる人たちがなぜ減っているのでしょうか?
ヨーロッパは産業革命以来5倍、アメリカは200年で10倍、日本は100年で4倍も人口が増えていますが、これらの国は貧しいから人口爆発したのでしょうか?
このように次から次に疑問が湧いてきます。
よく考えてみると、「先進国と貿易を始めると人口爆発が起こり、先進国との貿易を避ける(拒否する)と人口が減っている」ことに気づきます。
実は、アフリカやアジアの国々は昔は豊かだったのです。「伝統的焼畑農業」や自然の中に生きている植物や動物の命をいただいて、何千年も生活していました。つまり自給自足の生活をしていたのです。
私たちは、お金がないのを貧しいと思っていますが、お金がいらない世界では、お札はタダの紙切れです。硬貨なんてペンダントの役も果たせません。
ところが、先進国の人間が入ってきて、貿易が始まると豊かさが失われる?・・・・貧しくなる?・・・・どうしてでしょうか?
◆人口爆発と貧困のシナリオ
その理由を換金作物で考えてみましょう。
換金作物というのは、コーヒーやゴムのように、自分たちが食べるためではなく、輸出して現金を得るために作る作物のことです。
ここでは、「人口爆発と貧困のシナリオ」をコーヒーを例にとって見てみましょう。
@自給自足社会と先進国との間で貿易が始まる
ずっと以前から人口は増えも減りもしない、自給自足をしている村があります。
そこでは、お祭りや儀式のためにコーヒーを少しだけ栽培しています。
あるとき、コーヒーで大儲けしようと先進国の人間(以下、先進国)がやってきて、「あなたの村と貿易したい」と申し出ます。
貨幣経済でない社会では、お金はただの紙切れなので、村長は貿易を断ります。
しかし、「お金があれば病気の子どもを救う薬とたくさんの食糧が手に入る」と説得され、村長は先進国との貿易に同意します。
このときから自給自足経済が、貨幣経済に変わるのです。
A村の死亡率が低下し、人口が増える
貿易を始めると、薬や食糧のお陰で村の死亡率が低下し、人口が増えます。村人は豊かになったと喜びます。
そこにふたたび先進国がやってきて、「人も増えたし、そろそろ薬も食糧も不足してきただろう。コーヒー畑を広げたら、もっとたくさんのコーヒーが採れるよ」と提案します。
しかし、そうすると自給自足ができなくなるので、村長は断わります。
そこで先進国は、「農地の半分をコーヒー畑にしてコーヒーを売ってくれれば、いまの2倍の薬と食糧が買えるよ」とアドバイスし、村長はふたたび同意することになります。
その結果、村の死亡率が大幅に下がり、人口が急増します。
Bコーヒーへの依存がますます高くなる
何年かたつと、村の人口が増えすぎて農作物が足らなくなってきます。
しかし、このときすでに農地の半分がコーヒー畑に変わっていて、これ以上農地を増やすことはできなくなっています。
このとき先進国は、「すべての農地をコーヒー畑に変えたら、ここでできたコーヒーをすべて買い取ることを約束しよう。そうすればさらに2倍の薬と食糧が手に入る」と提案します。
村長は、これが「この土地を悪魔に売り渡してはならない。この掟を破るとこの村に災厄が降りかかる」という言い伝えに背くことだということは知っています。
しかし、先進国が時折見せつける、恐ろしい武器の威力にはとうてい逆らうことはできずに、しぶしぶ同意するのです。
C人手が必要になり人口が爆発する(自給自足の崩壊)
すべての農地がコーヒー畑に変わり、自給自足体制が完全に崩壊します。
また、広大なコーヒー畑を維持するには、特に力仕事が多いので、たくさんの男手が必要です。そこで、生めや増やせやとベビーブームが訪れます。
幸い、コーヒーがどんどん売れるので、食糧を買うお金は十分にあります。
気がつくと村の人口がはじめの10倍にふくらんでいます。それでも、みんなが金銭的に豊かになったと喜びます。
ところが、同じ土地で同じ作物ばかり栽培し続けると、特定の成分が土壌から失われて作物の品質が低下します。これを連作障害といい、やがて土が死ぬのです。
このままでは、先進国との取り引きができなくなりそうです。
D化学肥料と農薬の使いすぎで土地がやせてくる
先進国は、「化学肥料と農薬を買わないか。これをコーヒー畑にまけば土は生き返る」と提案します。
化学肥料と農薬のお陰で、土が生き返り、コーヒーの収穫量が元に戻ります。
ところがある年、コーヒーの収穫量が突然激減します。原因は、コーヒーの病気です。化学肥料をまくことで生態系のバランスが崩れ、虫が取りついたのです。
DDTという農薬を先進国から購入して、使用することでまいたところ、病気が消えます。
しかし、すぐに別の虫が取りつき、DDTではまったく効果がありません。BHCやホリドールにかえてみても、モグラたたきみたいで、キリがありません。
これではコーヒーをたくさん売っても、化学肥料や農薬を買えばほとんどお金が残りません。裕福でにぎやかだった村が少しずつ貧しくなっていきます。
E階級が生まれ、難民が続出する
先進国は、「小さな畑の寄せ集めは効率が悪いので、まとめてひとつの大きな畑にすると効率が上がりますよ。どうですか、あなたがみんなを説得してまとめてみては?・・・・大丈夫ですよ、何かあったら私たちが助けますから」と、村の中で才覚のある者をそそのかします。
こうして地主と小作人の関係が生まれ、階級制度が誕生します。
地主は自分の才覚と先進国の助けを借りて、次第に力とお金を蓄え、小作人を安い小作料で働かせるようになります。
そうしておいて、先進国は地主に「トラクターとかブルドーザーという大型機械を使えば、小作料を払わなくてもすむよ。この機械の値段はすごく高いけど、人手が省けるからすぐに元がとれるよ」とそそのかします。
こうして人手が余り、生活に困った人々が難民となり、都市部や隣国に流れ込むようになります。
都市部に流れ込んだ元小作人は、生活のために職を探すが見つからず、やがてスラム街が誕生します。
そして今度は街を追われ、ふたたび農村や山村に入り込み、「無計画焼畑農業」が行われることになるのです。
F先進国に対する借金が膨らんでいく
一方、先進国にそそのかされた地主も、とてつもなく高価な機械を買ったものだから、莫大な借金を抱えることになります。
しかも化学肥料や農薬をふんだんに使った土地には、これ以上コーヒーを作る余力がなく、借金の金利も払えません。
しかし、奇蹟を信じてどんどん高価な機械を導入します。
機械を高く買って、コーヒーを安く売るので借金がますます膨らんでいくのです。
G土地が完全に崩壊し、先進国との取り引きが停止
そのうち完全に土がダメになり、もはや何をしてもコーヒーは育たなくなります。
先進国は取引停止を通告し、去っていきます。
後に残るのは、生命力を失い荒れ果てた土地と、爆発的に増えた人口、そして莫大な借金です。
H武力衝突が始まり、世界のマスコミが注目する
先進国は、立ち去るときに「このままでは小作人の怒りが君たちに向けられるだろう。身を守るための武器を私たちから買わないか」と地主に警告します。
同時に先進国は、「このまま地主の言いなりになって、みすみす飢え死にするのを待つのかい。いまこそ力を合わせて、立ち上がるときではないかな。そのために必要な武器を私たちから買わないか」と助言します。
こうして階級間や部族間で武力衝突や政治紛争が始まるのです。
ここまで来たとき、世界のマスコミがようやく注目し、内戦の報道を始めます。
そして世界の人々が「貧しくて人口爆発を起こした結果、内戦が始まった」と思いこむのです。
以上が、「先進国と貿易を始めた自給自足の村が人口爆発し、やがて貧しくなる」というシナリオです。
もちろん、それぞれの村、それぞれの国で事情が異なりますが、この例は、人口爆発と貧困に至るひとつのモデルを表しています。
先進国と接触することにより自給自足が崩れた社会は、人口爆発を起こし、多額の借金を抱え、やがて貧困から武力紛争の道をたどります。
人口爆発を起こした国は、ほとんどこのルートをたどっています。
ソマリアとエチオピアはコーヒー、インドはコショウ・綿・紅茶、ブラジルはコーヒー、ゴム、トロピカルフルーツが原因で一時的に豊かになり、やがて人口爆発と貧困の問題を引き起こしました。
よく「貧しいから人口爆発を起こす」と言われますが、実は「貧しさは人口爆発の結果として起こされる」ものなのです。
◆人口爆発と貧困の原因は?
以上のように、貧しさは人口爆発の結果ですが、「人口爆発のきっかけは、先進国がコーヒーでお金儲けをしたかったから」です。
先進国の経済では、安く買って高く売ることで儲かる仕組みになっています。
そこで先進国が目を付けたのが、途上国です。
途上国の物価や人件費は先進国の100分の1です。
だから、先進国は途上国から農産物や資源を安く買えます。
逆に言えば、化学肥料や機械を途上国に高く売ることができます。 ほっておいてもどんどん裕福になるのです。
一方途上国は、先進国に農産物や資源を安く売って、化学肥料や機械を高く買うからますます貧しくなり、借金も増えます。
借金を返すために、森林資源などを伐採し、投げ売りを始めます。
こうしてどんどん悪循環に入ってしまうのです。
◆自給自足を見直そう
私たちが「コーヒーなんていらない」と言って、誰も買う人がいなくなるとどうなるでしょうか?
お店の人がコーヒーを問屋さんから買わなくなる→問屋さんも商社から買わなくなる→商社も途上国から買わなくなる→途上国が貧しくなる・・・・?
なにか変ですね・・・・やっぱり私たちはコーヒーを買った方がいいのでしょうか?
やはり、コーヒーを買うことからすべてが始まるのですから、買わない方がいいのです。
先進国が途上国から少しのコーヒーを高く買って、コーヒーを飲みたい人にもっと高く売れば、こんなことにはならないかも知れません。
しかし、先進国の人間はいずれは「もっと安く、もっとたくさん」と言い出すに違いありません。
この「もっと、もっと」という意識がなくならない限り人口爆発と貧困は続くでしょう。
でも、全部がコーヒー畑になって、化学肥料の使いすぎで土がダメになってしまっています。いまさら農業なんてできません。
では、どうすればいいでしょうか?
とりあえずは、次の2つのことを考えてみたらどうでしょうか。
ひとつは、先進国は「いまでも自給自足を続けているところからは、いくらおいしくて儲かりそうなものが見つかっても絶対に買わない」ということ。
もうひとつは、「土が死んでしまって農業ができないところには、その国や地域が自給自足できるようになるまで徹底的に援助する。ただしお金の援助だとお金持ちの手に渡るだけだから、植林や土づくりを全力で援助する」ということです。
◆まず日本の自立を
人間がそして地球が生きていくための絶対条件は、「自給自足できること」です。
この観点に立てば、食糧自給率が30%足らずの日本はどうなるのでしょうか。
70%を輸入に頼っているというのはどう考えても異常です。食糧だけではなく、資源やエネルギーも同様です。
日本は、豊かに見えるだけで、本当は世界一貧しいのかも知れません。
私たちが考えるべきことは、「途上国の自立を援助することではなく、この日本を早く自立させること」ではないでしょうか。
そう考えると、先進国とか途上国とかいう言葉自体がナンセンスであることが分かります。
人口爆発と貧困の問題を解決するカギは、この日本つまり私たちにあるのです。
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食品産業ビジョン策定へ
2003.5.10 |
亀井善之農相は8日の経済財政諮問会議で、農政改革の状況などを説明した。
食品産業については、牛海綿状脳症(BSE)の発生などで関心が高まった食の安全に対応するため、「食品産業ビジョン(仮称)」を策定。生産・流通経路を検索できるシステムの導入などを求めるほか、価格の安い輸入農産物が増加している現状を踏まえ、国産品を低コストで加工する技術開発の支援なども盛り込む方針。
環境保全面の取り組みでは、地球温暖化防止に向けた森林育成や、廃棄物を再利用するバイオマス(生物資源)活用の推進など、農水省の政策を年内に大綱としてまとめる。
2003.5.8 共同通信経済ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
わが国の食糧総自給率は約30%と世界でも最低レベルです。足らなければ輸入すればよい、というのが今までの考え方ですが、これからはこの考え方では通用しなくなくなるのは火を見るよりも明らかです。
最大の穀物輸出国であるアメリカの異常気象や発展途上国の人口爆発、またオゾン層破壊、地球温暖化、酸性雨、海洋汚染などの地球環境問題の深刻化に伴う生態系の破壊など、世界的な食糧不足になる兆候が至るところで見られます。今は余っているから輸出してくれているのです。足らなくなれば自国の食糧保護のために禁輸処置が取られることは間違いありません。
ところがわが国の農業政策は、これまで減反を続けてきました。しかも毎年3万ヘクタールの自然を壊して農地を作り、6万ヘクタールもの都会周辺の農地を減らすという信じられない政策を続けてきたのです。
まもなく迎える食糧危機に備えて、わが国は食糧の確保のために自給率を高める努力をしなければなりません。そのためには、農業と林業を復活させることしかないように思えますが、皆さんはどうお考えでしょうか。
◆食糧不足で最も深刻な国は『日本』
環境庁は、「平均気温3度の上昇で、水田からのお米の収穫量は東北、北海道で増加するが、西日本では現品種のジャポニカ米は高温障害で栽培が難しくなる。またトウモロコシが1〜5%増え、小麦は最大22%減少する。また収穫量の年によるばらつきは、北日本では減少し安定するが、西日本では増加し、凶作・豊作の差が大きくなる」と言っています。
これを見た限りでは、それほど深刻さは伝わってきません。
しかしこの予想は「海面上昇に伴う塩害」「オゾン層破壊による有害紫外線の増加」「酸性雨の増加」などを考慮していません。日本人は、これらの要因が複合したとき、より大きな影響が出ることを覚悟しておかなければなりません。
ところが日本は、農業生産の自給率が30%足らずという低さにも関わらず、コメの栽培面積を減らす減反政策を進めてきました。
地球環境問題の悪化と世界の人口爆発で、食糧不足が深刻になることは目に見えています。そのとき、最も深刻な影響を受けるのは、間違いなく日本なのです。
◆まず日本の自立を
人間がそして地球が生きていくための絶対条件は、「自給自足できること」です。
この観点に立てば、食糧自給率が30%足らずの日本はどうなるのでしょうか。70%を輸入に頼っているというのはどう考えても異常です。食糧だけではなく、資源やエネルギーも同様です。日本は、豊かに見えるだけで、本当は世界一貧しいのかも知れません。
私たちが考えるべきことは、「途上国の自立を援助することではなく、この日本を早く自立させること」ではないでしょうか。
そう考えると、先進国とか途上国とかいう言葉自体がナンセンスであることが分かります。
食糧問題、ひいては人口爆発と貧困の問題を解決するカギは、この日本つまり私たちにあるのです。
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<東京タワー>夏至の夜、一時消灯 環境問題呼びかけ
2003.5.17 |
今年6月22日の夏至の夜、全国いっせいに電気を消して、環境やエネルギーについて考えよう――。環境省が主催する「環の国くらし会議」が、各地の夜景スポットやライトアップ施設に消灯を呼びかけたところ、東京タワー(東京都港区)や首里城(那覇市)などが参加することを決めた。NGO(非政府組織)も「100万人のキャンドルナイト」と題して、全国の家庭での消灯を呼び掛けている。
東京電力の原発の運転停止に伴う電力不足が心配される中、「1年で一番昼が長い日の午後8〜10時、現代の便利さの象徴である電気を消してみよう」という企画。
「環の国くらし会議」は元プロテニス選手の伊達公子さん、タレントの西田ひかるさん、解剖学者の養老孟司さんらがメンバー。同会議は今月24日に熊本市で開かれる会議で、各地のライトアップ施設に2時間の消灯を呼びかけるほか、メンバーがそれぞれの友人10人に消灯への参加を求めるメールを発信する。東京タワーのほか、フジテレビ(東京都港区)、岡山城(岡山市)も参加を決めている。
「100万人のキャンドルナイト」の呼び掛け人には、世界の森林保護を訴える「ナマケモノ倶楽部」や有機・無農薬野菜を推進する「大地を守る会」などの環境団体のほか、ミュージシャンの坂本龍一さん、作家の立松和平さんらが名を連ねる。「ろうそくの灯でスローな夜を楽しもう」と家庭での消灯を呼びかけている。
環境省地球温暖化対策課は「著名な施設の消灯をきっかけに、それぞれの家庭でも地球温暖化防止の取り組みを始めてもらえれば」と話している。
2003.5.13 毎日新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
たとえば、東京や神戸、大阪の夜景を見てすごく綺麗だと思う人がいます。また、東京タワーや神戸のルミナリエのライトアップに壮大なロマンを感じる人も多いでしょう。おそらくこの人たちは、「私たちは何と生活水準が高いんだろう!」と考えるでしょう。
しかし、その彼らも人里離れた山村を訪れて、夜空に輝く満天の星を見たときその素晴らしさに感嘆するに違いありません。そして「毎日こんな生活がおくれたら何と幸せだろう」と思うことでしょう(もちろん思わない人もいるでしょう・・・・)。
さて、もし東京や神戸、大阪で夜間に大規模な停電が発生し、一斉にライトが消えたとき何が起こるでしょうか。ニューヨーク大停電のように、10ヶ月後にベビーブームがくる?、そうかもしれません。・・・・冗談はさておき、空を見上げると、あの山村で見た満天の星が輝いているのを発見することになります。今大都会で夜空の星が見えなくなっているのは、大気汚染というよりもむしろネオンサインや街中にあふれる照明(いわゆる光害)のせいなのです。
あの阪神・淡路大震災のとき、すべてが停止した街の星空のそれはそれは美しかったこと。辛く悲しい気持ちがどれだけ癒されたか。私の心は、そのときのことをはっきりと覚えています。
ここで質問です。
皆さんは、ライトに輝く夜景が見える生活と、満天の星を毎晩楽しめる生活とでは、どちらが生活水準が高いと思いますか?
二酸化炭素を削減するために、もし夜間の照明を最低限にすることができれば、満天の星とはいえないまでも、天然のプラネタリウムが毎晩楽しめるのです。少なくとも私は、こちらの生活水準の方が高いと思います。何しろ、夜景は高いところに登らなければ見ることができませんが、夜空の星は空を見上げるだけでそこにいてくれるのですから。
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4省庁「エコ」車普のために連携、アイデア持ちより検討
2003.5.31 |
地球温暖化や大気汚染の防止を目指し、国土交通、経済産業、環境の3省と警察庁が一体となり、二酸化炭素の排出量が少ない「エコドライブ」車の普及に向けた取り組みを始める。駐車場の割引や補助金の導入などのアイデアを持ち寄り、可能な施策は年内の実現を目指す。
4省庁は02年3月に決定した政府の「地球温暖化対策推進大綱」に沿って二酸化炭素の排出削減を目指してきたが、排出量は抑えられてない。似たような施策を複数の省庁で担当しているケースもあることから、横断的な「エコドライブ連絡普及会」をつくり、30日に初会合を開く。
一部のバスなどで採用されているアイドリングストップ機能を、乗用車やトラックにも広めるのが重点の一つ。その支援策として、空港やデパートなど大規模商業施設の駐車場やフェリーでの料金割引▽同機能付きオートマチック車のレンタカー、公用車への導入▽トラック、バスへの同機能の導入補助金の拡大――などが挙がっている。
秋ごろに計画をまとめ、来年度からの実施を目指す。割引など事業者の協力で可能なものは、計画がまとまり次第、実現する。
2003.5.28 朝日新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
『自動車(マイカー)の利用を減らし、アイドリングをやめよう』
もはやこんなことは常識ですね。自動車が二酸化炭素を排出し、大量のエネルギーを消費することは、どの環境関連の本にも書いてあります。また、地球温暖化防止京都会議の際には、新聞や環境セミナーなどで盛んに訴えかけていました。
自動車より、バス、バスより電車、電車より自転車、自転車より徒歩の方がはるかにエネルギー効率が高く、二酸化炭素削減にも省エネに役立つことはいうまでもありません。しかし100メートル先にタバコを買いに行く際でも車に乗る、という人もたくさんいますし、郊外から大渋滞に巻き込まれながら都会にマイカー通勤(ほとんどひとり乗り)という光景もよく目にするというのが現状です。
この人たちに、「マイカーの利用を減らし、アイドリングをやめよ」と言っても「そんなことくらい知ってるよ。でも車がないと仕事ができなくなるし・・・・」という予想できる反論(言い訳)が返ってくるだけでしょう。また「アイドリングという英語は、日本語でムダという意味ですよ」と教えても、「そんな屁理屈言うな!」と一喝されそうです。
それでは、というわけで今度はハイテク装置を車に組み込んで、アイドリングをできなくしたり(エコアラームなど)、車の走行記録をとったり(飛行機のボイスレコーダーの自動車版)とあの手この手が考えています。
これらのことはまったくムダということはありませんが、その前に次の2つのことが必要と考えます。
ひとつは、「地球環境問題の現実を実感する」ということです。もうひとつは、「私たちはなぜ自動車に乗るのか?」という問いかけをしてみることです。
車を手足のように使いこなしている人にとっては、車はまるで空気のようなものです。彼ら(彼女ら)はほとんど無意識のうちに運転しているため、「どうして乗るのか?」など考えたことがないのかもしれません。
体の不自由な人や超寒冷地で車を運転せざるを得ない場合は別にして、「よく考えてみると、確かに必要ない場合でも何気なく車を運転しているな」ということに気づくかもしれません。
そして、「自動車よりも自転車や徒歩の方が健康にも良いし、よし!、本当に必要なときだけ車に乗ろう」と思えばしめたものです。皆さんも一度、家庭や職場で話し合って見てはいかがでしょうか。
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<一斉消灯>大阪市は「環境より観光?」で難色
2003.6.16 |
「環境より観光?」――。夏至の22日、午後8時から2時間、電気を一斉に消して地球環境について考えようと、環境省などが呼びかけている「CO2削減・百万人の環(わ)」キャンペーン。大阪では道頓堀のグリコネオンなどの民間施設は賛同したが、大阪城などを管理する大阪市は「集客目的でライトアップしているので……」と難色を示している。
この運動は2年前、ブッシュ大統領の環境政策を批判する米国の市民が自主停電を呼びかけたのが始まり。日本では、音楽家の坂本龍一さんらが呼びかけ人となり、「100万人のキャンドルナイト」を展開。環境省も連動し、今年初めて全国に呼びかけ、既に東京タワーや首里城など100カ所以上が賛同している。
大阪では、江崎グリコが道頓堀のネオンなどを22日午後8時から消灯する。同社広報部によると、道頓堀のネオンの電気代は、1時間当たり約883円。なにわのシンボル、通天閣も同日午後8時から同10時まで、天気予報と時計を残し、広告灯も含めネオンを消すことにした。
ところが、大阪城や中之島の市役所、中央公会堂などをライトアップしている大阪市は「キャンペーンの趣旨は分かるが、観光客の多い日曜の夜に消すのは難しい。現時点で消灯の確約が取れている施設はない」(地球環境課)と消極的。「キャンドルナイト」を応援するNPOネットワーク『地球村』(大阪市北区)の渡辺裕文さん(38)は「環境省のホームページでは、全国の消灯協力施設が紹介されているのに、大阪城が登場しないのは寂しい」と残念がっている。
2003.6.14 毎日新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
東京や神戸、大阪の夜景を見てすごく綺麗だと思う人がいます。また、東京タワーや神戸のルミナリエのライトアップに壮大なロマンを感じる人も多いでしょう。おそらくこの人たちは、「私たちは何と生活水準が高いんだろう!」と考えるでしょう。
しかし、その彼らも人里離れた山村を訪れて、夜空に輝く満天の星を見たときその素晴らしさに感嘆するに違いありません。そして「毎日こんな生活がおくれたら何と幸せだろう」と思うことでしょう(もちろん思わない人もいるでしょう・・・・)。
さて、もし東京や神戸、大阪で夜間に大規模な停電が発生し、一斉にライトが消えたとき何が起こるでしょうか。ニューヨーク大停電のように、10ヶ月後にベビーブームがくる?、そうかもしれません。・・・・冗談はさておき、空を見上げると、あの山村で見た満天の星が輝いているのを発見することになります。今大都会で夜空の星が見えなくなっているのは、大気汚染というよりもむしろネオンサインや街中にあふれる照明(いわゆる光害)のせいなのです。
阪神・淡路大震災のとき、すべてが停止した街の星空のそれはそれは美しかったこと。辛く悲しい気持ちがどれだけ癒されたか。私の心は、そのときのことをはっきりと覚えています。
ここで質問です。
皆さんは、ライトに輝く夜景が見える生活と、満天の星を毎晩楽しめる生活とでは、どちらが生活水準が高いと思いますか?
二酸化炭素を削減するために、もし夜間の照明を最低限にすることができれば、満天の星とはいえないまでも、天然のプラネタリウムが毎晩楽しめるのです。少なくとも私は、こちらの生活水準の方が高いと思います。何しろ、夜景は高いところに登らなければ見ることができませんが、夜空の星は空を見上げるだけでそこにいてくれるのですから。
◆停電の日、ガスが来ない日、断水の日
最後に提案ですが、1ヶ月に1回、いや1年に1回でも結構ですから、停電の日、ガスが来ない日、断水の日を自宅で設けてみてはいかがでしょうか(同時、別個、いずれでもOK!)。
今日は1日中、「停電だとしたらどう生活するのか」、「水が来なかったらどんなに困るか」、などが実感できると思います。電気・水・ガスのありがたさと、それを供給するためにどんなに人手を経ているかが分かり、感謝の気持ちが湧いてくるかもしれません。そして何よりも嬉しいことに、一家団欒の素晴らしさを体験することになるでしょう。
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三峡ダムに大量のゴミ=重慶だけで7000トン
2003.6.21 |
中国の長江中流で建設が進む三峡ダム(湖北省宜昌市三斗坪)が1日から正式に貯水を始めたが、広大なダム湖に大量のゴミが流入し、船舶の航行にも影響が出ている。
現地からの報道によると、重慶市政府はこのため、大掛かりなゴミの回収作業を緊急実施し、11日までの10日間で合計約7000トンのゴミを回収した。この作業には延べ約6万5000人が参加したという。
2003.6.16 時事通信ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
三峡ダム本体の完成時全長は2309メートルで、中国最大です。計画発電能力は世界最大の1820万キロ・ワット。これまでに、ダム本体の約3分の2にあたる左岸寄り1600メートルと、船舶航行のための閘門(こうもん)が完成しました。また、すでに4機の発電機が据え付けられ、8月には本格送電を開始する予定です。
貯水は順調に進み、今月15日には、貯水前に比べて水位が50メートル前後上昇、海抜135メートルに達する。最終的に、水位は海抜175メートルにまで上がり、全長約600キロメートル、面積が約1084平方キロメートルという巨大な貯水池が姿を現すことになります。その貯水量は393億立方メートルに及びます。ちなみに日本最大の貯水量を誇る奥只見ダムは約6億立方メートルにすぎません。
なおダム建設によって水没する地域も非常に広くて、何と113万人(300万人という説も・・・・)もの人々が移住しなければならないといわれています。
ダムが建設されるのは、非常に大きな保水能力がある森林地帯です。山間部に降った雨は、いったん森林に蓄えられます。根、幹、葉そしてスポンジ状の土は大量の水を保持することができます。つまり、森林地帯はそれ自体が巨大なダムといえるのです。
たとえば、日本の森林の総貯水量は480億トンといわれており、これは日本最大の貯水量を誇る奥只見ダム(6億トン)の80倍もあります。ところが、この自然のダムである森林地帯を切り崩し水没させて、巨大な人工のダムを造っています。しかも、ダムの上流では建築材や紙を作るために大量の森林が伐採されています。このため上流で降った雨がむき出しになった土砂を洗い流してダムに流れ込み、やがてダムは大量の土砂で埋まって使えなくなってしまいます。
また、もともと森林地帯であったダムの水には栄養分が多く含まれているため、藻が異常繁殖したり、赤潮が発生したりすることになります。この汚れた水を放流すると、下流の方も汚染されることになります。
外国にまで目を広げるともっと深刻です。中国の黄河に三門峡ダムというのがありますがこのダムが建設して2年足らずで土砂で埋まってしまったのです。現在では大規模な改修工事により利用できるようになったものの、ダム湖の容量は元の3分の1以下になってしまいました。わずか2年間に日本最大の奥只見ダムが40個も消えたことになります。また、インダス川に建設された世界最大級のターベラ・ダムは、毎年エジプトの大ピラミッド80個分の泥をのみこみ、埋まりつつあるのです。
このような巨大なダム建設が世界中で行われていて、同時にどんどん自然のダムがなくなっています。灌漑用水や工業用水、それに生活用水の使いすぎが重なって、水不足が近い将来大問題になることは避けられない状況です。
かつて、ガルブレイズは「人類は資源の枯渇ではなく、ゴミに埋まって滅びるだろう」と言いましたが、三峡ダムでも土砂による埋没以前に、ゴミによって消滅してしまうかもしれませんね???。
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八丈島がデポジット制度の廃止を検討
2003.6.28 |
伊豆諸島の八丈島(東京都八丈町)が98年から行っていた缶・ペットボトルの「デポジット制度」が、存亡の危機に立たされている。都の補助金も打ち切られ、制度継続の負担が大きくなったことから、今月23日に浅沼道徳町長が8月いっぱいでの廃止の方向を打ち出した。デポジットは缶などのリサイクルに効果があり、八丈島は日本でこの制度が定着するかどうかの試金石として注目されていた。
2003.6.28 毎日新聞ニュース速報より抜粋 ■ワンポイント解説
デポジット制度とは、飲み物の缶やびんに預かり金を上乗せして販売し、容器を返すと預かり金を返却する制度のことです。たとえばドイツでは、飲料容器のほか、洗剤や塗料の容器にも適用されています。日本でもビールビンでデポジットに似た保証金制度がありますが、正式な制度にすべきでしょう。
東京都では青島幸男・前知事が導入に積極的で、風力発電などの環境対策事業に熱心だった八丈島が、預かり金を10円に設定して試験的な導入に踏み切りました。
しかし制度への参加は島内の約100店舗のうち、半分程度にとどまり、参加店は商品に「デポジット対象商品」を示すシールを張る負担がかかっています。また2002年度からは都の補助金の給付が打ち切られ、年間1300万円ほどの運営費が町の財政を圧迫しているということです。
都側は「補助金の対象期間は要項で決まっており、これに従った措置」と説明していますが、島内には「もともとは都が『政策の目玉』として働きかけてきた話。はしごを外された気分だ」との声もあります。
同町は関係者と協議を続け、正式な結論は7月半ばごろに出る見通しです。普及活動を続けてきた「八丈町のゴミと環境を考える会」代表の小宮山建さんは「デポジット導入で我々の環境に対する意識は大きく高まった。今後もスポーツ大会などの会場での実施といった形で、継続していくべきだ」と訴えています。
八丈島でと言うよりは、日本全体でデポジット制度の導入をすべきでしょう。その際、1本当たり10円ではなく100円位にすればいいと思います。ただしこの際、環境負荷が最小になる容器が選択されるような課金体系にすることが必要です。
実際には先払いしたお金が返ってくるだけですが、「何か得したような気がする」と思うのは私だけでしょうか。反対に考えると、「返さなければ100円損する」わけですから、やはりリサイクルへの動機付けにはなると思います。アメリカでは、貧困家庭を救うために子供たちが町中のビンや缶を拾い集めた結果、街がずいぶんきれいになった事例があるようです。
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環境省が紫外線保健指導マニュアルを公表
2003.7.5 |
環境省は30日、紫外線の健康影響や対策について解説した「紫外線保健指導マニュアル」を公表した。同省は「『日焼けは健康のしるし』と考える人もいるが、最近の研究で紫外線の害も明らかになってきた。特に子供は十分な対策をとってほしい」と話している。
同省が紫外線対策として提案したのは▽しっかりした生地の衣服を着る▽帽子をかぶる▽サングラスを利用する▽日傘を使う▽日陰を利用する▽日焼け止めクリームを上手に使う――の6カ条。さらに、「直射日光下での活動はできるだけ控える」「紫外線が強い正午前後の外出を避ける」などを呼びかけた。
紫外線は体内でビタミンDが生成されるのを助ける働きがあるが、マニュアルは「1日あたり15分ほど日光に当たれば十分」とし、それを超えると皮膚がんや白内障などを発症する恐れが高まると指摘した。
オゾン層の破壊によって、中高緯度地域の紫外線量が増えているという研究も紹介している。
マニュアルは同省のホームページでも公開されている。HTTP://WWW.ENV.GO.JP/CHEMI/ANZEN/UV/INDEX.HTML
2003.6.30 毎日新聞ニュース速報より抜粋 ■ワンポイント解説
嬉しいニュースですが、ずいぶん前から多くの先進国では、直射日光に当たらないよう様々な呼びかけをしています。
いくつか紹介してみましょう。
@バーンタイム・テンミニッツ!
