ことのは工房子どものいる生活第2章>(2)


(2)妊娠と喘息その2

お腹の子は、なんとか順調に育っているようである。しかし、薬害はどうなのか。先生(医師)は、薬が100%安全、とはいえないが、それよりも、母体が発作で酸素不足になっては、赤ちゃんにも栄養が行かないから我慢しないようで吸入に来るように、と言われる。が、車でなら5分の距離だが、夫が通勤に使うので、日中は車がない。電車に乗り、病院に出かけるのもつらい(タクシー‥だと、片道約1800円だ)。

自分がつらいだけならまだしも、子どもが大丈夫なのか。考えると、涙が止まらなくなり、1人で大泣きしたこともあった。

夫は、実はヘビースモーカーである。信頼はしているとはいえ、この件に関しては、私の気持ちを分かってくれるとは思えなかった。半ばノイローゼのような状態で、私が救いを求めたのは、パソコン通信だった。以前に、TVドラマで、パソコン通信で病気のことを相談したら、見知らぬ人が答えてくれた‥というのをやっていたのを思い出したのである。

パソコンは、家にあった。まだインターネットなどあまり知られていない当時、パソコン通信なる手段が存在した。中でも「ニフティサーブ」(現@ニフティ)に入っている人が仕事先でも多かったので、とりあえず用意だけはしてあったのだ。

わからないながらモデムをつなぎ、通信ソフトの設定をやり、何か暗号のようなモノを入れて、とにかく「通信」につなげてみる。そして、病気/喘息などの言葉で何かひっかかるものがないかと探したら、あった。ニフティサーブのパソコン通信フォーラムのひとつ、「すこやか村喘息館」。即入会し、妊娠中なのに喘息発作が出ている、苦しい、不安である。という思いを発言してみる。すると翌日、すぐに2〜3の返事があった。「大丈夫、私も喘息だったけど、ちゃんと元気な赤ちゃんが産まれました」そんなコメントを読みながら、うれしくて、ホッとして、涙が止まらなかった。

これが、私のパソコン通信の原体験である。大げさに聞こえるかも知れないが、本当に、顔も知らないひととの温かい「絆」を感じ、私はなんとか精神的にも立ち直ることができたのだった。


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