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「事の真相」にまで育たない、小さな真相を紹介する。いわば小ネタである。雑学ブックみた
いで、いささか不本意な気持ちは否めない。暇つぶしにどうぞ。 タレントのランク
芸人やタレントが自分のランクを痛感するのはどういうときか。それは、テレビ局が用意した
ホテルに泊まるときである。
所属事務所が宿泊施設を用意するときは、序列など加味して、納得のしどころを心得たもの
になる。そもそも事務所は全体に低めに抑えにかかので、悪い部屋でもアイツと同じかましな 部屋ならよい、となる。
しかしテレビ局(もしくは製作会社)にはそんな斟酌がなく、ギャラに応じて機械的に部屋をあ
てがう。タレントは一晩、自分の位置を噛みしめることになる。
森脇健児は吉田栄作とギャッツビーのCMをやっていた頃を「浮き」の頂点に、東京のホテル
で「ああ今はこのランクか」と「沈み」を味わっている。
レイザーラモンHGは瞬間風速が最高の頃、「えー、こんないい部屋でいいの」と実感が追い
つかない厚遇に戸惑いを隠さなかった。
芸能人同士は、ランクとは切り離された先輩後輩関係の序列をわきまえているが、第三者的
評価は宿泊部屋で明らかになってしまう。実力テストの結果が張り出されるようなもので、結構 きついものがあるだろう。 出版バブル
久しぶりに書店に行ったら、めまいがした。
教育力、読書力、面接力、退屈力、鈍感力、発想力、発信力、空腹力、決断力、家族力、相
談力、「○○力」のオンパレードだ。悩む力、断る力、坐る力など、ちょっとヒネリを入れたもの も多い。
少し流行らなくなってきているが、「何々はなぜ何々なのか」というのも目立つ。怪獣の名はな
ぜガギグゲゴなのか、落語家はなぜ噺を忘れないのか、なぜナイスショットは練習場でしか出 ないのか、江戸っ子はなぜ蕎麦なのか?、なぜあの人とは話が通じないのか?、さおだけ屋 はなぜ潰れないのか?などである。
斎藤孝のように著者が「○○力」を好んで多用する場合と、「さおだけ屋はなぜ潰れないの
か?」の成功を見てあやかろうとする便乗型のケースがある。
いずれにしろ、売れ筋傾向のタイトルをつけて「今この本を買ってもハズしたことにはなりませ
んよ」とささやく戦略だ。
本のタイトルは著者と編集者の合議だろうが、営業面からどうしてもヒットパターンを踏襲する
ことになる。中には最初からタイトルが決まっていて、それに沿った口述をライターがまとめる 場合もある。こういうものはやけにサラサラ読めて、文章が頭にひっかからないのでだいたい 分かる。
今は5万部出ればヒットなので、出版点数で稼ぐよりない。通常、書籍は委託販売制をとって
おり、出版社は書店に卸すと現金収入になる。その代わり売れ残って返本されると現金で返さ なくてはならない。出版不況で苦しい出版社は、恒常的に返本を上回る新刊を卸して現金を確 保する。
90年代のバブル崩壊後出版物の売れ行きは落ちていくが、出版点数は逆に2倍にのぼり、
書店には新刊が溢れかえるようになる。
この一種の過剰供給スパイラルというか出版バブルというか、そんなカラクリで破綻を先送り
しているのが現実で、ときどき耐え切れなくなった出版社がひっそり倒産する。
一方、根強い固定客のついている岩波書店は委託販売制をとらず、全て書店の買取制とし
ている。売れ残っても書店の在庫となるだけだ。このため小さな個人商店の本屋では、岩波を 扱えない。 蘭麝酒(ランジャシュ) ![]()
朝倉氏遺跡のある一乗谷に向かう道々で、「蘭麝酒」「蘭麝酒」と電柱に看板が出てくる。「一
子相伝」など北斗の拳みたいな宣伝文句もある。電柱だけでなく、田んぼの中にも青木蘭麝堂 の立看板がある。
