「試算表」でわが社の健康状態をチェックしよう


 

  • 毎月早めに、自社の試算表を見ていますか?
  • 試算表をチェックし経営改善などに役立てていますか?

 当事務所では、極力毎月試算表をお渡しする様にがんばっています。試算表は、企業の健康状態を表す毎月の健康診断書です。そして、経営者の通信簿であり、社長に自社の経営について考えるヒントを与えてくれています。

 

◆試算表をもとに改善を行い業績向上
 優良な企業は、月々試算表から問題点をつかみ、改善を行って会社の業績を向上させています。
<事例:試算表をもとに経営改善し業績を向上させたA社>

 製造業を営むA社は、会計事務所から毎月届く試算表の封も切らずにいた。業績が低迷するようになり、A社長は「これじゃダメだ」と一念発起して、試算表をもとに、毎月、会計事務所から1時間ほどいろいろ説明や助言を受けることにした。
 あるとき、試算表で部門別に生産性をチェックしてみると、同じ仕事なのに特定の部署だけが悪かった。調べてみると仕事のやり方にムダが多かった。そこで人の配置を替えたり、生産工程を改善してみたところ、その部署も利益を出すようになったという。
 こうして、毎月の試算表チェックと業務改善を2年間継続した結果、売上が上向きはじめ、同時に利益が出るまでに業績が向上してきたそうだ。
 その後、A社長は病気で入院したが、試算表のチェックだけは入院中も行い、病室から社員に様々な指示を出し続けた。

他にも次のような事例があります。

  • 小売業のB社では、試算表をチェックしていると利益率が予算より5%程度悪化してきていた。調べてみると、現場の独断で消費税相当額を値引していたことが判明した。
  • 卸売業のC社は、試算表で在庫を表す数字が極端に大きくなっていた。C社長は「こんなはずはない」と実際に倉庫に行ってみたが、やはりそれほど在庫はなかった。調べた結果、不正流用が分かったという。

 このように、試算表をチェックし、原因を調べていくと様々なことが見えてきます。その結果、迅速な改善策を講ずることができ、業務改善・業績向上につながるといえます。


◆試算表をチェックする際のポイント
 社長はどんなに忙しくても早めに試算表をチェックし、問題点があれば原因分析をして対策を講じなければなりません。そのポイントは次の通りです。
ポイント1 予算を立てる
 厳しい経営環境では、予算を立て、それに沿って計画的に経営することが大事です。
ポイント2 利益が出ているかどうかを見る
 利益がなければ資金不足につながるため、会社にとって重要です。そこで、当月は利益が出ているかどうかを見ます。累計ではどうか、前年に比べてどうか、予算と比べてはどうかを見ていきます。

赤字の場合…売上が不足しているか、費用は増えていないかをチェックし、原因分析します。

※黒字の場合にもその原因を分析します。

ポイント3 売上はどうかを見る
 利益と同様に、当月および累計でどうだったか。前年に比較して、また予算と比較してどうだったか見ます。そして、商品ごと・部門ごと・店舗ごと等の売上が分かるなら、それぞれチェックします。
ポイント4 粗利益率や生産性をチェックする
 特に小売業や卸売業では、粗利益率を必ず見ます。例えば、通常3割の粗利があるのに、それが2割に低下している場合、売上計上漏れや過剰仕入れ、値引販売、在庫の問題などが考えられます。
 また製造業では、生産性を見なければなりません。例えば「1人当り売上高」とか「1人当り加工高」などのチェックが大事です。
ポイント5 バランスシート(B/S)で現・預金残高・増減をチェックする
 例えば、現金預金の残高と増減をチェックします。現金預金が減りつづけているようであれば、資金の流出が考えられ問題です。その他に受取手形や売掛金の増減、買掛金や支払手形の増減も確認すると同時に、売掛と買掛のバランス、受取手形と支払手形のバランスもチェックします。売掛や受取手形が少なく買掛や支払手形が多いと、債務超過になる恐れがあります。
 また在庫(棚卸資産)の増減などもチェックします。

 


 

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