新聞やテレビの天気予報で「今日の紫外線情報」が発表されます。
バーンタイムという言葉があります。バーンタイムというのは、簡単に言うと「これ以上、直射日光に当たると危険な時間」のことです。
バーンタイム・テンミニッツというと、「10分間以上、直射日光に当たると危険ですよ」という意味です。オーストラリア、カナダ、ヨーロッパなどでは、このような情報を天気予報などで警告しています。
10分というのはいかにも短すぎるように思うかもしれませんが、日本でも夏の快晴時にはそれくらいか、もっと短くなるのです。曇ってるときでも夏は1時間以内です。小学校などで夏の日中に体育や水泳の授業がありますが、子供の健康を本気で考えているなら、朝の1時間目とか夕方の6時間目にすべきです。
Aスリップ、スロップ、スラップ&ラップ
スリップ、スロップ、スラップ&ラップというのは、紫外線から身を守るためのスローガンです。オーストラリアで始まりましたが、いまでは多くの国で使われています。
【スリップ】すばやく長そでのシャツを着なさい。
もちろん夏でもです。
【スロップ】日焼け止めローションを塗りなさい。
ただし、顔を洗ったり、泳いだりしたときに水を汚してしまうので、
塗りすぎないように注意しましょう。
【スラップ】首すじなども隠れるような帽子をかぶりなさい。
【ラップ】 サングラスをかけなさい。
こんなかっこうで夏でも歩きなさいというわけです。実際にオーストラリアの幼稚園では、園児がまるでちびっ子ギャングのような姿で通学しているのです。
また、オーストラリアのブリスベーンという町で市長選挙があった際、「市内の公園すべてに太陽光線を90%シャットアウトする布製の屋根を取り付け、子供たちを直射日光から守る」と公約した現市長が再選されたのです。
そのほかのスローガンとして、「直射日光の強い日には、子供を外に出さないように」
とか「ノーハット、ノープレイ!(帽子をかぶっていないと外で遊んではいけません)」というのがあります。このようなことは、日本以外の先進国ではもはや常識なのです。
日本では、オーストラリアと同じ危険性があるにも関わらず、真夏でも子供が真っ黒に日焼けして走り回っているし、乳母車に乗った赤ちゃんが日向ぼっこをしています。
知らないということはホントに怖いことです。ぜひ周囲の人たちに、このことを伝えてください。
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環境教育に外部の専門家を活用 環境教育法が成立
2003.7.21 |
小中学校などが環境教育を外部の専門家に依頼する際、適切な人を選べるよう、自然保護団体などが独自に認定している「森林インストラクター」や「リサイクル講師」などを国に登録してもらうことを定めた「環境教育法」が、きょうの参議院本会議で可決・成立した。
この法律は、環境問題について知識のある指導者が少ないため十分な環境教育を実施できないという小中学校などからの指摘を受けて、衆議院の環境委員会に所属する各会派が共同で提出していたもので、きょうの参議院本会議で可決・成立した。
環境教育法では、専門的な知識が必要な環境教育に関して、学校の教員だけではなく、外部の専門家を積極的に活用するよう求めている。
具体的には、環境保護団体などの民間の機関が独自に認定している「森林インストラクター」や「リサイクル講師」などの資格を国に登録してもらい、小中学校などが適切な専門家を選べるようにする。
登録は書類審査だけで行われるが、届け出の内容に虚偽があった場合などには登録が取り消され、罰金も科される。
この法律は、今年10月1日から施行される。
2003.7.18 NHKニュース速報より抜粋 ■ワンポイント解説
最近、環境教育についての議論が様々なところで行われています。よい傾向だと思います。ただ、(何でも知っている)大人が(何も知らない)子供に一方的に教えるという愚だけは避けたいものです。
地球環境問題についてすべてを熟知している人は、世界中のどこを探しても存在しません(環境問題の一部に詳しい人はおられますが・・・・)。それほど範囲が広くて奥深い問題なのです。大人も子供も五十歩百歩です。いや、子供の方が感受性が強い分、この問題の本質をつかんでいるように思えます。その意味で、環境教育は、大人と子供が共に育て合い、育ち合う「環境共育」でなければならないと思います。
●環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律案要綱
第一 目的(第一条関係)
この法律は、健全で恵み豊かな環境を維持しつつ、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会(以下「持続可能な社会」という。)を構築する上で事業者、国民及びこれらの者の組織する民間の団体(以下「国民、民間団体等」という。)が行う環境保全活動並びにその促進のための環境保全の意欲の増進及び環境教育が重要であることにかんがみ、環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育について、基本理念を定め、並びに国民、民間団体等、国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、基本方針の策定その他の環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に必要な事項を定め、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とするものとすること。
第二 定義(第二条関係)
1 この法律において「環境保全活動」とは、地球環境保全、公害の防止、自然環境の保護及び整備その他の環境の保全(良好な環境の創出を含む。以下単に「環境の保全」という。)を主たる目的として自発的に行われる活動のうち、環境の保全上直接の効果を有するものをいうものとすること。
2 この法律において「環境保全の意欲の増進」とは、環境の保全に関する情報の提供並びに環境の保全に関する体験の機会の提供及びその便宜の供与であって、環境の保全についての理解を深め、及び環境保全活動を行う意欲を増進するために行われるものをいうものとすること。
3 この法律において「環境教育」とは、環境の保全についての理解を深めるために行われる環境の保全に関する教育及び学習をいうものとすること。
第三 基本理念(第三条関係)
1 環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育は、地球環境がもたらす恵みを持続的に享受すること、豊かな自然を保全し及び育成してこれと共生する地域社会を構築すること並びに循環型社会を形成し、環境への負荷を低減することの重要性を踏まえ、国民、民間団体等の自発的意思を尊重しつつ、持続可能な社会の構築のために社会を構成する多様な主体がそれぞれ適切な役割を果たすこととなるように行われるものとすること。
2 環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育は、森林、田園、公園、河川、湖沼、海岸、海洋等における自然体験活動その他の体験活動を通じて環境の保全についての理解と関心を深めることの重要性を踏まえ、地域住民その他の社会を構成する多様な主体の参加と協力を得るよう努めるとともに、透明性を確保しながら継続的に行われるものとすること。
3 環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育は、森林、田園、公園、河川、湖沼、海岸、海洋等における自然環境をはぐくみ、これを維持管理することの重要性について一般の理解が深まるよう、必要な配慮をするとともに、国土の保全その他の公益との調整に留意し、並びに農林水産業その他の地域における産業との調和、地域住民の生活の安定及び福祉の維持向上並びに地域における環境の保全に関する文化及び歴史の継承に配慮して行われるものとすること。
第四 国民、民間団体等の責務(第四条関係)
国民、民間団体等は、第三の基本理念にのっとり、環境保全活動及び環境教育を自ら進んで行うよう努めるとともに、環境保全の意欲の増進その他の環境の保全に関する取組を行うことにより、他の者の行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育に協力するよう努めるものとすること。
第五 国の責務(第五条関係)
1 国は、経済社会の変化に伴い、持続可能な社会の構築に関し国民、民間団体等が行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育の果たすべき役割がより重要となることにかんがみ、第三の基本理念にのっとり、環境の保全に関する施策の策定及び実施に当たっては、環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育を行う国民、民間団体等との適切な連携を図るよう留意するものとすること。
2 国は、第三の基本理念にのっとり、環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施するよう努めるものとすること。
第六 地方公共団体の責務(第六条関係)
地方公共団体は、第三の基本理念にのっとり、環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及び実施するよう努めるものとすること。
第七 基本方針等(第七条、第八条関係)
1 政府は、環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならないものとすること。
2 基本方針には、次に掲げる事項について、環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育の動向等を勘案して、定めるものとすること。 一 環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する基本的な事項
二 環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関し政府が実施すべき施策に
関する基本的な方針 三 その他環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する重要な事項
3 環境大臣及び文部科学大臣は、基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないものとすること。
4 環境大臣及び文部科学大臣は、基本方針の案の作成に関する事務のうち、農林水産省、経済産業省又は国土交通省の所掌に係るものについては、それぞれ、農林水産大臣、経済産業大臣又は国土交通大臣と共同して行うものとすること。
5 環境大臣及び文部科学大臣は、基本方針の案を作成しようとするときは、広く一般の意見を聴かなければならないものとすること。
6 環境大臣及び文部科学大臣は、3による閣議の決定があったときは、遅滞なく、基本方針を公表しなければならないものとすること。
7 3から6までは、基本方針の変更について準用するものとすること。
8 都道府県及び市町村は、基本方針を勘案して、その都道府県又は市町村の区域の自然的社会的条件に応じた環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する方針、計画等を作成し、及び公表するよう努めるものとすること。
第八 学校教育等における環境教育に係る支援等(第九条関係)
1 国、都道府県及び市町村は、国民が、その発達段階に応じ、あらゆる機会を通じて環境の保全についての理解と関心を深めることができるよう、学校教育及び社会教育における環境教育の推進に必要な施策を講ずるものとすること。
2 国、都道府県及び市町村は、環境の保全に関する体験学習等の学校教育における環境教育の充実のための措置、環境教育に係る教育職員の資質の向上のための措置その他必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。
3 国は、都道府県及び市町村に対し、1に規定する施策及び2に規定する措置に関し必要な助言、指導その他の措置を講ずるよう努めるものとすること。
4 国は、3の措置を講ずるに当たっては、都道府県及び市町村に対し、第十二による情報の提供(第十の一の7に規定する登録人材認定等事業に関する情報の提供を含む。)その他の環境教育の推進に資する情報の提供等により、学校教育及び社会教育における環境教育の実施の際に、環境の保全に関する知識、経験等を有する人材が広く活用されることとなるよう、適切な配慮をするよう努めるものとすること。
5 国、都道府県及び市町村は、環境教育の内容及び方法についての調査研究を行い、その結果に応じて、これらの改善に努めるものとすること。
第九 職場における環境保全の意欲の増進及び環境教育(第十条関係)
1 事業者及び国民の組織する民間の団体(2及び第十八において「民間団体」という。)、事業者、国並びに地方公共団体は、その雇用する者に対し、環境の保全に関する知識及び技能を向上させるために必要な環境保全の意欲の増進又は環境教育を行うよう努めるものとすること。
2 国、都道府県及び市町村は、民間団体又は事業者であってその雇用する者に対して環境保全の意欲の増進又は環境教育を行うものに対し、環境の保全に関する指導を行うことができる人材、環境保全の意欲の増進又は環境教育に係る資料等に関する情報の提供その他の必要な支援を行うよう努めるものとすること。
第十 人材認定等事業の登録等
一 登録(第十一条関係)
1 環境の保全に関する知識及び環境の保全に関する指導を行う能力を有する者
を育成し、又は認定する事業(以下「人材認定等事業」という。)であって主務省
令で定めるものを行う国民、民間団体等は、当該人材認定等事業について、主
務大臣の登録を受けることができるものとすること。
2 1の登録(以下第十において単に「登録」という。)の申請をしようとする者は、
主務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を主務大臣に
提出しなければならないものとすること。 イ 氏名又は名称及び住所並びに法人その他の団体にあっては代表者の氏名 ロ 人材認定等事業の内容 ハ その他主務省令で定める事項
3 次のいずれかに該当する者は、登録の申請をすることができないものとすること。
イ 第二十一の1の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を
受けることがなくなった日から二年を経過しない者 ロ 四により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
ハ 法人その他の団体であって、その役員(法人でない団体にあっては、その代表
者)のうちにイ又はロに該当する者があるもの
4 主務大臣は、登録の申請に係る人材認定等事業が次のいずれにも適合している
と認めるときは、その登録をしなければならないものとすること。 イ 基本方針に照らして適切なものであること。
ロ 環境の保全に関する知識及び環境の保全に関する指導を行う能力を有する者
の育成又は認定を適正かつ確実に行うに足りるものとして主務省令で定める基
準に適合するものであること。
5 主務大臣は、登録をした場合においては、遅滞なく、その旨を申請者に通知する
とともに、その旨を公示しなければならないものとすること。
6 主務大臣は、登録の申請に係る人材認定等事業が4の要件に適合しないと認め
る場合においては、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなけれ
ばならないものとすること。
7 登録を受けた人材認定等事業(以下「登録人材認定等事業」という。)を行う国民、
民間団体等(以下「登録民間団体等」という。)は、2のイからハまでに掲げる事項
を変更したとき又は登録人材認定等事業を廃止したときは、主務省令で定めるとこ
ろにより、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならないものとすること。
8 主務大臣は、7による届出があったときは、遅滞なく、その旨を公示しなければな
らないものとすること。
二 報告、助言等(第十二条関係)
主務大臣は、登録民間団体等に対し、その実施する登録人材認定等事業に関し、登録人材認定等事業の適正な実施を確保するために必要な限度において報告若しくは資料の提出を求め、又はその実施する登録人材認定等事業の適正な運営を図るため必要な助言をすることができるものとすること。
三 表示の制限(第十三条関係) 人材認定等事業を行う者は、当該人材認定等事業について、登録を受けていないのに、登録を受けた人材認定等事業を行う者であると明らかに誤認されるおそれのある表示をしてはならないものとすること。
四 登録の取消し(第十四条関係)
1 主務大臣は、次のいずれかに該当する場合には、登録を取り消すことができる
ものとすること。 イ 登録人材認定等事業が、一の4の要件に適合しなくなったとき。 ロ 登録民間団体等が、一の3のイからハまでのいずれかに該当するに至ったとき。
ハ 登録民間団体等が、二による報告又は資料の提出を求められて、報告若しく
は資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。 ニ 登録民間団体等が、偽りその他不正の手段により登録を受けたとき。
2 主務大臣は、1により登録を取り消したときは、遅滞なく、その理由を示して、その
旨を当該登録の取消しを受けた者に通知するとともに、その旨を公示しなければ
ならないものとすること。 五 主務省令への委任(第十五条関係)
一から四までに定めるもののほか、登録に関し必要な事項は、主務省令で定める
ものとすること。
第十一 都道府県又は市町村が行う人材の育成又は認定のための取組に対する情報
提供等(第十六条関係) 主務大臣は、都道府県又は市町村が環境の保全に関する人材の育成又は認定のための取組を行う場合において必要があると認めるときは、情報の提供、助言、指導その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。
第十二 人材の育成又は認定のための取組に関する情報の収集、提供等(第十七条関係)
主務大臣は、国民、民間団体等の行う環境の保全に関する人材の育成又は認定のための取組に関する情報の収集、整理及び分析並びにその結果の提供を行うものとすること。
第十三 人材の育成のための手引その他の資料等の質の向上(第十八条関係)
1 主務大臣は、環境の保全に関する人材の育成のための手引その他の資料等の作成、提供等を行う国民、民間団体等の求めに応じ、必要な助言を行うよう努めるものとすること。 2 主務大臣は、1の手引その他の資料等の質の向上を図るため、これらに関連する情報の収集、整理及び分析並びにその結果の提供を行うものとすること。
第十四 環境保全の意欲の増進の拠点としての機能を担う体制の整備(第十九条関係)
1 国は、国民、民間団体等並びに都道府県及び市町村が行う環境保全の意欲の増進と相まって、環境保全の意欲の増進を効果的に推進するため、次に掲げる拠点としての機能を担う体制の整備に努めるものとすること。 一 国民、民間団体等が行う環境保全の意欲の増進の内容に関する情報その他環境の保全に関する情報及び資料を収集し、及び提供すること。 二 環境の保全に関する人材の育成のための手引その他の資料等に係る助言を行うことその他環境の保全に関し、照会及び相談に応じ、並びに必要な助言を行うこと。 三 環境保全の意欲の増進を行う国民、民間団体等相互間の情報交換及び交流に関し、その機会を提供することその他の便宜を供与すること。 四 その他環境保全の意欲の増進を行うこと。 2 都道府県及び市町村は、その都道府県又は市町村の区域の自然的社会的条件に応じ、国民、民間団体等及び国が行う環境保全の意欲の増進と相まって、環境保全の意欲の増進を効果的に推進するための拠点としての機能を担う体制の整備(3において「拠点機能整備」という。)に努めるものとすること。 3 国は、都道府県及び市町村が行う拠点機能整備について、必要な支援に努めるものとすること。
第十五 国民、民間団体等による土地等の提供に関する措置(第二十条関係)
国は、土地又は建物の所有者又は使用及び収益を目的とする権利(臨時設備その他一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。)を有する者(国民、民間団体等に限る。)が当該土地又は建物を自然体験活動の場として提供することその他の多数の者を対象とするのにふさわしい環境保全の意欲の増進に係る体験の機会の場として自発的に提供することを促進するために必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。
第十六 協働取組の在り方等の周知(第二十一条関係)
国は、協働取組(二以上の国民、民間団体等がそれぞれ適切に役割を分担しつつ対等の立場において相互に協力して行う環境保全の意欲の増進その他の環境の保全に関する取組をいう。以下同じ。)について、その在り方、その有効かつ適切な実施の方法及び協働取組相互の連携の在り方の周知のために必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。
第十七 財政上の措置等(第二十二条関係)
国及び地方公共団体は、環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に必要な財政上又は税制上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとすること。
第十八 情報の積極的公表等(第二十三条関係)
1 国、地方公共団体、民間団体及び事業者は、環境保全の意欲の増進その他の環境の保全に関する取組への国民、民間団体等の参加を促進するため、その行う環境保全の意欲の増進の内容に関する情報その他の環境の保全に関する情報を積極的に公表するよう努めるものとすること。 2 国は、1の情報の収集、整理及び分析並びにその結果の提供を行うよう努めるものとすること。
第十九 配慮等(第二十四条関係)
国及び地方公共団体は、この法律に基づく措置を実施するに当たっては、環境保全の意欲の増進又は環境教育を行う国民、民間団体等の自立性を阻害することがないよう配慮するとともに、当該措置の公正性及び透明性を確保するために必要な措置を講ずるものとすること。
第二十 主務大臣等(第二十五条関係)
1 この法律における主務大臣は、環境大臣、文部科学大臣、農林水産大臣、経済産業大臣及び国土交通大臣とするものとすること。 2 この法律における主務省令は、環境大臣、文部科学大臣、農林水産大臣、経済産業大臣及び国土交通大臣の発する命令とするものとすること。
第二十一 罰則(第二十六条、第二十七条、第二十八条関係)
1 次のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処するものとすること。 一 偽りその他不正の手段により第十の一の1の登録を受けた者
二 第十の二の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しく
は資料の提出をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その
法人又は人の業務に関し、1の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、そ
の法人又は人に対して1の刑を科するものとすること。 3 次のいずれかに該当する者は、十万円以下の過料に処するものとすること。 一 第十の一の7の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第十の三の規定に違反した者
第二十二 その他(附則関係)
1 この法律は、平成十五年十月一日から施行するものとすること。ただし、第十、第十一及び第二十一は、平成十六年十月一日から施行するものとすること。
2 政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
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土石流、3つの治山ダムを破壊
2003.7.21 |
熊本県水俣市宝川内(ほうがわち)地区で20日未明に発生した土石流は、谷に沿って築かれた3つの治山ダムをのみ込み、破壊していたことが21日、熊本県森林保全課などの調べでわかった。
県によると、土石流は最上流にある治山ダムのさらに400メートル上流で発生し、幅百メートル前後で駆け下った。最大幅約300メートルで、全長約2キロに達していた。
治山ダムはコンクリート製で、高さ約6メートル、幅約40メートル、奥行き約1.8メートル。同地区を流れる集(あつまり)川の上流一帯の土砂災害を防ぐため、県が1980―82年にかけて造った。
集川は国土交通省から「土石流危険渓流」に指定されているが、同課の担当者は「ダムは小規模な土砂崩落には耐えられるが、こうした土石流までは想定していない」と説明。上流側の2つのダムは地中に埋まった基礎部分だけを残し、高さ約4メートルの擁壁は全壊していた。
現地を視察した国交省河川局砂防部の笹原克夫企画専門官は、壊れたダムの周辺に直径1メートル以上の石が点在していることに着目。「土石流がかなり大規模だったのは間違いない」と話した。
2003.7.22 読売新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
昔の人は、洪水がよく肥えた土を運んできてくれることをよく知っていて、洪水を止めるのではなく活用しようとしていました。たとえば、いつも洪水が起こるところに森や竹林を造って、水の勢いを弱める工夫をしたり、大きな湿地帯を設け、堤防を越えてきた水をそこに流し込んだりしていたのです。そうすることで肥えた土も確保できるわけです。
ところが最近は土木技術が発達したために、コンクリートや鉄鋼を使って、洪水そのものを封じ込めようとしています。それが、治水ダムや可動堰(せき)というものなのです。
しかし、ダムとか堰を造ってもすぐに埋まってしまうので、そのダムの上流に、土砂を止めるための砂防ダムというのを造って、それが埋まるとまた砂防ダムを造って・・・・ということを繰り返したり、浚渫(しゅんせつ:泥の除去)に莫大な費用を投入したりという、後追い的な政策がとられることになってしまいました。
ダムで洪水が100%を防げるのであれば、ダムの存在価値は大きいと言えるでしょう。しかし、100%とは絶対に言えません。自然というものは、はるかに人知を超えるものです。自然の大災害が起こって、いかにも頑丈そうな建物や道路が倒れたとき、必ずといっていいほど『予想をはるかに超えた揺れだった』とか『想定を超えた雨量だった』とかの言い訳が出てきます。『あり得ないことはあり得ないし、あり得ないことが起こったときに大惨事になる』という当たり前のことに気づかなければなりません。
ところで、有明海に注ぐ河川の源である福岡県、佐賀県、熊本県の山の状態をご存じでしょうか。熊本空港を利用される人は、着陸直前に見える風景に驚かされることでしょう。不自然に広がるゴルフ場、牧場、手入れのされていない人工林・・・・、まさに悲惨な状況です。
一刻も早く、有明海後背部の山林を復活させないと、今後もますます大きな災害が発生するでしょう。山林の復活は、同時に有明海の漁業、とりわけ海苔の生産の回復をも意味するのです。
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レジオネラに総合予防指針、浴槽以外にも対応
2003.8.4 |
厚生労働省は28日、重い肺炎で死亡することもあるレジオネラ症の予防ガイドラインをまとめ、都道府県に通知したと発表した。
同省は、集団感染が多発した循環式浴槽についての対策マニュアルは、2001年に作成している。しかし、岡山大病院で3月に給湯設備からの感染が疑われるケースが発生したことから、浴槽以外にも対応する初の総合的な指針とした。
レジオネラ菌は、入浴設備や貯湯式の給湯設備、水冷式空調設備の冷却塔などに付着するアメーバなどの生物膜の内部で繁殖しやすい。このため指針は、生物膜の除去と、水微粒子の飛散防止の徹底を柱としている。
古い建物で使われている貯湯式給湯設備では、貯湯槽の温度を菌が死ぬセ氏60度以上にした上で、1年に1回以上の清掃が必要とした。
また、水冷式空調設備は、水微粒子の放出量が少ない構造を採用し、人が活動する場所から十分離れた場所に設置するよう求めた。
循環式浴槽では、従来のマニュアルと同様、貯湯槽の温度を60度以上に保ち、浴槽水は最低でも1週間に1回以上、完全に換えるよう定めた。
2003.7.29 共同通信ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
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1.名前の由来
1979年、米国在郷軍人会(the
Legion)の会合が開かれたホテルで肺炎に似た集団感染があり29人もの死者が発生、在郷軍人病と名付けられました。その原因菌がLegionからレジオネラと名づけられました。(後にレジオネラ症と言われるようになります) 2002年現在でレジオネラ属の細菌として43菌種が見つかっており、菌種を区別せずにいう場合にレジオネラ属菌と呼んでいます。なお、レジオネラ菌という呼び方はありません。
2.レジオネラ属菌の姿
レジオネラは0.3〜0.9×2〜5μmの好気性グラム陰性桿菌(グラム染色法で赤く陰性に染まる)に分類されます。菌体に1本のべん毛を持つ運動性で、細長い形態を有しています。
3.レジオネラ菌の検査
レジオネラ菌の検査はかなり難しい部類の検査です。 レジオネラは一般の細菌検査用培地にはまったく発育しないため、特殊な培地で、しかもpH値や含有成分などの条件でも正確な環境を保たねばなりません。また大腸菌が2倍に増える時間が15〜20分であるのに対し、レジオネラの場合は4〜6時間かかるため、環境からの分離培養でコロニー(独立集落)を肉眼で確認するためには5日以上の培養が必要(検査期間としては培養を2回行うため14日程度)となります。
4.レジオネラ属菌の生息場所
レジオネラ属菌は自然界の土壌や川、湖などに一般的に生息する細菌です。 前述したように、レジオネラ属菌は一般細菌用の培地では増殖しないにもかかわらず、自然環境においては藻類やアメーバなどとの共生により、温度、pHなどの条件がかなり異なる場所においても生息しています。人工環境においてもアメーバが繁殖したバイオフィルム(ぬめり)が生息(繁殖)場所になるおそれがあります。 このレジオネラ属菌が、冷房用の冷却塔や温泉、浴槽水、加湿器などに入って異常繁殖し、これが体内(特に肺)に侵入するとレジオネラ症という病気を引き起こす原因となります。
レジオネラ属菌の詳細情報はこちら:東京都立衛生研究所
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- レジオネラ症は、1976年夏に米国フィラデルフィアのホテルで起きた集団発生によって初めて発見された細菌性疾患で、肺炎の症状を示すレジオネラ肺炎と、インフルエンザに似た症状を示すポンティアック熱の2つの病型があります。
- レジオネラ肺炎は多臓器不全を起こして死亡する例もみられる劇症型から、適正な抗生物質により治癒するものまで種々の症状がみられます。特に劇症型は適切で強力な治療が行われなければ発病後数日以内に死亡することもある恐ろしい疾患です。
- ポンティアック熱は自然治癒型でインフルエンザに似た疾患です。化学療法剤の投与無しでも治癒すると言われますが、他の疾患を有する患者では治癒が遅れる場合もあります。死亡例は報告されていません。
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発生リスクのある場所
レジオネラは至る場面で人の体内に取り込まれ、レジオネラ症を引き起こす可能性がありますが、その中で主なものは以下のとおりです。
- 循環式浴槽(温泉含む)
閉鎖系の循環に入浴者が持込む有機物を栄養源として増殖する 。冷却塔のような工業用殺菌剤を使用できず、また管理体制なども未整備な施設も多く、近年深刻な事故を引き起こしている。
- 冷却塔設備
水温が25〜35℃と適温で、大気開放されているため微生物に好環境であり、最もレジオネラ属菌が増殖しやすい施設
- 給湯設備
40℃前後のそのまま使用できる温水系は注意が必要です。特に中央循環式のラインでは注意が必要。病院での事例があります。
- 給水設備
簡易専用水道に該当しない貯水槽などは適正な管理が行われていない場合が多く注意が必要
- プール、加湿器、噴水、池などの水景施設、蓄熱槽など。
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環境省、環境と経済両立のアイデア募集
2003.8.11 |
環境保全と経済発展が両立するまちづくりを支援するため、環境省は来年度、全国からまちづくりのアイデアを募集し、事業費などを補助する方針を決めた。環境配慮型の経営は「費用がかかる割に利益が少ない」と経済的なマイナス面を指摘されることが多いが、新事業は、地域経済の活性化にもつながるまちづくりを目指す。
地球温暖化対策やリサイクルなどの取り組みのほか、水素燃料や燃料電池、風力発電、自然エネルギーなどが想定されるが、「自由な発想で、環境と経済の好循環を生み出す」(環境省)ことを狙い、事業の種類を問わない方針だ。
例えば、温泉地で地熱発電するとともに、地熱を地場産の農作物や商品製造に使って地域外にも出荷する▽菜の花畑を作って観光客を呼び、畑から菜種油を収穫するとともに、使い終わった廃油からバイオマス燃料を作る――など、さまざまなアイデアが考えられる。
地域の実情を知る市町村に計画作成の主体になってもらう。まちづくりの計画は3カ年とし、計画の策定に3000万円、事業実施のために3カ年で計5億円を補助する。募集は全国で6カ所程度の見通しで、来年度に公募する。
応募事業の中から(1)明確な目標がある(2)目標に向けての具体的なプロセスが示されている(3)プランに地域の特性が生かされている(4)地元住民や企業などが幅広く参加している――などの基準で選定する。
最近、地球温暖化対策や環境税、環境基準の設定などで、産業界の反発が続いている。環境省は「環境にやさしい経営が経済的な利益に結びつくシステム整備を進めたい」と話している。
2003.8.8 毎日新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
環境と経済の両立(環境経営)を考える際にまず障害になるのは、「環境問題に対するマイナスイメージ」です。
かつての「公害問題」の経験から、「企業は加害者の立場にある」とか「公害防止への取り組みはマイナスの投資であり、利益を圧迫する」というような後ろ向きのイメージを引きずっている人が多いように感じます。
しかし、現在の地球環境問題は企業だけではなく、消費者にも大きな責任があります。また、環境問題への投資は、必ずしも利益を圧迫するものではありません。コストが増えるということは、誰かがその分の利益を得ているということです。利益を得る側にとっては、大きなビジネスチャンスなのです。
◆環境問題への取り組みを特別なものと考えない
@地球環境の実態を知らない、あるいは知らされていないので使命感が湧かない。
A環境問題に取り組むための、人材、資金が足りない。
B値下げ要求など、親会社や得意先からの締め付けがきついので、とても環境問題まで
手が回らない。
C環境問題に取り組んでも儲からない。
この4つは、とくに中小企業が環境問題に取り組む際の障害の代表的なものです。
ところで、これらの障害は「環境問題」に限ったことでしょうか。
よく考えてみると、これらのことは「情報化」や「人財育成」などの必要性が叫ばれたとき、必ず出てくる「できない理由」であることが分かります。
@「情報化」の実態を知らない、あるいは知らされていないので使命感が湧かない。
A「情報化」に取り組むための、人材、資金が足りない。
B値下げ要求など、親会社や得意先からの締め付けがきついので、とても「情報化」まで
手が回らない。
C「情報化」に取り組んでも儲からない。
「 」の中に人財育成、店舗のリニューアルなどを入れても同じことです。環境問題だけが特別ではないことがお分かりいただけたでしょうか。
このように、いつの時代でも「できない理由(したくない、あるいは変わりたくない言い訳)」がまず前面に出てきます。しかし、必ず「できる理由」を探し出す努力をする企業が少数ながら出現します。そしてこれらの企業が、後に成功企業として脚光を浴びることになるのです。
情報化に取り組んで、成功した企業も失敗した企業もあります。人財育成に取り組んで活性化した企業も衰退した企業もあります。
同様に、環境問題に取り組んだとしても成功する保証はありません。そこには、社風、コミュニケーション、財務体質など、経営の根幹にかかわる問題が複雑に絡み合っているからです。
しかし、どのような場合でも成功するにはとにかく「行動する」ことが第一なのです。「できない理由をあげる天才」になるより、「できることを一つだけでもいいからできることを見つけて実践する人」になろうではありませんか。
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環境省、水の環境、「環境」の視点から新指標
2003.8.18 |
川や湖などの水環境について、環境省は12日、化学的酸素要求量(COD)など従来の水質環境基準だけでなく、水量や生態系を含む「水循環」の視点から総合的な環境指標をつくる方針を決めた。水環境を改善するには水の汚染値を監視するだけでなく、降雨に始まる水の循環や土地利用も含めて対応する必要があると判断した。
来年度、研究者や自治体関係者らによる検討会を立ち上げる。雨が地中にしみ込んで浄化され、湧水(ゆうすい)となって川や湖を満たし循環する、という「水の営み」や水辺の植生などを数値化を含めてどんな指標にできるのか話し合う。必要な経費を来年度予算の概算要求に盛り込む。
新しい指標には、水質に加えて水量、水生動植物の多様さ、水域の浄化能力、親水性などを項目に取り入れ、水環境を総合評価する。来年度は、まず河川について評価・指標化手法の検討を始める。
水環境の物差しは現在、重金属や有機塩素系化合物、COD、生物化学的酸素要求量(BOD)などの水質の環境基準しかない。これでは、水量が減って汚染が薄まらずに水質を悪化させていることや、周辺開発が地下水を枯渇させて水量を減らしているという背景、水生動植物が水の浄化に果たす自然の役割などが無視されてしまう。
同省は、環境基準を達成するために浄水施設を造るという従来の対症療法だけでなく、水量を取り戻すための森林保全や流域自治体間の連携などに指標を役立てたい考え。指標を用いて全国の河川をランク付けして公表することも検討する。
「健全な水循環」の概念は、2000年改訂の環境基本計画に盛り込まれ、今年3月に京都で開かれた第3回世界水フォーラムで採択された閣僚宣言でも重要性が確認された。
2003.8.12 朝日新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
水の汚れを表すのにBODとかCODがよく使われます。いずれも水の中に含まれる有機物の量を示す指標です。 BODはBiochemical Oxygen
