こんな相談がありました

相談 3  不安な気持を整理し、自分ができることを知る

母親、姉と遠方に離れて住む、40代のシングルマザー。姉家族がうまくいっておらず、姪が引きこもり状態であることを訴える70代の母親の電話が頻繁にかかるため、姉家族にはたらきかけるもののうまくいかず、どうしていいかわからなくなって相談にみえた。「私が何とかしなければ、姉家族も、母親も不幸になる・・」と大きな不安を抱えている様子であった。話される内容を整理し、自立を求めている姪を支える社会的資源があること、母親が訴えることは全てが事実とは限らないこと、などと話すうちに落ち着いてきた。そして、同じように遠方で暮らす母親をもつカウンセラーの「私に出来ることは母親の愚痴を聞くことくらいよ」という言葉が心の琴線に触れたのか、「私が姉と母親の愚痴を聞くことを覚悟すればいいのですよね」と、腑に落ちたように口にした。母親の不安に巻き込まれすぎていたことを自覚し、今の立場で自分のできる事は何なのか、そして母親達に安心感を贈るにはどうすればいのかに気付いた様子が伺えた。一回だけの面接ではあったが、入室時の不安げな様子と、帰る時のさっぱりとした表情が対照的であった。

相談 2  父親が積極的に取り組むことにより、再登校に至ったケース

両親揃って、小5長女が1ヶ月半、登校をしていないと相談にみえた。家庭内の様子を伺うなかで、父親は「長女と母親の関係が近すぎる。同居を始めた祖父母世帯と自分達がぎくしゃくしている」と感じ、母親任せにしていた家庭内の問題に真剣に取り組むようになった。同時に、母親は「長女に何かと口うるさく言っていた。祖父母世帯に気を遣いすぎていた」と言って、ご夫婦が話し合って対応を変える取り組みをした。学校側とは密に連絡をとり、協力を求めたうえで、長女が登校したい素振りを見せた時期を上手に捉え、特に、父親が強くフォローする形で再登校に至った。同居の祖父母世帯とは、お互いが楽になる付き合い方に変化していた。再登校6週後の面接で、父親は、「この問題に取り組んだ時期は仕事に余裕があり、上司や同僚の理解も得られラッキーだった」と述べた。そして、又多忙になった父親に対し母親は「今回、主人が積極的に関わってくれ、とても助かった。今後、仕事が忙しい時には、家族に関心を向けていてくれるだけで何とかやっていけそう」と言った。面接回数は5回と少なかったが、メール等でフォローしたケースでもあった。

相談 1  一家の期待の星、母親を支える役目も担わされ、身動きでき ない状態からの自立

40代の母親から、20歳の長女の留年が決まってから3ヶ月、自宅に引きこもり状態であると相談を受ける。長女同伴での来談を勧める。初回面接には母親は長女を伴って来談したものの、長女は面接終了まで母親のそばで泣いている状態。次回からは母親と長女は別面接を実施することを伝える。長女の1回目の別面接では体を動かしたり、ちょっとしたゲームを取り入れ、緊張をほぐす試みをした。別面接をすすめる中で、母親から、思春期の子ども達にかかわってくれない夫や、非行傾向にある他の子どもの愚痴を長女にぶつけてきたことが語られる。同じ時期、長女は「母親が私に愚痴を言うのをやめてほしい」とカウンセラーに伝えた。長女にはそのことを直接母親に伝えるように言うとともに、母親には子供達が自立の時期であることを伝え、口出しするのではなく、見守る姿勢を提案する。同時に子どもが自立した後の夫との生活を考えるよう働きかける。5ヵ月後、それぞれ4〜5回の面接が終了した頃には、長女は父親とも相談した結果、今の学業が自分に合ってないと判断し退学することを決め、バイト、稽古事、友達との交流等が出来るようになっていた。「高校の時のように物事を自分で決められるようになった」と初回時とは違った明るい表情で報告してくれた。母親は思春期の難しい年頃の子育てを一人でしているという気負いを軽くし、一歩引いてみることで、父親の役割が見えてきたようである。