中小企業の会計処理基準が検討されています


 日々誠実に記帳した帳簿には、証拠能力があります。さらに正しい記帳に基づく月次決算によって、正確な経営データが入手でき、正確な経営判断が可能になります。
 つまり適正な記帳は、企業発展のポイントといえるのではないでしょうか。 

ますます複雑化する会計基準

 国際会計基準の流れから、公開会社を対象に税効果会計などが次々と導入されています。ますます複雑化する会計処理基準の中で、商法の規定に基づいて、中小企業にも大会社と同じ会計処理をさせることは、実務上、過重な負担を強いるのではないかといわれています。

 こうした状況の中で大企業とは企業体質を異にする中小企業に合った会計基準が必要だという議論が生まれています。つまり大人には大人の洋服、子供には子供の洋服というように、それぞれの体格にあった洋服が必要ではないかという議論がなされています。

 

中小企業が公表した「中小企業の会計」

 中小企業庁は、「中小企業の会計に関する研究会報告書」において、取引先拡大や資金調達の多様化を目指す中小企業にとっての信頼を得られる望ましい会計のあり方を公表しています。

 

適正な記帳を重要視

 報告書の中で注目されるのは、「中小企業の会計」で、「記帳は、整然かつ明瞭に、正確かつ網羅的に行わなければならない。また記帳は、適時に行わなければならない」とされたことです。
●「正確かつ網羅的に」とは
 事実を歪めることなく、記録すべきことについて余すところなく記帳するということです。
●「適時に行わなければならない」とは
 記録すべきことが起こったら速やかに記帳するということです。つまり記帳が遅れれば、間違う可能性が高まるので、日々記帳することが重要となるのです。
 日々の帳簿付けを軽視したばかりに、取引先等から信頼を失った企業があります。
【事例】 A社では、日々の帳簿付けが面倒なため、月末などにまとめて記帳していた。ところが、記載すべき取引が漏れてしまうということもしばしばあり、得意先に二重に請求したりして信頼を失い取引の縮小を余儀なくされた。また、金融機関から試算表の提示要請をうけてもすぐ出せず、信用を失い、融資を受けることもできなくなった。

 こうした事例に限らず、そもそも中小企業には外部監査が義務づけられていないため、経営の確かさを自ら示すには、正確な適時の記帳が必要となってきます。

 

 

 


 

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