こうなるともういけません。朝倉氏なんかどうせ逃げやしないし、そちらは放り出して蘭麝酒を
追う。 ![]()
JR九頭竜線を渡ったり跨いだり、やがて主道からそれ、田んぼの中をたらたら歩く。さして迷
うことなく、青木蘭麝堂の黒塀に着く。福井市の「重要建築物第一号」に指定されただけあって 見事な塀である。
「粋な黒塀見越しの松に 仇な姿の洗い髪 死んだはずだよお富さん ラララ ララ ララ」好
楽か、唄いながら正面にまわる。現在も人が住みながら、明治の雰囲気をよく残した立派なお 屋敷だ。
「昼から陽気がようなりましたね」と代表の青木房子さん(80)、蘭麝酒の効果かお若い。「日
本酒なんですか」「いえ薬酒です」「養命酒みたいなものですか」「ええそうですね。消費税はお まけします」720mlを2500円で購入する。
後でみると、リキュールに分類されると分かった。味は、くどくない養命酒といった感じであ
る。十数種の薬草がとけ込んでいる健康酒だが、侍醫従二位勲一等男爵岩佐純先生のお墨 付で広まった。 ![]()
蘭麝酒にまつわる伝説
むかし、越前の國一乗谷が落城して間もない頃、ひとりの老僧が、中脇村の青木家に立ち寄ったそうです。その時、
青木家には重病人がありました。それを知った老僧は、あれこれと懸命の介抱をしてくれたそうです。その甲斐あっ てか病人は危うく一命を取り留めました。老僧は、家人の奨めもあり、青木家に逗留しました。
数ヶ月後、この老僧は当主を呼び、長い間お世話になったお礼にと朝倉氏の囲医から授けられた蘭麝酒の秘方を伝
授したそうです。
爾来、青木家では、一子相伝の家伝酒として堅くその秘法を受け継ぎ、今日に至っているのです。
へー、400年以上も歴史があるのか。「朝倉氏の囲医から授けられた蘭麝酒の秘方を伝授
したそうです」ってことは、それ以前から朝倉氏にあったということか、ホントかね。 アランセーター
「街道をゆく」は司馬遼太郎のライフワークで、画家の須田剋太と、意のままになる週刊朝日
の編集者を引き連れて日本各地を巡る。風土や歴史を織りまぜながらの紀行の合間に「べつ なはなしを挿みたい」「ふと、小学唱歌のことをおもった」と唐突に脱線し、それが適当に切り上 げられて上手く本編に戻ってくる、という心地よい揺さぶりをかける。司馬は、どのように話が 展開しようとも、信奉者たちは何でもありがたがることを知っている。
司馬の卓越した筆力を感じるのは、第26巻「嵯峨散歩」の「車折神社」の回など、市井の人
のやくたいもない話から、巧妙に話を広げて1本仕上げてしまうところだ。無の状態から得意分 野へ、いつのまにか引き込むさりげない力技にはいつも感心する。
さて、第31巻「愛蘭土紀行U」(アイルランド紀行U)に、アランセーターについてふれた箇所
がある。
『どの商品もほとんどが白っぽい羊毛色で、太い毛糸を縄のように編んで、模様をつくる。模様
は、アラン島の漁師の家々によってちがっており、それは水死したとき、だれだということがわ かるように、そうしてあるのだといわれている』
ここではいわゆるアランセーターの伝説を記述したにとどまり、司馬はアランセーターに特に興
味があった様子もなく、簡単にスルーしている。
アランセーターは、6世紀にアラン島に渡った聖人エンダによってもたらされたもので、家紋
のように縄編みの柄が異なるため漁での溺死者の身元が判別される、という豊漁と無事を願 う伝説が有名である。
この伝説は、H.E.キーヴァという服飾評論家が1936年首都ダブリンの店でアランセータ
ーを見つけ、その彼がなんとスコットランドでコピー商品をつくり英国内で販売すると同時に広 まったものである。
デッチアゲといえば聞こえが悪いが、アランセーターは20世紀初頭、アラン諸島の漁業基地