Demandの略で、生物化学的酸素要求量といいます。密閉ガラスビンに水を入れ、20度で5日間放置しておくと水中の酸素が減少します。この減った酸素の量をBOD値としています。これは水中の有機物を食べる際にバクテリア(好気性菌)が酸素を消費するためで、水中の有機物が多いほどBODの値は大きくなります。 一般に、BODは「河川の有機物による汚れの指標」として使われています。ただし、BODは必ずしも水中の有機物の全量を表すものではありません。バクテリアによって分解しにくい有機物はBODとして表すことができません。人工の物質や木やパルプの成分であるリグニンなどがこの例です。 また毒性の強い成分が含まれているとバクテリアが死んでしまい、BODの値が極めて低くなります。石ケンや洗剤などでBODの値が低いからといって、それだけで環境にやさしいとはいえないのです。
CODはChemical Oxygen Demandの略で、化学的酸素要求量といいます。バクテリアではなく酸化剤を使って水中に含まれる物質を化学的に酸化して測定します。このとき減少した酸化剤中の酸素分をCODと呼んでいます。一般に、CODは湖沼と海の汚れの指標として使われます。 CODの値も酸化剤で酸化できない物質は測定できないこと、有機物でないものまで酸化されてプラスの誤差となることなど正確な有機物の量は測れません。最近、残留塩素を除去するための還元剤や還元水などがよく使われていますが、これらが測定水に混ざっているとCODの値が大きくなってしまうので、注意が必要です。 このようにBODやCODは問題もありますが、便利な方法なので多く活用されています。
このほかにもTOCという指標が使われることがあります。TOCとはTotal
Organic
Carbonの略で、全有機炭素(水中に存在する有機化合物中の炭素量)を表します。TOCは溶存有機炭素(DOC)、懸濁有機炭素(POC)、および揮発性有機炭素(VOC)に分けられます。 試験方法としては、摂氏900〜950度の酸素中または二酸化炭素を含まない空気中で水中の有機物質を分解して有機体の炭素を二酸化炭素にし、その濃度を測定することにより炭素量を求めます。
BODやCODが、水中の有機物の分解に必要な酸素の量を求める方法であるのに対し、TOCは水中の有機物に含まれる炭素の量を求める方法です。 上述のように、BODやCODは汚濁物質の全量を計るものではありませんが、TOCはほぼ全量を測定することができます。ただしバクテリア中の炭素も当然含まれることになります。 有機物による汚染を詳しく調べたいときは、BOD、CODにTOCのデータを加えるとより全体像が見えてくるでしょう。
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林野庁、間伐材を建材用に モデル地域作り支援
2003.8.25 |
林野庁は16日、国産の間伐材を大手住宅メーカーなどに積極的に使ってもらうため、来年度に全国5カ所で間伐材を使い易いように加工し出荷するモデル地域を設け、支援を行う方針を固めた。来年度予算の概算要求で数十億円を要求する。
間伐材は建材への加工が難しく、別の用途でも輸入木材との価格競争が激しく出荷しても赤字になるため、間伐されなかったり、切り捨てられたまま朽ちて森林荒廃につながっていた。間伐材の利用推進で森林環境の改善と林業家の経営安定の「一石二鳥」を目指す。
建材は木材需要の約4割を占める大きな市場だが、国産の自給率は33%(00年)と低迷。消費者の国産材のニーズは高まっているが、変形しにくく需要が伸びている集成材(柱などに利用)や、コンクリートの型枠などに使われる合板は間伐材を利用しにくいため、ほとんど輸入木材が使われている。
モデル事業は、輸入材に代わって間伐材を供給する。東北や九州地方などのスギ産地に対し、間伐材の集積所や、新技術で加工コストを抑えた集成材・合板の製材工場を設け、整備費用を助成する。ここで間伐材を住宅メーカーや工務店が使えるように加工し、出荷する。また住宅メーカーとの商談会などの機会も設ける。
2003.8.16 毎日新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
間伐材とは、 森林を育てる過程で樹木の成長を促すために間引いた一部の木材のことをいいます。間伐しないと木の根付きが悪く、大雨による土砂災害や倒木の流出などの被害をもたらすこともあります。再利用の用途が少なく利益にならないため、林業家が手をかけないケースが多く、林野庁は2000年度からの5カ年で毎年30万ヘクタールを間伐しています。
人工林は適当な時期に間伐しないと、隣接する木と木の間で栄養を奪い合うためうまく育ちません。また、成長するにつれて一帯の木の葉が重なり合い、密集するようになります。このために降った雨水が葉伝いに流れ、地面に届かなくなってしまいます。
さらに、地面に太陽の光が当たらなくなり、下草も生えません。その結果、土が乾燥し、木が弱ってしまうのです。 このような植林地帯を「緑のダム」に対して「緑の砂漠」と呼びます。
日本の多くの人工林は、地面は砂地でつるつる滑るし、ところによっては砂も流されてしまって、岩肌がむき出しになっています。こうなると、根が岩にへばりついている感じになり、土をつかむことができなくなります。 そこに大雨が降ると、土砂崩れが発生して、一帯の森林が押し流されてしまうのです。
間伐材の話が出てきたついでに、よく議論される話題をひとつ。
「割り箸は間伐林などの要らない木の枝などで作っているので、熱帯林の破壊とは関係ない。むしろ、間伐が行われないためにダメになってしまう人工林を救っているのだ」
「調査の結果、やはり熱帯林を使っている。熱帯林は長い年月を掛けて 生態系が出来上がっているのであって、そもそも要らない木というのは存在しない。人間が勝手に要る木と要らない木とを区別しているだけだ」
「割り箸は、北海道で半分を作っている。もし割り箸を使うなというのであれば、この人たちの生活はどうなるのか。生活保障のことも考えて議論すべきだ」
私は、「上の議論についてどう思いますか」というような質問を受けたとき、意見を述べる前に必ず次のように質問を返します。「確かに、どの意見も事実の一面を表していると思います。でもその前にお聞きしたいことがあります。『割り箸が使い捨てである』とどこに書かれていますか。今までの議論を聞いていると、『割り箸が使い捨てである』という前提で議論が進んでいるように思えて仕方ないのですが」と。
割り箸のどこを見ても『使い捨て』とは書いていませんし、割り箸は断じて『使い捨て』ではありません。その気になれば何回でも使えるものです(防腐剤が多すぎる場合は論外ですが・・・・)。そもそも、今まで生きていた命を1回で捨てるなんてもったいないではありませんか。皆さんも、もう一度割り箸について『命(いのち)』という観点で考え直してみませんか。きっと素晴らしい気づきと独創的なアイデアが得られると思います。
ところで「割り箸が使い捨てでないとすると、売れ残ってしまい、生産者はますます生活どころではなくなるではないか」と反論されそうです。
しかし、心配は不要です。何回も使える割り箸であれば、たとえば「巨匠〜作」とか「人間国宝である〜師がデザインした」というような芸術的なものも作れるはずです。「キムタクのデザイン」による割り箸などを売り出せば、大いに話題になるでしょう。当然、利益率の非常に高い商品となり、使い捨てどころか、床の間に飾るような割り箸も出現するかも知れないのです。
以上の例のように、環境問題の特徴は「議論に勝った方が正しいとは限らない」、「AかBという議論を超えたところでC、D、E・・・・という本質的な解決策が得られることが多い」ということを肝に銘じておく必要があると思います。
AかBかの議論に陥ってしまっていると気付いたとき、「視点を変えて考えてみようよ」と提案してみてはいかがでしょうか。
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企業評価で「企業の社会的責任」が新たな指標に
2003.9.1 |
「企業の社会的責任(CSR)」という新しい尺度が、企業を評価する指標として注目されている。企業の国際展開が早かった欧米で始まったが、国内でも経営に反映させようとする企業が増えつつある。株式投資を考えるうえでの新たなモノサシとしても重視されそうだ。
CSRについて、取り組みが進んでいるのがオランダ企業。電機メーカーのフィリップスは99年から、アルゼンチンで低所得患者を対象に、X線機器を積んだトラックで医療サービスを行っている。ビール大手のハイネケンも、アフリカの4工場で従業員6000人と家族を対象に無料のエイズ治療をしている。また、スーパーのアホールドは、中南米のコーヒー農家から直接コーヒー豆を買い取り、卸業者の手数料分を還元している。
各社の活動は、かつて資源開発や工場建設を押し切り、国際世論に非難された苦い経験の反映だ。低賃金で労働力を確保したり、農作物を安定確保する実利的な狙いもある。とはいえ、長年の活動が経営に根付いているのも確かで、ロイヤル・ダッチ・シェルのCSR担当、ティム・クーテン氏は「社会的責任の意識が経営のリスク回避につながる」と語る。
2003.8.25 毎日新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
CSRは、企業の社会的責任の意味で、CORPORATE SOCIAL RESPONSIBILITY の略です。法令順守や従業員の労働面での人権保護、地球環境や地域社会との関係などに配慮した経営のことを意味しています。文化活動を支援する「メセナ」と異なり、本業の事業活動での取り組みをいいます。
経済同友会は、2003年3月に第15回企業白書『「市場の進化」と社会的責任経営─企業の信頼構築と持続的な価値創造に向けて─』をはっぴ要しました。この中で、企業のCSRを改めて見直し、企業に対してCSRの実践とそれを担保するコーポレートガバナンスの確立が提唱されています。
CSRは、社会の持続的な発展とともに、企業の持続的な価値創造や競争力向上にも結びつくものであり、企業活動の経済的側面と社会・人間的側面は「主」と「従」の関係ではなく、一体のものとして考えられています。その意味で、CSRは事業の中核に位置付けられるべき取り組みであり、企業の持続的発展に向けた「投資」であり、コンプライアンス(法令・倫理等遵守)に止まらない自主的取り組みが重要であるとされています。
CSRの流れは国内にも及び、アサヒビールは、原材料の調達先に環境や社会への配慮に関するアンケートを実施し、取引先の選定基準に盛り込んでいます。また、東芝は7月、森本泰生副社長ら60人体制で社長直属の「CSR本部」を設けました。
CSR活動に理解のある企業の株をまとめたファンドも登場し、住友信託銀行は7月、松下電器産業株などを組み込んだ企業年金向けファンドの運用を始めました。大和総研の河口真理子主任研究員は「CSR活動は数値化しにくいが、国内でも投資家の関心が高まっている」と話しています。
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オゾンホール、過去最大に迫る勢い
2003.9.8 |
南極上空のオゾン量が減少し、オゾン層に穴が開いたようになるオゾンホールについて、気象庁は4日、急速に拡大が進んでいると発表した。1日現在では約2588万平方キロと過去2番目の広さで、このまま推移すれば過去最大に迫る可能性がある。
オゾンホールは、フロンなどによるオゾン層破壊が進んだ1980年代から観測されるようになった。今年は南極に向かう北風が弱いため上空の低温域が広く、気温が低いほど起こりやすいオゾンの破壊が進んでいるとみられる。
2003.9.5 時事通信ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
オゾン層は、私たちの地球の上空20キロから25キロくらいのところに5キロくらいの幅で広がっています。そして、太陽からの強い紫外線を吸収し、私たちを有害な紫外線から守ってくれています。
オゾン層のオゾンは、大気中の酸素が太陽からの強い紫外線を浴びることによって発生します。
オゾンは、オゾン浴などで健康に良いというイメージがありますが、これはごく微量の場合で、それ自体は猛毒です。ところがこの猛毒であるオゾンが上空にあるときは、地球上の生物を守ってくれるのです。
オゾンは、地上にあるときは猛毒で光化学スモッグなどの原因となり、上空にあるときは生物を守ってくれるというわけです。
◆オゾン層破壊と紫外線
オゾン層が全部なくなると、陸上の生物は何も生きられません。 しかし、いますぐには、そういうことは起こらないでしょう。 したがって、「オゾン層が薄くなるとどうなるか?」が当面の問題です。
研究の結果分かったことは、オゾン層が薄くなると紫外線が増えるということです。 ただ、この紫外線というのは、オゾン層の破壊が始まる前とは違うものです。 私たちが「子どもは真っ黒のほうが健康的だ」とか「ビタミンDができるよ」と言っているのは、実は紫外線Aのことなのです。
紫外線はA、B、Cの3種類ありますが、AよりもB、BよりもCの方が生物にとっては危険です。紫外線Cに長く浴びてると、生物は死んでしまいます。
このうち紫外線Cは、地球の40キロ以上の上空で大気に吸収され尽くされて、現在のところ地上には届いていません。オゾン層が破壊されて降り注いでくる有害紫外線というのは、紫外線Bのことなのです。
オゾン層が薄くなる前は、紫外線Bはオゾン層を通るうちに吸収されて、ほとんど地上に届いていませんでした。 しかし近年、オゾン層が薄くなったために、紫外線Bの一部が地上に届きはじめたのです。
◆オゾン層はレースのカーテン
地球は46億年前に誕生しました。
35億年前に海の中で最初の生命が誕生し、進化していきました。
やがて光合成の機能を持つらん藻類が現れ、大気中の二酸化炭素を酸素に変えていきました。
酸素が増えていく過程で、海で進化した生き物は陸に上がろうとしたのですが、太陽からの紫外線が強すぎてどうしても上陸できませんでした。
しかし、現在の状態に近い酸素の濃度になったとき、オゾン層が十分な厚さになり、強烈な紫外線が地上に届かなくなったのです。
4億年前のことです。
そして生命が上陸して、進化してきたわけです。
だから、オゾン層がなくなれば、陸上には何も棲めなくなるのです。4億年前の状態に戻るというわけです。
さて、オゾン層は5キロの幅で広がっていると説明しましたが、20キロから25キロ上空といえば、ものすごく空気が薄くて、圧力も非常に低いのです。
実は、このオゾン層を大気圧に換算すると、わずか3ミリにすぎません。
たった3ミリで地球の生命を守ってくれているのです。
ちなみに、地球の空気がすべて大気圧だったとしたら8キロつまり800万ミリの厚みになります。
3ミリといえば800万ミリの270万分の1。何と空気の270万分の1の成分が、地球の生物を守っていることになるのです。このようにオゾン層は非常に薄いので、「レースのカーテン」と呼ばれています。
◆紫外線Bの影響
@皮膚ガンが増加する
紫外線Bは、生物のDNAつまり遺伝子の本体を傷つけます。
本章の冒頭で、世界中で皮膚ガンが増加していると述べましたが、その原因はオゾン層破壊に伴う紫外線Bの増加なのです。
一般に、オゾン層が1%減少すると紫外線Bが2%増加し、皮膚ガンや白内障などの影響が3%増えると言われています。
1・2・3ルールと覚えておくと良いでしょう。
皮膚ガンは、オーストラリアとか白人の話だと思っている人が多いようです。
しかし、いまの日本でも危険な状態にあり、皮膚ガン患者が急増しているのです。
神戸大学医学部は、「1976〜80年と86〜90年の各5年間を比べると、後の5年間の方が皮膚ガンにかかる率が高くなっていた」と発表しました。松山市では2.5倍にもなっていたのです。
ただし後の5年間といっても86〜90年のことで、すでにそれから10年がたっています。
現在では、当時よりも紫外線Bの量が増えているので、皮膚ガンの患者がさらに増加している可能性があります。
大阪大学医学部の発表によると、「日本でも、真夏の昼間に相当する日光に1時間さらされると、約2年間で皮膚ガンになる可能性がある」ということです。
A白内障患者が増える
紫外線Bの影響の2番目は、目に当たると白内障を起こすということです。
UNEP(国連環境計画)は、「10%オゾンの減少が続くと、皮膚ガンは26%増えて、白内障による失明が毎年世界で160万人から175万人増える」と発表しています。
日本上空でも、すでにオゾン層が10%くらい減っていると言われています。最近では、北日本で普段より30%もオゾン量が減っていることが観測されているのです(コラム参照)。
北日本の例を1・2・3ルールに当てはめてみると、「オゾン層が30%減少することで、紫外線Bが60%増加し、皮膚ガンや白内障などの影響が90%増える」ということになります。
B 免疫力が低下する
これからもっと大きな問題になると思うのが、紫外線Bが免疫力を低下させるということです。
免疫力が低下すると、病気に感染しやすくなるし、いったん感染するとなかなか治りません。
しかも最近になって、ウイルスを持っている細胞に紫外線を当てると、ウイルスが活性化する現象が見つかっています。
「HIVウイルスの感染者が、紫外線に当たることによってエイズを発症する」という報告も出されているほどです。
今後は、外で真っ黒になって遊んでいる子どもほど紫外線Bの影響を受けて免疫力が低下し、O−157などに感染しやすくなるかもしれません。
C動物への影響
当然のことながら、人間以外にも深刻な影響が現れています。
先に、「カエルがいなくなってきた」と述べましたが、直射日光にさらされる場所に卵を産み付ける種類のカエルがいなくなってきているのです。
一方、アマガエルのように、直射日光に当たらない木の陰か深い水底に卵を産み付けるカエルは減っていないようです。
このことをもとにオレゴン州立大学が実験したところ、「カエルがいなくなったのは、卵が紫外線Bを大量に浴びてふ化しなかったから」と判明したのです。このほかにも諸説がありますが、紫外線Bの増加が一つの大きな原因であることは間違いないと思われます。
またオーストラリアなどで、木に激突したり、崖から落ちて死ぬカンガルーが続出しています。さらに南米チリやニュージーランドでも、牛やヒツジに同じような異変が増えています。紫外線Bの影響で目が見えなくなっているのです。
D植物や野菜の収穫が減る
植物も野菜も紫外線Bの影響は大きいといえます。
成長細胞に紫外線Bが当たると、穀物などの収穫が減少する可能性があります。
E海への影響
紫外線Bが増えると、魚介類が海の中から姿を消してしまう可能性があります。
すでに植物性プランクトンが激減し始めています。
オゾン層が薄くなる前は、紫外線Aしか植物性プランクトンに当たっていなかったのですが、最近は紫外線Bに晒されるようになったのです。そのためにDNAが傷つき、どんどん死滅しています。
そして食物連鎖が切れ、魚介類が減りつつあるのです。
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100万人を田舎に戻そう
2003.9.15 |
サラリーマン時代の経験を地方で生かそう−−。過疎に悩む地方側のアプローチが主だった都市と農村の交流に、都市側からの新しい仕掛けづくりが出てきた。高度成長時代に地方から都市へ流入した人たちの多くが、定年後は田舎暮らしを希望していることに着目「100万人を田舎に戻す」という目標を掲げた回帰運動だ。
運動を進めるのは民間非営利団体(NPO)「100万人のふるさと回帰・循環運動推進・支援センター」(東京)。国内最大の労働組合の連合が中心母体となって4月にNPO法人となった。全農や生協などと組んで、自治体の受け入れ情報を一元化し、都市住民の受け入れを望む自治体などと、田舎暮らしを望む都市の住民との「橋渡し」を仕掛ける。
同センターの理事長で作家の立松和平さんは「多くの地方で最大の苦しみは、過疎である。人材があると、よみがえる地方はいくらでもある。田舎がほしいのはサラリーマン経験で培った商品開発力や営業力だ」と話す。地方に戻って農業をやるのではなくて、ふるさとで起業し都会生活の知恵や経験、ノウハウを生かした田舎暮らしを提案する。
既に約3200の全自治体を対象に、就業促進策や一時滞在などの事業の取り組みをアンケートし、現在その結果を分析中だ。10月には都市住民5万人を対象に、ふるさと回帰希望の有無や求めている支援策なども調査する。
同センターは、3年以内に47都道府県に「ふるさと回帰支援センター」の設立を目指す。
「100万人運動」にいち早く応じた自治体も登場した。映画「阿弥陀堂だより」で美しい田園風景が話題になった長野県飯山市で、6月に「飯山市ふるさと回帰支援センター」を設立。毎月第3水曜に都内で「ふるさと暮らし実践講座」を開き、同市に移住した経験者らから体験談や職探しの方法、空き家の見つけ方、地元との付き合い方など具体的なノウハウを伝えている。
市民運動からスタートし、福祉マンションなどを手掛ける「コミュニティネットワーク協会」(東京)も10月2日、東京・銀座に情報センターをオープンし、地方の空き家・遊休地情報を紹介したり、移住希望者のための相談コーナーを設ける。
地方から都市へ働きに出てきた若者は、昭和30年代から40年代前半にかけ約650万人。そのうち、団塊の世代の定年が近くピークを迎えようとしているだけに、都市側からの農村回帰への働き掛けは、ますます盛んになりそうだ。
2003.9.11 共同通信経済ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
バブル崩壊以来、大都市の臨海部では工場の閉鎖や大規模プロジェクトの縮小や廃止が相次ぎ、広大な遊休地が生まれています。また、リストラという名を借りた「大量の人減らし策」により、多くの労働者が工場を去りました。
ここでぜひ知っておいていただきたいことがあります。
それは「リストラの対象になった人々が、『人間』としての能力に欠けているということは絶対にあり得ない」ということです。
おそらく、現在の企業社会つまり比較・競争・猛烈社会についていけなかった、あるいはついていきたくなかったのでしょう。
私見ですが、リストラの対象者は、どちらかといえば動きがのんびりしていて、物事にじっくり取り組むような人たちが多いように思います。つまり一見するといわゆる「どんくさい」タイプです。
実は、このタイプの人たちこそ「農業や林業」に向いていると私は心から信じているのです。かつて向き不向きを考えることなく、都市部にやってきた「田舎の遺伝子」を持ったたくましい人たちが大勢いるはずです。私の友人にも田舎暮らしを始め、嬉々として輝いている人がたくさん現れています。
付言すると、現在の企業社会でバリバリやっている人たちは「農業や林業」の社会ではリストラ対象者として真っ先にリストアップされるような気がします。
何はともあれ、都会であろうと、田舎であろうと、「自分らしく生きることができる居場所」を見いだした人は幸せ者だと思います。
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環境省、環境と経済の好循環ビジョン策定へ
2003.9.22 |
鈴木俊一環境相は19日の閣議後の記者会見で、環境への取り組みが経済発展につな
がる社会を目指した、環境と経済の好循環ビジョンを策定すると発表した。24日に開
く中央環境審議会(環境相の諮問機関)に諮問、同審議会に専門委員会を設け、年度内
に委員会の報告書をまとめる。
2003.9.19 時事通信ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
何千年も前から伝え継がれてきたことがあります。それは「ビジョンは必ず実現する」ということです。裏を返せば「ビジョンを描かない限り、実現しない」ということです。 このことは成功哲学では、もはや常識となっています。中村天風師は「『ああなったらいいな』という念願だけを心に炎と燃やさないで、もうすでに成就した気持ちや姿を、自分の心に描け」とビジョンの大切さを説いています。
これは、「持続可能な社会(サステナブル社会)を実現させるためには、明確なビジョンを描かなければならない」ことを意味します。
スウェーデンの環境NGO「ナチュラル・ステップ」は、バックキャスティングという手法を提唱しています。バックキャスティングとは、「最終的な到達目標である持続可能な社会が満たすべき原則をまず明確に定義し、環境対策を考える時に常にその対策の妥当性・方向性を検証するコンパスを持ちながら進んでいく方法」です。簡単に言えば、「将来から現在を見る」ということです。ちなみに、現在から将来を予想することを「フォアキャスティング」といいます。
たとえば、エベレストに登頂したビジョンをはっきり描き、その時点から現在を見て、今何をするかを決めるのが「バックキャスティング」で、毎日計画を立てて訓練すれば、いつの日かエベレストに登れるだろうというのが「フォアキャスティング」と言えると思います。
地球環境はもはや待ったなしの状況であり、「フォアキャスティング」で試行錯誤を繰り返している余裕はありません。やはり、「バックキャスティング」でビジョンを明確にして、最短コースをたどるべきでしょう。
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ISO14001取得が世界で4万9462件に
2003.9.29 |
ISOがこのほど発表した報告書「ISOサーベイ」によると、世界のISO14001の認証取得件数が、2002年末時点で118カ国4万9462件に上っている。2001年末の112カ国3万6765件に比べ、34.55%(1万2697件)増加したことになる。
このうち2002年に比べ件数が最も伸びたのは、日本の2497件で、以下、中国(昨年比1718件増)、スペイン(同1164件増)、米国(同975件増)、イタリア(同858件増)、スウェーデン(同660件増)、ブラジル(同550件増などが続いている。
2003.9.26 環境新聞社デイリー環境ニュースより抜粋
■ワンポイント解説
ISO14001の認証取得に取り組むのは、法律による強制ではなく、自由意志に任されています。しかも、第三者の認証登録を受けるためには相当のコストがかかります。
では、なぜ多くの企業や団体がこの規格の認証を受けようとしているのでしょうか。
それは、当然メリットがあるからですが、その内のいくつかを上げてみましょう。
@環境管理(環境マネジメント)が正しく行われていることを第三者に保証できる。
A一般の人々や地域社会との良好な関係を維持できる。
B「緑の投資家」の基準を満たし、資金調達を改善することができる。
欧米で勢力を強めている「緑の投資家」は、日本でも注目され始めています。緑の投資家は、目先の利益確保に奔走する投機家とは違って、一般に「環境にやさしい企業を見守り、育てていきたい」と長い目で投資を考えている人たちです。その点で、企業も安定した資金調達が可能になります。これからは、いわゆる「エコファンド」が金融商品の中心になってくるでしょう。
C企業イメージが高まり、市場で優位な立場に立てる。
D環境管理システムを構築する過程で組織力のアップが図られ、工程管理、原価管理、
販売管理体制が確立できる。
E省エネ、省資源化が図れる。
F行政や企業、各種団体の中で広がってきている「グリーン調達」や「グリーン購入ネット
ワーク(GPN)」に対応できる。
ここで、グリーン購入ネットワークとは、環境庁の外郭団体である財団法人日本環境協会が事務局となり設立された推進団体のことです。企業や官公庁が物品やサービスを購入する際に、環境負荷の少ないものを選んで優先的に購入すること(グリーン調達)を呼びかけています。
なお、ここでいう「環境負荷の少ない商品」とは、次のようなものです。
@メンテナンスが容易で長持ちする商品
A省資源・省エネルギー型の商品
B再使用可能な商品
Cリサイクルしやすい商品
D再生素材などを利用した商品
Eエコマーク商品、グリーンマーク商品、環境にやさしい買い物運動推奨商品など
■ISO14000のデメリット
ISO14000シリーズの普及により、とくに中小企業にとってデメリットとなりそうなものをいくつかあげてみましょう。ただし、このデメリットを克服した際は企業力のアップにつながることはいうまでもありません。
@親企業の要請(圧力)によって、部品などの納入企業が認証を受けざるを得なくなる
ことが予想され、拒否すると取引を停止される恐れがある。
AISO14000シリーズを取得していなくても地球環境に負荷をかけない、あるいは地
球環境の改善に貢献している企業は数多くあるが、ISO14000シリーズだけで判断
すると、これらの企業が見えなくなってしまう。
現在、わが国には約650万の事業所がありますが、もし10万の事業所がISO14001の認証を取得したとしても、あと640万残ります。現在日本の取得件数は世界一ですが、それでも1万強ほどにすぎません。
この規格だけでは、地球環境を守ることはきわめて難しいといえます。
したがって、消費者(生活者)や行政は、ISO14001を取得している、していないにかかわらず「環境にやさしい」企業を育成し、応援することが絶対に必要です。
B認証を受けている企業を信頼しすぎて、企業調査が甘くなる可能性がある。
当初は安全・無害と考えられていたものが、後になって環境被害を引き起こすことが頻繁に起こっています。認証登録企業だからといって、必ずしも絶対的に環境にやさしいとはいえないのです。
最近、認証済み工場の地下水から発ガン性の有機塩素化合物などが検出されていることからも、「認定済み=環境にやさしい工場」であるとは限らないことが分かるでしょう。
C事業所(サイト)ごとに取得できるので、(ISO14001の取得が使命感から発してい
ない企業が)環境負荷の大きい業務を子会社や資材などの納入企業に、また発展途
上国に押しつける可能性がある。
D事業所が世界各国にある場合、各国の法律ごとに環境保護基準が異なり、たとえば
日本で当然違反になるはずの廃棄物の流出もアジア諸国では違反にならず、見過ご
されてしまう恐れがある。
E取得事業所の数を競い合うことが目的になってしまう可能性がある。
■ISO14001導入の前に
多くの解説書では、経営者の決断が成功への第一歩であると書かれています。しかし、最も重要なことは、まず経営者自身が地球環境の実態を実感し、人間としての、また企業としての責任を自覚することです。
地球環境が破綻寸前であることに(良い意味で)絶望することで「わが社が先頭を切って地球環境のためにできることを始めよう」という使命感が湧いてくるでしょう。そして、地球環境の実態と使命感を従業員に伝えるのです。
使命感がなければ、ISO14001の認証取得を志したとしても、ちょっとした販売不振でもあっさりと断念してしまうことになるでしょう。
また製造業の場合は、導入の前に工程の見直しを行っておくべきです。たとえば、生産プロセスにおいて、あるプロセスを省けないかを検討するのです(もちろん手抜きは論外ですが)。洗浄プロセスをなくすことができれば、その分だけ薬品や工程管理のコストダウンを図れるばかりか、環境マネジメントシステムが簡素化され、文書量、認証に要する費用などが低減できるのです。
これらのことは、コンサルタントや認証機関の専門家も十分に心得ていただきたいと思います。また企業サイドとしては、こうした提案のできるコンサルタントをパートナーとして選定することが非常に重要です。
ちなみに、ISO14000シリーズにおける「継続的改善」というのは、あくまでも「環境マネジメントシステムの継続的改善」のことをいいます。地球環境問題は「継続的な改善」レベルでは、とても間に合いません。本来は、「環境マネジメントシステムの継続的改善によって、環境負荷を革命的に低減する」と言うべきなのです。専門家と言われるほどの人でも、ここのところを誤解している人が多いように見受けられます。
言うまでもなく、たとえば環境負荷の低減は、コストの削減つまり利益のアップを意味します。従って、環境負荷の大幅な削減が現時点で可能にもかかわらず継続的改善でよしとする考え方は、得られるはずの利益を放棄していることになるのです。このことから、「継続的改善しなければISO14001の認証更新ができないから、低水準から始めよう」という考えは、経営にとってきわめて有害といえます。
コピー用紙削減のために両面印刷する。
継続改善であればこれで良いでしょう。しかし、「もしコピー用紙が全社であと100枚しかなかったら」、「コピー用紙を部署ごとに割り当て、それを超えると節約した部署から購入しなければならない」、「ミスコピーすると1枚100円の罰金」などとルールを決めると、大幅に用紙の削減が図れます。もちろん、「ペーパーレスオフィスを構築する」というのも挑戦してみる価値があります。この他にも「全社的な文書作成トレーニングによって、今まで10枚分書いていたものを1枚にまとめる能力を付ける」などもお薦めです。この例のように、「社員の能力アップによって環境負荷を削減する」のが長い目で見て、最も有効な方法といえます。あなたの会社も、継続的改善からドラスティックな改革に挑戦してみませんか。
ISOの本質を、(良いと思ったことを)「いま(I)すぐ(S)おこなう(O)こと」と考えてみてはいかがでしょうか。
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世界気候変動会議が「懐疑論者」集めて異例の会見
2003.10.6 |
モスクワで開かれている「世界気候変動会議」(ロシア政府主催)の実行委は10月1日、地球温暖化防止のための「京都議定書」をテーマにした記者会見を開いた。会見した会議参加者ら8人は、いずれも議定書や温暖化説そのものに懐疑的な研究者ばかりで、京都議定書批准に消極的なロシア政府の姿勢を反映した異例の会見となった。
会見は、京都議定書への関心が高いことから急きょ開かれた。会見者のうち3人は、パリとコペンハーゲンから、テレビ電話で参加した。
会見者の発言内容は▽「地球温暖化説は、科学的根拠のない信仰」(リンゼン・マサチューセッツ工科大教授)▽「京都議定書は、ロシアの将来の経済成長を阻害し、批准すべきではない」(ベルギーのソーニング・国際資本形成評議会会長)――など。
これに対し、内外の記者から「今回の会議では議定書推進の立場からの発表が多く、(会見内容は)会議を反映していない」との批判が続出した。さらに環境NGO(非政府組織)のメンバーから「会見者の中には、米国の石油大手から献金を受けている者が複数いる」との指摘も出た。
これに対し、司会を務めたロシア気象庁地球気候・環境研究所のイズラエル所長は「私は金はもらっていない。出席者は会見の呼びかけに応じた人だ」と声を張り上げた。
一方、英ハル大学のボエマークリスチャンセン教授は「温暖化の研究者は、誰から資金を得ているかで説も違う」と、開き直りとも取れる発言をし会場の失笑を買った。
2003.10.2 毎日新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
「地球温暖化は、太陽活動などの自然変化が原因という人がいます。だったら、人間の力ではどうしようもないと思います。環境にやさしい行動に結びつけるには、証拠が少なすぎます。もう少しデータと科学的根拠が必要です」。
これは、私が講演の際に直接うかがった意見です。「(行動するためには)もっとデータが必要だ」と言う人はかなり多いように思います。確かに、「地球温暖化は太陽活動によって引き起こされている」と主張している人がおられます。その人が、ご自分のきちんとした理論とデータに基づいて発言しているのでしたら、まったく問題はないと思います。
しかし、どんなに優れた科学者であっても、地球のことをすべて把握しているわけではありません。現在の見解が、いつまでも正しいとは限らないのです。
私は、「仮説が間違っていた場合、(地球にとって)どのようなリスクがあるか」を判断基準にしています。そして、そのリスクを避けるために「今できることは何か」を考え、実践するようにしています(そんなに大したことはしていませんが)。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)」は、地球温暖化第三次レポートで、「人為的に排出された温室効果ガスが温暖化を引き起こしているという強い証拠が認められる」と人間活動が主な原因であることを示しました。自然要因だけでは、現在の状況を説明できないと言うのです。
もちろん、上述のように「地球温暖化の原因は、太陽活動の変化などによる自然現象だ」とする意見もあります(おそらく、複合原因でしょう)。この説にもそれなりに根拠があり、どのように主張するのも自由です。
しかし、私たち人間が責任を放棄したり、何もしなくてもいい理由に利用することだけは避けたいものです。
今私たちに必要なのは、地球温暖化ひいては異常気象の責任を自ら引き受ける勇気と、解決に向けて知恵を出し、行動する実践力ではないでしょうか。
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日本のトキ絶滅、最後の「キン」が死ぬ
2003.10.13 |
「ニッポニアニッポン」の学名を持つ国際保護鳥・トキの「キン」(雌)が10日午前7時20分ごろ、新潟県新穂村の佐渡トキ保護センターで死んだ。国内で生まれ育った日本産トキの最後の1羽。キンは推定年齢36歳で、人間でいえば100歳以上。死因は高齢による老衰と見られる。
センターでは、この日午前6時ごろ、警備員がモニター画面で歩いている姿を確認したが、同7時20分ごろ、出勤した担当職員が倒れているキンを発見した。
佐渡島内の真野町でキンが捕獲されたのは1968年3月。当時、生後1年前後の幼鳥だった。種の保存を目的にトキ飼育に取り組み始めたセンターに移され、以来、その生涯をセンターの飼育舎内で過ごした。 71年には、「本州最後のトキ」と呼ばれた雄の能里(のり)とペアリングに成功したものの、完全な交尾に至らないまま能里が死んだ。人工繁殖か、野生のままの保護かを巡って議論を巻き起こした。 その後、81年に環境庁(当時)は、佐渡に生息していた野生の5羽すべてを捕獲し、幼鳥の段階で捕獲したキンとともに、6羽で本格的な人工繁殖を開始。キンと中国産トキとのペアリングなども試みられたが、2世誕生には至らなかった。
95年4月には、日本生まれのトキとしては最後の雄となった「ミドリ」が死んだ。この時点で日本産トキの絶滅が避けられないものとなっていた。
2003.10.10 読売新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
上の速報では「死因は高齢による老衰」とされていましたが、主因は「扉に頭をぶつけたことによる頭部挫傷」であることが判りました。
なおキンの細胞と遺伝子は、国立環境研究所(茨城県つくば市)で凍結保存されます。将来のバイオテクノロジー技術を利用した「種の再生」に備えるためで、1995年に死亡したオスの「ミドリ」の組織も同研究所で保存されています。
トキについて、10月10日付のNHKニュース速報で次のように伝えています。
トキはコウノトリ目トキ科の鳥で、学名をニッポニア・ニッポンといいます。昭和の初めに国内におよそ百羽が生息していました。
しかし、美しい羽を目当てにした狩猟や、えさ場の水田への農薬の散布、森林の開発などのために次第に数が減りました。
トキは昭和27年に国の天然記念物に、また昭和35年には国際保護鳥に指定され、保護に向けての動きが始まりました。イヌワシなどの天敵がいない新潟県の佐渡は、トキの最後の生息地となり、昭和42年に新穂村(ニイボムラ)にトキ保護センターが作られ、保護活動の拠点となっています。
最近、「種の絶滅」に人間活動が大きく関わっていることが指摘されています。ここで、人間が介在して種が絶滅する理由をいくつかあげてみましょう。
@人間にとって必要ないから
種の絶滅の第1の理由は、「人間にとって必要ない、あるいは邪魔な生物を殺してしまった」ということです。
たとえば、害虫が殺虫剤や農薬などで駆除され、どんどんいなくなっています。
ところで「害虫」とは何でしょうか?
