カナブン
 
◎カナブン
和名:カナブン
学名:Pseudotorynorrhina japonica
分布:本州、伊豆諸島、隠岐諸島、四国、九州、対馬、壱岐、五島列島、下甑島、屋久島、種子島、黒島
身近な甲虫

里山の甲虫で一番人気なのはカブトムシかクワガタだろう。その周りを取り囲むのがカナブンだ。
クワガタほどの人気はないかもしれないが、一番身近といえばカナブンではないだろうか。
この種は都市部にも意外と生息していて、もっとも身近な樹液性のコガネムシだ。

■形態
 体長は23mm〜32mm程度。日本に生息するハナムグリの仲間では大型の種である。色彩は銅褐色を基本として、緑、赤、青、紫、黒など、多彩な変異を示す。とくに銅色と緑色の個体が多く、その他はやや少ない。しかし、赤色の個体が多い地域などもあるという。
 雌雄の違いは、クロカナブンアオカナブンに比べると見分けやすく、前脚の脛節(けいせつ)が雌の方が太いことで区別できる。
 クロカナブン・アオカナブンが属しているアオカナブン属とは異なり、カナブン属に分類されている。アオカナブンなどに比べるとずんぐりとした体形をしている。


 ▲ 交尾するカナブン

カナブン赤色型

カナブン青色型

■生態

 成虫は年に1度発生する。関東地方では6月から発生が始まり、9月まで見られる。しかし、9月になると明らかに老いた個体が多くなるなど、個体数は7,8月の真夏に多い。成虫は広葉樹の樹液に集まることがよく知られている。その他果実などにも集まるので、バナナトラップなどにも飛来する。果実ではあるが、いわゆるドンクリであるクヌギの若い実に来ていたこともあった。ビワの実にたくさん来ていたこともあり、果実も多く利用しているのかもしれない。
 幼虫は花壇などにいることがあるが、詳しい生態や生息場所はわかっていない。飼育下では年1化であり、腐植質を食べ夏に羽化する。

■分布
 分布は本州より南で、南限は屋久島になる。クロカナブンやアオカナブンと比較すると、北海道に生息していないという特徴がある。一方で、自然度の低い都市部でも多く見られ、東京都心であっても残されたごく小さな林や公園に生息している。平地では樹液に無数に集まる姿が観察されるが、標高がある程度高くなるとアオカナブンが優占してカナブンが見られない林もある。

■飼育
 飼育は難しくはないというが、カブトムシほどの柔軟さはなく、産卵しない場合もある。発酵マットや腐葉土などに産卵するが、幼虫の生態が詳しくわかっていないため、何を好むのかはよくわかっていない。飼育すると1年で羽化する。


アカメガシワに来たカナブン
(09.7.18,鹿児島県)

伊豆諸島では主にオオバヤシャブシに集まる(05.7.31,神津島)

クヌギの若実に頭を突っ込むカナブン
(09.7.4,東京都)

 

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