に出入りしていたスコットランド人のガンジーセーターをベースに、アメリカ帰りの女性が装飾性 あふれるセーターを創作したのが発祥であるので、伝説はただの宣伝文句と考えて差し支え ないだろう。
司馬さん、真相を知っていたらあと20行ほど楽に稼いだだろうな。
アランセーターは、1960年代にアメリカで大ヒットし、日本では1970年代初頭に大流行し
た。 三船美佳の「美佳」
フォード元米大統領が死去した。2006年12月26日、大統領経験者では最高齢の93歳で
あった。フォード大統領は1974年11月18日、現職大統領としては初めて日本を訪問した。
訃報を目にして、ある記事を思い出した。
「衝撃!フォード大統領招待の晩さん会に『三船敏郎の妻』で出席した愛人」
(ヤングレディ昭和49年12月9日号)
ここで書かれている「愛人」が北川美佳さんという元女優で、今の三船美佳のお母さんであ
る。もう少し細かく言うと、当時三船敏郎は、東宝ニューフェース同期で元女優の吉峰幸子さん という正妻と別居中で、泥沼の裁判劇を10年近く続けていた。北川美佳さんは、いわゆる二 号さんであるが、実際は間にもう一人いたらしく「三号」さんにあたるらしい。
では、母も「美佳」、娘も「美佳」でそれもなんだか変だが、実は北川美佳さんの本名は大野
照代といい、娘には自分の芸名をつけたのである。
三船は、92年心筋梗塞で倒れたのをきっかけに北川さんとの関係を解消し、正妻の吉峰さ
んの元に戻った。その吉峰さんも95年に亡くなり、三船も入院生活のまま97年に亡くなった。 このため、三船と北川さんは婚姻関係にあったことはなく、三船美佳というのはあくまで芸名 で、本名は大野美佳である。
三船美佳は16歳のとき24歳年上の「THE 虎舞竜」のボーカル高橋ジョージと結婚した。も
うどうでもいいが、ここで本名が高橋美佳となる。天然ボケと年の差カップルの妙、旦那の案外 何でもやってくれるふっ切れぶりで、バラエティ番組に夫婦でお呼ばれしている。 カムチャツカ半島
2006年11月3日にロシア警備隊により「第53富丸」「第5大林丸」「第5洋恵丸」「玉龍丸」
の4隻が、カムチャツカ半島近海で操業中にロシア国境警備隊の検査を受け連行された事件 が連日報道されている。
幸い4隻の乗組員全員は無事で、うち「第5大林丸」は開放されたという。
この報道で、民放のアナウンサーが「カムチャッカ、カムチャッカ」と「チャッカマン」みたく発音
しているのが気に障った。正しくは「カムチャツカ(Kamchatka)」である。ロシア人の発音だけ 書き取れば「カムチャツカ」と「カムチャトカ」の中間くらいである。
嘘だと思ったらNHKを御覧なさい。NHKのアナウンサーは、ちゃんと「ツカ」と言ってますぞ。
町内日帰りバス旅行
毎年秋になると、町内の掲示板に「日帰り能勢梨狩りの旅」「日帰り三田の栗拾いの旅」とい
ったポスターが出た。大阪の江坂に住んでいた、5年くらい前の話である。
ポスターはせいぜい3色刷の素朴なもので、たいてい次の日曜か、さらにその翌日曜が貸切
バスの出発日に設定されていた。どうせ地域の老人やご婦人を相手にした細かい商売だろ う、と深く考えることもなく見過ごしていた。
ただ不思議なのは、料金が1000円とか1500円とか妙に安いことである。バス、入園料、
食事、温泉など込みでこの値段だ。まあ、日帰りだからそれでも益がでるのか、くらいに考えて いた。
実はなんのことはない。栗拾いを楽しんだあと、団体客用の休憩所や旅館の座敷で遅い昼
食となるが、その時、どこからともなく市議が表われて挨拶するのである。もちろん、選挙がど うのといった話はしない。しないが、そこはそれである。
話の種に、一度行ってみてもよかったな。
魔女の宅急便
ジブリの新作が出ると、テレビで旧作が放映される。よく使われるのが「耳をすませば」「魔女