畑の野菜を食べて穴だらけにしたり、稲を食べたりして人間に迷惑をかける虫。
しかし、虫は人間に迷惑をかけようと思って野菜などを食べるのではありません。生きるために食べているのです。
害虫は人間に迷惑をかけるから悪い虫、益虫は害虫を食べるから良い虫。たとえばヤゴは稲を食べるから害虫で、トンボは害虫を食べてくれるから益虫。
ヤゴはトンボの子ども。ヤゴを殺してしまったらトンボもいなくなってしまいます。
害虫が悪い虫だからといって殺してしまうと、益虫もいなくなってしまうことになるのです。
害虫も益虫も人間が自分の都合で作った言葉にすぎません。
大切なことは、それらの虫がいなくなることでミミズがいなくなり、ミミズがいなくなるとモグラがいなくなるというように、食物連鎖が切れてしまうということなのです。
A人間にとって必要だから
第2の理由は、「必要ないから」の反対で「人間にとって必要だから」というものです。
たとえば、人間にとって「おいしいから」とか「羽根がきれいだから」という理由で手当たり次第に狩りをしていると、乱獲によって絶滅してしまいます。
B知らないうちに
第3の理由は、「知らないうちに」です。
地球温暖化、オゾン層破壊、森林破壊、酸性雨、海洋汚染、ダムやリゾート開発などで、広い地域で生き物のつながり(食物連鎖)が切れています。しかし、多くの人は食物連鎖を切ろう(種を絶滅させよう)と思って行動しているわけではないでしょう。
知らないうちに生き物がいなくなっている、というのが現状ではないでしょうか。
参考:生物種の絶滅
国際自然保護連合(IUCN)は、「地球上で植物の751種がすでに絶滅し、いまも8種に1種が絶滅の危機にある」と発表しています。
また世界銀行は、「熱帯に生息する鳥類や植物種のうち、4分の1が2025年頃までに絶滅する恐れがある」と言っています。
日本では、1995年に絶滅が確定した「トキ」をはじめ、ニホンオオカミ、エゾオオカミ、ニホンアシカ、リュウキュウカラスバトなどが絶滅しました。
環境庁は、「日本国内の野生植物は、全体の2割以上に相当する約1500種がすでに絶滅したり、絶滅の危機に瀕したりしている」と発表しています。
このように、深刻な生物種の絶滅を伝える情報が世界中で発表されているのです。
◆種の絶滅の意味
種の絶滅というのは個体の死とは本質的に異なります。
たとえば、「ツバメの1羽が死ぬのではなく、ツバメという種そのものが地球上から消滅するということ」「63億の人間が永遠にこの地球から姿を消すということ」なのです。
いま、地球上に存在する生物は数千万種と言われています。
その生物種が、現在年間4万種以上というすさまじいスピードで絶滅しており、地球の生態系を維持してきた多様性が失われつつあるのです。
このままでは、食物連鎖を経て、すべての生物が絶滅する可能性は否定できません。
また、どこかである種が絶滅して、ガンやエイズの最後の特効薬が地球上から永遠に失われるかも知れません。つまり、遺伝子という資源も失われる可能性があるのです。
さらに、天敵が消えて、病原生物が異常繁殖し、伝染病が大流行するかも知れません。
@過去にも大絶滅が5回あった
生物の大絶滅が過去に5回ありました。オルドビス期、デボン期、二畳期、三畳期、白亜期と呼ばれる時代です。
2億5千万年前の二畳期には90%の生物種が、また6500万年前の白亜期には恐竜など75%が絶滅したと言われています。
ただし、これらの絶滅は一瞬にして起こったのではなく、数万年かかって徐々に進行したのです。
ところが現在は、過去のどの時期よりも急激な大絶滅が始まっています。
次の図は、たとえば恐竜時代は、年間0.001種つまり千年で1種が絶滅したということを表しています。
いまは前述のように、1年に4万種が絶滅しています。恐らくここ数年のうちに、10万種が1年間で消える割合になるでしょう。
A生態系そのものが破壊されている
恐竜時代などは、隕石の落下など、天変地異で多くの種が消えたとされていますが、この場合でも数万年かかって絶滅が進行したのです。
ところが、人類が誕生してからは、食糧や衣類などの生活物資を得るために行う狩猟によって、ある特定の種が絶滅に追い込まれるようになりました。いわゆる乱獲です。
マンモスも実は人間の手によって絶滅させられた、という説が有力になっています。
近代に入ってからは、人間の欲望を満たすための毛皮や象牙などを得るために、多くの種を犠牲にしてきました。
リョコウバトや美しい羽根をもっていたドードーという鳥などの絶滅がこれに当たります。
ところが最近の絶滅は、事情がまったく異なっています。
特定の種だけでなく、広範囲でしかもごっそりと生物種が失われているのです。
人間、特に私たち先進国の人間が、水を汚し、異常気象の原因を作り、紫外線Bを増やし、森を破壊したりして、地球規模で生物種を絶滅させているのです。
またダムや山林を削っての道路建設、ゴルフ場やリゾート地の開発、海岸の埋立などによっても、その地域全体の生物種が消えています。
生物をとりまく環境はすべてが連動していて、どこかが破綻すると、食物連鎖を通して最後には生物種の減少につながってしまうのです。
◆森林の消失で生態系が崩壊する
このままでは、30年以内に世界の植物24万種のうち6万種が消失し、せきつい動物や昆虫ではそれ以上の割合で絶滅しそうだと言われています。
しかも、熱帯林を含む森林の消失速度がますます加速してきています。IUCN(国際自然保護連合)やUNEP(国連環境計画)などは、「消失速度が現在よりも50パーセント速まれば、2040年には熱帯林に生息する生物種の30%以上が絶滅する」と予測しています。
森林の消失は、地球温暖化や酸性雨などの地球環境問題や大規模な開発が大きく係わっています。
生物種の絶滅の主な原因は、明らかに人間の活動にあるのです。
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温暖化で海面上昇、日本の近海最大17センチと試算
2003.10.20 |
地球温暖化に伴う海面上昇が、日本近海で顕著になりやすいことが、気象研究所の気候モデルによるシミュレーションでわかった。北太平洋では、風の流れの影響などで米国沿岸よりも日本近海の海面上昇が高く、現在より最大で17センチも上昇する可能性があるとしている。
海面上昇の要因として、〈1〉海水の熱膨張〈2〉気候変動に伴う風の流れの変化〈3〉南極などの氷床の融解――が考えられている。気象研究所の野田彰研究室長らは、氷床融解による海面上昇は、地球規模で平均に起こるとした上で、熱膨張、風について、地球全体の大気などの動きをコンピューターで再現できる「全球モデル」を駆使して、日本近海の水面上昇の予測値を計算。
試算によると、気温は2080年までに現在より1・9度上昇。海面は、風の流れの変化の影響で、日本の太平洋沿岸で、現在より約15センチ上昇。三陸沖では平均17センチ、局所的には40センチ上昇するところもあった。
国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、2100年までに平均海面水位が9センチから88センチ上昇すると試算しているが、氷床融解に重点を置いていた。
15日から仙台市で始まる日本気象学会で発表される。
2003.10.15 読売新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
IPCCの第三次レポートでは「海面上昇が最大88p」となっていますが、もっと極端な海面上昇も真剣に議論されています。
IPCCのロバート・ワトソン元議長は、「海面が6メートルも高くなるという取り返しのつかない影響のきっかけをつくることになる」と破局的な事態すら起こりかねないと警告しています(実は日本で行われた講演後の記者会見で舌を滑らしたとされていますが、こんなに責任ある地位の人が本当にそんなヘマをするでしょうか・・・・)。
この警告の背景には、次々に明らかになる深刻な温暖化の実態があります。 第三次レポートでも次のように報告しています。
氷床は気候の温暖化に反応し続け、気候が安定したのち数千年間にわたって海面水位上昇の一因となり続けると見込まれる。グリーンランドで気温が3℃以上高い状態が数千年間続けば、グリーンランドの氷床は完全に溶けて、海面水位が約7m上昇すると予測される。また、グリーンランドで気温が5.5℃高い状態が1000年続けば、グリーンランドの氷床融解により、約3mの海面水位の上昇がもたらされる可能性が高い。さらに、西部南極氷床がこの先1000年間に3m海面水位上昇をもたらす可能性がある。
◆想像以上に崩壊しやすい南極の棚氷
第三次レポートでは1000年という長い期間を想定していますが、これよりも早くなる可能性があるという指摘もあります。米航空宇宙局(NASA)は、「南極大陸から海上に張り出している広大な棚氷は、南極の短い夏の気温が高くなるだけで崩壊し、世界規模の海面上昇を招く恐れがある」と警告を発しています。
従来は、地球温暖化が進んでも南極の年間平均気温は氷点(摂氏零度)を大きく下回っているため、巨大な棚氷が崩壊する可能性は少ないとみられていました。
しかし、南極大陸では大規模な氷の崩壊が始まっています。1995年には、ラルセン棚氷の一部が崩壊して、淡路島の5倍という巨大な氷山となって外洋に向かって漂流を始めました。また1998年の秋になって、147キロメートル×48キロメートルという宮城県と同じくらいの大きさの氷山が生まれています。このほかにも、南極周辺で多くの巨大氷山が流出しています。
研究チームは、1998年に一部崩壊した南極半島東側のラルセン棚氷の崩壊メカニズムを分析したところ、「同年の夏(2月)に棚氷付近の気温が摂氏零度上回ったため、表面の氷の一部が解けて亀裂に流れ込み、水がその重さでくさびのように作用して棚氷が割れた」ことが分かったのです。
同チームのテッド・スキャンボス博士は「厚さが約200メートルある棚氷でも、表面にできた深さ5〜15メートルの亀裂に水が流れ込むだけで割れてしまうことが判明した。棚氷は従来考えられていたより、はるかに崩壊しやすい」と指摘しています。
崩壊すれば数メートル以上の海面上昇をもたらすとされる南極最大のロス棚氷付近も、最近では夏の気温が氷点下4〜6℃まで上昇しており、同博士は「崩壊の瀬戸際に近づいている」と話しています。
南極の面積は日本の約40倍です。そこに平均2500メートル、最大4200メートルの厚さの氷が乗っています。しかもその85%が陸上にあって、全部が溶けてしまうと海面が60メートルも上昇すると言われています。
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ごみ固形燃料施設4分の1で事故・・・・消防庁
2003.10.27 |
総務省消防庁は21日、三重県多度町で8月に起きたごみ固形燃料(RDF)発電所の爆発事故を受けて、ごみ固形燃料関連施設の実態を分析した再調査の結果をまとめた。
全国の関連施設は42都道府県の計246か所に上り、うち約4分の1に当たる66か所で火災などの事故が起きていたことが明らかになった。
2003.10.22 読売新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
RDFとは、家庭などから出た「燃えるごみ」を原料にしてつくった燃料で、Refuse(ごみ) Derived(由来する) Fuel(燃料)の略称です。RDFは、通常含水率を10%以下にし、さらに、通常の取り扱いで粉化しない堅さを保つため石灰を2%程度混入することで円柱状(直径10〜20mm 長さ30〜50mm)に成形されています。
RDFは、材料となるごみと比較して、次のような特徴があるとされています。
・乾燥し、水分を少なくするので、重量が約1/2になる。
・圧縮するので、体積が約1/5になる。
・乾燥・固形化することにより、腐りにくくなる。
・輸送性や貯蔵性に優れている。
・水分が少なくなることから、発熱量が増加する(ごみ:約2000kcal/kg、
RDF:約4000kcal/kg)
ところが、この8月に三重県多度町の施設で爆発事故が発生してしまいました。8月19日の事故では、5日前に爆発した発電所内のRDF貯蔵庫が再び爆発し、消火作業中の消防士2人が死亡しました。まだ原因は完全に特定されていませんが、三重県が設置した「ごみ固形燃料発電所事故調査中間報告書(9月16日発表)」によると以下のような可能性が指摘されています。
@今回の試験結果によると、RDFが水分を含んだ場合には、好気性発酵により温度が
60℃程度まで上昇することが確認された。堆肥製造等の類似の発酵現象においては、
93℃に至ることも報告されている。
ARDFの温度が上がると有機物の熱分解が促進される。生成される低分子有機化合
物の酸化反応による発熱が放熱を上回ると、蓄熱により温度が急激に上昇して発火
に至る可能性がある。
BRDF中のカルシウム等無機物の反応は、低温域での温度上昇に関与する可能性が
ある。
C鈴鹿市内に保管中のRDFからも発熱していたことから、機械的な摩擦熱は今回の事
故要因から排除できると考えられる。
以上のことから、RDFの保管中にある程度の高温になった場合、そのまま放置すると有機物の自己発熱によりさらに温度が上昇してやがて発火に至ることが考えられる。
そして爆発要因のについては、RDF貯蔵槽において8月14 日及び19 日に発生した爆発の要因については、@微生物発酵、有機物の熱分解反応、或いは炭化物と水との接触による水性ガ
ス化反応による可燃性ガスの発生と引火、A高温の物質と水との接触により発生した水蒸気の関与、B貯蔵槽内でブリッジを形成したRDFの崩落、等が考えられる。
これらの要因の解明には、事故前の状況等についてのデータを個別に検証していく必要がある。
事故要因の究明もさることながら、早急に未然防止の対策を立てなければなりません。
そこで総務省消防庁は、RDFの関連施設の事業者に対し、地元の消防機関にRDFの原料の種類や取扱量などを事前に届け出るよう義務づける方針を固めました。年内にも関係政令などを改正し、消防法に基づく「指定可燃物」にRDFを追加し、地元の消防機関への事前届け出制を導入します。
また、指定後は一定量以上のRDFを保管する場合、自動火災報知設備を設置する義務が生じます。これに伴い、RDFの原料に応じた管理方法を定めて、消防庁の「指定可燃物」の安全基準に盛り込み、事業者に安全管理を徹底させます。
さらに、RDFの保管場所に温度計などの計測装置を設置することを安全基準に盛り込み、義務づけることも検討しています。なお多度町の発電所には、温度計が設置されていませんでした。環境省が事故後に全国の66のRDF関連施設を対象に行った調査でも、製造施設の約4分の1が温度計などの計測機器を設置していないことが判明しています。
消防庁によると、RDFの製造工場や貯蔵庫などの関連施設は全国に計200か所あります。しかし、消防本部などへの届け出対象は、燃焼温度が高い廃プラスチックが含まれるRDFを取り扱う施設の一部だけです。多度町の発電所を含む大部分の施設は届け出義務がなく、「防災上の盲点」となっています。
このように、RDFの安全性に対する見直しが叫ばれていますが、他の環境に優しいとされている設備はどうなのでしょうか。例えば「生ごみ発電のメタン発酵設備」なども爆発の可能性は皆無ではありません。それどころか、管理が不適切であれば、爆発事故があって当然とも言えます。少しでも可能性がある設備の関係者は、今回の事故を「他山の石」として十分なチェック体制と安全システムの完備を図らなければなりません。
ところで、RDFそのものは本当に環境に優しいのでしょうか。
RDFは「ごみを完全燃焼させるのでダイオキシンが発生しにくい」と説明されていますが、実は重大な問題があるのです。完全燃焼を維持するには、24時間連続運転が必要になります。24時間連続運転するということは、「ごみが足らなくなっては困る」ということです。これは明らかに「循環型社会」の理念に反します。RDFに代表されるサーマルリサイクルは、「燃やす物を最小限にする」ということが大前提でなければならないと思います。「コストを考えればごみはどんどん燃やせばいい」という考えは、資源の節約や循環に対する創造力を奪うという意味で、人間の思考停止に至る道であるように思います。他にも、「二酸化炭素が発生する」「栄養を破壊する」「食物連鎖を切断する」「(ごみに含まれる)水銀や鉛などの重金属が飛散する」など、物を燃やしてはならない理由がたくさんあります。
また大量のごみを確保するために、広域的なゴミ収集がなされます。一般道をごみ収集トラックやRDF運搬車輌が行き交うことになります。交通事故の心配をしなければならないし、排気ガスによる一酸化炭素、二酸化炭素、粒子状物質による大気汚染や、その中に含まれる発ガン物質・環境ホルモンの問題もあります。いくらダイオキシンを発生しない設備を造ったとしても、ごみ収集車が発ガン物質をまき散らすのであれば、まさに茶番です。
やはりこれからは、「発生したごみをどうするか」ではなく「ごみを発生させないためには元を絶たなければならない」という発想が求められます。それには「自分一人くらい構わないだろう」ではなく、「自分一人から実践しよう」という決意が必要です。
ここではごみ問題を例にあげましたが、環境問題の解決は、私たち一人ひとりの生き方が問われているのです。
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WWF、電力会社のCO2削減「脱原発でも可能」と提言
2003.11.3 |
WWF(世界自然保護基金)ジャパンは31日、日本の電力会社が脱原発を進めても、石炭から天然ガスへ発電燃料を転換し、風力発電など自然エネルギーの利用を高めることなどで、日本の電力会社が排出する二酸化炭素(CO2)を2020年に2000年比で20%削減できるとする新たなエネルギー政策を提言した。
WWFによると、現行レベルで推移した場合、20年の電力部門のCO2排出量は2000年比で16%増加する。これに対して、WWFは発電量に占める燃料の割合について、石炭を2000年の22%から20年に7%に下げるとともに、天然ガスを23%から34%、風力などを2%から8%に増やせば、原子力は逆に30%から26%に下げられると指摘。20年までに約1兆円のコストがかかるが、「不要になる燃料費や原発の建設費などで相殺できる」としている。
CO2を排出しない原発について、政府と電力会社は温暖化防止のため、15年までに新たに19基を建設する計画だが、WWFは「原発は依然として危険で制御することが難しい。放射性廃棄物の処理問題も未解決のままだ」と批判。「原発は現在建設中のもの以外は建設せず、寿命とされる40年間を経過した時点で廃止すべきだ」と、脱原発を提言している。
OECD(経済協力開発機構)23カ国の中で、原発への依存を高めているのは日本と韓国だけで、「世界の原発は衰退に向かっている」とも指摘している。
2003.10.31 毎日新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
私はよく原子力発電所建設の是非についての意見を求められますが、答えははっきりしています。「建設できない」です。科学的根拠や地震やテロなどのリスクの大きさはもちろんですが、それらのことよりもライフサイクルアセスメント(LCA)の観点からです。
原子力発電のメリットとして発電コストが安いと言われていますが、あくまでも発電時のみの話です。建設時の所要エネルギーや送電ロスなどを考えると、結果として膨大なCO2を排出していることになります。
しかし、これですらかすんでしまう重大な事実があります。それは「廃棄時に要する莫大なコスト」です。
つい最近、たとえば、原発の使用済み核燃料を再処理する青森県六ケ所村の工場などの解体関連費用や廃棄物の埋設処分費が、総額2兆3600億〜2兆4800億円に上ることが、総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)の小委員会に電力業界が示した見積もりで明らかになりました。この結果、1キロワット時当たり5円90銭といわれる原発の発電単価は、単純計算で21銭上昇します。
具体的には「操業停止後の2047年度に解体を始め、32年間で作業を終える前提で計算したところ、工場や関連施設の解体工事費は1兆100億円、廃棄物の処理や輸送などのコストは6000億円になる。施設解体や再処理過程で生じる放射性廃棄物の一種で、地下に埋設処分する超ウラン元素(TRU)廃棄物は、発生総量を1万8000立方メートルと計算。放射能濃度に応じて埋設深度を変えるため、費用は7500億から8700億円と見積られる」ということです。
これだけでも途轍もないコストですが、埋設される核廃棄物がすぐに無害になるわけではありません。地殻変動や放射性物質の溶出リスクを後世に負の遺産として残すことになります。ここで、「核廃棄物を無害化できない」というのは、「廃棄物を処理するためには無限の資源・エネルギーと無限のコストを要する」という意味と同意なのです。すなわちLCAの観点に立てば、「お話にならない」ということです。
もちろん太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーもLCAを充分考慮し、トータルで判断しなければなりません。
近年「環境経営」の重要性が高まっており、「資源採取から、生産、流通、そして廃棄までに要する環境負荷をトータルとして考慮する」というLCAの導入が進んでいます。製品間あるいは企業間の評価指標にもなっています。ところが発電の議論にはLCAの観点が欠落しています。どうしてでしょうか。皆さんも考えてみてください。
問題点として、LCAの「廃棄まで」という教科書的な定義に甘え、「廃棄後のこと(完全無害化、拡散、紫外線や他の化学物質などとの遭遇と反応・複合作用、生物濃縮など)」を無視していることがあげられます。これは水俣病やフロンによるオゾン層破壊の例を見れば明らかです。「廃棄まで」に限定すると、原子力は大変優れた発電方法として評価されることになります。LCAの範囲を「ゆりかごから墓場まで」から「ゆりかごからゆりかごへ」と拡張する必要があるでしょう(11月10日追加)。
今言えることは、「大量生産・大量消費・大量輸送の社会を前提にしたものであれば、どのような発電方法でもいずれ問題を生じる」ということです。やはり「徹底した省エネ・省資源社会(持続可能な社会、循環社会)のビジョン」を明確にし、それにふさわしいエネルギー・ミックス(地域の特性に応じた発電方法の組み合わせ)を考えるべきではないでしょうか。
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スーパーの生ごみ処理施設で爆発
2003.11.10 |
11月5日午前4時55分ごろ、神奈川県大和市下鶴間、複合商業施設「イオン大和ショッピングセンター」内にあるスーパー「ジャスコ大和鶴間店」の警備員から、「生ごみ処理施設から白い煙が出ている」と110番通報があった。
大和市消防本部の消防署員と大和署員が駆け付け、店舗1階南側の生ごみ処理室(約135平方メートル)近くで消火の準備をしていた午前5時10分ごろ、突然、処理室内で爆発が起きた。この爆発で、処理室のコンクリート製の外壁が高さ約5メートル、幅約20メートルにわたって吹き飛び、消防隊員大石富雄さん(53)が爆風を受けて顔や胸に大けが。ほかに消防署員8人と大和署員1人、警備員1人の計10人も顔などに軽いけがをした。
処理室内には、店の食品店から出る野菜や肉などの生ごみを発酵させて肥料を作る生ごみ処理機があり、24時間稼働していた。大和署は、室内で何らかのガスが発生、爆発したとみて原因を調べている。
吹き飛んだ処理室の外壁は敷地外周のフェンスを押しつぶし、周囲約20メートルにわたって飛び散り、爆発の大きさを物語っていた。
2003.11.5 読売新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
やはり恐れていたことが起こってしまいました。
前々回(10月17日付)のこのコーナーで、次のようなコメントを書きました。
このように、RDFの安全性に対する見直しが叫ばれていますが、他の環境に優しいとされている設備はどうなのでしょうか。例えば「生ごみ発電のメタン発酵設備」なども爆発の可能性は皆無ではありません。それどころか、管理が不適切であれば、爆発事故があって当然とも言えます。少しでも可能性がある設備の関係者は、今回の事故を「他山の石」として十分なチェック体制と安全システムの完備を図らなければなりません。
この際、予想が当たったことは問題ではありません。事故や惨事は「予期しないことが起こったときに発生するもの」です。しかし、本当に予期しないことが起こることは極めてまれです。謙虚に可能性を検討すれば、たいていのことは予想できるのです。今回の事故も、かなりの人が予想していたはずです。しかし、「考えすぎだよ」「いままで何も起こらなかったから、これからも大丈夫だよ」という根拠のない声に負けてしまったのだと思います。
確率論でいくら発生率がゼロに近くても、前提条件(例えば決められた手順を守る限りにおいてなど)が崩れると、発生率は限りなく100%に近くなります。一部の専門家だけでなく、現場を含む多数の人の意見を聴くシステムを構築する必要があるのではないでしょうか。
ところで、総務省消防庁は、家庭などから出る生ごみの危険性について、来年度から本格的な調査・研究を始める方針を固めました。
消防庁と独立行政法人「消防研究所」が共同で、生ごみの種類や組み合わせ別に、〈1〉発酵した際に生じる可燃性ガスの種類や量〈2〉発熱に至るまでのメカニズム――などを重点的に調べるということです。消防庁は調査結果に基づき、生ごみの貯蔵や保管に関して法的規制を新たに設けることも検討しています。
この理由として、「生ごみ自体は発火の危険性が低く、消防法に基づく届け出などの規制の対象にはなっていない。しかし、最近は、生ごみを圧縮して作るごみ固形燃料(RDF)用として、大量の生ごみを屋内で長期保管するケースが出てきた。また、人為的に生ごみを発酵し、肥料の原料などとして再利用する例も増えている」などをあげています。
来年度と言わず、今すぐ始める必要があると思いますが・・・・・。
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ゴミ拾う客に千円券振る舞う、悩める大阪・アメリカ村
2003.11.17 |
大阪・ミナミのアメリカ村の商店主らでつくる「アメリカ村の会」(森本啓一会長)は16日から年内の毎週土、日曜、一帯でゴミを拾った買い物客らに1000円分の金券を渡すキャンペーンを行う。
後を絶たないポイ捨てに「アメ村がゴミまみれになる」と危機感を募らせての苦肉の策。だが、量の多少にかかわらず金券に換えるという“大盤振る舞い”には「金券で解決を図るのはいかがか」と首をひねったり「金券ほしさに自分でゴミを作る不心得者もいるのでは」と危ぶんだりする声も出ている。
2003.11.14 読売新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
同会などによると、アメ村には洋服店や飲食店など約2500店があり、休日には10万人以上が訪れるそうです。しかし、路上のゴミ箱は約150個しかなく、灰皿も少ないため、休日の翌朝などは、路上にゴミがあふれている状態です。
ゴミ拾いイベントは、同会内で環境問題に取り組む「エコアンドミュージック実行事務局」が企画しました。金券は、加盟店主らの会費から100万円をねん出して、千円券1000枚を準備しました。期間中に足りなくなれば、額面を減らしてでも追加するとしています。
イベントの内容としては、まず16日、アメ村で行う音楽演奏などの催しの観客で、周辺のゴミを拾った人だけに金券を配ります。22日以降は土、日曜だけの特設総合案内所(大阪市中央区西心斎橋1、トムズハウス内)で、専用ゴミ袋を配り、受け取った人が拾ったゴミを袋に入れて渡せば、金券1枚と交換します。
金券は同会に加盟する約150の洋服店などで、今年末まで通用。使えるのは1回の買い物について1枚で、釣り銭は出ません。
実行事務局は「怖く、汚いアメ村と言われたくない。多くの人が参加すれば配る額も増えるが、村を盛り上げる起爆剤になれば」と“一石二鳥”の効果を期待しています。「自分で出したゴミを持ち込む人もいるのでは」との声にも、事務局は「良心を信じるしかない」としています。
これには賛否両論あると思いますが、私は美しい街づくりの第一歩として意義あることだと思います。
心のこもっていない運動は意味がない、という意見が予想されます。しかし、初めは「お金が儲かる」という動機(本音)でもいいと思います。「街が美しくなれば、心が穏やかになり、心が穏やかになれば、環境をきれいにしようと思う、そしてもっと街が美しくなる」という素晴らしい循環が生まれると私は信じています。いじめの問題なども少なくなるかもしれません。
日本には「形の文化」があります。初めの内は邪心があったとしても、実践している内に心が入ってくるものです。喧嘩に勝つために空手を始めた人が、いつの間にか喧嘩を止める側に回っているようなものです。非難しながら何も行動しない人より、遙かにましでしょう。
社会には様々な人たちがいて、多様な価値観で生活しています。かなり泥臭い世界です。自分の思い通りに動いてくれるはずがありません。確かに心のこもった実践は非常に大切なことですが、この現実社会を前提としたシステムや制度も絶対に必要です。そのためには、環境配慮の意識があろうとなかろうと、「結果として」環境負荷を低減するような行為を奨励するような仕組みが数多く必要と考えます。
その仕組みの中で有力なのが、すでに欧米で採用されている「デポジット制度」でしょう。デポジット制度とは、飲み物の缶やびんに預かり金を上乗せして販売し、容器を返すと預かり金を返却する制度のことです。たとえばドイツでは、飲料容器のほか、洗剤や塗料の容器にも適用されています。
日本でもビールビンでデポジットに似た保証金制度がありますが、正式な制度にすべきでしょう。その際、1本当たり10円ではなく100円くらいにすればいいと思います。ただし、環境負荷が最小になる容器が選択されるような課金体系にすることが必要です。
実際には先払いしたお金が返ってくるだけですが、「何か得したような気がする」と思うのは私だけでしょうか。反対に考えると、「返さなければ100円損する」わけですから、やはりリサイクルへの動機付けにはなると思います。アメリカでは、貧困家庭の子供たちが町中のビンや缶を拾い集めた結果、街が随分きれいになった事例があるようです。
ゴミのないところにはゴミを捨てにくく、ゴミが散乱しているところにはゴミを捨てやすい。
どうやらこの「心理」は「真理」のようです。
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回収ペットボトルを再びボトルに
2003.11.17 |
帝人は、回収したペットボトルから再びペットボトルの原料を製造する工場を徳山事業所(山口県周南市)内に建設し19日、しゅん工式を行った。
帝人によると、使用後の製品を原料にして再びペットボトルを作る完全循環型のリサイクル事業は世界で初めて。石油から作られる従来の製法に比べて、必要なエネルギーの排出量を削減できるという。
新工場は回収ペットボトルを高純度のポリエステル原料に戻す現在の工場を増強。同原料を加水処理して、石油から作るのと同じ原料を作る工程を新設した。500ミリリットル容器で約20億本に相当する年間約6万2000トンの回収ボトルから、約5万トンのボトル原料を製造する計画。投資額は合計で約100億円。
この日のしゅん工式には、長島徹社長ら約100人が出席。新工場は来年初めから製品を出荷する。長島社長は「来年度後半から海外にもこの技術を広めていきたい」と話している。
2003.11.19 共同通信経済ニュース速報
■ワンポイント解説
これはこれで循環型社会構築のための第一歩としては、有意義なことだと思います。ただこの方法は、最終目的ではありません。
ペットボトルを代表とする容器の種類が、目を覆いたくなるほど増えています。中身で差別化できないので、「目先のデザインでしか勝負できない」ことを暗に認めているとしか思えません。これでは、単品としての環境負荷を減らしたとしても、業界全体ひいては社会全体では大幅に増えることになります。
ボトルからボトルへという方策は、その前提として(業界を超えた)「デザインなど容器形状の統一化」「使用素材の統一化」「主要部品の統一化」などが必要であることは言うまでもありません。総環境負荷の低減のためには、輸送距離の最短化が絶対条件です。つまり、すぐ近くの工場で再生処理することが不可欠なのです。
やはり、何十回も使えるリユースボトル化を目指すべきでしょう。さらに究極的には、ボトルそのものを使用しない方式、例えば詰め替え式やマイカップ方式を普及させるべきだと思います。
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温暖化は人間活動が原因と米専門家が分析
2003.12.6 |
現在観測されている地球の温暖化は、人間の活動による温室効果ガスの排出量の増加が主要な原因であることが確実だとの分析結果を、米大気研究センター(NCAR)と海洋大気局(NOAA)のグループが発表した。論文は12月5日付の米科学誌サイエンスに掲載された。
NCARのケビン・トレンバース博士は「今の傾向が続けば、今後干ばつや洪水など大規模な気象災害が多発する可能性が高まる」と警告。各国が排出削減努力を強めるよう求めた。
「温暖化が人間活動の結果かどうかは分からない」として京都議定書を否定するブッシュ米大統領にとって、自国の著名な研究者の指摘は、耳の痛いものになりそうだ。
2003.12.3 共同通信ニュース速報
■ワンポイント解説
研究グループは、1860年ごろから現在までの世界平均気温の変化、大気中の二酸化炭素や細かいすすの量などのデータを分析。自然の変動や太陽活動の影響では、1980年以降観測されている平均気温の急上昇傾向は説明できず「人間活動により、大気の組成が変化したことが原因であることは間違いがない」と結論付けています。
グループは「2100年には1990年より、最大で約5度も気温が上昇する」と予測しています。また「温度上昇が一定のレベルを超えると、気象災害などの規模や発生頻度が急に大きくなることが考えられる」としています。
さて、地球温暖化が環境問題として取り上げられ始めたころから、「温暖化は長期的な自然の気候変動に過ぎず、人為的な温室効果ガスの排出の結果とは考えにくい」という説が一部で主張されてきました。日本でも温暖化は「太陽活動など自然変動が原因」と主張している人もおられます。
この説にもそれなりに根拠があり、どのように主張するのも自由です(おそらく、複合原因でしょう)。しかし、私たち人間が責任を放棄したり、何もしなくてもいい理由に利用することだけは避けたいものです。
最近、この記事のように「人間活動が主原因である」という説が強まってきました。「太陽活動や自然変動を加味しても、最近の温暖化傾向は説明できない」というのです。
2001年1月にIPCCが発表した「地球温暖化第三次レポート」でも、「人為的に排出された温室効果ガスが温暖化を引き起こしているという強い証拠が認められる」と人間活動が主な原因であることが示されています。
では、どのように人間活動が影響しているのでしょうか。
「夏は涼しく、冬は暖かく過ごしたい」「もっと速く、もっと遠くまで移動したい」「もっとおいしいものを食べたい」。
このように人間は、自然のあり方とは反対方向に進もうとしているようです。
自然と反対の方向に進もうとするから無理をする。無理をするとき、人間の力では限界があるからたくさんのエネルギーを使う。エネルギーを使うと二酸化炭素が増え、温暖化が進む。確かに二酸化炭素の排出量は、経済や生活のレベルが上がるほど増えています。
経済や生活のレベルを上げるということは、便利快適を追求し続けるということにほかなりません。やはり、地球温暖化の根本原因は、とくに先進国の人間の便利快適志向にあるようです。ひとり当たりの二酸化炭素の排出量を見ても、先進国はインド・中国などの十倍から数十倍も多いのです。
日本は過去40年間で電気の消費量が20倍、自動車の数が50倍も増えました。
しかも、先進国はさらに経済拡大を目指し、発展途上国も先進国に仲間入りしようと「追いつき、追い越せ!」をスローガンにして頑張っています。このままでは、地球温暖化のスピードがますます速まることは確実です。
「人間活動が原因=人間が悪い」。
否定的に考える人は、このように結論づけるでしょう。「人間がいなくなればすべて良くなる」と考える人もあるでしょう。
しかし、私は「人間活動が原因」という説を聞くと、希望の光が見えてくるのです。「自然現象が原因であれば、人間は何もできず、ただ状況の進行に任せるだけ」ですが、「人間が原因であれば、人間が解決できる」ことを意味するからです。これは素晴らしいメッセージだと思います。
今私たちに必要なのは、地球温暖化ひいては異常気象の責任を自ら引き受ける勇気と、解決に向けて知恵を出し、行動する実践力ではないでしょうか。
※IPCCとは、「気候変動に関する政府間パネル」のことで、1988年に国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)が共同設立した国連組織のひとつ。1000名を超える世界の科学者が集まり、1990年に地球温暖化を予測、1995年には『地球温暖化第二次レポート』を、2001年には『同三次レポート』を発表した。
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温暖化でサンマがやせる可能性
2003.12.15 |
水産総合研究センター・東北区水産研究所の伊藤進一室長らのグループは、「地球温暖化に伴って北太平洋の水温が1度上がった場合、えさが減ってこの海域に生息するサンマが今よりも10グラムから20グラムやせる可能性がある」というシミュレーション結果を発表した。
2003.12.12 NHKニュース速報
■ワンポイント解説
北太平洋の親潮の海域は海面付近の海水が冬に冷やされて重くなり、下へ沈み込んでリンなどの栄養塩を多く含む深い層と混ざり合う現象が起きています。これによって魚のえさになるプランクトンが豊富になり、サンマやマイワシなどの成長の場になっています。
しかし、温暖化の影響で水温が上がったり塩分濃度が薄くなったりすると海水が軽くなって深く沈み込まなくなり、えさが減ると予想されるため、研究グループでは海水温が1度、上昇した場合のサンマの成長を計算しました。
その結果、栄養塩やプランクトンの量が今よりも5パーセント減り、漁の時期に150グラムほどあるサンマの体重が10グラムから20グラムやせる可能性があることがわかりました。
研究グループによりますと、すでにこの海域では過去20年余りで海水の密度が変化し、栄養塩とプランクトンが減少傾向にあるということで、伊藤室長は「北太平洋の環境の変化は温暖化の影響である可能性が高く、今後、サンマの体重や資源量そのものが減るという予想もしなかったことが起きるおそれがある」と指摘しています。
この他にも、温暖化の影響で水産資源が減少しつつあります。
たとえば、アメリカのカリフォルニア州沖の太平洋で最近約40年間に、海水の温度上昇が引き金となってプランクトンの数が80%も減っていたことが分かりました。付近の海域を調べてみると、プランクトンが減っているところの水温が、1.1〜1.7℃高くなっていました。水温の上昇は、海面から深さ180メートルのところまで起きていて、海面に近いほど温度が高くなっていたのです。
減少の原因は「海底から湧き上る湧昇流が、海面まで届かなくなったから」です。この湧昇流は比較的温度が低いのですが、通常の海面温度であれば海面付近まで昇ってきて、プランクトンにミネラルなど栄養分を補給します。しかし、海面の温度が高くなると上昇できなくなり、プランクトンの栄養が絶たれてしまうことになるのです。
温暖化以外でも、オゾン層破壊による有害紫外線の増加、水質汚濁や酸性雨による過栄養化、森林伐採による河川からの栄養分の流入不足、乱獲など様々な要因で、海洋生物の生育環境が悪化しています。当初はプランクトンの減少となって現れますが、食物連鎖を通じて、より上位の大型魚やイルカ・鯨などにも大きな影響を与えてしまうことになるのです。
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林業に”新鮮力”、就労の9割が転職組
2003.12.22 |
高齢化が深刻な林業に、都会の若者や働き盛りの30〜40歳代の転職者が増えている。林野庁によると、昨年度の新規就業者約2200人の9割が、他業種からの転職組だった。
林野庁などが主催した昨年と今年の林業就業相談会には計約1万2000人が来場する人気ぶり。不況で失業した人や仕事に追われることに嫌気した会社員など、自然の中でゆとりとやりがいを求める人が多いという。林野庁では来月、全国各地で3回目の就業相談会を開く予定で「厳しい仕事だが熱意を持った人に来てほしい」と若い力に期待している。
2003.12.13 読売新聞ニュース速報
■ワンポイント解説
林野庁によると、1975年に約18万人だった林業従事者は現在、約6万人にまで減少しています。65歳以上が4分の1を占めており、高齢化などで年間約6000人も辞めるということです。
こうした中、新規就業者は昨年度、5年前より35%増えて約2200人に上ります。失業者も含め約9割が他業種からの転職で、U・Iターンも3割近い状況です。林野庁では「以前は山の所有者や農家出身の人が多かったが、ここ10年間で労災保険などの社会保障も整い、全く林業に縁のない人の就業が増えた」と話しています。
林野庁や全国森林組合連合会が昨年1月、初めて全国規模の林業就業相談会を開いたところ、東京など11会場に計5600人が来場しました。今年1月の相談会も、14か所で計6700人が詰めかける盛況ぶりで、順番待ちの行列が出来る会場もあったようです。
少しでも早く“戦力”になってほしいと、林野庁は今年度、林業希望者に実地研修を行う「緑の雇用担い手育成対策事業」を始めました。約2400人の研修生のうち約半数は50歳未満です。
ただ、炎天下での下草刈りなどの重労働も多く、3年間で新規就業者2、3割が辞めるということです。日給制が多く、雨などで作業が出来ないと直接収入に響きます。「20日で20万円ぐらいの給料。さらに雨が降ると手取りが減る。奥さんがアルバイトの仕事を探す人もいるが、都会と違ってなかなか見つからない」とある研修生が語っています。
地球温暖化対策などの環境面で、森林の保護や育成の必要性が高まっているだけに、林野庁では「待遇面などで改善も進め、やる気のある人の定着を図っていきたい」としています。
◆ダウンシフターを狙え!
