現物給与と源泉徴収


 一般的に、金銭以外の物を支給したり権利やその他の経済的な利益を与える場合の、物や経済的利益を総称して「現物給与」といいます。

現物給与」の範囲は?
 現物給与としては、例えば次のようなものがります。
  1. 従業員等が会社から自社製品・商品などをタダまたは低額で受けた場合の実際の価額との差額。
  2. 従業員等が会社から食事をタダまたは低額で受けた場合の実際の価額との差額。
  3. 従業員等が会社からタダまたは低額の家賃で住宅などの貸与を受けた場合の実際の家賃相当額との差額。
  4. 従業員等らが会社から無利息または低利率で金銭の貸与・提供を受けた場合の通常の利率による利息の額との差額。

など

現物給与は従業員等の源泉所得税の対象になる?
 原則的には、現物給与は、それを受けたときの現物給与の額を給与等の収入金額に加えて所得税の源泉徴収の対象とされます。
源泉所得税の対象になるもの・ならないもの
 現物給与には、従業員の源泉所得税の課税対象とされるものと、特例的に課税対象とされないものがあります。

<ケース1>

 会社が昼食代を全額負担し,従業員に昼食を無償で支給した。
   ↓

 原則的には、源泉所得税の課税対象となりますが、次の要件をすべて満たす場合に限り課税されません。

  1. 食事代の半額以上を従業員等から徴収している。
  2. 会社の負担額が月額3,500円以下。

注意:残業等の食事代>
 残業や宿日直などをした人(その人の通常の勤務時間外における勤務に限る)に、食事そのものを支給した場合の食事代は源泉所得税の課税対象とはなりません。ただし、残業食事代を現金で直接支給すると給与として課税対象となります。

 

<ケース2>

 従業員に自社の取扱商品を値引きして販売した。
   ↓

 原則的には、源泉所得税の課税対象となりますが、次の要件を全て満たし、著しく多額でない限り課税されません。

  1. 値引販売の価格が会社の取得価格以上である。
  2. 値引販売の価格が他に販売する価格のおおむね70%以上で、値引率も全社員ほぼ一律である。
  3. 値引販売の数量が一般消費者の家事使用のために通常消費する程度である。

 

<ケース3>

 従業員に同型で社名入りの制服を支給した。
   ↓

 社名入りで自社の社員であることがすぐわかり、勤務場所だけで着用されるような洋服であれば、源泉所得税が課税されることはありません。ただし、勤務場所以外で着用できるようなものは、源泉所得税の課税対象となります。
 

<所得税が課税されない現物給与の一例>
項  目 内  容
通勤用定期乗車券 1カ月あたり100,000円までの通勤用定期乗車券など。
永年勤続者の表彰記念品 おおおむね10年以上の勤続者を対象とし、複数回の受賞者についてはおおむね5年以上の間隔をおいて行われるもので、社会通念上相当と認められるもの。(記念品に代えて金銭を支給した場合は課税)
創業記念品等 社会通念上記念品としてふさわしいもので、その処分見込み額が10,000円以下で創業後相当な期間(おおむね5年以上)の期間ごとに支給するもの。
レクリーエーション費用の負担 社会通念上一般に行われるレクリエーション費用(任意の不参加者に金銭を支給する場合や役員のみを対象とする場合除く)
宿日直料 勤務1回につき4,000円(食事が支給される場合には、4,000円からその食事の価額を控除した残額)までのもの。
学資金等 職務上の知識や技術を習得させるために支給した費用で一定の要件を満たすもの。
生命保険料等の負担 使用者が負担した役員または使用人を被保険者とする生命保険等の保険料で一定の要件に該当するもの。
 



 
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