の宅急便」「天空の城ラピュタ」あたりだろうか。「平成狸合戦ぽんぽこ」も何度か観た。「もの のけ姫」「千と千尋の神隠し」となると、テレビ的に尺が合わない感じで、少し重たい気がする。
「魔女の宅急便」の『宅急便』という言葉は、1976年登録のクロネコヤマトの商標で、本やア
ニメのタイトルに使うのはちょっとおかしい。NHK的に言い換えるなら「魔女の宅配便」とでもす るのが妥当なところだ。
劇場アニメ「魔女の宅急便」の原作は、角野栄子という童話作家が1985年に発表した児童
書であるが、実はこのときから角野さんは「宅急便」を普通名詞だと思い、本のタイトルに使っ ていた。
宮崎駿もアニメ化にあたって何の疑問もなく「宅急便」で制作を進めてしまい、引き返せない
段階で「宅急便」がクロネコヤマトの登録商標であることを知らされた。あわてて調べてみると、 日本では「本や映画の題名」に商標権は設定されておらず、一般的に『著作物の題名』には著 作権は及ばないと考えられるため、法律的には問題がないことが分かった。
しかしそれでもジブリ側は安心できず、直接ヤマト運輸に相談したところ、何と「特別協賛」と
いう形でスポンサーになるという粋な計らいをしてくれた。ちなみに「魔女の宅急便」の黒猫ジジ は、ヤマト運輸のトレードマークのクロネコとは全く関係がない。
そりゃそうだろうな。自分の会社の登録商標が普通名詞と誤認されるくらい一般化しているな
んて、これに過ぎる名誉はない。
「ホッチキス」「テトラポット」「ゼムクリップ」「ルービックキューブ」「ファミコン」などは、登録商
標と普通名詞の混同例としてよく引き合いに出されるが、今となっては普通名詞に言い換える 方が難しい。
言い換えることによって意味がぼやける場合は、「いわゆるシャチハタ印は不可」という具合
に、「いわゆる」という冠をつけて逃げることもある。マイクロソフトの「ウィンドウズ」のように、言 い換えが利かないほど、大勢を占めているものもある。
また、一部地方では傷テープを「サビオ」といい、ある年代から上の人はコートのことを「バー
バリー」と呼ぶ、なんていう一種の訛りもある。 ハーレムのその後
東京都東大和市の「一夫多妻ハーレム男」渋谷博仁被告(58)に、2006年5月19日懲役1
年6月、執行猶予4年の判決が下りた。判決によると、渋谷被告は2005年10月女性に「ここ を出ていったら命の保証はしない」などの脅迫したとのこと。
一応実刑となったが、執行猶予がついた。事件性の有無すら疑問視されるなか、判決には
苦心があったと思う。これにて一見落着。
ついでに、本場オスマントルコのハーレムがどうなったかというと、1908年の青年トルコ革
命による立憲政治にともない、1909年ハーレムは解散となった。日本の大奥とは違い、トル コのハーレムの女性は完全な監禁の上、気まぐれに処刑されるような状態であった。恐怖から 開放された女性と宦官は、それぞれの親元などに帰っていったが、帰る先の無い者は「ハーレ ムショー」の一座を組み、ヨーロッパ各地を巡業した。各地で好奇の目にさらされたという。 千昌夫借金王の今
千昌夫は、購入した不動産を担保に新たな不動産を購入し、それを担保にまた新たな不動
産を購入する、という回転方式で、結果的に巨額の負債を負った。
王将も新潟県で、かつて千昌夫が所有のゴルフ場でプレーをしたことがある。水の止めてあ
る大きな噴水が、かつての栄華を語っていた。
1998年頃は借金がピークの2850億円に達し、「二千億昌夫」などと言われた。金利だけ
でも、1日1500万円だった時期がある。
自己破産か首吊り自殺か、いずれにしても時間の問題、と思った方が多いだろう。「人の不
幸は蜜の味」とはよく言ったものである。
ところがどっこい、現実は次のようなものだ。