ダウンシフターは「減速生活者」のことで、「浪費と働きすぎの悪循環を断ち切り、精神的に豊かでゆとりある生活を楽しもうとする人たち」のことです。
ダウンシフターは豊かな先進国にしか存在しないといわれています。価値観の最大の特徴は、「今の自分の生活には無駄なものが多すぎる」「多少収入が減ってもゆとりのある生活がしたい」と思っていることです。「裕福で高い購買力を持ちながら、あえて消費しない」というある意味で「足るを知る」人々といえます。
ダウンシフターは、すべての消費を悪と考えているのではなく、「自分にとって価値あるもの」ならば出費を惜しまない傾向があるようです。この層に対して、「自分にとって価値あるもの」としての活動拠点を提供することが林業復活のひとつの鍵と思われます。
◆緑の雇用担い手育成対策事業
森林組合などに委託し、研修生に枝打ちや植え付けなど約30項目の専門技術を身につけてもらおうというものです。期間は1年で、終了後は研修先の森林組合などに就職します。林野庁では労災保険や機材のリース料などを補助しています。
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企業の環境対策を格付け
2004.1.1 |
企業の環境対策を総合的に格付けし、積極的な取り組みをしている企業には貸出金利を優遇する新融資制度を、政府系金融機関の日本政策投資銀行が邦銀で初めて来年4月に導入することが、12月27日までに決まった。企業の環境問題への取り組みを金融面から後押しするのが狙い。
環境問題への取り組みは、実際に温室効果ガスやゴミを大量排出 する製造業が先行。投融資を通じて企業行動に大きな影響を与える金融機関の取り組みは遅れていた。政策銀は格付けのノウハウを公
開し、他の民間金融機関にも導入を促したい考えだ。
2003.12.27 共同通信経済ニュース速報
■ワンポイント解説
政策銀が導入する環境格付けは、「温室効果ガスやゴミなどの排出効率が改善しているかなど127項目の評価項目を設定し、250
点満点で企業を採点する」というものです。得点に応じてA、B、C、不合格の4段階に分けて、貸出金利に差をつける。私募債への保証も行います。
中堅・中小企業には大企業より合格ラインを低く設定、ゴミ排出量など数値目標が未達成でも改善を約束すれば加点するなど配慮しています。
融資対象は、環境保全に役立つ設備投資だけでなく、リサイクル費用などの運転資金も対象とする方針です。
欧米では、企業の社会貢献や環境対応を重視する社会的責任投資 (SRI)の考え方が浸透し、その取り組みが株価を左右するまでになっています。日本でも銀行や保険会社がSRI型投資信託を設定、投資家が環境対策に積極的な企業に投資できる動きが出てきています。共同通信は、「これに加え銀行が環境対応で融資する企業を選別すれば、企業の環境問題への取り組みが一気に進む可能性がある」としています。
この記事のように、最近、企業を環境の観点から評価し、公表しようという「環境格付け」が行われています。わが国では、1997年から日本経済新聞社が始めた「環境経営度調査」が有名ですが、ここに来ていくつかの機関が本格的な「環境格付け」を実施し始めています。
この格付けによって、株価や企業イメージひいては収益性にも影響するため、企業における環境経営に対する意識が非常に高まっています。
私は「(単独)企業の格付け」に加えて、「業界格付け」が必要ではないかと考えています。たとえば、ペットボトルを代表とする容器の種類が、目を覆いたくなるほど増えています。中身で差別化できないので、「目先のデザインでしか勝負できない」ことを暗に認めているとしか思えません。これでは、単品としての環境負荷を減らしたとしても、業界全体では大幅に増えることになります。もちろん容器だけでなく、あらゆる業界で総環境負荷が増えていると言えます。
この状況を打開するには、業界全体としての総環境負荷の増減比率についての「業界間比較(格付け)」が必要だと思います。これに対応するために、「ペットボトルなど容器の統一化」「使用素材の統一化」「主要部品の統一化」など、業界標準を決めざるを得なくなるでしょう。そうすれば、業界の総体である産業界全体の総環境負荷を低減することができるのではないでしょうか。
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国交省など、東京湾でごみ埋め立て場を森に
2004.1.12 |
国土交通省は、東京湾内のごみの埋め立て処分場に間伐木などを植えて森林にする「臨海部の森づくり」事業に本格的に取り組むことを決めた。国交省は本年度中に臨海部での植林技術や
森づくりへの市民参加の在り方などを定めたガイドラインを策定する。
ごみの埋め立て処分場は、地盤が緩くガスが発生するなど工業用地としての利用が困難で、遊休地となっているケースも多い。遊休地を森にすることで首都圏では貴重な自然観察などの環境教育の場として活用したい考えだ。
事業対象は東京港中央防波堤の埋め立て地約90ヘクタールで、事業主体の東京都が2005年度にも着手する予定。都の23区内で最大の人工林とされる明治神宮の森(46ヘクタール)の約2倍の規模となる。
国交省は2002年12月、東京湾内の大井ふ頭中央海浜公園で間伐したクスノキなどの根株を埋め立て地に移植する実験を開始。強風にさらされる臨海部の厳しい環境でも樹木が育つように、よく似た環境で育った根株を活用した。移植した23本のうち20本で新芽が確認されるなど、順調に生育しているという。
2004.1.4 共同通信ニュース速報
■ワンポイント解説
バブル崩壊以来、大都市の臨海部では工場の閉鎖や大規模プロジェクトの縮小や廃止が相次ぎ、広大な遊休地が生まれています。また、リストラという名を借りた「大量の人減らし策」により、多くの労働者が工場を去りました。さらにこの記事のように、ごみの埋め立て処分場が各地で造成されています(大阪湾ではフェニックス計画が進行中)。
私は以前から、この遊休地と余剰?人員を大いに活かす方法として、大都市の臨海部に大規模な森林地帯を造成することを提案しています。何しろ森林の育成には数十年から数百年もの時間がかかるので、できるだけ早く着手する必要があります。
少し話がそれますが、皆さんに知っておいていただきたいことがあります。
それは「リストラの対象になった人々が、『人間』としての能力に欠けているということは絶対にあり得ない」ということです。
おそらく、現在の企業社会つまり比較・競争・猛烈社会についていけなかった、あるいはついていきたくなかったのでしょう。
私見ですが、リストラの対象者は、どちらかといえば動きがのんびりしていて、物事にじっくり取り組むような人たちが多いように思います。つまり一見するといわゆる「どんくさい」タイプです。
実は、このタイプの人たちこそ「農業や林業」に向いていると私は心から信じているのです。反対に、現在の企業社会でバリバリやっている人たちは「農業や林業」の社会ではリストラ対象者として真っ先にリストアップされるような気がします。
話を元に戻しましょう。
森林の育成と同時に、地下に完全クローズドシステム化された工場を建設するのです。この工場で使用する原料はすべて地上の森林から調達します。計画的に間引き材、落葉などを回収し、アルコール(バイオマス資源)や化成品・医薬品・食品の原料として使用するのです。
ここに集う企業(工場)群は、国連大学が提唱して話題になっている「ゼロエミッション構想」による連携を結ぶことが不可欠です。
ここで「ゼロエミッション」とは排出ゼロという意味です。簡単にいえば、「A社の出した廃棄物をB社の資材・原料として使い、B社の出した廃棄物がC社の資材・原料となり・・・・という企業連携をとり、廃棄物を環境に放出しない生産プロセス(システム)を構築すること」です。
同様の観点から、廃熱による企業連携も考えられます。
1000度が必要な工場→800度→600度→300度→100度→40℃→常温水といった具合です(カスケード利用)。
ゼロエミッションと廃熱による企業連鎖そして林業(農業・酪農業・漁業とも連携)が結合されたとき、持続可能に近いシステムが誕生したと言えるのではないでしょうか。
◆ヒートアイランド現象の低減
近年、大都市では地球温暖化に加えて、ヒートアイランド現象によって気温が上昇しています。たとえば大阪では、夏の気温が沖縄よりはるかに高く、最近では最高気温35度と聞いても驚かなくなってしまいました。
暑いのでクーラーを使う→その結果、廃熱で室外(となり近所)が暑くなり、クーラーを使う→周辺一帯が更に暑くなり、クーラーを強力にする。こんな悪循環に陥ってしまっているようです。
ところで樹木は、蒸散作用の際に気化熱を奪うことで周囲の気温を低下させ、また呼吸の際に汚染された大気を吸収し、浄化します。臨海部に大規模な森林を造れば、大都市の気温が低下し、清浄な空気も蘇り、生活環境が大幅に改善される可能性があります。
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環境省、河川などの健全性を示す指標策定へ
2004.1.17 |
環境省は来年度から、河川や湖沼など水環境の健全性を表す指標作りに着手する。水中の化学物質や化学的酸素要求量(COD)など水そのものの質の基準はあるが、水量や水生生物、景観など環境全体におよぶ客観的な基準はなかった。
同省は「人が求める理想の水環境は、水質だけでは成り立たない」と話し、今後、専門家による検討会を設置し、5年をかけて具体的な指標の開発を進める方針だ。
理想とされる水環境には「ホタルの舞う川」「子どもにやさしい川辺」「観光客が集まる湖畔」など、さまざまな表現がある。ところが、数値などで客観的に表現する評価手法はなかった。
同省は、水質だけではなく、水量、流れの速さ、護岸や水底の構造、景観、水生生物、水への近づきやすさ(親水性)なども、水環境の評価に深く影響していると分析。(1)再現性がある(2)恣意(しい)的ではない(3)客観的である――などを条件に、具体的な指標開発に着手することにした。
例えば、水量は川幅に対する水の深さや、橋から見下ろしたときの水の高さが印象を左右する。水生生物の基準では、魚や水生植物の種類などによる類型化が考えられる。また川岸のごみの有無や、岸辺の環境も影響を与える。指標ができると、「ホタルの舞う川」などの表現を数値で言い換えることも可能になる。
同省は「すべての水環境が満点を目指す、というものではない。身近な水環境を理想的な水環境に近づける活動をする際の参考に活用してもらいたい」と話す。
2004.1.11 毎日新聞ニュース速報
■ワンポイント解説
河川には、大量の生活廃水や産業廃水が流れ込んでいます。家庭からは、トイレの汚水と生活廃水と言われる台所やお風呂の水が排出されます。トイレからの汚水は、下水処理場や浄化槽である程度処理されますが、生活廃水は、多くの地域でまったく処理されずに河川にたれ流されているのです。この生活廃水の方が、トイレからの汚水よりも2倍以上も多くの有機物を含んでいます。これが下水道の普及の遅れも手伝って、人口の極端に集中している都会の河川に大量に流れ込んでいます。
また、上流にダムを建設することによって、水質が悪化することがあります。ダムを造ると水の流れが止まってしまいます。水は流れていないと十分な酸素が溶け込まなくなります。さらに、ダム湖には上流から運ばれてきた栄養分たっぷりの土砂が沈んでしまいます。そうなると自浄作用では対処できなくなり、水質が悪化してしまうのです。その水が下流に流れて行って家庭排水などと合流すると、自浄作用がまったく機能しなくなることは十分考えられます。
ここ10年ほどで都会周辺の川が少しずつきれいになってきているように見えます。魚が戻ってきた川もたくさん出てきています。しかし、安心してはいられません。以前はヘドロや藻の繁殖といった、黒色や緑色の目に見える汚染でした。
ところが最近の河川は、透明にみえてもダイオキシン類やPCB、有機塩素化合物、病原菌などが含まれていることがあります。そしてこれらの多くが、水生生物に蓄積して悪影響を及ぼし、ひいては私たち人間の健康被害などをもたらしてしまうのです。
また湖沼は、自然の状態でも徐々に汚れていきます。湖沼は陸地で囲まれているために、湖水が海のように大量には入れ替わらないのが特徴です。こういう水域を閉鎖性あるいは停滞性水域といいます。
このため、自然の状態でも周囲の山林から落ち葉などが流れてきて、リンや窒素が蓄積することになります。これに加えて最近は、人間が排出する生活廃水によって湖沼の汚染がどんどん加速されています。
たとえば、合成洗剤に含まれるリンや窒素、油や生ゴミに含まれる有機物によって栄養過多の状態、つまり富栄養化が進んでいます。富栄養化が進むと、藻やアオコなどが大量に繁殖して湖面が緑色に染まったり、真っ赤な赤潮が発生することになります。そして、それらが大量の酸素を消費して湖水が酸素不足となり、魚など水に棲む生物が死んでしまうのです。
この意味で、東京湾や大阪湾、そして瀬戸内海なども閉鎖性水域ですので、湖沼と同様に考える必要があります。
◆水域の自浄作用
川や湖などの水域には、入ってきた汚れを浄化する働きがあります。これを自然浄化作用とか自浄作用と言います。しかし、浄化するといっても限界(自浄限界)があり、それを超えると、次から次に入ってくる汚れがどんどん蓄積することになります。人口が極端に集中している大都会では、大量の生活廃水や産業廃水が河川や湖沼に流れ込んでいます。こういった廃水には有機物が大量に含まれています。
有機物はプラスチックとか石油などもそうですが、この場合は生ゴミやし尿のように、放っておくと腐ってしまうようなものと考えてください。このような有機物は微生物にとっての栄養となるので、水の中に排出されると、この栄養を求めて微生物が集まってきます。そして微生物が栄養物を食べるとき、酸素を消費するのです。
水中に溶けることのできる酸素(溶存酸素)の量は、多くても10ppm(水100キログラムの中に酸素が1グラム)くらいです。ここでppmというのは100万分の1を表すことを覚えておきましょう。100分の1を1%と言うように、100万分の1を1ppmと表します。
さて、酸素が十分にあるうちは問題は起こりません。
しかし水中に栄養分が多くなると、それだけたくさんの微生物が集まってきて、あっという間に酸素を使い尽くしてしまいます。魚や貝は毒によってではなく、酸欠で死んでしまうのです。その後で、メタンガスや硫化水素などが発生するようになるのです。私たちは、「栄養という大切なものを棄てて、貴重ないのちを失っている」ということに気づく必要があります。
このように、有機物の量が自浄限界を超えると、水が汚染されてしまうのです。
◆BODとCODの限界
水の汚れを表すのにBODやCODがよく使われます。いずれも水の中に含まれる有機物の量を示す指標です。
BODはBiochemical Oxygen Demandの略で、生物化学的酸素要求量といいます。
密閉ガラスビンに水を入れ、20度で5日間放置しておくと水中の酸素が減少します。この減った酸素の量をBOD値としています。これは水中の有機物を食べる際にバクテリアが酸素を消費するためで、水中の有機物が多いほどBOD値は大きくなります。
一般に、BODは河川の汚れの指標として使われています。ただし、BODは必ずしも水中の有機物の全量を表すものではありません。バクテリアによって分解しにくい有機物はBODとして表すことができません。人工の物質や木やパルプの成分であるリグニンなどがこの例です。
また、毒性の強い成分が含まれているとバクテリアが死んでしまい、BODの値が極めて低くなります。石ケンや洗剤などでBODの値が低いからといって、それだけで環境にやさしいとはいえないのです。
CODはChemical Oxygen Demandの略で、化学的酸素要求量といいます。
バクテリアではなく酸化剤を使って水中に含まれる物質を化学的に酸化して測定します。このとき減少した酸化剤中の酸素分をCODと呼びます。一般に、CODは湖沼と海の汚れの指標として使われます。
CODの値も酸化剤で酸化できない物質は測定できないこと、有機物でないものまで酸化されてプラスの誤差となることなど正確な有機物の量は測れません。
このようにBODやCODは問題があるものの、簡単に汚れを表せるので、よく使われています。
しかし実際には、「汚れそのものを表すものではない」ことに注意する必要があります。誤解を恐れずに言うと、あのアザラシの「たまちゃん」は、汚れのひどい川に来ているのではなく、栄養の多いところを求めて来ているといえるのです。もっとも、底に溜まったヘドロの近くに来ると危険ですが・・・・念のため。
何はともあれ、今回の記事のように、河川や湖沼の健全性を表す指標が確立されることは非常に有意義なことだと思います。
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木くずの有効利用で努力 5県知事ら盛岡でサミット
2004.1.26 |
間伐材や建築廃材など木くずの有効利用について考える「木質バイオマスサミット」が20日、盛岡市内で開かれ「木質バイオマス利用の意義をアピールし、社会に浸透させる努力を惜しまない」とする宣言を採択した。石油や天然ガスなどの化石燃料に代わる燃料
として普及を図るのが目的。
サミットには林業が盛んな岩手県など5県知事が参加。パネルディスカッションで、青森県の三村申吾知事が開発や運用する際に「コストが高いのが悩み」と述べるなど、コストの削減が課題になっているとの意見が相次いだ。
秋田県の寺田典城知事も「バイオマス発電をしても電力会社が電気を買ってくれない」と話し、特別な法整備が必要だとの認識を示した。
和歌山県の木村良樹知事は「バイオマス発電は環境に優しい。コストが高くても必要なんだと社会にアピールすることが大事だ」と強調。
高知県の橋本大二郎知事は森林環境税の導入を例に挙げ、環境保全の面からも利用の重要性を訴えた。
2004.1.20 共同通信ニュース速報
■ワンポイント解説
間伐材の利用については、様々な取り組みが提案されていますが、バイオマスエネルギーとしての価値を重視している場合が多いようです。バイオマスは、太陽光や風力発電と並ぶ新エネルギー資源として将来の期待が高く、政府も02年に「バイオマス・ニッポン戦略」を策定しています。
また北海道大と三菱重工業は、間伐材を使った次世代エネルギーシステム実用化に向け、研究成果の活用や人的交流を目的に2010年3月を期限とする包括的な連携協定を結びました。 昨年11月から「北海道森林事業活性化」を狙い、バイオマス燃料生産や二酸化炭素削減に関する共同研究を始めており、北大が持つ「東京ドーム1万4000個分」の研究林を実験場に、事業化と地域活性化の可能性を探るユニークな産学協力として注目されています。
木材利用のエネルギーシステムは国内山間地のほか、東南アジアなどの送電整備が遅れた地域での利用が期待されています。三菱重工は早くからバイオマスに注目し木くずを炭化して燃料にする発電プラントを開発しましたが、木材運搬経費など課題が多く、協力者を探していたということです。
協定は、分野をエネルギー、環境分野に限定せず、社会科学も含めた学際的な連携が可能です。なお北大が全学的な包括連携協定を結ぶのは、昨年の日立製作所に次ぎ2件目です。三菱重工も昨年、大阪大と締結しています。
何もバイオマスにこだわらなくても、創造をたくましくすれば、木くずの活用はいくらでも見つかると思います。
例えばある企業で40p分の木くず(廃材)が出たとします。通常であれば、これを廃棄物として処理することになりますが、「これを廃材としてしまうのはもったいないので、どこかこれを原料として使うところはありませんか」と地域内などの業者に呼びかけるのです。
必ず「それだけあれば、うちの工場で製品の原料として使える」という企業があるはずです。そして、ここで出てきた廃材を次の原料としてつなげていくというわけです。これまで廃棄物処理にかかっていたコストが削減できるだけでなく、次の企業に原料としてたとえ安価でも買ってもらえる。これは大変魅力的なことだと思います。
さらに言えば、箸にも棒にもかからない(と思えるような)木材の切れ端でも使い道があります。例えば学校に持っていき、技術などの授業に使えばよいのです。「この木の切れ端を使って、何か作品を創りなさい」というように、創造力開発の教材として役立てることもできるのではないでしょうか。
こうした取り組みを地元の商工会、青年会議所、中小企業家同友会、地場産業協同組合などが音頭をとり、ぜひ実施していただきたいと思います。それでこそ多くの企業が集まっている意味があるのではないでしょうか。そしてこの輪を行政と家庭に広げ、町興し・村興し運動へと進化させるくらいの意気込みが欲しいものです。
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批准するだけの根拠ない 京都議定書でロシア高官
2004.2.2 |
ロシアのイラリオノフ大統領顧問は30日、ワシントン市内での講演で「人間活動による地球温暖化が現実に起こっているかどうか疑問。現段階でロシアが京都議定書を批准するだけの証拠は見当たらない」と述べ、議定書発効につながるロシアの批准にあらためて否定的な見解を表明した。
同顧問は「各国の経済成長は二酸化炭素排出量の増加と切っても切れない関係にあり、今後ロシアが成長を続ける限り排出量は増加する」と指摘。
京都議定書の約束期間が終わる2012年ごろまでは排出量がロシアの目標値の1990年レベルをわずかに下回り、排出量取引で利益が得られるにしても「批准はロシア経済にとって長期的にマイナスだ」と述べた。
同顧問は「二酸化炭素排出量増加と気温上昇傾向が一致しているのは過去25年ほどの間だけ。長期的傾向では地球は寒冷化している可能性がある」と、二酸化炭素増加による地球温暖化現象自体に疑いがあるとの立場を表明。「すべての状況を検討した上でプーチン大統領が批准の可否を決定する」として、その決定時期については明言を避けた。
2004.1.31 共同通信ニュース速報
■ワンポイント解説
「地球温暖化は太陽活動などの自然変化が原因という人がいます。だったら、人間の力ではどうしようもないと思います。環境にやさしい行動に結びつけるには、証拠が少なすぎます。もう少しデータが必要です」。
これは、私が講演の際に直接伺った意見です。ここまで極端な意見はそれほど多くありませんが、「(行動するためには)もっとデータが必要だ」と言う人はかなり多いように思います。
確かに、「地球温暖化は太陽活動によって引き起こされている」と主張している人がおられます。それはそれで構わないと思います。何しろ言論の自由がありますし、その人はご自分のきちんとした理論とデータに基づいて発言しているのですから。どんなに優れた科学者であっても、地球のことをすべて把握しているわけではありませんので、現在の見解がいつ覆されるか分からないのです。それくらい謙虚でないと、地球のことをあれこれ言う資格はないと思います。
ただし、問題なのは「温暖化を自然の責任にすることで、自分が行動しない言い訳にしている人がいる」ということです。もし、「温暖化は太陽活動が原因」という仮説が間違っていたらどうするのでしょうか。
もし、あなたがそうであれば「温暖化は太陽活動が原因だ」と主張しながらも、仮説が外れた場合も考えて「同時に環境にやさしい行動もする」というスタンスに立っていただきたいと思います。これは、温暖化に限らず、環境問題全般に言えることです。
さて、1980年前後の多くの科学者たちは「この先、地球は寒冷化する」「地球は氷河期に向かっているので、温室効果ガスの増加はむしろ望ましい」などと主張していたのです。
しかし、現在に至っても「地球寒冷化」の兆候は見られず、温暖化の傾向が随所で起こっています。ひょっとすると、実際には寒冷化しつつあるにもかかわらず、地球の気温がそれ以上に上昇しているように見えるのかもしれません。そうであれば、温暖化のスピードは観測値以上に大きいことになります。
2001年1月、IPCCは「地球温暖化第三次レポート」を発表しました。特筆すべきは、「人為的に排出された温室効果ガスが温暖化を引き起こしているという強い証拠が認められる」と人間活動が主な原因であることを示したことです。
今回の記事のように反論もありますが、IPCCの見解は人間にとって素晴らしい朗報なのです。
というのは、「人間が原因ならば、人間が解決できる」ことを意味するからです。自然現象が原因なら、私たちは手をこまねいているだけになります。「人間が原因」と謙虚に捉え、人間としての責任を果たす必要があるのではないでしょうか。
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中国がグリーンGDPの導入を検討している
2004.2.9 |
2月3日付中国系香港紙、文匯報は、中国が、環境破壊に伴う経済損失を従来の国民総生産(GNP)から差し引いて算出する「グリーンGDP」の導入を検討していると報じた。
国家統計局が年内に専門グループを発足、具体的な研究に着手するという。地方指導者の政治実績を評価する基準として利用することも検討中。
同紙によると、中国当局筋は「中国の統計制度は不完全な部分が出てきており、これまでの歩みを調整する必要がある」と話している。
2004.2.3 共同通信経済ニュース速報
■ワンポイント解説
GDPは国内総生産を意味し、各国の経済規模や経済成長度の比較に使用されてきました。例えば「日本のGDPは世界第2位だ」「中国のGDPは日本の3割になった」「GDPが毎年10%以上伸びている」というように、国のランク付けや景気状況を表す指標として多用されています。
しかし、「GDPでは真の豊かさを表すことができない」というのはもはや常識です。大量の汚染物質を排出して大気や水を汚したとしても、生産額が増えることでGDPが増大します。そして汚染物質を除去するための装置を設置すると、開発費、装置価格、運転費用、メンテナンスサービス費用などが支払われ、当然のことながらGDPが増加します。
また、自然を破壊して「開発」という名のもとに大規模な建造物を建設すると、破壊そのものの費用、整地の費用、建設費、開業後の運営費、入場・宿泊料などがGDPに加算されます。そこの自然を破壊しなければGDPが増えることはなかったはずです。さらに、開発された場所を自然に戻す場合、自然復元に莫大な費用がかかりますが、これもGDP増に貢献します。
つまり、「環境を汚染・破壊しても、環境汚染を防止・復元してもどちらもGDPの増加につながる」ということです。これでは「いったん開発して、その後に復元したほうが何もしないよりGDPが増える」ことになってしまいます。
さらに、現在医療費は年間30兆円を超えており、このままでは2010年に88兆円になるといわれています。いうまでもなく、この医療費はGDPに加算されます。病気が蔓延し、医療費が何百兆円増えてGDPが激増してもまったく意味がありません。
◆グリーンGDPとは?
以上のことから「GDPの拡大を目的とする限り、幸福な世界を実感することは不可能」ということで、提案されているのが「グリーンGDP」に代表される新しい指標です。
グリーンGDPは、従来のGDPから環境破壊による経済的損失(外部不経済)を差し引いて算出する指標で、国連が1993年に打ち出した「環境・経済統合勘定」に基づいて各国で検討されています。
一般的には、前述のような経済活動に伴う環境に関する外部不経済を貨幣評価(帰属環境費用の算出)し、国内純生産(NDP)から帰属環境費用を差し引いた環境調整済国内純生産(EDP:Eco
Domestic Product)をグリーンGDPと呼んでいます。日本では95年、経済企画庁によって本格的な試算が公開されました。
この試算によると、1990年の環境破壊によって発生した経済的損失は8兆4000億円で、名目GDPの2%に達しています。ここでは、大気汚染、水質汚濁、国内の土地開発や森林伐採による生態系の破壊、地下資源の枯渇というマイナス分を評価し、GDPから差し引いています。
ただし、この中には土壌汚染や騒音・振動、水資源の維持費用、地球温暖化問題、日本の木材輸入による発展途上国の森林破壊などが考慮されていません。もしこれらを考慮すると、経済的損失は大変な金額に達すると思われます。一方では、水田や森林による国土保全・環境保全機能などのプラスの効果が無視されています。
このように、グリーンGDPはまだまだ不十分な指標ですが、GDPそのものの数値を使うよりは遙かに実状に合うのではないでしょうか。できるだけ早い時期に、資源生産性の分子に「グリーンGDP」あるいは、他のより有効な指標が使われることを望みます。
また、グリーンGDPは貨幣価値に換算できるものしか扱えないので、幸福感やボランティア活動などによる充実感など、極めて大切な価値(精神的豊かさなど)を表せません。すでにいくつかの指標が提案されているので、近い将来、「真の目標」となり得るような総合指標が確立されるものと思われます。
その一つに真の進歩指標(GPI)というものがあります。
◆真の進歩指標(GPI)について
真の進歩指数(Genuine Progress Indicator=GPI)は、ナチュラル・キャピタリズムに基づいた経済の指標としてリデファイニング・プログレス研究所が90年代半ばに提唱したものです。
GPIは、「企業の経済活動にインセンティブを与え、再生可能な資源をどれくらい使っているかなど持続可能性を測るものさしとして役立つ」とされています。
また、国の政策としてGPIの向上を目指すことは、効率が高く、無駄の少ない企業の成功につながっていくことが期待できます。
★GPIとGDPの計算の違い
GDPは「GDP=個人消費+民間投資+政府の支出−輸出」で計算されますが、
GPIは以下のように計算されます。
GPI=個人消費÷所得の不平等の調整(Income distribution index)
+子育てや家事の価値
+ボランティア活動(例えば、お年寄りのお世話などの福祉活動)
+耐久消費財のサービス
+政府の支出の一部(高速道路、道路の建設)
+純設備投資
−社会的コスト(犯罪、事故、家庭の崩壊、通勤時間、雇用・余暇時間の喪失など)
−環境コスト(農耕地、湿地などの喪失、公害、汚染など)
−世代間のコスト(オゾン層の破壊、森林の喪失など長期的な環境破壊、再生不可
能な資源の枯渇、外国からの借入、耐久消費財のコスト)
◆「地球満足指数:GSI」と「幸せ実感指標:RHDI」
私は、次のような「指標」を考えています。特にAは、複雑な計算を要しないので、GPIなどの指標を補完するものとして活用できるのではないでしょうか。
とはいいながら、まだまだ具体化には至っていません。近いうちに、私なりの算出方法を提示したいと思っています。
@「地球満足指数:GSI(ガイア・サティスファクション・インデックス)」
物質経済と貿易の規模に加えて、「文化度」、「住民の満足度、ボランティア活動等の住
民意識度」、「他地域や地球に対する貢献度」、「資源生産性」、「ファクター達成度」など
を織り込んだ指標です。
A「幸せ実感指標:RHDI(リアル・ハッピネス・ディフュージョン・インデックス)」
その地域で「幸せを実感している人の割合から、幸せを実感していない人の割合を差し引
いたもの」です。もちろんプラスの大きいほど、幸せを実感している人の割合が大きいこと
になります。
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埼玉県戸田市、資源ゴミ持ち去りを禁じる条例を施行
2004.2.16 |
埼玉県戸田市(トダシ)で市が回収する資源ゴミが集積所から持ち去られる被害が相次いでいるため、戸田市は資源ゴミを持ち去った人に20万円以下の罰金を課すことなどを盛り込んだ条例を設けることにした。
戸田市は古新聞や空き缶などの資源ゴミを市が回収して業者に売り、収益を市の財源や町内会費に充てているが、ここ数年、集積所から資源ゴミが勝手に持ち去られる被害が相次いでいる。
戸田市は市内の2500か所の集積所に持ち去りを禁じる看板を掲示したり、地域の住民が巡回したりしてきたが、被害は一向に減らず、この1年間の被害は資源ゴミ全体のおよそ3分の1にあたる860トンに上り、被害金額は700万円余りになる見通し。
このため資源ゴミを持ち去った人に20万円以下の罰金を課すことなどを盛り込んだ条例を新たに設けることを決め、市議会の審議を経て今年4月から施行される。
埼玉県によると、ゴミの持ち去りに罰金を適用する条例は全国で4番目で、20万以下という罰金の額は東京・世田谷区と並んで最も厳しい。
2004.2.9 NHKニュース速報
■ワンポイント解説
資源ごみとは、一般に「金属類、空き缶、ガラス、空きびん、古紙、古布など、再資源化(狭義のリサイクル)が可能なごみ」をいいます。ここで「ごみ」とは、広辞苑によると「ちり、あくた、ほこり。つまらないもの。無用のもの」を意味します。また「無用」というのは、あくまでも「その所有者にとって」ということです。このことから、再資源化可能(有用)なものを「ごみ」と表現するのは、どう考えても不適切です。
私は、資源ごみとは「所有者にとって無用になった金属類、空き缶、ガラス、空きびん、古紙、古布などのうち、どうしても再使用(リユース)できない、あるいは再利用する気がなくて再資源化に回されるもの」とすべきと考えています。
ところで、ゴミの分別を促すために「混ぜればゴミ、分ければ資源」というスローガンがよく使われています。しかしこれには、「もともと資源だったものを混ぜたらゴミになるから、分ければ資源になる」というニュアンスが感じられます(私だけでしょうか?)。「最初から混ぜなければ、ずっと資源」ということであり、「混ぜればゴミ、混ぜなければ資源」というべきでしょう。
ゴミ箱の中に新聞紙とプラスチック類とを一緒に捨てておいて、後で別々に分ける。これでは時間と労力がかかります。だから最初から混ぜなければいいのです。分別とは「混ぜたものを後で分けるのではなく、最初から混ぜずに別々にまとめて置いておくこと」なのです。これは当たり前のようでいて、ゴミ出しの直前にあわてて分別している光景をよく目にします。
循環社会を構築するには、「ほとんどの廃棄物やゴミは資源」と信じることが不可欠です。「ゴミの一部が資源」と言う人がいますが、「資源の一部がゴミ」というべきだと思います。
山や森林地帯の落ち葉が「肥料や腐葉土」という素晴らしい資源になるのに、都会の公園や道路に落ちた枯れ葉がどうして「ゴミ」といわれるのでしょうか。なぜ工場内のプラスチック類やビン・カンは「資材」といわれ、路上や川底のそれらは「ゴミ」と呼ばれるのでしょうか。「廃棄物」や「ゴミ」は、実は居場所の違う資源なのです。
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南太平洋の島国ツバルに大潮警告 全体が冠水の恐れ
2004.2.23 |
南太平洋の島国ツバル(人口約1万1000)の気象観測所は2月16日、同国の海域が近く大潮を迎え、島全体が海水に浸る可能性があると警告した。大雨や強風が重なれば、水没する場所も出てきそうだという。住民には、飲料水の備蓄や避難先の確保を呼びかけている。
同気象観測所によると、19日午後4時40分(日本時間同1時40分)から、20日は午後5時19分(同2時19分)から、大潮のピークになり、海面が3メートル〜3.1メートル上昇する見込みという。
ツバルは9つの珊瑚礁からなる島国で、標高は最高地点でも4.5メートルほど。地球温暖化による海面上昇の影響にさらされており、2001年にはラニーニャ現象(海水温度の異常低下)もあって、島のほぼ全域が冠水した。
2004.2.17 朝日新聞ニュース速報
■ワンポイント解説
国連の下部機関であるIPCCは、この温度上昇により南極を中心に氷が溶け、今後100年で最大88cm海面が上昇すると予測しています。その結果、ツバルをはじめ南太平洋の島々、バングラディシュなどの国々は壊滅的な打撃を受け、モルディブなど36の島国では大半の国土が水没します。このため、世界人口の10%にも及ぶ人達が移動を余儀なくされると予測されています。
IPCCでは、海面が1m上昇した場合、マーシャル諸島の一部では80%、バングラデシュでは18%の土地が海没するとしています。
オランダでも海面上昇で約2200平方キロの土地が失われ、被害額は1860億ドルに上ると予想されています。アフリカでは、ナイジェリアやセネガルの海岸沿いの土地が水没する恐れがあるとしています。このため、沿岸地域の高潮の被害を受けやすい人口は世界全体で、人口増加を考慮しない場合でも、現在の4600万人から1億1800万人に増加すると予測されています。
先進国は長大な防潮堤を築くことができるかも知れませんが、途上国や島しょ国では資金がないのでまず不可能です。「それでは先進国の資金で賄えばいい」という案が出てくると思いますが、事はそんなに単純ではありません。
島しょ国の多くはサンゴ礁でできていますが、サンゴ礁は隙間だらけのため、海岸線に防潮堤を築いたとしても、地下を通って海水が流入して来るのです。すでに塩害による農作物への被害が顕在化しています。
二酸化炭素の排出の少ない途上国や島しょ国の人たちは、「もし私たちが二酸化炭素を先進国並みに排出していて国が沈むのならば自業自得でしょう。でも、私たちはほとんど排出していません。なぜ私たちの国が大量に排出している先進国によって沈められなければならないのですか」と訴えています。私たちはこの声を真剣に受け止めて、自分のことして考える必要があるのではないでしようか。
◆日本でも海面上昇は深刻な問題
海面が上昇すれば、護岸や防波堤が壊れやすくなったり、高潮、高波の被害を受けやすくなったりします。砂浜が浸食され、橋の下は船の航行が難しくなるほか、海岸沿いの道路は冠水しやすくなると予想されます。
環境省は、「日本では、海面が1メートル上昇した場合、満潮時に海面以下になる面積は2339平方キロに及び、居住者は410万人、資産で109兆円に上る」と試算しています。そして「海面が1メートル上昇すると、21世紀末には日本国内の砂浜のおよそ9割が消滅する」と言っています。砂浜の消滅は、自然の海水浄化作用(海水の濾過と微生物による汚染物質の分解)も失われることを意味します。
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温暖化防止の森林整備、「負担は国民全体で」が40%
2004.3.1 |
内閣府が2月28日付で発表した「森林と生活に関する世論調査」によると、地球温暖化防止に向けた森林整備費の負担の在り方(複数回答可)を聞くと、「国民全体で負担する」がトップの40.5%に上った。一方「新たな負担を求めず、できる範囲で」は16.0%にとどまり、負担肯定派が多数を占めていることが分かった。
森林機能への期待(同)に関しては、「山崩れなどの災害防止」が49.9%と1999年の前回調査から6.4ポイント減ったのに対して、「二酸化炭素吸収による温暖化防止への貢献」は3.2ポイント増の42.3%となり、二酸化炭素吸収効果への認識の広がりも裏付けた。
林野庁は「森林整備費の負担には否定的な意見がもっと多いと予想していた。温暖化問題への関心や森林荒廃への危機感が高まっているようだ」と分析している。
森林整備費負担の在り方で2番目に多かったのは「温室効果ガスの排出割合に応じて企業や国民が負担する」の39.7%だった。続いて「緑の募金など自発的拠出により負担する」(34.3%)、「ボランティアなどの自発的な森林整備活動で負担する」(16.8%)の順となっている。
新たな負担を肯定しつつも、担い手をめぐっては受益者(国民)か、原因者(企業)か、自発性に委ねるかで見解が分かれた形だ。調査は昨年12月に全国の成人男女3千人を対象に実施。有効回収率は70.4%。
2004.2.28 共同通信ニュース速報
■ワンポイント解説
森林整備費を「国民全体で」負担しあうといっても、様々な方法があります。炭素税などの「環境税」や森林保全の目的に限定した「森林環境税」がすぐ頭に浮かびますが、次のような方法も結果として森林整備に寄与すると思われます。
@輸入木材の価格を引き上げる
熱帯林では、同種の木は互いに距離を置いてまばらに生えています。たとえば同じ種類の木を1千本確保するためには、300〜500ヘクタールも探し回らなければなりません。この際、1本の木を伐採するために、運搬道の造成などで多くの木が道連れになります。
このような、目に見えないところで発生している環境負荷を「エコ・リュックサック(正確には、エコロジカル・リュックサック)」と呼んでいます。木製の椅子に環境負荷という「目に見えない巨大なリュックサック」が掛かっているというイメージです。
必要とする木だけを選択的に伐採し、そこに苗木を植林すれば森はやがてもとの状態に戻ります。しかし、たくさんの樹木を道連れにすると再生が困難になり、森林地帯の生態系、保水能力、土壌、光合成の能力などが、私たちの想像を超えて失われていくのです。
これから木製品を購入する際には、エコ・リュックサックを意識して「その製品がどこからきたのか」、「環境配慮がどのようになされているのか」などを選択基準にしていただきたいと思います。
エコ・リュックサックを考慮しないのは、再生責任を果たしていないということです。南洋材が安いのは、「再生責任」を考慮することなしに価格が設定されていたからです。
商品の価格を決定する方法として、従来は「販売価格=コスト+利益」で表される「コストプラス法」が多く採用されています。しかし、環境配慮の観点からいえば、「販売価格=コスト+再生責任費用+利益」でなければならないはずです。
南洋材にこれを適用するのです。大量伐採すると1本当たりコストは下がりますが、同時に全体の「エコ・リュックサック」が増えています。当然のことながらその分「再生責任費用」が増大することになり、南洋材の価格は上昇します。これは再生費用を国民が負担することになりますが、目的と使途さえ明確にすれば充分受け入れられる余地があると思います。
その結果、国産材の競争力が増し、南洋材の需要が減ることになります。また伐採しても「再生責任費用」を植林に充てることで、森林の再生が進むことになるでしょう。
A国産材を使った家を増やす
法隆寺の例をあげるまでもなく、日本の木造建築の技術は極めて高水準です。最近、木造建築が見直され、木造住宅に住みたいという人が増えてきています。木材は、軽量の割には強度が大きい、加工しやすい、保湿性や湿気の調節作用がある、断熱作用や遮音効果に優れている、紫外線を吸収する、など優れた特長があります。また心を癒すという心理的効果もあり、木造住宅にふさわしい材料といえます。
さらに木材をつくる時に使うエネルギーは、鉄をつくる時の80分の1、アルミニウムのわずか340分の1です。鉄やアルミニウムのかわりに木材を使うと、二酸化炭素削減したことになるのです。木材は、二酸化炭素を吸収してできており、その中に二酸化炭素を固定しています。つまり、木材を燃やしたり腐らせてしまわない限り、二酸化炭素が空気中にもどることはないのです。「街に木造住宅をたくさん建てれば、その街は森林と同じ働きをしているということになる」と言われるゆえんです。
家を壊しても、使っていた木材はリサイクルできますし、最後には石油のかわりにバイオマスエネルギーとして活用することができます。
このように木造住宅は環境にもやさしいのですが、国産材を使うと林業の振興にもつながり、まさに一石二鳥です。皆さんも家を建てる際、ぜひとも検討してみてください。
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一般廃棄物の排出横ばい 環境省の2001年度調査
2004.3.8 |
2001年度の一般廃棄物(一般ごみ)の総排出量は前年度比0.5%減の5210万トンで、1人1日当たりの排出量も0.7%減の1124グラムと、ほぼ横ばいだったことが、環境省のまとめで分かった。
同省は「ごみの総排出量を減らすには国民一人ひとりの意識を高めることが重要で、引き続き啓発に努めたい」としている。
総排出量の内訳は家庭ごみが3480万トン、産業廃棄物以外の事業所のごみが1730万トン。
一方、リサイクルの推進やごみの焼却処分量の増加で、最終処分場に埋め立てられた量は前年度より56万トン少ない995万トンと、減少傾向が続いている。
同時に発表した2001年度の産業廃棄物の総排出量は1.4%減の約4億トンと微減。最終処分量は、廃棄物の再生利用量の増加などから前年度より300万トン減り約4200万トンだった。
2004.3.1 共同通信ニュース速報
■ワンポイント解説
ここで注目したいのは、「1人1日当たりの一般廃棄物排出量」は地域によってかなり異なるということです。1124グラムというのは、あくまで全国平均です。少ない方では佐賀県の850グラムが最少で、山形県891グラム、岐阜県918グラム、岩手県922グラム、島根県936グラムと続いています。
一方、大阪府の1379グラムが最も多く、北海道1353グラム、兵庫県1331グラム、京都1303グラム、青森県1270グラムの順になっています。佐賀県は大阪府よりも4割も少ないのです。
ちなみに平成5年度は、山梨県の733グラムが最少で、佐賀県762グラム、山形県815グラム。多い方は、鹿児島県の1602グラム、北海道1473グラム、石川県1452グラム、大阪府1405グラム、東京都1328グラムと続いていました。
これを見ると、一般に都市部で排出量が多く、農村部で少ない傾向が見られます。また、この7年間に限れば、排出量の少なかった所は増加傾向で、多かった方は減少傾向であることが分かります。都市部でリサイクルなどが進んだ一方で、農村部でライフスタイルの都市化が進んだことがひとつの原因と思われます。2001年4月から野焼きが全面禁止になっていますが、これも影響しているのかも知れません。
今後は、農村部の増加を抑える一方で、都市部をさらに減少させることが必要です。全国平均の1100グラムが佐賀県並みの850グラムになれば、全国で25%の削減が実現するのです。絶対できるはずです。何せ佐賀県は北欧でなく、日本にあるのですから。
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パソコン1台の資源消費1.8トン
2004.3.15 |
パソコン1台の製造には燃料や水、化学物質が計約1・8トンも必要で、コンピューターの大量生産、大量廃棄は地球環境に重大な影響を及ぼすとの調査報告書を国連大学(本部・東京)の研究グループが7日発表した。
調査をしたエリック・ウィリアムズ研究員は「パソコン販売台数は各国で急増しており、政府や企業が長寿命のコンピューターの製造と普及に取り組まなければ、パソコンブームは地球温暖化や化学物質汚染を深刻化させる」と警告した。
2004.3.8 共同通信経済ニュース速報
■ワンポイント解説
グループは日米のコンピューターメーカーからの聞き取りや、企業が公表した資料、研究論文などを調べ、コンピューター関連製品の製造から廃棄までに使われる資源の量を計算しました。
その結果、17インチのディスプレーを持つパソコン1台を製造するには、240キロの化石燃料と1500キロの水、22キロの化学物質が必要であることが明らかになったのです。
またパソコン生産に必要な化石燃料は最終製品の重さの10倍で、自動車や冷蔵庫が製品のせいぜい2倍程度しか必要としないのに比べ、製造過程で環境への影響が非常に大きいことも分かりました。
パソコン関連製品の生産には、室内を清浄に保つクリーンルームや、不純物の極めて少ない水が不可欠。このためエネルギーや水を大量消費することになるとしています。
報告書はパソコン関連製品の大量生産や廃棄が、臭素系難燃剤など化学物質や鉛など重金属による環境汚染を悪化させる危険性も指摘しています。
◆商品群LCAを実施しよう!
ライフサイクルアセスメント(LCA)は、「製品の製造から、販売・使用され、廃棄されるまでの間に、どの程度環境に負荷を与えるかを定量的に評価する手法」です。ライフサイクル全段階における総環境負荷について、「自社製品とライバル商品との比較」や「新製品の旧製品に対する優位性」を定量的に示すツールとしては非常に優れたものといえます。
しかし、一般にLCAは単品に対して行われていることが多く、製品群全体での評価においては不十分だと思います。とくに以下の4つのケースについて、評価・比較する必要があります。
@前項のように「計画的陳腐化戦略」をとっている場合は、陳腐化戦略をとらなかった場合
との環境負荷についての比較が必要。陳腐化による売れ残りや不良在庫にともなって、
環境負荷も増大しているはずである。
A予めAという製品が予定されているにもかかわらず、それを発売する前にB、C、D・・・・と
いう製品を出している場合は、初めからAという製品を出し、B、C、Dを出さなかった場合
との、総環境負荷の比較が必要。
本来必要のない(世の中に出てはならなかった)製品を単独で分析評価し、旧製品と比較
しても意味がない。
Bニーズの多様化に対応すると称して、少しずつ機能を変えて他品種化している場合は、
製品群全体としての評価が必要。
Cこれまで世の中に存在しなかった「真の新製品」の場合は、その製品群が会社の総環境
負荷に与える影響(増加するのか、減少するのか)を評価することが必要。
この4つのケースの場合、単品だけのLCAを評価することに、何の意味があるのでしょうか。単品で環境負荷10分の1という「ファクター10」を達成したとしても、製品群全体としての総環境負荷が10倍「ファクター・マイナス10」だとしたら、笑い話で済ますことはできません。
このような(意味のない)LCAに一生懸命取り組んでいる企業は、現在では少なくなっていると信じています。しかし、このままの景況が続くと、販売不振の打開策として「計画的陳腐化戦略」を選択する企業が増えてくるかもしれません。
そこで必要となってくるのが、「商品群ライフサイクルアセスメント(商品群LCA)」です。ライフサイクルを単品で見るのではなく、シリーズ全機種、あるカテゴリーの商品群全体の総環境負荷を評価・比較するものです。
エコデザインの進展やトップランナー方式の適用などにより、近い将来、単品同士の差異は極限まで小さくなるでしょう。その時点では、商品群LCAの優位性が、差別化のための重要な指標のひとつになっていると思います。
商品群LCAによって、@陳腐化ペナルティの重要な資料となる、A環境負荷とエコ・リュックサックをトータルで削減できる、Bオンデマンド生産志向へのインセンティブとなる、などの効果が期待できます。
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オゾン降下が温暖化加速 中緯度帯では影響大
2004.3.22 |
地球温暖化が進むと、成層圏から降下してくるオゾンの量が増え、それによる温室効果で温暖化がさらに加速されることを、海洋科学技術センターの秋元肇領域長らの研究グループがシミュレーション実験で突き止め、16日、発表した。
この影響で、2100年までの地球温暖化による気温上昇分は地球全体で平均0.2度押し上げられ、降下量が多い東アジアや南米中部などの中緯度帯では影響が特に大きいという。
2004.3.16 共同通信ニュース速報
■ワンポイント解説
共同通信ニュース速報
地表から約10キロ程度までの対流圏のオゾンは、二酸化炭素やメタンに次ぐ温室効果ガスとして最近注目されています。
秋元領域長らが地球温暖化によるオゾンの増減を分析した結果、温暖化により上下方向の大気循環が強まることで、成層圏のオゾンが対流圏に流入することが分かったのです。2100年には、年間の総流入量が現在の83%も増加することになり、温暖化は従来考えられているよりも促進されることになるとしています。
一方、温暖化が進むと成層圏の温度が低下し、オゾンホールができやすくなります。「温暖化が進むとオゾン層破壊が促進され、オゾン層破壊が進むと温暖化が促進される」。このような悪循環を断ち切ることが必要です。
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二酸化炭素濃度、この1年間に激増
2004.3.29 |
地球温暖化の原因となる二酸化炭素は、大気中濃度の上昇する割合がこの1年間で著しく増え、過去10年間の平均値を大きく上回る高い伸びを記録したことが、米海洋大気局のハワイ島での観測データから明らかになった。
ハワイ・マウナロア観測所によると、ハワイの二酸化炭素濃度は今月19日の時点で379ppm(1ppmは100万分の1)を記録、1年前の観測値に比べて3ppm増加。過去10年間の濃度上昇の平均値は1.8ppmで、この1年の伸びは突出しており、1958年の観測開始当初の年間濃度上昇値約1ppmに比べると3倍に加速している。
2004.3.24 読売新聞ニュース速報
■ワンポイント解説
二酸化炭素の排出量は、経済や生活のレベルが上がるほど増えています。経済や生活のレベルを上げるということは、便利快適を追求し続けるということです。やはり、地球温暖化の根本原因は、とくに先進国の人間の便利快適志向にあるようです。ひとり当たりの二酸化炭素の排出量を見ても、先進国はインド・中国などの十倍から数十倍も多いのです。
しかも先進国のほとんどで、2001年の温室効果ガス排出量が1990年より増えたことが、気候変動枠組み条約事務局の最新の集計で明らかになっています。
集計によると、2001年の1990年比排出増加率は、先進国全体で7.5%となりました。国別ではモナコの40.5%がトップで、9.5%増の日本は上から11番目でした。減少したのはドイツ(18%減)、英国(11.7%減)などわずかであり、EU全体では2%減でした。
またアメリカは13%増で増加率では9番目でしたが、排出量は2001年で約69億トンと2位のEU以下を大きく引き離しています。
このように二酸化炭素など温室効果ガスの排出量が、増加し続けています。この傾向は、とりわけアメリカで顕著です。アメリカのエネルギー省は、「エネルギー利用によって米国内で排出される二酸化炭素の量が2025年には2002年の1.4倍以上になる」と予測しています。アメリカは「二酸化炭素の削減は、国内の経済発展を阻害する」と信じているのです。
しかも、発展途上国も先進国に仲間入りしようと「追いつき、追い越せ!」をスローガンにして経済拡大を目指して頑張っています。
やはり、「地球温暖化の原因は人間活動にある」と謙虚な姿勢で、二酸化炭素の削減に力を注ぐ必要があると思います。
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「死の海」日本周辺など世界で拡大
2004.4.5 |
富栄養化が原因で海水中の酸素がなくなる「死の海」が日本周辺など世界で拡大、漁業などに悪影響を及ぼしているとの調査報告書を国連環境計画(UNEP)が3月29日、発表した。「死の海」の数は少なくとも世界で150カ所に上り、UNEPは「農地での窒素肥料の大量使用が大きな原因の一つだ」と、海に流れ込む肥料の量を減らす努力を各国政府に求めた。
UNEPによると、魚などがいなくなる「死の海」は、海水中の栄養分が増えてプランクトンが大量発生し、海水中の酸素が大量に消費されることなどで起こる。
1990年からの10数年で2倍に増加、中には面積が7万平方キロになるケースもある。日本では青潮と呼ばれ、瀬戸内海や大阪湾で深刻。米国東海岸、欧州のバルト海や黒海など先進国周辺でも頻繁に起き、中南米や東アジアなどの発展途上国でも拡大している。
報告書は、地球温暖化によって、プランクトンの活動が活発化、海に流れ込む水の量が増えることで、問題がさらに悪化すると指摘した。
2004.3.30 共同通信ニュース速報
■ワンポイント解説
川や湖などの水域には、入ってきた汚れを浄化する能力があります。これは微生物や水生生物の働きによるもので、これを自然浄化作用とか自浄作用と言います。しかし、「浄化する」といっても限界(自浄限界)があり、それを超えると、次から次に入ってくる汚れがどんどん蓄積することになります。
日本やアメリカなど経済成長を重視する国では、大量生産・大量消費が美徳とされています。また最近は途上国も「先進国に追いつけ追い越せ」と、飛躍的に経済を成長させようと頑張っています。
このような社会は、大量廃棄を前提にして成り立っています。その結果、大量の廃棄物が、煙として、スクラップとして、また汚水として排出され、河川、湖沼、海洋、地下水などを汚染し、生態系の破壊や健康被害をもたらしているのです。
@河川
家庭からは、トイレの汚水と生活廃水と言われる台所やお風呂の水が排出されます。
トイレからの汚水は、下水処理場や浄化槽である程度処理されますが、生活廃水は、多くの地域でまったく処理されずに河川にたれ流されているのです。
また、上流にダムを建設することによって、水質が悪化することがあります。ダムを造ると水の流れが止まってしまいます。水は流れていないと十分な酸素が溶け込まなくなります。さらに、ダム湖には上流から運ばれてきた栄養分たっぷりの土砂が沈んでしまいます。そうなると自浄作用では対処できなくなり、水質が悪化してしまうのです。
A湖沼
湖沼は陸地で囲まれているために、湖水が海のように大量には入れ替わらない「閉鎖性水域」になっています。湖沼は、自然の状態でも周囲の山林から落ち葉などが流れてきて、リンや窒素が蓄積しています。ここに生活廃水にが流れ込んでくると、たちどころに自浄能力を超えてしまいます。
たとえば、合成洗剤に含まれるリンや窒素、油や生ゴミに含まれる有機物によって栄養過多の状態、つまり富栄養化が進んでいます。富栄養化が進むと(過栄養化)、藻やアオコなどが大量に繁殖して湖面が緑色に染まったり、真っ赤な赤潮が発生することになります。そして、それらが大量の酸素を消費して湖水が酸素不足となり、魚など水に棲む生物が死んでしまうのです。
B海洋
海の汚染は、海流に乗って地球全体に広がります。石油が大量に流出すると薄い油膜となって海を覆い、広範囲の生態系を破壊することになります。
また、大気中に放出された有害物質も、やがて河川や雨を通じて海に入ってきます。工場の煙や自動車の排気ガスも酸性雨などに混じって、やがては海を汚染してしまうことになるのです。
C地下水
有機塩素化合物は比重が大きくて表面張力が小さいので、地面にこぼれると短時間で地下水脈に到達します。たとえばアメリカの「シリコンバレー」の地下水から、約100種類の化学物質が発見されています。
シリコンバレーと同じようなことは、日本でも頻繁に起こっています。今でも、電気工場の地下水から、発ガン性のある有機塩素化合物が、環境基準の1万倍前後という高濃度で検出されています。
最近は灌漑による地下水の汚染も発生しています。過剰な汲み上げで地下水の水位が下がれば、空洞部分ができてそこに空気(酸素)が流れ込んできます。地下水中には酸素がほとんど溶け込んでいないので、ここに酸素が入ってくると酸化力が高まります。そうなると、水に接している土や鉱物が酸化され、毒性のヒ素酸化物などが水に溶け出てくるのです。インドやバングラデシュのヒ素による汚染は、これが原因といわれています。
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2001年度物質フロー指標、資源生産性が低下
2004.4.12 |
環境省は8日、2001年度の天然資源の使われ方を示す「物質フロー指標」を発表した。同年度の国内総生産(GDP)を天然資源などの使用量で割った「資源生産性」は1トン当たり27万5000円で、2000年度に比べ0.6ポイント下がった。空港整備で岩石の採取量が増加し、天然資源を使った量が増えたのが原因とみている。また、リサイクルした割合を示す「循環利用率」は9.9%で、前年度に比べ0.3%低下した。
2004.4.8 毎日新聞ニュース速報
■ワンポイント解説
資源生産性は、その国の産業や国民が資源を有効に利用しているかを表す指標です。国内総生産(GDP、金額ベース)を、生産に使用された国産・輸入天然資源と輸入製品の総量(重量ベース)で割ったもので、より少ない資源でより多くの生産ができれば値は上がります。
環境省は、「資源生産性を2010年までに1トンあたり35.8万円」とするという目標数値を示しています。
目標実現のために、「化石燃料の使用を抑える森林資源の活用」、「物の購入や所有よりも余暇を楽しむ生活の推奨」、「拡大生産者責任の導入」などを目指す方針です。
ここで拡大生産者責任(EPR)とは、「製品が使用され、廃棄された後においても、生産者はその製品の適正なリサイクルや処分について一定の責任を負う」という考え方のことです。具体的には、環境負荷を低減するために、製品の設計を工夫したり、廃棄品回収などリサイクルシステムを構築し、実施する責任などが含まれます。
環境省は、@各国が同じ指標で計画をたてることが地球全体の省資源を促進すること、A地球規模で取引されている天然資源の有効利用にはとくに先進諸国が協調することが必要であるとし、「資源生産性」を先進諸国共通の指標としたい考えです。
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イオン、ごみ爆発事故の調査結果を発表
2004.4.26 |
神奈川県大和市のスーパー「イオン大和ショッピングセンター」で昨年11月、生ごみ処理室が爆発して11人が重軽傷を負った事故で、イオンは23日、発酵槽内のかくはん装置が停止してごみの乾燥が進み、高温となったごみが発火し、たまったメタンや一酸化炭素など多量の可燃性ガスに引火して爆発した、との調査結果を発表した。同社が学会「安全工学協会」(横浜市中区)に原因調査を委託していた。
2004.4.23 毎日新聞ニュース速報
■ワンポイント解説
同協会の調査によると、熱風を吹き込んで生ごみをたい肥にしていた発酵槽内で、乾燥した生ごみは135度で発火することが確認されました。メタンや一酸化炭素などの可燃ガスは、生ごみの炭化の過程で大量発生したとしています。
また、事故を起こした生ごみ処理室が臭気を発生したため、同社はメーカーと相談し、発酵より乾燥を重視するシステムに切り替えていました。調査では、乾燥を重視したことが事故を引き起こした要因の一つであると指摘しています。
この種の事故を見ると、ハインリッヒの法則を思い出します。
ハインリッヒの法則とは、ハインリッヒらが労災事故を調べたところ、1件の重傷事故の前には、29件の同種の軽傷事故、300件の傷害のない事故が存在し、さらに数千、数万件の危険な行為が存在したという調査に基づいています。
環境関連事故にあてはめると、1件の重大な事故に対して、29件の軽度の事故があり、この背景に300件のミスがあり、さらに数千以上の前兆があるということです。
回転ドアの件でもそうですが、とくに我が国は、他人や他社の事故を「他山の石」にする姿勢に著しく欠けています。まさに他人事です。何らかの事故が報道されたとき、「自社に置き換えると何に相当するか」に視点を移すことがリスク管理の基本ではないでしょうか。
しかし原因の本質は、コミュニケーション不足でしょう。どのような些細なミスでも、また単なる不安であったとしても気軽に報告できる体制を整える必要があります。
人間に与えられた「過去や他人から学ぶ能力」をぜひ有効に使いたいものですね。
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地球観測サミットで「地球温暖化」か「気候変動」かで攻防
2004.5.10 |
「地球温暖化」か「気候変動」か――。4月25日の地球観測サミットで合意した枠組み文書は、国際協力の前提となる状況をどう呼ぶかで、水面下の攻防が繰り広げられた。
関係各国は作業部会を設置して昨年夏から枠組み文書を協議した。日、米、欧州連合(EU)、南アフリカの代表4人が共同議長を務めた。
昨年秋にできた当初案では、観測網整備の意義や期待される成果として「地球温暖化(GLOBAL WARMING)」という単語が度々登場した。これに対して米国が「気候変動(CLIMATE CHANGE)」への言い換えを主張した。米国は、先進国に温室効果ガスの排出削減を義務付けた京都議定書から01年に離脱しており、「温暖化」を前提とした国際協力にやすやすとは乗れない事情があった。
欧州の一部の国からは「温暖化」を残すべきだとの反論が出たが、最終的にはEUが容認し、年末に完成した暫定版では米国の主張をいれて「気候変動」に統一された。
「表現にこだわって枠組み文書がまとまらないとサミットの精神が無駄になる、という気持ちで各国が一致した」(文部科学省)という。サミット当日も枠組み文書に15分の議論時間を設けたが、すんなり採択され、議長を務めた河村建夫文部科学相は「満足できる成果を残せた」と笑顔で総括した。
2004.4.25 毎日新聞ニュース速報
■ワンポイント解説
地球温暖化というのは、あくまでも地球の「平均気温」が上昇していくことであって、どこもかしこも温度が上昇するわけではありません。確かに、低温よりも高温が発生しやすくなるといえますが、局地的には寒冷化を起こすところも出てくるのです。
最近の夏は猛暑続きなので、温暖化を実感している人が多いでしょう。しかし、もし昨年のような異常な冷夏になったとしたらどう反応するでしょうか。「温暖化なんて嘘だろう」という声があちらこちらから聞こえるはずです。
これからは、「地球温暖化の本質は、気候変動であり、その過程で起こる異常気象の頻発化である」と考えた方がいいでしょう。気温の高低で一喜一憂するものではないのです。
わたしは、異常気象、つまり平常からかけ離れた気象現象が増えていくことを重視すべきと考えます。極端な集中豪雨と干ばつ、酷暑と冷夏、台風の巨大化と発生数の増加あるいは減少。こうした異変が増加していることをよく観察していただきたいのです。そうすれば温室効果ガスの増加がもたらすものを肌で実感できると思います。
このように、温暖化は温度の上昇だけを意味するものではありません。誤解を避けるために、温暖化の本質が「気候変動」ひいては「気象変化」であり、異常気象の頻発化であることを強調すべきです。このほうが多くの人の行動に結びつくのではないでしょうか。
さらに言えば、温暖化という語感そのものが、温暖化防止に対する危機感を弱めてしまっているようです。とくに日本人にとっては「温暖化」よりも「寒冷化」の方を悪いイメージでとらえる傾向が強いと思います。
世界的には温暖化というより「気候変動」が多く使われています。IPCCは「気候変動に関する政府間パネル」ですし、COP3は「温暖化防止京都会議」ではなく「気候変動枠組み条約第三回締約国会議」が正式名称なのです。
日本でも、「地球温暖化」という用語を「地球の平均気温が上がっている」ことを表すときにだけ用い、一般には「気候変動」あるいは「地球規模の循環異常」などの言葉を使うべきだと思うのですが、いかがでしょうか。「循環」とは、言うまでもなく「大気の循環」「水の循環」そして「生命の循環」のことです。
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農作物品種の4分の3消失 国連、食生活に驚異と警告
2004.5.23 |
国連食糧農業機関(FAO)は20日、農作物のうち4分の3の品種がこの100年間で失われ、生物の多様性が失われていることで食の安全性が脅かされていると警告する声明を発表した。
品種の減少は、森林伐採や都市化、環境破壊に加え、機械化に適した農作物が重点的に生産されていることや食生活の変化などが原因。FAOは、人間が食料として依存している生物の種類保全の重要性を強調、10月16日の「世界食料デー」のテーマに生物多様性の問題を取り上げるとしている。
声明によると、家畜6300種類のうち1350種類が、存続が危機にさらされているか既に絶滅したという。
生物の種類が減少していることで、人間が摂取する動物性タンパク質の90%は約10種類の動物に依存。植物から摂取しているカロリーのうち半分は、わずか4種類の農作物で占められているのが現状だという。
2004.5.21 共同通信ニュース速報
■ワンポイント解説
では、どうすればいいでしょうか?
とりあえずは、次の2つのことを考えてみたらどうでしょうか。
ひとつは、先進国は「いまでも自給自足を続けているところからは、いくらおいしくて儲かりそうなものが見つかっても絶対に買わない」ということ。
もうひとつは、「土が死んでしまって農業ができないところには、その国や地域が自給自足できるようになるまで徹底的に援助する。ただしお金の援助だとお金持ちの手に渡るだけだから、植林や土づくりを全力で援助する」ということです。
◆まず日本の自立を
人間がそして地球が生きていくための絶対条件は、「自給自足できること」です。この観点に立てば、食糧自給率が30%足らずの日本はどうなるのでしょうか。70%を輸入に頼っているというのはどう考えても異常です。食糧だけではなく、資源やエネルギーも同様です。
日本は、豊かに見えるだけで、本当は世界一貧しいのかも知れません。
私たちが考えるべきことは、「途上国の自立を援助することではなく、この日本を早く自立させること」ではないでしょうか。
そう考えると、先進国とか途上国とかいう言葉自体がナンセンスであることが分かります。
食糧問題、ひいては人口爆発と貧困の問題を解決するカギは、この日本つまり私たちにあるのです。
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環境省、映画「デイ・アフター・トゥモロー」を異例の大宣伝
2004.6.6 |
環境省は、地球温暖化が進んだ地球の姿を描いたハリウッド映画「デイ・アフター・トゥモロー」について、試写会を小池環境相自ら主催するなど、異例のPR作戦に乗り出した。
今月5日に封切られるこの映画は、地球温暖化によって暖かくなった地球が一転、凍結するという筋書き。環境省は31日、主演のデニス・クエイドさんや監督のローランド・エメリッヒさんらに要請し、小池環境相への表敬訪問を演出。小池さんも、映画の一場面を使った同省の「環境月間」用ポスターを手に、「映画は私の何千の言葉より、地球を守る大切さを訴える」と述べ、映画の広報担当を演じて見せた。
温暖化というと、100年後に気温が最高5・8度上がり、海面が同88センチ上昇するという説明が多い。だが東京大学の山形俊男教授は「温暖化は単に冬が暖かくなるのではなく、気候が質的に変化する」と指摘する。
実際、約1万2000年前に最後の氷期が終わり、地球が徐々に暖かくなっていたころ、地球は再び寒冷化に転じ、その状態が約1000年間続いたこともある。地球の凍結は、温暖化で北極や南極の氷が大量に解け、世界の海を2000年かけて巡っている海水の大循環が急激に弱まるからだという。
映画封切り日は「環境の日」の5日に合わせた。同省は、映画観賞の前後でこの問題への意識がどう変化するか、アンケート調査も行う。
同省がこうも躍起になるのは、地球温暖化対策について、同省が政府内でも孤立無援だからだ。
二酸化炭素などの温室効果ガス排出量は増え続け、京都議定書で約束した1990年比6%減を達成するには、これから13・6%も削減しなくてはならない。それにもかかわらず、石油や石炭などに課税する「温暖化対策税」や、企業などの二酸化炭素排出を制限することには経済界からの反発が強く、経済産業省などはあからさまに反対している。
映画そのままのことが起きる可能性はそう高くないが、環境省のなりふり構わぬ便乗策がどこまで奏功するか注目されている。
2004.6.1 読売新聞ニュース速報
■ワンポイント解説
温暖化が「単に気温の上昇ではなく、極端な気象変動を伴う」「北欧などで寒冷化の恐れがある」ということは、このHPでもすでに述べています。http://homepage3.nifty.com/kokorogy/kokorogy15.htm#kanreika
温暖化の驚異を啓発しようという環境省の気持ちもよく分かります。
しかし、「ビジョンは実現する」という意味では、諸手を挙げて賛同はできません。多くの人が最悪のビジョンを共有した時、それが実現してしまうかも知れません。
このことについては、6月後半に出版される拙著「あなたの成長が地球環境を変える!」で詳しく述べていますので、お読みいただければ幸いです。
いずれにしても、私はまだこの映画を見ていないので、これ以上のコメントはできません。
近日中に見に行って、その感想を追記することにします。
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資源浪費しない経済を 水資源問題などでシンポ
2004.6.13 |
環境破壊や資源の浪費につながらない新たな経済成長の在り方に関するシンポジウムが4日午後、東京大で開かれ、内外の研究者らが、深刻化する世界の水資源不足や地球温暖化問題の解決策を討議した。
基調講演では、食料や水資源問題の専門家で米アースポリシー研究所代表のレスター・ブラウン博士が「中国や米国、インドなど世界の主要な穀物生産国では、過剰な地下水のくみ上げによって地下水位が低下している」とのデータを紹介。「人口増加が著しい中国の穀物不足が1、2年のうちに顕在化し、世界の穀物価格が高騰することになるだろう」と述べた。
また「資源の浪費を前提にした経済が長続きしないのは明白で、石油の大量使用が環境に与えるコストを価格に反映するための炭素税の導入などが重要だ」と指摘した。
討論では、少量の水で多くの作物を育てる技術の開発や、農業廃棄物をエネルギー源として利用することの重要性を指摘する意見が相次いだ。
2004.6.4 共同通信ニュース速報
■ワンポイント解説
地球上に存在する水の97.4%は海水です。海の生物は海水でも生きていけますが、陸上の生物が生きていくためには、淡水という塩分濃度の薄い清浄な水が必要です。
その淡水はわずか2.6%しかないのですが、その大部分は南極や北極の氷として存在しています。陸上の生物が使える淡水はもっと少なく0.8%と言われています。しかも人間が飲料用など比較的簡単に使える淡水は、0.007%というごくわずかな量なのです(1997年の国連発表による)。
日本は農産物、たとえば小麦や大麦、豆類の9割以上、果物のおよそ半分を外国から輸入しています。一般に、農産物1キロに対して1トンもの水が必要といわれており、農産物を輸入するということは「1000倍の重さの水を輸入していること」なのです。
これだけでも驚きですが、最近、トウモロコシで1キロ(いずれも1キロあたり)あたり1.9トン、小麦粉で2.0トン、精米後の米で3.6トンの水を利用していることが分かったのです(総合地球環境学研究所の沖助教授の研究・・・・仮想水またはバーチャル・ウォーターと言います。)。
もし、これらをエサとして使って日本で家畜を育てた場合、鶏肉でも4.5トン、豚肉で5.9トン、牛肉では何と21トンの水を利用していることになります。牛丼1杯食べるのは、2トン以上の水を飲んでいることになるのです。
農産物1キロに対して水1トンという控えめな数値を使ったとしても、農村物を輸入することで52億立方メートルの水を輸入し、消費していることになります。これは、国内のおよそ3千万人分の生活用水に匹敵します。この他にも、木材や繊維製品などを輸入しており、「日本人の生活と経済は世界の水によって支えられている」といえるのです。
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国産材消費が15年ぶりに増加
2004.6.20 |
安価な輸入材に押され、減少傾向が続いている国産材の消費が、2003年は前年を3%上回る1662万立方メートルになることが、林野庁の調査で16日までに分かった。同庁は、住宅ローン減税の縮小に伴う駆け込み着工があったことなどが影響したとみているが、国産材の消費が前年を上回るのは15年ぶり。
国産材の利用促進は林業振興だけでなく、二酸化炭素吸収量を増やす森林整備にもつながり、京都議定書の達成を目指す林野庁にとって大きな課題となっている。林野庁木材課は「議定書
達成が厳しい状況は変わらないが、住宅や家具、紙製品への国産材活用を国民や製紙業界に呼び掛け、需要の伸びを加速させたい」としている。
林野庁によると、国産材の消費は1967年の5274万立方メートルをピークに減少。80年代に増減があったが、88年以降再び減少を続け、02年は1608万立方メートルまで落ち込んだ。04年は微増が続き、1673万立方メートルになると同庁は推定している。
政府は二酸化炭素など温室効果ガスの6%排出削減を定めた京都議定書で、3.9%分を森林の二酸化炭素吸収量で賄う計画。「健全なサイクル」を促す伐採と植林の森林整備を進めることが、二酸化炭素吸収量の増加になるため、国産材の消費増は議定書達成の前提となる。同庁は3.9%達成には、国産材消費を1994年レベルの2400万立方メートルが必要と試算している。
2004.6.16 共同通信経済ニュース速報
■ワンポイント解説
法隆寺の例をあげるまでもなく、日本の木造建築の技術は極めて高水準です。最近、木造建築が見直され、木造住宅に住みたいという人が増えてきています。木材は、軽量の割には強度が大きい、加工しやすい、保湿性や湿気の調節作用がある、断熱作用や遮音効果に優れている、紫外線を吸収する、など優れた特長があります。また心を癒すという心理的効果もあり、木造住宅にふさわしい材料といえます。
さらに木材をつくる時に使うエネルギーは、鉄をつくる時の80分の1、アルミニウムのわずか340分の1です。鉄やアルミニウムのかわりに木材を使うと、二酸化炭素削減したことになるのです。木材は、二酸化炭素を吸収してできており、その中に二酸化炭素を固定しています。つまり、木材を燃やしたり腐らせてしまわない限り、二酸化炭素が空気中にもどることはないのです。「街に木造住宅を数多く建てれば、その街は森林と同じ働きをしているということになる」と言われるゆえんです。
家を壊しても、使っていた木材はリサイクルできますし、最後には石油のかわりにバイオマスエネルギーとして活用することができます。
このように木造住宅は環境にやさしく、しかも国産材を使うと林業の振興にもつながり、まさに一石二鳥です。皆さんも家を建てる際、ぜひとも検討してみてください。
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土壌や湖沼で酸性雨による影響の可能性大
2004.6.27 |
環境省は25日、83〜02年度にかけて実施した酸性雨調査の分析結果を発表した。森林などの被害がみられる欧米並みの強さの酸性雨が過去20年間にわたって観測された。岐阜県山県市の伊自良湖周辺など土壌や湖沼の酸性度が高まった地点が一部であった。土壌への影響が報告されたのは初めて。同省は「生態系への影響はない」としているが、来年度以降、これらの地点の重点的な調査を実施する方針だ。
01〜02年度の雨水の酸性度(pH、水素イオン濃度)の平均値は4.34〜6.25で、83〜00年度にかけて実施した調査と同水準だった。日本海側が高い傾向にあり、中国など大陸から運ばれる汚染物質が関係しているとみられた。
伊自良湖周辺の土壌では、pHが90年度の4.8から00年度は4.1に低下し、酸性度が高まった。倶多楽湖(北海道白老町)▽鎌北湖(埼玉県毛呂山町)▽蟠竜湖(島根県益田市)▽鰻池(鹿児島県山川町)――でも、周辺のわき水や湖水のpHが低下する傾向がみられた。
同省は「これらの湖沼周辺の土壌中はアルカリ成分が少ないため、酸性雨の影響を受けやすい」と話している。
2004.6.25 毎日新聞ニュース速報
■ワンポイント解説
中国は一時よりスピードダウンしたものの、高い経済成長を続けています。 それに伴って大気汚染が深刻化し、酸性雨地域が広がっています。
この酸性雨が東シナ海を越えて、酸性雨となって日本に降り注いでいることが確認されています。 しかし、「だから中国は、けしからん」というのは筋違いなのです。
生産コストを少しでも下げようと、日本の工場が大挙して中国に進出しました。よく考えてみると、これは同時に公害源の海外輸出でもあります。
中国の公害規制の甘いことをいいことに、公害防止設備をきちんと整備しなかったのです。地元の工場も、当然のように公害防止対策を行いませんでした。 せめて日本国内程度の公害防止設備付きの工場を中国に建設していたら、ここまで状況は悪化していなかったはずです。
いま、「そのツケが酸性雨として日本に帰ってきている」という謙虚な態度が必要ではないでしょうか。
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「CO2削減・百万人の環」キャンペーンの実施結果
2004.7.4 |
今月19日(土)〜21日(月、夏至)の3日間、夜8時〜10時に照明を消し、CO2削減を呼び掛けた『CO2削減・百万人の環』キャンペーンについて、環境省は、22日(火)〜23日(水)、調査会社マイボイスコム(株)の協力を得て無作為抽出によるアンケート調査(2,000人)を行いました。 その結果、回答者の47.9%が本キャンペーンを知っており、5.0%が本キャンペーンに参加(該当時間に消灯、又は関連イベントに参加)したと回答しました。この参加割合を日本の人口に換算すると、参加者数は推計約640万人となります。 また、「消灯はしなかったが省エネ行動は行った」人を含めると18.4%が参加し、以後このようなキャンペーンが行われた場合は80.3%が参加に肯定的な回答をしました。
なお、ライトアップ施設やネオンサイン等の消灯を呼び掛けた『ブラック・イルミネーション2004』(6月20日夜8時〜10時)の参加施設登録は6,069カ所(昨年実績2,278カ所)でした。
2004.6.29 環境省報道発表資料より
詳しくは、ここをクリックしてください。
■ワンポイント解説
東京や神戸、大阪の夜景を見てすごく綺麗だと思う人がいます。また、神戸ルミナリエや明石海峡大橋のライトアップに壮大なロマンを感じる人も多いでしょう。
恐らくこの人たちは、「私たちは何と生活水準が高いんだろう」と考えると思います。
しかし、その彼らも人里離れた山村を訪れて、夜空に輝く満天の星を見たときその素晴らしさに感嘆するに違いありません。
そして「毎日こんな生活ができたら何と幸せだろう」と思うことでしょう。
さて、もし東京や神戸、大阪で夜間に大規模な停電が発生し、一斉にライトが消えたとき何が起こるでしょうか。
空を見上げると、満天の星が輝いているのを発見するはずです。
いま大都会で夜空の星が見えなくなっているのは、大気汚染というよりもむしろネオンサインや街中にあふれる照明(いわゆる光害)のせいなのです。
皆さんは、ライトに輝く夜景が見える生活と、満天の星を毎晩楽しめる生活とでは、どちらが生活水準が高いと思いますか?