2002年5月に民事再生法が適用され、「6年間に約1億5000万円を返済すれば完済」と
いう返済計画が債権者に認められた。この約1億5000万円という額は、歌手業から返済可 能な正味の額を算出したものだ。
2004年現在で、残りわずか8000万円という、ちょっとした住宅ローン程度にまで借金が縮
小している。
こんなうまい話があるかと思うが、これは新生銀行(旧日本長期信用銀行)、あおぞら銀行(旧
日本債券信用銀行)など44社が債権放棄したためである。また、2000年に民事再生法が施 行されるという幸運もあった。
いや、すぐに自己破産するような逃げを打たず、一生かけて返済していくと宣言し、スーパー
の屋上で唄い続けた姿勢が道を開いたというべきだろう。 最後の5分は退場できません
社会人になってから受ける試験は、たいがい「最後の5分は退場できません」と決められてい
る。長い間その理由が分からなかった。あまり気にしてなかったこともあるが、5分間のミステ リーを未解決で終わらせたくないとも思っていた。
今般、試験監督側に回る機会があり、謎が解けた。
学生の試験と異なり、社会人の試験は自分が出来たら退場して帰ることが出来る。その際、
解答用紙を出口の担当者に提出する。担当者は解答用紙を回収し、残人数をマイナスする。 こうすることで、受験者数と解答用紙の数をぴったり合わせて、洩れ欠けの事故を防ぐので ある。
ところが、そのまま終了時刻を迎えると、最後まで残っていた2、30人が一気に帰るため出
口が混乱し、間違って解答用紙を持ち帰ったり、退場者の人数から洩れたりと、支障がでる。
そこで、「5分」のロックをかけるのである。
つまり、5分前までの退場者数を確定したあと、残人数を会場内で目で数え、合計が受験者
数と合うことを確保するのである。そうすると、あとは解答用紙の回収に専念することが出来 る。
もし残人数が4、50人と極端に多かった場合は、回収に専念したとしても支障が懸念され
る。そのような時は、「解答用紙を回収された方からお帰りください」と言って、担当者の方から 席を回って回収するのである。 オセロの起源
オセロゲームは、黒にはさまれると黒に返り、その外側から白にはさまれるとまた白に戻る。
なにやら、自らを漂白しつつ、さらに裁判で白黒を争うマイケル・ジャクソンを思わせる。
今や世界で愛されるオセロゲームの起源は二説ある。
@1945年に、茨城県水戸市の長谷川五郎氏が考案した。1972年にツクダオリジナルに持
ち込み、1973年大ヒット商品になる。「オセロ」「Othello」はツクダオリジナルの登録商標とな
り、日本オセロ連盟の管理下におかれる。
A19世紀末に「リバーシ」という名前で既に存在し、明治時代に「源平碁」という名前で知られ
ていた。
これは、どちらも正しい。「リバーシ」は、最初に盤中央に置く4つの石の配置にバリエーショ
ンがあり、その中の1つが「オセロ」と同じなのである。
では、「オセロ」は「リバーシ」を真似たものかというとそうではなく、長谷川氏は「リバーシ」を
全く知らずに独自の着想で「オセロ」を考案した。ちなみに「オセロ」という名前は、長谷川氏の 父の英文学者長谷川四郎氏がシェークスピアの「オセロ」から名づけたものだ。
「オセロ」が爆発的に普及したのは、そのシンプルさにある。シンプルゆえ、複数起源があっ
てもおかしくないのである。 アメリカンコーヒー
普通のコーヒーをお湯で薄めたのがアメリカンだと誤解している人がまだ多い。その一方、正
解を百も承知の上で、コーヒーのお湯割りをアメリアンと称して商売している喫茶店も多い。
本場のアメリカン・コーヒーは、酸味の強い豆を浅炒りして抽出したものである。このため見
た目も薄い色をしている。しかし、お湯割りの偽アメリカンと異なるのは、コーヒー成分が濃いこ とである。