二酸化炭素を削減するために、もし夜間の照明を最低限に押さえることができれば、満天の星とはいえないまでも、天然のプラネタリウムが毎晩楽しめるのです。
少なくとも私は、こちらの生活水準の方が高いと思います。何しろ、夜景は高いところに登らなければ見ることができませんが、夜空の星は空を見上げるだけでそこにあるのですから。
「いまさら原始時代には戻れない」「いったん便利な生活を経験したら、戦前のような生活は耐えられない」とよく言われます。それは事実でしょうか? 自分の本音でしょうか?
ひょっとすると、「誰かがそう言ったから、そのように思い込んでいるだけ」かもしれません。
皆さんも、生活水準について考えてみてはいかがでしょうか。
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環境ホルモン新戦略、全化学物質に広げ影響調査
2004.7.11 |
環境省は10日、環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)への対応方針を示す新戦略計画の大枠を固めた。現行計画で示した環境ホルモンの疑いがある65種類の化学物質リストを廃止し、2005年度以降は調査対象を全化学物質から毎年専門委員会で選び、ヒトだけでなく、広く生態系全般への影響を調査。性ホルモンにとどまらず、免疫系や神経系などへの作用を対象とすることも盛り込んだ。
2004.7.10 時事通信ニュース速報より
■ワンポイント解説
環境に放出された化学物質は、単独で存在することは絶対にあり得ず、常に複数が同居しています。
つまり、単独で影響がないからといって、人体に対して影響がないとは決していえないのです。
その物質自体は直接作用しなくても、その物質が存在するだけで他の有害物質が活性化することがあり得ます(触媒効果)。
またその物質の濃度は許容限界以下であったとしても、ほかの物質との相乗効果(複合作用)で生体に大きな影響を与えることがあります。
1+1=2という相加効果(足し算効果)や1+1=0という負触媒効果(引き算効果)も一部見られますが、それよりも、1+1=10とか100になることもあり得るということです。
現在、環境ホルモンの疑いがある合成化学物質は65種類ほどと言われていますが、これらの化学物質がどのように組み合わされたとき、どのような影響が出るかをすべて調べなければなりません。
このとき、環境ホルモン同志の相乗効果を調べるだけでは片手落ちです。環境中に存在するすべての物質を対象にしなければなりません。
さらに物質だけでなく、紫外線との複合作用や微生物との関係(無機水銀が太陽光や微生物の働きなどで有機水銀に変わるなど)も調べなければなりません。
とは言っても、これらをすべて調べることは、膨大な時間とコストが必要で、現実的ではありません。
そこで、生体に対する有害性が疑われ、しかも体内への蓄積性が大きく、分解しにくい物質については、全面的に廃止するのが望ましいのではないでしょうか。
少なくとも、疑わしき物質を「疑いが晴れるまで使用しない」ことが大切だと思います。
しかし、これらについて、単独の企業で解決するのは困難だと思われます。行政や国の研究機関と共同で調査することが望まれます。
少なくとも、何がわかっていて、何がわかっていないかを明確にする必要があります。
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2010年に100兆円の環境ビジネス国内市場創設を
2004.7.18 |
東京大学生産技術研究所の山本良一教授らが主宰する産学連携の「エコエフィシェンシーとエコデザイン技術特別研究会」(SPEEED)を中心とするグループは11日、「サステナブル経済の総合戦略」と題する提言をまとめた。それによると、2010年における100兆円規模の環境ビジネス国内市場の創設や、4500万世帯のグリーンコンシューマー化、憲法への環境条項の明記、環境・社会・経済政策マニフェストの公表と政策遂行などを掲げている。
2004.7.15 環境gooメールマガジンより
■ワンポイント解説
◆環境ビジネスとは?
持続可能な社会を構築するためには「環境ビジネス」の発展が欠かせないといわれますが、何をもって「環境ビジネス」とするのでしょうか。
環境省は平成14年8月に発表した「環境ビジネス研究会報告書〜環境と経済の統合に向けて〜」で、次のように定義しています。
環境ビジネスとは、「産業活動を通じて、環境保全に資する製品やサービス(エコプロダクツ)を提供したり、社会経済活動を環境配慮型のものに変えていく上で役に立つ技術やシステム等を提供するビジネス」である。
そして「エコビジネス」をOECDの定義に従って、「『水、大気、土壌等の環境に与える悪影響』と『廃棄物、騒音、エコ・システムに関連する問題』を計測し、予防し、削減し、最小化し、改善する製品とサービスを提供する活動」から構成されるもの、と規定しています。
このように環境省は、同報告書の中で「環境ビジネス」と「エコビジネス」という2つの言葉を使っていますが、両者は同じものと考えてよさそうです。
◆環境ビジネス(エコビジネス)の市場規模
環境省は、前出の報告書で「エコビジネスの市場規模は、平成9年現在24兆7千億円だったのが、平成22年に40兆1千億円に達する」と予測しています。年平均伸び率は3.7%になります。そして「中でも循環型社会を支える廃棄物処理・リサイクル関連ビジネスが約50%を占めることが注目される」としています。
また雇用規模については、「平成9年の69万5千人が、平成22年には86万7千人に増加する」と推計しています。ただし、「燃料電池自動車など当時から将来的な技術開発及び普及が期待されつつもデータが不足していた分野については、この調査では推計していない。さらに、近年のエコビジネスの急速な広がりを考慮すれば、市場規模及び雇用規模はさらに大きくなる」と予想しています。
◆10年後は「エコプロダクツ」という言葉が死語になる。
私としては、環境省の数字は、消費者(生活者)の意識と行動の変化を過小に評価しすぎているのではないかと思います。エコプロダクツ(環境配慮型商品)の市場拡大も重要なエコビジネスのはずですが、それが明確には考慮されていません。
さて、ここで大きな疑問が出てきます。それは、「平成22年に『エコプロダクツでない商品』がまだ存在できるのか」、また「現在でも国民総消費が300兆円もあるのに、平成22年時点で『環境にやさしい商品』がたったの40兆円なのか。その場合、国民総消費が現在から増えていないとしても、『環境にやさしくない商品』が260兆円も売れているということなのか」という疑問です。
もしこれが事実であれば、残念ながら循環型社会の構築は不可能でしょう。
しかし、平成22年頃の「エコビジネスの定義」が現在と同じであるはずはありません。そして、現在の環境意識の高まりや環境経営の進展、またグリーン購入の普遍化を考えると、平成22年には「環境にやさしくない商品」は市場から淘汰され、ほとんど姿を消していると考えられます。
さらにその頃には「エコプロダクツ」という言葉は完全に死語になっていると思います。また、そうなっていなければならないでしょう。すべてがエコであれば、わざわざエコと名乗る必要はありません。10年前に斬新だった「マイコン内蔵」という表示が、今では姿を消してしまったのと同じことです。
そういう意味で考えると、平成22年時点におけるエコプロダクツ(エコサービスも含む)の市場規模は、国民総消費が現在から伸びなかったとしても300兆円です。エコビジネスを環境省の定義に限定して40兆円市場と見るか、すべての商品とサービスを環境配慮を内蔵するエコプロダクツと捉えて300兆円市場と考えるか。どちらでも自由です。とはいうものの、より勇気が湧き展望が開ける方を選んだ方が楽しいと思いますが、いかがでしょうか。
このことから、今回「エコエフィシェンシーとエコデザイン技術特別研究会」(SPEEED)の提言した「2010年に市場規模100兆円」というのは、300兆円に向けた通過点としては極めて妥当であり、実現可能性のあるものと思われます。
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徳島県上勝町、究極のごみの34種類分別で8割再利用
2004.7.25 |
ゴミの分別収集と言えば既に定着した手法だが、34種類もの「究極の分別」を断行してリサイクル率8割の実績を上げている自治体がある。四国の山あいにある人口2200人の徳島県上勝町だ。ダイオキシン対策で焼却炉の閉鎖を迫られたが、ゴミを激減させて業者に託すという逆転の発想に立った。20年までに焼却・埋め立てをなくす「ごみゼロ(ゼロ・ウェイスト)宣言」を昨年した同町の動きは、ゴミを出さない社会への転換を国に問いかける。
2004.7.19 毎日新聞ニュース速報より
■ワンポイント解説
7年前に上勝町で環境についての講演を数カ所でさせていただいた。その際、同町職員の並々ならぬ熱意を感じた。特に行動力のある素晴らしい女性(下の記事にも出てくる東ひとみさん)がおられ、彼女はそのとき、「上勝町を自動販売機なしの町にする」と豪語されていた。
そして、今、上勝町は全国でもトップクラスの環境先進地域に成長した。やはり、明確なビジョンと実践行動が非常に大切なのだ。
少しだけ関わらせていただいただけに、非常に嬉しい。
以下は、毎日新聞の宮田哲記者の報告である。
◆収集車の走らない町
7月中旬の午前。杉林に囲まれた同町福原の日々ケ谷ゴミステーションに、主婦の石木直美さん(33)の車が来た。後部座席には二女(1)と一緒にゴミ袋も。ステーションには瓶やペットボトルなどを入れるかごや段ボール箱がズラリと並ぶ。順に回って出し終えた石木さんは「大変な時もあるけど、慣れました。リサイクルは当然だから」と笑った。
町に収集車はない。住民がゴミをステーションに持参する。15キロ離れた家やお年寄りなど車のない家もあるが、遠くの住民は土・日や出勤の際に寄り、お年寄りの家は近所やボランティアグループが代行する。「無料では頼みにくい」という人のため、今春からシルバー人材センターが有料で請け負うサービスも始めた。
ゴミは全国の業者に引き取られ、「スチール缶」は建築用資材に、「割りばし」はパルプになるなど多くが資源化される。燃やすしかない靴などは山口県で焼却される。生ゴミはほぼ全戸にたい肥化する処理器がある。
◆「周回遅れ」からの出発
1980年代まで町のゴミ行政は出遅れ、住民は穴にゴミを投げ入れて野焼きしていた。危機感を抱いた町は90年代から、減量化のために生ゴミ処理器の購入を補助したり、分別収集を実施。98年には小型焼却炉が稼働し、その後、分別も20種類以上に増えた。しかし、焼却炉はダイオキシン類対策特別措置法の基準に合わず、01年1月での閉鎖に迫られた。
そこで、採用したのが「分別を徹底して焼却ゴミを減らし、処理業者に託す」方法。設備更新をやめたのは、財政的理由もあったが、「設備ができれば、ゴミは減らなくなる」と予想されたからだ。提案した笠松和市町長(58)=当時は総務課長=は職員に「うちは前(設備)に走ってもよそに追いつけないが、逆(ゴミを減らす)方向に走れば一番になれるかもしれない」と話したという。
住民に納得してもらうため、町職員があらゆる会合に行って説明した。反対はほとんどなかった。担当した東ひとみさん(45)は「町には『困難は支え合って乗り越えよう』という昔ながらのコミュニティーが残っている。それに助けられた」と語る。
分別数が35(後に34)になり、燃やすゴミは激減した。99年度は67キロだった1人当たりの年間焼却量は、02年度は6割減の27キロに。逆に資源化に回す量は1.4倍の102キロに増加した。
資源化される一般廃棄物は全国的には1、2割とみられるが、上勝町では8割に上る。環境省の調査(01年度)では、全国の市町村の分別数は平均10種類弱。26種類以上は約20自治体で、上勝町の多さは際立つ。
◆国への問いかけ
昨年9月、町議会は「ごみゼロ」宣言を可決した。きっかけは、来町した環境問題の権威、米セント・ローレンス大のポール・コネット教授が笠松町長にニュージーランドなどで期限を定めて「ごみゼロ」を宣言する自治体が増えていると紹介したことだった。
笠松町長は「分別しても資源化できないゴミは残る。ゴミを生まない政策を訴えるためだった」と話す。宣言は、20年までに環境破壊を招く恐れのある焼却・埋め立て処分をなくす「最善の努力をする」と明示。町内では発生抑制のための教育システムなどを構築するとしたうえ、国、企業にも取り組みを求めている。
同町は、環境保護のためのシステム作りを研究するNPO法人を今年度中に設立する予定。笠松町長は、ビール瓶のように製造販売業者が廃棄物を有価で回収する制度の義務化を求め、各地で講演している。約3000人の市町村長がいる中、1人で法整備を迫っている。「実現すると思いますか」と問うと、笑顔で答えが返ってきた。「ゴミ問題を何とかしたい人はたくさんいる。声を上げ続ければ仲間はできる。状況は動きます」
◆上勝町のゴミの分別方法◆
(1)アルミ缶
(2)スチール缶
(3)スプレー缶
(4)金属製キャップ
(5)透明瓶
(6)茶色瓶
(7)その他の瓶
(8)リサイクル瓶(ビール瓶など)
(9)その他のガラス類・陶器類・貝殻
(10)乾電池
(11)壊れていない蛍光管
(12)壊れた蛍光管
(13)鏡・体温計
(14)電球
(15)白色トレー
(16)古布
(17)紙パック
(18)段ボール
(19)新聞・折り込みチラシ
(20)雑誌・コピー用紙
(21)割りばし
(22)ペットボトル
(23)ペットボトルのふた
(24)ライター
(25)ふとん・毛布など
(26)紙おしめ・ナプキン
(27)廃食油
(28)プラスチック製容器包装類
(29)燃やさなければならないもの
(30)廃タイヤ・廃バッテリー
(31)粗大ゴミ
(32)家電製品
(33)生ゴミ(自家処理する)
(34)農業用廃ビニール・農薬など(販売店に直接返す)
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オゾン層破壊、依然深刻な状況
2004.8.1 |
環境省は29日、2003年の日本上空のオゾン全量は1980年以前に比べて少ない状態が続いており、南極上空のオゾン層も「依然として深刻な状況にある」との監視結果を発表した。
気象庁の観測では、2003年の南極上空のオゾンホールは過去最大の規模に発達した。環境省はオゾンホールは長期的には拡大傾向が続いているが、延びはやや鈍化しているとした。
またオゾン層破壊物質について、クロロフルオロカーボン(CFC)の国内の大気中濃度は減少傾向にあるものの、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)の濃度は増加傾向が続いているとした。
2004.7.29 共同通信ニュース速報より
■ワンポイント解説
オゾン層破壊が進むと、紫外線B(UV−B)が増加し、様々な悪影響をもたらします。
ここで、どのような影響がもたらされるかを整理しておきましょう。
@皮膚ガンが増加する
紫外線Bは、生物のDNAつまり遺伝子の本体を傷つけます。
本章の冒頭で、世界中で皮膚ガンが増加していると述べましたが、その原因はオゾン層破壊に伴う紫外線Bの増加なのです。
一般に、オゾン層が1%減少すると紫外線Bが2%増加し、皮膚ガンや白内障などの影響が3%増えると言われています。
1・2・3ルールと覚えておくと良いでしょう。
皮膚ガンは、オーストラリアとか白人の話だと思っている人が多いようです。
しかし、いまの日本でも危険な状態にあり、皮膚ガン患者が急増しているのです。
神戸大学医学部は、「1976〜80年と86〜90年の各5年間を比べると、後の5年間の方が皮膚ガンにかかる率が高くなっていた」と発表しました。松山市では2.5倍にもなっていたのです。
ただし後の5年間といっても86〜90年のことで、すでにそれから10年がたっています。
現在では、当時よりも紫外線Bの量が増えているので、皮膚ガンの患者がさらに増加している可能性があります。
大阪大学医学部の発表によると、「日本でも、真夏の昼間に相当する日光に1時間さらされると、約2年間で皮膚ガンになる可能性がある」ということです。
A白内障患者が増える
紫外線Bの影響の2番目は、目に当たると白内障を起こすということです。
UNEP(国連環境計画)は、「10%オゾンの減少が続くと、皮膚ガンは26%増えて、白内障による失明が毎年世界で160万人から175万人増える」と発表しています。
日本上空でも、すでにオゾン層が10%くらい減っていると言われています。最近では、北日本で普段より30%もオゾン量が減っていることが観測されているのです(コラム参照)。
北日本の例を1・2・3ルールに当てはめてみると「オゾン層が30%減少することで、紫外線Bが60%増加し、皮膚ガンや白内障などの影響が90%増える」ということになります。
B 免疫力が低下する
これからもっと大きな問題になると思うのが、紫外線Bが免疫力を低下させるということです。 免疫力が低下すると、病気に感染しやすくなるし、いったん感染するとなかなか治りません。
しかも最近になって、ウイルスを持っている細胞に紫外線を当てると、ウイルスが活性化する現象が見つかっています。
「HIVウイルスの感染者が、紫外線に当たることによってエイズを発症する」という報告も出されているほどです。
今後は、外で真っ黒になって遊んでいる子どもほど紫外線Bの影響を受けて免疫力が低下し、O−157などに感染しやすくなるかもしれません。
C動物への影響
当然のことながら、人間以外にも深刻な影響が現れています。
先に、「カエルがいなくなってきた」と述べましたが、直射日光にさらされる場所に卵を産み付ける種類のカエルがいなくなってきているのです。
一方、アマガエルのように、直射日光に当たらない木の陰か深い水底に卵を産み付けるカエルは減っていないようです。
このことをもとにオレゴン州立大学が実験したところ、「カエルがいなくなったのは、卵が紫外線Bを大量に浴びてふ化しなかったから」と判明したのです。
またオーストラリアなどで、木に激突したり、崖から落ちて死ぬカンガルーが続出しています。さらに南米チリやニュージーランドでも、牛やヒツジに同じような異変が増えています。
紫外線Bの影響で目が見えなくなっているのです。
D植物や野菜の収穫が減る
植物も野菜も紫外線Bの影響は大きいといえます。
成長細胞に紫外線Bが当たると、穀物などの収穫が減少する可能性があります。
E海への影響
紫外線Bが増えると、魚介類が海の中から姿を消してしまう可能性があります。
すでに植物性プランクトンが激減し始めています。
オゾン層が薄くなる以前は、紫外線Aしか植物性プランクトンに当たっていなかったのですが、最近は紫外線Bが当たりだしました。そのためにDNAが傷つき、どんどん死滅しています。
そして食物連鎖が切れ、魚介類が減りつつあるのです。
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環境省、エコファミリーを表彰
2004.8.15 |
環境省は14日までに、環境に配慮した暮らしを心掛ける家庭を 募り、優秀な取り組みを表彰する事業を始める方針を決めた。2005年度予算の概算要求に事業費を盛り込む。地球温暖化の原因になる二酸化炭素の排出削減や自然保護などについて、地域レベルの自発的取り組みの拡大を目指す。
冷暖房や自家用車の使用を控えるなどの省エネ努力や、リサイクル、自然保護などに取り組む「エコファミリー」を募集。代表者を 「わが家の環境大臣」として登録し、年1回取り組みの成果を報告 してもらう。専門家らによる検討会で審査の上、優秀な家庭を表彰する。企業や自治会などが従業員らを対象に行っている環境配慮の活動についても「ファミリーエコクラブ」として認定し、活動を評価する。
市町村や環境省のホームページを通じて参加を呼び掛ける。取り組みの参考になるパンフレットを作製するほか、各地でシンポジウムや講演会、ごみ拾いや緑化などのイベントも開く考えだ。
2004.8.14 共同通信ニュース速報より
■ワンポイント解説
省エネは、「環境にやさしい」だけでなく、電気代・ガス代・水道代が安くなり、家計を大いに助けることになります。最近は、リストラや賃金カットによって家計が苦しくなっている人が非常な勢いで増えています。この人たちに、省エネ法のいくつかを伝授すれば、「おかげさまで、光熱費が〜千円も下がったわ。ありがとう」と感謝されること請け合いです。
ちなみに、知人に俗に言う環境派ではありませんが、毎月の水道代が1千円台の4人家族が存在します。「どうしてそんなに安くすむの? 我慢してるの?」と尋ねると、「我慢どころか楽しいよ。湯船にお湯を下から20センチくらいだけ入れて、家族4人で一緒にお湯につかるんだ。そしたら結構いっぱいになるだろう。スキンシップもできて会話も弾むよ」という返事。「これは、まいった」とギャフンと言わされた経験があります。
私は、「環境派でなくても環境にやさしい人はいくらでもいるのだ。うぬぼれてはいけないな」と自分自身を戒めています。
真に環境に優しいエコファミリーを増やしたいのなら、是非とも、自薦だけでなく他薦も対象にしていただきたいと思います。
また審査員として依頼された方は、応募してきたものだけを審査するという後ろ向きの姿勢ではなく、自ら歩き回ってエコファミリーを探し出すくらいの積極性を持っていただきたいと思います。
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環境省、地域ぐるみの湖沼浄化を支援
2004.8.29 |
環境省は21日、湖沼の水質浄化を促進するため、地域住民や民間非営利団体(NPO)の活動を支援するモデル事業を2005年度から3年計画で実施することを決めた。来年度予算の概算要求に事業費を盛り込む。
排水規制や下水道整備などのこれまでの対策に加え、地域ぐるみの自主的な取り組みを盛り上げることで、水質改善と水辺のにぎわいにつなげたいとしている。
事業は、湖沼水質保全特別措置法(湖沼法)の指定を受けている琵琶湖(滋賀)、宍道湖(島根)など10湖沼のほか、水質保全が特に必要な湖沼が対象で、来年度は5カ所程度を選定。水質改善や環境教育に取り組んでいるNPOなどから申請を受け付け、活動費を補助する。
汚れた河川の水が湖沼に直接流れ込まないようにする沈殿池の造成や、増えすぎて汚濁原因になっているアシの伐採などの浄化活動を推進。水辺の動植物の観察会、ごみ拾いや、情報交換を活発にするためのホームページ作成なども支援する。
今月総務省が発表した政策評価では、指定湖沼すべてが化学的酸素要求量(COD)の環境基準を達成せず、対策の強化が必要と指摘された。
2004.8.21 共同通信ニュース速報より
■ワンポイント解説
湖沼は自然の状態でも徐々に汚れていきます。湖沼は陸地で囲まれているために、湖水が海のように大量には入れ替わらないのが特徴です。こういう水域を閉鎖性あるいは停滞性水域といいます。
このため、自然の状態でも周囲の山林から落ち葉などが流れてきて、リンや窒素が蓄積することになります。これに加えて最近は、人間が排出する生活廃水によって湖沼の汚染がどんどん加速されています。たとえば、合成洗剤に含まれるリンや窒素、油や生ゴミに含まれる有機物によって栄養過多の状態、つまり富栄養化(過栄養化)が進んでいます。
富栄養化が進むと、藻やアオコなどが大量に繁殖して湖面が緑色に染まったり、真っ赤な赤潮が発生することになります。そして、それらが大量の酸素を消費して湖水が酸素不足となり、魚など水に棲む生物が死んでしまうのです。
この意味で、東京湾や大阪湾、そして瀬戸内海なども閉鎖性水域ですので、湖沼と同様に考える必要があります。
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中国、環境汚染による損失額をGDPに計上
2004.9.5 |
国家環境保護総局の潘岳副局長は1日、数カ月にわたる検証と協議を経て、「グリーンGDP」算出システムの枠組みが決定したことを明らかにした。同システムは現在、テストの準備が進められている。全国6大地区からそれぞれ1省を選んでテスト統計をした後、全国的に導入する計画だ。さらに、1998〜2003年分の環境汚染による損失額のデータも、近く算出される。
このほど検証された「環境に基づく国民経済計算体系の枠組み」は、(1)環境をめぐる物理的データの計算、(2)環境的価値の計算、(3)環境保護による支出額・生産額の計算、(4)環境の要素を考慮したグリーンGDPの計算――を含む具体的な表式計算システムの枠組みを制定している。
2004.9.2 人民網日本語版より
■ワンポイント解説
GDPは、各国の経済規模や経済成長度の比較に使用されてきました。「日本のGDPは世界第2位だ」「中国のGDPは日本の3割になった」「GDPが毎年10%以上伸びている」というように、国のランク付けや景気状況を表す指標として多用されています。
しかし、「GDPでは真の豊かさを表すことができない」というのはもはや常識です。大量の汚染物質を排出して大気や水を汚したとしても、生産額が増えることでGDPが増大します。そして汚染物質を除去するための装置を設置すると、開発費、装置価格、運転費用、メンテナンスサービス費用などが支払われ、当然のことながらGDPが増加します。
また、自然を破壊して「開発」という名のもとに大規模な建造物を建設すると、破壊そのものの費用、整地の費用、建設費、開業後の運営費、入場・宿泊料などがGDPに加算されます。そこの自然を破壊しなければGDPが増えることはなかったはずです。さらに、開発された場所を自然に戻す場合、自然復元に莫大な費用がかかりますが、これもGDP増に貢献します。
つまり、「環境を汚染・破壊しても、環境汚染を防止・復元してもどちらもGDPの増加につながる」ということです。これでは「いったん開発して、その後に復元したほうが何もしないよりGDPが増える」ことになってしまいます。
さらに、現在医療費は年間30兆円を超えており、このままでは2010年に88兆円になるといわれています。いうまでもなく、この医療費はGDPに加算されます。病気が蔓延し、医療費が何百兆円増えてGDPが激増してもまったく意味がありません。
◆グリーンGDPとは?
以上のことから「GDPの拡大を目的とする限り、幸福な世界を実感することは不可能」ということで、提案されているのが「グリーンGDP」に代表される新しい指標です。
グリーンGDPは、従来のGDPから環境破壊による経済的損失(外部不経済)を差し引いて算出する指標で、国連が1993年に打ち出した「環境・経済統合勘定」に基づいて各国で検討されています。
一般的には、前述のような経済活動に伴う環境に関する外部不経済を貨幣評価(帰属環境費用の算出)し、国内純生産(NDP)から帰属環境費用を差し引いた環境調整済国内純生産(EDP:Eco
Domestic Product)をグリーンGDPと呼んでいます。日本では95年、経済企画庁によって本格的な試算が公開されました。
この試算によると、1990年の環境破壊によって発生した経済的損失は8兆4000億円で、名目GDPの2%に達しています。ここでは、大気汚染、水質汚濁、国内の土地開発や森林伐採による生態系の破壊、地下資源の枯渇というマイナス分を評価し、GDPから差し引いています。
ただし、この中には土壌汚染や騒音・振動、水資源の維持費用、地球温暖化問題、日本の木材輸入による発展途上国の森林破壊などが考慮されていません。もしこれらを考慮すると、経済的損失は大変な金額に達すると思われます。一方では、水田や森林による国土保全・環境保全機能などのプラスの効果が無視されています。
このように、グリーンGDPはまだまだ不十分な指標ですが、GDPそのものの数値を使うよりは遙かに実状に合うのではないでしょうか。
また、グリーンGDPは貨幣価値に換算できるものしか扱えないので、幸福感やボランティア活動などによる充実感など、極めて大切な価値(精神的豊かさなど)を表せません。すでにいくつかの指標が提案されているので、近い将来、「真の目標」となり得るような総合指標が確立されるものと思われます。
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経産省、CSRに関する懇談会作成の中間報告書を公表
2004.9.11 |
経済産業省は9日、同省が設置したCSRに関する懇談会(座長・伊藤邦雄一橋大教授)がまとめた報告書を公表した。同省では懇談会を開催し、今年の4月からCSR(企業の社会的責任)についての基本的な考え方などを検討していた。
2004.9.9 経済産業省報道発表より
■ワンポイント解説
麗澤大学の高巌教授は、「CSRとは、企業が、市民、地域、及び、社会を利するような形で、経済上、環境上、社会上の問題に取り組む場合のバランスのとれたアプローチということ」としている。
様々な視点があるが、ここでは企業にとっての意義についてどう報告書から抜粋する。
■CSRへの取組についての企業にとっての意義
企業はCSRに取り組むことによって、リスクの低減、従業員の意欲向上、新商品・サービス市場の開拓、ブランド価値の向上、優秀な人材の確保等といった効果を得られる。このようなことから、CSRへの取組は、企業の価値を向上させる上で極めて重要である。したがって、企業にとってCSRへの取組は、経営と密接不可分であり、CSRへの取組を効果的に進めるためには、例えば、以下のような取組が重要である。
@経営者による明確な行動方針の確立と従業員の積極的な参加
・CSRの考え方、行動方針、具体的な取組の経営者による明確化
・従業員が積極的に参加できる体制作りを通じた価値の共有、働きがいと使命感の向上
A企業内における中核的推進体制の整備と内部統制の確立
・CSRの取組の一元的な管理を通じた効率的な取組
・内部統制の仕組みの構築による企業構成員全体への行動方針の伝達、それに基づく
業務執行、円滑な情報伝達の実現
B関係会社(グループ)、取引企業との一体的取組
・同じブランド下の企業グループにおいて、グループ企業全体やサプライチェーン全体を
対象としたCSRの促進
CPDCAサイクルを活用した継続的な取組
・ステークホルダーの評価を組み込んだPDCAサイクル(Plan、Do、Check、Action)の活用
D企業間連携、協力・国際的連携
・企業間の取組状況に関する情報交換を通じた先進事例の共有、普及
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日本の真夏日が2100年には120日に
2004.9.19 |
地球温暖化がこのまま進むと日本の真夏日(最高気温が30度以上の日)は2100年には約120日、2050年でも約90日になる。東京大気候システム研究センターや国立環境研究所などが、世界最速スーパーコンピューター「地球シミュレータ」を使って予測して16日、発表した。現在の日本での真夏日の平均日数は約50日。今世紀末には4カ月も真夏日が続くことになるという。
2004.9.16 毎日新聞ニュース速報より
■ワンポイント解説
計算には、2100年の二酸化炭素濃度を、世界的な経済重視政策で現在に比べ約1.9倍に増加する場合(シナリオA1B)と、環境を重視したため約1.4倍に抑えた場合(シナリオB1)の二つが想定された。全地球的に大気部分を約100キロ四方、海洋部分を約20キロ四方の格子状に分割し、2100年までの気候変動を詳細に算出したという。
なお、日本列島を覆う格子の1カ所でも30度を超えれば真夏日とカウントされている。
その結果、21世紀最後の30年間で平均した日本の夏の1日の平均気温は、20世紀最後の30年間平均に比べA1Bで4.2度、B1で3.0度上昇した。これを日数に当てはめると2100年の真夏日は約120日になるとし、また2050年でも約90日になると推定している。
と、ここまでの発表で、何か変だと感じなかっただろうか。
私は、この推定は極めて甘い、つまり真夏日を少なく見積もりすぎていると思う。
今年の(途中)経過を見てもそれは明らかだ。
今年の真夏日は、9月19日現在、東京都心で67日、大阪は88日目、熊本は100日を数えている。
先に、「日本列島を覆う格子の1カ所でも30度を超えれば真夏日とカウントされている」としたが、熊本単独だけでも2050年の推定値を超えているのだ。この定義のように「1カ所でも30度を超えるとカウントされる」のであれば、今年はすでに2100年の推定値並みになっているのではないだろうか。
今年は確かに史上最高の暑さを記録した箇所が多いが、とてつもなく異常だったわけではない。にもかかわらず、どうしてこんな推定値になるのだろうか。
発表では、「現在の日本での真夏日の平均日数は約50日」としているが、ここ数年の平均ではなく、温暖化があまり進んでいなかった過去数十年間の平均値を使用しているように思う(一般に平均気温は過去30年間で計算される)。
可能であれば、真夏日の定義を33度くらいにして、再検討していただきたいものである。35度以上になる日数を公表した方が、温暖化への関心が高まると思うのだが、いかがだろうか。
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中国国内で割り箸の日本向け輸出に批判高まる
2004.9.26 |
中国紙、国際商報はこのほど、中国から日本に輸出される大量の割りばしをめぐり、中国国内で「森林資源を破壊している」との批判が高まっており、業界側は「環境破壊には当たらない」と懸命に反論していると報じた。
同紙によると、中国は2003年に世界30カ国以上に割りばしを輸出し、1億2000万ドル(約132億円)以上を稼いだ。輸出の65%は日本向けだという。
森林資源減少を防ぐため、中国政府は01年に全国的な伐採量の上限を設定。だが、同紙によると、業界団体幹部は、割りばしに使われる木材は年150万トン程度で、03年の木材商品生産量の約3%に過ぎないと説明。また、原料はカバなど繁殖力が強く用途の少ない樹木が中心だとして、環境への影響は小さいと強調した。
中国の生産業界は、日本で中国製割りばしから漂白剤が検出されたことなどで輸入検査が強化されたことにも危機感を強めているようだ。業界団体幹部は、日本の輸入業者団体と交流を強化し、粗悪品防止に向け、製品規格制定や安全性向上を進めていると強調した。
2004.9.21 共同通信経済ニュース速報より
■ワンポイント解説
「割り箸は間伐林などの要らない木の枝などで作っているので、熱帯林の破壊とは関係ない。むしろ、間伐が行われないためにダメになってしまう人工林を救っているのだ」
「調査の結果、やはり熱帯林を使っている。熱帯林は長い年月を掛けて生態系が出来上がっているのであって、そもそも要らない木というのは存在しない。人間が勝手に要る木と要らない木とを区別しているだけだ」
「割り箸は、北海道で半分を作っている。もし割り箸を使うなというのであれば、この人たちの生活はどうなるのか。生活保障のことも考えて議論すべきだ」
このような意見が代表的なものだろう。
確かにどの意見も事実だろう。しかし、全体像を表しているか、真実を語っているかどうかは別問題だ。たとえば「ゾウは鼻が長い動物である」というのは事実だ。また「ゾウは足の太い動物である」というのも事実だ。しかし、いずれもゾウそのものを表してはいないことは明らかである。この割り箸の議論はこのような落とし穴に落ち込んではいないだろうか。
ボクは、「上の議論のいずれが正解ですか」というような質問を受けたとき、意見を述べる前に必ず次のように質問を返す。
「確かに、どの意見も事実だと思います。でも、その前にお聞きしたいことがあります。『割り箸が使い捨てである』とどこに書かれていますか。今までの議論を聞いていると、『割り箸が使い捨てである』という前提で議論が進んでいるように思えて仕方ないのですが」と。
割り箸のどこを見ても、『使い捨て』とは書いていないし、割り箸は断じて『使い捨て』ではあり得ない。その気になれば何回でも使えるものだ。現に、ボクは何回も洗って使っている。第一、今まで生きていた命を1回で捨てるなんてもったいないではないか。皆さんも、もう一度割り箸について『命(いのち)』という観点で考え直してみてはいかがだろうか。きっと、素晴らしい氣づきが得られると思う。
ところで、「割り箸が使い捨てでないとすると、売れ残ってしまい、生産者はますます生活どころではなくなるではないか」と思われたかも知れない。しかし、心配は不要だ。何回も使える割り箸であれば、たとえば「巨匠〜作」とか「人間国宝である〜師がデザインした」芸術的なものも作れるはずだからだ。「キムタクデザインの割り箸」なんかが出現すると、爆発的に売れるような氣がする。当然、利益率の非常に高い商品となり、使い捨てどころか、床の間に飾るような割り箸も出現するかも知れない。
次のことをぜひとも考えていただきたい。
・割り箸が中国の森林を破壊するから割り箸を使い捨てにしてはいけないのか?
・もし、割り箸が本当に間伐材でできていたとしたら、1回で使い捨ててかまわないのか?
これらの問いに対する応えが、良いわるいは別にして、今のあなたの環境問題に対する考え方であり、スタンスなのです。
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子供は大人より環境保全に関心が高い
2004.10.4 |
子供は大人より環境問題に幅広い関心を持ち、節水や節電にも熱心なことが29日、環境省の小中学生と大人を対象にした環境保全への意識調査で分かった。
調査は、20歳以上の1267人と、全国の小中学校72校の小学5年と中学2年生の計2221人から回答を得た。
関心のある環境問題を複数回答で聞いたところ、子供の70%が「世界的な森林の減少」としたが、大人は46%にとどまった。「水質汚濁」は子供68%、大人50%。「野生生物や希少動植物の減少」は49%と30%だった。
大人の方が関心が高かったのは、質問した10項目のうち地球温暖化と不法投棄問題だけだった。
環境保全のための日常行動では、子供の92%が「節水に気を付け、水道の蛇口をきちんと閉める」としたのに対し、大人は62%。「節電」「物を修理して長く使う」「地域の美化活動に参加」など、計8項目のうち6項目で子供の実行率の方が高かった。
環境省は「授業や自然観察など、子供の方がさまざまな環境情報に触れやすいことが影響しているのではないか」とみている。
2004.9.29 共同通信ニュース速報より
■ワンポイント解説
最近、環境教育についての議論が様々なところで行われています。よい傾向だと思います。
ただ、(何でも知っている)大人が(何も知らない)子供に一方的に教えるという愚だけは避けたいものです。
地球環境問題についてすべてを熟知している人は、世界中のどこを探しても存在しません(環境問題の一部に詳しい人はおられますが・・・・)。
それほど範囲が広くて奥深い問題なのです。
大人も子供も五十歩百歩です。いや、子供の方が感受性が強い分、この問題の本質をつかんでいるように思えます。その意味で、環境教育は、大人と子供が共に育て合い、育ち合う「環境共育」でなければならないのです。
この記事のように、子供たちの方が環境保全に関心があり、知識や知恵を持っている場合がけっこう多いものです。
ぜひとも、子供から学ぶ謙虚さを持ちたいものです。
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経済産業省、1世帯あたりの省エネの目安策定へ
2004.10.11 |
経済産業省は4日の総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)需給部会で、地球温暖化防止を目指す京都議定書目標を達成するため、1世帯当たりの省エネ目安を策定する方針を示した。ロシアが批准法案を閣議決定し、同議定書の来春の発効が確実になったことを受けて、日本の温室効果ガス排出削減目標(90年比6%減)を達成するには、国民一人一人の省エネ努力を促すことが不可欠と判断した。今年度改定する政府の地球温暖化対策推進大綱に盛り込む方針で、環境省と連携して策定していく。
省エネ目安は、年間にどのくらい省エネに取り組めばいいのかを、1世帯当たりで試算して、国民に提示する。モデルになる世帯は、地域、世帯数、建物別のほか、オール電化住宅などの場合も考慮して、複数のパターンで提示する予定。また乗用車1台当たりも性能や使用状況に応じたモデルケースで提示する。
2004.10.4 毎日新聞ニュース速報より
■ワンポイント解説
省エネは、「環境にやさしい」だけでなく、電気代・ガス代・水道代が安くなり、家計を大いに助けることになります。最近は、リストラや賃金カットによって家計が苦しくなっている人が非常な勢いで増えています。この人たちに、省エネ法のいくつかを伝授すれば、「おかげさまで、光熱費が〜千円も下がったわ。ありがとう」と感謝されること請け合いです。
☆具体的な省エネ法
省エネで家計が楽になることが分かると、もっと具体的な事例を知りたくなるかもしれません。そこで、「財団法人省エネルギーセンター」が公開している『家庭の省エネ大辞典』から役に立つデータをご紹介します。
省エネルギーセンターでは、省エネによって削減できたエネルギー量をデータに基づき、電気代・ガス代等の金額に換算しています。さらにそのエネルギー量を原油換算とCO2削減量で示しています。家庭での省エネが節約だけにとどまらず、省資源、地球温暖化の防止につながっていることがはっきり理解できると思います。
1.エアコン
●夏の設定温度は28℃を目安にする。
外気温度35℃の時、エアコン(2.2Kw)の冷房設定温度を
27℃から28℃にした場合(使用時間:9時間/日)
年間で電気16.33kWhの省エネ→約380円の節約
●冬の設定温度は20℃を目安にする。
外気温度7℃の時、エアコン(2.2Kw)の暖房設定温度を
21℃から20℃にした場合(使用時間:9時間/日)
年間で電気71.27kWhの省エネ→約1640円の節約
2.テレビ
●テレビを見ないときは消す。
1日1時間テレビ(28インチ)を見る時間を減らした場合
年間で電気40.84kWhの省エネ→約940円の節約
3.自動車
●アイドリングをしない。
40km走行毎に1回、5分間のアイドリングした場合と、しなかった場合との比較※
年間でガソリン16.25Lの省エネ→約1710円の節約
●急発進、急加速しない。
10km 走行毎に急発進・急加速をした場合と、しなかった場合との
比較(日本自動車工業会の公式値に基づく)
年間でガソリン28.00Lの省エネ→約2940円の節約
このまま温暖化などが進むと、省エネを進めるために、電気代・ガス代・水道代などを大幅に引き上げる政策がとられることになるでしょう。そうなると、光熱費の節約では家計を楽にすることができなくなり、この先「こんなことになるのだったら省エネしておけばよかった」ということになりかねません。「環境に関心のある人だけが省エネすればいい」と無関心を装うわけにはいかないのです。
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日本LCA学会が発足
2004.10.17 |
日本LCA学会(仮称)が10月26日に設立される。
製品やサービスなどの環境影響について、資源採取から製造、販売、使用、廃棄までライフサイクル全体を通じて定量評価するライフサイクルアセスメント(LCA)に関する研究・普及を進めるのが目的。関連の学会の設立は国内で初めて。
同学会では、政府や企業、市民など幅広い参加を呼びかけ、関連の知見の蓄積や、応用ツールの開発、その普及などを図る方針。また、企業における活用方法などを研究するLCA日本フォーラムとも連携。情報交流や共同研究などを実施するとともに、産業界への普及促進を後押しする。
2004.10.14 環境gooデイリーニュースより
■ワンポイント解説
ライフサイクルアセスメント(LCA) は、「製品の製造から、販売・使用され、廃棄されるまでの間に、どの程度環境に負荷を与えるかを定量的に評価する手法」です。
LCAでよく引き合いに出される事例に「テーブルの上にこぼしたコーヒーをティッシュペーパーで拭くのがいいのか、台ふきで拭くのがいいのか」というものがあります。実際に分析してみると、「台ふきの方が環境にやさしいし、コスト的にも得である」という結論が出ています(京都大学の高月紘氏の研究)。
しかし、もっと大切なのは「コーヒーをこぼさなかったら、ティッシュも台ふきもいらない」ということです。経営的に見ても、こぼしたコーヒーを処理するよりも、コーヒーをこぼさない方法を考えることの方が、遙かに重要です。
もっと言えば、「コーヒーそのものが果たして必要なのかどうか」→「水だったらこぼれても何も問題ないじゃないか」→「コーヒーも水も必要のない方法はないのだろうか」というように、考えを発展させていくべきです。このような発想を展開していくことこそ、LCAの本質なのです。
LCAは、ライフサイクル全段階における総環境負荷について、「自社製品とライバル商品との比較」や「新製品の旧製品に対する優位性」を定量的に示すツールとしては非常に優れたものといえます。
しかし、一般にLCAは単品に対して行われていることが多く、製品群全体での評価においては不十分だと思います。とくに以下の4つのケースについて、評価・比較する必要があります。
@前項のように「計画的陳腐化戦略」をとっている場合は、陳腐化戦略をとらなかった場合
との環境負荷についての比較が必要。陳腐化による売れ残りや不良在庫にともなって、
環境負荷も増大しているはずである。
A予めAという製品が予定されているにもかかわらず、それを発売する前にB、C、D・・・・
という製品を出している場合は、初めからAという製品を出し、B、C、Dを出さなかった
場合との、総環境負荷の比較が必要。
本来必要のない(世の中に出てはならなかった)製品を単独で分析評価し、旧製品と
比較しても意味がない。
Bニーズの多様化に対応すると称して、少しずつ機能を変えて他品種化している場合は、
製品群全体としての評価が必要。
Cこれまで世の中に存在しなかった「真の新製品」の場合は、その製品群が会社の総環
境負荷に与える影響(増加するのか、減少するのか)を評価することが必要。
この4つのケースの場合、単品だけのLCAを評価することに、何の意味があるのでしょうか。単品で環境負荷10分の1という「ファクター10」を達成したとしても、製品群全体としての総環境負荷が10倍「ファクター・マイナス10」だとしたら、笑い話で済ますことはできません。
このような(意味のない)LCAに一生懸命取り組んでいる企業は、現在では少なくなっていると信じています。しかし、このままの景況が続くと、販売不振の打開策として「計画的陳腐化戦略」を選択する企業が増えてくるかもしれません。
そこで必要となってくるのが、「商品群ライフサイクルアセスメント(商品群LCA)」です。ライフサイクルを単品で見るのではなく、シリーズ全機種、あるカテゴリーの商品群全体の総環境負荷を評価・比較するものです。
エコデザインの進展やトップランナー方式の適用などにより、近い将来、単品同士の差異は極限まで小さくなるでしょう。その時点では、商品群LCAの優位性が、差別化のための重要な指標のひとつになっていると思います。
商品群LCAによって、陳腐化ペナルティの重要な資料となる、環境負荷とエコ・リュックサックをトータルで削減できる、オンデマンド生産志向へのインセンティブとなる、などの効果が期待できます。
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台風が強いのは温暖化の影響?
2004.10.24 |
台風23号のすさまじい風と雨で、たくさんの人が亡くなったり、行方不明になったりした。
ことし、日本に上陸した台風はこれで10個になる。過去30年間の年平均は2.6個だから、いつもの4倍近い頻度の来襲である。しかも、ことしは激しい台風が多い。最大風速が秒速33メートル以上になるものを「強い台風」と呼ぶが、「強い」や「非常に強い」がほとんどだった。
例年は10月になると、台風の上陸はほとんどなくなり、月平均で0.1個だ。ことしは10月にもう2個目である。南の海には次の24号がいる。毎週のように台風がやって来るかもしれない。
台風は南の海の水温が高いほど強くなり大きくなる。そういえば、この夏は40度近い猛暑が続いた。
それぞれ、周りの気圧の配置や大気の動きなどが直接の原因になっている。だが、その背後で地球温暖化が影響しているのではないか。そう多くの人が心配している。
石炭や石油を燃やして出る二酸化炭素の急速な増加とともに、地球の気温はこの100年間で0.7度上がった。
国立環境研究所などの試算によれば、このまま手を打たなければ、これから100年で4度上がる。そして日本では真夏日がふえ、豪雨もふえる。
温暖化は気温が高くなるだけではない。大気の持つエネルギーがふえるので、気候の変わり具合がもっと激しくなる。雨は1回あたりの量がふえ、気温の高いところはさらに高くなる。逆に雨の少ないところは砂漠化がいっそう進むといわれている。米国の研究者も、温暖化でハリケーンの風力や降雨量がふえると発表した。
温暖化はゆっくりと進む。毎年の気温や雨量にも変動の幅がある。このため、1年だけの変化では、その原因がどこにあるのかははっきりしない。 だが、いま世界が経験していることはまさに温暖化の予測の通りではないか。そんな気もする。
台風などの災害に備えながら、地球の気候変動を防ぐ手だても考えたい。
2004.10.22 朝日新聞ニュース速報より抜粋
■ワンポイント解説
温暖化で地球の気温が上昇すると、台風やハリケーンなど熱帯低気圧が巨大化すると予想されています。温暖化が進むと海水表面温度が高くなって、熱帯低気圧にエネルギーがどんどん補給されるからです。
そして日本沿岸など、比較的緯度が高いところで水温が高くなるので、熱帯低気圧の勢力が非常に強いまま沿岸地帯に上陸する可能性が強くなると考えられます。
現在の熱帯低気圧は、はるか南方海上では猛烈に発達していたとしても、上陸する頃にはかなり勢力が衰えています。これは、沿岸部に近づくにつれて海水温度が低くなり、水蒸気(エネルギー)の補給が少なくなるからです。しかし、温暖化が進めば、沿岸部に来てもどんどんエネルギーが補給されるので、猛烈な勢力を保ったまま上陸する可能性が強くなるのです。このポイントが報道されていないことは非常に問題です。
温暖化で海面が上昇するうえに、熱帯低気圧が巨大になり、しかも勢力が衰えないとしたら、沿岸地域は防災上で大きなリスクを負うことになります。
ただし長期的に見た場合、赤道付近と日本近海との温度差が小さくなり、台風の発生が少なくなることも予想されます。場合によっては、台風そのものが発生しなくなる可能性もあると思われます。
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2070年に北極の氷消滅 温暖化原因で報告書
2004.11.6 |
地球温暖化が続けば2070年の夏には北極地方から氷が解けてなくなり深刻な影響が出る−北極圏8カ国の科学者らがこのような報告書をまとめ、直ちに二酸化炭素など温室効果ガスの排出規制に取り組むよう警告した。2日付の英紙フィナンシャル・タイムズが報じた。
報告書は米国、カナダ、ロシア、北欧諸国など計8カ国で構成する「北極評議会」の委託で各国の科学者計約250人が4年かけて作成。
それによると、北極の氷山は前例のない速いペースで解けており、過去30年間で北極地方の氷の厚さは半分、分布面積は10%減ったという。
気候変動がこのペースで続けば、2070年の夏には北極地方から氷が消滅する可能性があると予測。氷の溶解により21世紀末には海面が1メートル近く上昇し、多くの国の沿岸地域に洪水の被害をもたらす可能性もあるという。
同紙は一方で、北極地方の温暖化で氷が解ければ、船舶の通航や石油、天然ガスの開発にとっては有利との専門家の見方も伝えた。
2004.11.2 共同通信ニュース速報より
■ワンポイント解説
最初に、この記事で誤解を与えかねない表現を指摘しておきたいと思います。
「氷の溶解により21世紀末には海面が1メートル近く上昇し」とありますが、これは北極の氷山が解けるためではありません。
北極の氷山は、海の上に浮いているものであり、全部が解けたたとしても海面水位は変わりません。まさか「北極協議会」の科学者が間違ったとは思えませんので、記事にする時点か翻訳の際に勘違いしたものと思われます。
実際には、南極大陸、グリーンランド、アラスカなどの棚氷、またシベリヤなどの山岳氷河などが解けること、さらに水温上昇に伴う海水の膨張で海面が上昇します。
さて、北極の氷山が消滅すると、地球規模の気候変動を引き起こすことが予測できますが、北欧などでは極端な寒冷化の可能性が指摘されています。
米、ロシア、ドイツの国際共同研究グループは、「欧州周辺に大量の熱を運んでいる海水の循環が変わり、英国などは氷河期のように寒冷化する可能性もある」と指摘しています。「地球温暖化によってオビ川やエニセイ川などユーラシア大陸の大河から北極海に流れ込む水量が増加傾向にあり、今後も続けば海の塩分濃度が下がって、海水の循環に大きな影響が出る」というのがその理由です。
北極は寒冷なので海氷ができます。しかし凍るのは淡水なので(淡水が減った分だけ)結果として塩分濃度が上昇します。塩分の多い海水は比重が大きくなるので、北極海で下降流が発生し、海水の大循環が生まれます。ここで大河から淡水が流入すると塩分濃度が薄まり、下降流が弱まります。すると海水の大循環が大きく変動する可能性があるというのです。場合によっては停止するかもしれません。
イギリスや北欧は、この大循環から発生するメキシコ湾流という暖流によって暖められ、本来あるべき気温よりも高くなっています。つまり、大循環が停止すれば本来の寒冷な気温にまで低下するというわけなのです。
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北極で今世紀末に平均気温が最大7度上昇の予測
2004.11.14 |
北極圏では今世紀末までに平均気温が最大7度上昇するなど、温暖化が急速に進み、ホッキョクグマやアザラシの絶滅や、大幅な海面上昇などの破局的な環境の変化が起こることが懸念されるとの調査報告書を、米国やノルウェーなど8カ国、約250人の科学者チームが9日までに発表した。
報告書は、氷が解けることで、氷によって反射される太陽エネルギーの量が減ってさらなる温暖化を招くことや、温暖化が成層圏のオゾン層の回復を遅らせることなども指摘。「温暖化による北極の生態系破壊は、地球規模で深刻な影響をもたらす」と警告した。
2004.11.9 共同通信ニュース速報より
■ワンポイント解説
前回に引き続き、北極の話題です。
北極付近の海氷の動向によって、著しい気候変動を引き起こす可能性があります。海氷が覆っている時は太陽光を反射し地球を冷やす作用がありますが、解けると海水が太陽熱を吸収し地球を暖める作用に変わります。
このように北極地方は、今後の気候変動を左右する地域と言っていいでしょう。
ところで、各国の研究者の現地調査やコンピューターシミュレーションなどを総合した「北極圏気候影響評価」は、現在のペースで大気中の二酸化炭素濃度が上昇すると、今世紀末には北極海を覆う夏場の氷が少なくとも50%減少、ここに生活を依存するホッキョクグマやアザラシ、海鳥などが絶滅する可能性があるとしました。
最悪の場合、2070年夏には北極地方から氷が消滅するとの予測も併記しています。これは、太陽熱の吸収による地球表面付近の温度上昇を加速する方向に作用します(ポジティブ・フィードバック)。
そして、温暖化で地表に蓄積されるエネルギー量が増えたり、土壌からの二酸化炭素放出量が増えたりして、温暖化がさらに加速され、今後約100年間で最高で7度も平均気温が高くなると予測しています。グリーンランドの氷床などの溶解による海面の上昇は長期的には7メートルにも達する可能性があるとしています。
報告書はまた、温暖化によって凍土が軟弱になってパイプラインや道路が使えなくなるなど、周辺の人間生活にも悪影響が出ることを警告しており、二酸化炭素排出削減の重要性を強調しています。
なお、報告書要旨は以下の通りです。
●北極圏では急速な温暖化が既に起こっており、今後約10年間で4〜7度の温度上昇が
予測される。
●氷床や海氷が反射するエネルギーの量が減って温暖化を加速、さらに、温暖化が土壌
からの温室効果ガスの放出を増加させる可能性が高い。
●海氷の減少は、そこにすむホッキョクグマやアザラシ、海鳥を絶滅に追い込む。
●温暖化によってグリーンランドの氷床が溶解。長期的には7メートルの海面上昇に
つながるだけの量になる。
●温暖化は成層圏のオゾン層の回復を数十年遅らせ、この地域の住民の皮膚がんや
白内障が増加する。
●海面上昇による沿岸域の浸食、土壌の軟弱化によるパイプラインや道路の被害、
生態系の変 化による食糧不足などが地域の先住民などの暮らしに悪影響をもたらす。
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国産材消費拡大で、紙製飲料容器の普及を提言
2004.11.20 |
国産材の消費拡大と林業振興について、学識者らが話し合う「日本の森を育てる木づかい円卓会議」(議長・川井秀一日本木材学会会長)が15日、紙製の飲料容器の普及を図るべきだとする提言書をまとめ、前田直登林野庁長官に提出した。
提言書は「木材は伐採と植林の繰り返しで、永続利用できる資材」と強調。輸入材に頼らず国内の人工林を積極活用することで林業の採算性を高め、森林荒廃を防ごうと呼び掛けた。
具体策として(1)国産材を使った紙製の飲料容器やまな板、家具などの普及を図り、製品に国産材使用と表示する(2)「木の週間」を新設、タレントやマスコミを活用したPR活動を行う−−な
どを提示した。
2004.11.15 共同通信ニュース速報より
■ワンポイント解説
林野庁によると、スギやヒノキなど全国の人工林約1030万ヘクタールのうち、約8割が伐採や間伐に適した時期を迎えています。しかし、消費者の木材離れや輸入材の影響で、伐採、間伐は現在年間約40万ヘクタールに留まっています。このままでは林業不振だけでなく森林荒廃が進み、景観の悪化や洪水防止機能の低下などが深刻化することが懸念されています。
確かに、国産材の競争力不足による需要の低下で、結果として森林の荒廃が進んでいます。早急に抜本的な対策を立てる必要があります。
しかし、だからといって「紙製飲料容器の普及」が、提言の最初に出てくるのはいかがなものでしょうか。
紙製容器は結局廃棄物になり、燃やされることになります。今の国策では、燃やすことが奨励されており、国としては当然の政策なのでしょう。「熱回収というリサイクルが可能」ということでしょうが、いわゆるサーマルリサイクルは「熱回収」であって、「元に戻す」という意味でのリサイクルではありません。
これは、廃棄物の定義が「固体または液体」となっている我が国の「廃棄物処理法」の不備を利用した(悪用した)政策といわざるを得ません。
燃やすということは、酸素が化合する(酸化する)ということです。つまり、酸素分(O2)が必ず増えるのです。つまり、トータルでは必ず重量が増加します。もし、廃棄物の定義が、「固体+液体+気体」に拡大されたとすると、燃やすことは廃棄物増大の元凶になってしまうのです。現状では、炭酸ガスなどの気体は廃棄物の定義に当たらないので、「廃棄物の減量策」と錯覚しているだけなのです。
「その分ペットボトルの需要が減るからいいじゃないか」と言う反論が出るでしょうが、「プラスチック業界はどうすればペットボトル(プラスチック)の需要を増やせるか」と日夜努力を続けているのです。紙製容器が増えたとしても、ペットボトルが減るという保証はどこにもないのです。
それよりも、国産材を使った住宅の普及を考えた方がいいと思います。100年とか300年持つ住宅を建てて、棄てられる木材を低減させるのです。
ただし、「100年、300年持つ家であれば何でもいい」というわけではありません。
私たちは、寿命が来たから家を建て替えるわけではありません。住みたくなくなったから家を棄てるのです。つまり、大半の家は寿命が来る前に、棄てられてしまうということです。
一般に長寿命の家(木造)を建てるには、樹齢の長い木が必要です。寿命の長い家を短期間で棄てるのは、さらに勿体ないことをしているのです。
だから、長く住みたくなる住宅の開発が不可欠です。設計者と住人が、一緒になってライフプランを立て、それにふさわしい住宅を建てるなど、住めば住むほど愛着が出る工夫が必要となるでしょう。
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今年は全国各地で記録的な集中豪雨が頻発
2004.11.27 |
豪雨被害が相次いだ今年、全国各地で短時間の強雨や大雨が記録的に頻発していたことが25日、気象庁のまとめでわかった。全国1308地点のアメダス(地域気象観測網)の記録(24日まで)で、1時間に50ミリ以上の観測は468回、1日に400ミリ以上の雨は30回に上り、アメダス観測が始まった76年以降で最多となった。 時間雨量50ミリ以上の雨は、「滝のように降る」「傘がまったく役に立たない」といわれる。これまで最高だった98年1年間の419回を上回った。日降水量400ミリ以上の回数は、これまで最多だった97年の23回を超えた。400ミリの降水量は、東京(大手町)の平年の年間降水量(1467ミリ)の約3・7カ月分にあたる。 1日に200ミリ以上の雨が降った回数も463回で、82年の364回を超え、過去最高。強雨や大雨は西日本の太平洋側をはじめ、東海から関東、北陸などで多く観測された。 同庁は、過去最多の台風10個が上陸し、勢力も強かった▽新潟・福島豪雨、福井豪雨のように強い雨雲が長時間にわたって停滞した、ことなどを原因に挙げる。同庁はこの30年弱の推移について「年ごとの変動が近年、次第に大きくなっている。地球温暖化の影響も考えられるが、解明は今後の課題」としている。
2004.11.25 朝日新聞ニュース速報より
■ワンポイント解説
現在、あちらこちらで計画されているダムや可動堰は、たいてい100年とか200年に1度起こるような洪水を防ぐことができるように設計されています。問題は、この予測の中で「地球温暖化の影響を考慮していない」と言うことです。 地球温暖化については次章で詳しく述べますので、ここではダムへの影響についてだけ触れておきたいと思います。
地球温暖化によって異常気象が増えると言われています。科学技術庁は、200年に1回起こるはずの出来事が10年に1度で起こるようになると発表しています。また、台風が大型化する可能性も大きくなると言われています。このことは何を意味するでしょうか。
地球温暖化のことを考えずに、100年とか200年に1回の洪水を防ぐ設計になっているとすれば、地球温暖化を考えれば10年に1回の洪水を防ぐことしかできないということになります。旧科学技術庁の見解に従うと、地球温暖化のことを考えて、500年に1回とか1000年に1回の洪水に耐える設計をしなければならなくなります。 いったい、どれほど巨大なダムや可動堰を造らないといけないのでしょうか。天文学的な建設資金(まず調達は不可能)が必要になりますし、実際に1000年も持つようなものが造れるとは考えられません。
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どうして洪水を防ぐためのダムが必要なのでしょうか?
一言でいえば、「洪水が恐いから」。 ではどうして洪水が恐いのでしょうか? もちろん「たくさんの人が死んだり、農業ができなくなると困るから」。
どうして人が死んでしまうのでしょうか?、どうして農業ができなくなると困るのでしょうか?・・・・昔と違って今は気象レーダーがあるので、上流で集中豪雨があったことはすぐに分かるし、台風なんかは何千キロも離れているところからでも、どこにあって、どこに向かっているか分かるはずなのに・・・・それでも逃げることができなくて、たくさんの人が死んでしまうのでしょうか。
洪水が恐い本当の理由は、「防災体制、避難誘導システム、救援システム、損害補償制度などができていないから」ではないでしょうか。たとえ農業ができなくなったとしても、しばらくは生活できるような補償があれば、恐怖心はかなり軽減できるはずです。 少なくとも、防災・避難誘導・救援・損害補償システムが整備されれば、「大洪水が起こったらどうなるか」という不安は解消されます。そうなれば、洪水対策としてのダムや可動堰の建設は必要なくなるように思います。今、洪水の心配についてあれこれ言われてるのは、これらのシステムが整備されていないからだと思います。
確かに「ダムを造るべきとか、造ってはいけない」という議論も必要かもしれませんが、一刻も早くシステムを完備させておくべきです。議論の結果、「ダムが必要」と言うことになったとしても、災害は工事が終わるまで待ってはくれません。建設中に大洪水が起こることもあり得るのです。 今年は、集中豪雨・台風・地震といった自然災害が頻発しました。特に、豊岡・舞鶴周辺の大洪水と、新潟県の大地震に相次いで見舞われました。
このことは、将来、梅雨時などの集中豪雨・台風・大地震が同時に起こる可能性を示唆しています。火山の噴火や大豪雪なども含めて、複数の自然災害が同時に起こったときの防災体制を早急に確立すべきではないでしょうか。
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日本温暖化ガス削減基金が設立
2004.12.4 |
電力や商社、自動車、電機など大手企業35社と国際協力銀行、日本政策投資銀行が共同で、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出権を海外から買い取るファンド「日本温暖化ガス削減基金」を1日、設立した。 来年2月に発効する京都議定書で義務付けられる温室効果ガスの削減目標達成に向け、官民合同の取り組みが本格化する。 基金には、東京電力、三菱商事、三井物産、新日本石油、トヨタ、ソニーなど35社と2銀行が合わせて1億4150万ドル(約145億円)を出資。途上国で実施する温室効果ガス削減事業の削減分を先進国が受け取るなどの「京都メカニズム」を利用し、排出権を購入する計画だ。 すでにアジアや中南米などで複数の事業と契約交渉を進めており、2014年までに計1000万トン以上の獲得を見込んでいる。獲得した排出権は、出資額に応じて企業に分配する仕組みだ。 京都議定書は、日本に1990年比で6%の削減を義務付けているが、2003年度の排出量は逆に約8%増となっている。 産業界では、日本経団連を中心に作成した自主行動計画で業界ごとに削減の努力を重ねているものの、国内での対策には限度がある。このため、大量にガスを排出する電力会社などが「京都メカニズム」を活用する動きを活発化させている。
2004.12.01 読売新聞ニュース速報より
■ワンポイント解説
◎京都メカニズムとは?
京都議定書では、先進国による温室効果ガスの排出量削減の数値目標が定められています。しかし、日本などの国では、すでにエネルギー使用効率がかなり高く、これらの数値目標を国内のみで達成することは困難と言われています。また、効率改善の余地の多い国で取組を行ったほうが、経済的コストも低くなることから、他国内での削減実施に投資を行うことが認められています。 この制度を「京都メカニズム」(Kyoto
Mechanism)と言い、温室効果ガス削減をより柔軟に行うための経済的メカニズムです。対象国・活動の種類により、それぞれ「クリーン開発メカニズム」(CDM)、「共同実施」(JI)、国際排出権取引に分けられています。
◆クリーン開発メカニズム
温室効果ガス削減数値目標を達成する手段のひとつとして認められたシステムで、CDM(Clean
Development
Mechanism)とも呼ばれます。 他の国で行った温室効果ガスの削減・抑制対策による温室効果ガスの削減量をクレジットとして得て、自国の削減目標に充当できるシステムのことです。たとえば、日本が発展途上国の二酸化炭素を削減するための技術援助をしたり、森林を育てたりすることも削減数値にカウントできます。
◆共同実施
共同実施(Joint
Implementation:
JI)とは、ある事業を2国間で行うことで、それによって発生した温室効果ガスの削減分を自由な割合で分けることができるという制度です。 たとえば、ある国が旧式火力発電所を最新式天然ガス発電所に立て替える際、日本と共同で事業を実施したとします。もし、この事業にかかる資金を日本が多く拠出した場合、この事業で実現した温室効果ガス削減分を日本にその分だけ多く提供します。資金の少ない国に先進国の進んだ技術を提供できる、というメリットがあります。
◆排出権取引
排出量取引(Emission
Trading:
ET)とは、それぞれの国に割り当てられた削減分をほかの国と売買し合えるというものです。たとえば、もうすでに目標を達成してしまい、さらに削減ができるというA国と、このままでは目標を達成できそうにないB国があるとします。このときにA国は目標より削減しているので、その分をB国に売ることができます。
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クマやシカの生息域、休耕地などで拡大
2004.12.11 |
環境省は10日、ツキノワグマやニホンジカ、キツネなど中・大型哺乳(ほにゅう)類の生息区域の割合が、ほぼ四半世紀前に比べ約6〜18%増えているとの調査結果を発表した。過疎化や高齢化で管理されなくなった農耕地や人工植林地での増加が目立った。今年相次いだクマ被害の一因とみられ、同省は「野生動物の行動範囲が広がり人と接触する確率が増えた。どう共生していくのか、改めて大きな問題だ」としている。
2004.12.10 朝日新聞ニュース速報より
■ワンポイント解説
2000〜03年度に、森林や山で鳥獣保護や狩猟などに従事する約1万8000人を対象に聞き取り調査が行われました。
なお、全国を5キロ四方、約1万7000の区画にわけ「過去5年間に見た」との情報が、1区画で2件以上あった場合を「生息」としています。
生息区域の割合は次の通りです。
・ニホンジカ42%(前回78年度調査では24%)
・カモシカ29%(同17%)
・ニホンザル20%(同13%)
・ツキノワグマ(北海道除く)34%(同28%)
・ヒグマ(北海道のみ)55%(同48%)
・イノシシ39%(同30%)
・キツネ67%(同58%)
・タヌキ66%(同59%)
このように全種で増えています。
環境省は「今年、市街地などで出没が相次いだツキノワグマは、行動範囲が広がる一方で、紀伊半島や四国では孤立した分布域もみられ、絶滅に向かう地域もありうる」としています。
同省は「野生動物の行動範囲が広がり人と接触する確率が増えた」と言っていますが、「行動範囲が広がらざるを得ない」状況が生まれているのです。
開発や手入れのされない人工林の増加によって、エサになる木の実や小動物、昆虫などが減少しています。そこに最近の異常気象が追い打ちをかけたかたちになっています。
今年の自然災害を振り返ってみると「集中豪雨や台風による洪水、地震、クマやサルなどの野生動物による被害」などの背後に、森林の荒廃が間接的な影響を及ぼしていることが分かります。
いや、間接的どころか、もはや「直接の影響」と言っていいと思います。
今後は、温暖化や酸性雨などにも貢献することから「森の保護と育成」が最大の環境対策になるでしょう。
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