なぜかと言うと、コーヒーのカフェインやタンニンは、深炒りするほど少なくなるからである。深
炒りすれば色がドロリと濃くなるので成分も強く出るように思えるが、実際はその逆で、カフェイ ンやタンニンは熱で分解してしまうのだ。日本酒を燗し過ぎて、アルコールを飛ばしてしまうよう なものと思えばいい。
察しの良い方なら、普通のブレンドよりアメリカンの方がコスト高なのが分かるだろう。さらに
付け加えるなら、アメリカでは中西部でアメリカンが好まれる傾向にあり、東部や南部では深炒 りが好まれる。 クロースアップ・マジック
鶴瓶・中居の『ザ!世界仰天ニュース』という番組の中で、「仰天クローズアップ・マジック前
田知洋」という表現があった。惜しいかな、「クローズ」と濁るのは誤りである。
プロマジシャンは外国人との交流が多いので、意識して「クロース」と発音する。著書のタイト
ルも必ず「クロース」となっているので、一度注意して見て欲しい。
(正) クロースアップ・マジック close up magic 接近したマジック
(誤) クローズアップ・マジック close up magic 閉鎖したマジック
スペルはいっしょだが、クローズと濁るとオープン・クローズのクローズになる。
クロースアップ・マジックというのは、ステージよりも近くで観せるマジックである。日本では、テ
ーブル・マジック、バー・マジックともいう。
この機会にマジックの種類をまとめてみる。
クロースアップ・マジックは現象が小さいため放送に耐えられず、長らく不遇であった。しか
し、Mrマリックが「超能力」という味付けで電波にのせ、現在の脚光につなげた。
また、CCDカメラやハイビジョンなど技術の進歩により、手元の現象を映像に収めることがで
き、お茶の間で楽しめるようになったことも大きい。
クロースアップ・マジックが人気を得ている理由は、小道具的なトリックが無いことにある。よく
目にする、指を鳴らすとカードが上にあがってくるというのは全くタネが無く、手先の技術だけで 不思議を作っている。
これらは正式には「スライハンド・マジック」もしくは「マニピュレーション」と呼び、マジックの世
界大会などで技術を競う、玄人っぽい分野であった。
人前で演ずるまでになるには、長期間の猛練習が必要で、この辺の裏づけを一般人が感じ
取っている。 ハーレクインロマンス
古本屋で棚を2つつぶす、ハーレクインロマンス。最後はハッピーエンドで終わる、アメリカの
通俗恋愛小説である。しかし本社はカナダのトロントにある。
このハーレクインというのを、クイーン(queen)つまり「女王様」のことと思っている人もいる
だろうが、残念でした。ハーレクイン(Harlequin)は男の道化師で、フランスやイタリアの伝統 的な恋愛コメディの主人公であり、語り手でもある。日本ならさしずめ石田純一のような、恋の 道化師であろう。
ちなみに、女性の方はコランバイン(Columbine)と言うそうだ。
サターン
土星のことを英語で「サターン」という。星占いなどで、土星は不吉とされることが多いので、
サターンのことを悪魔の「サタン」と思い込んでいる人がいるがそれは違う。
この混同は割りと知られているので、土星を悪魔の「サタン」のつもりで話すと、陰で笑われ
るので注意が必要だ。念のためつづりも記す。
土星:サターン(Saturn)
悪魔:サタン(Satan)
土星のサターンの語源は、ローマ神話の豊饒神サトゥルヌス(Saturnus)である。英語の土
曜日(Saturday)の語源でもある。
もしサターンが悪魔のことなら、「サターンロケット」や「セガサターン」など、名称や商品名に
使うわけなかろう。
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