| Interview with Kerry King and Jeff
Hanneman by Ian Winwood Metal Hammer 96/4 勝手訳:2000年夏頃 |
| 「METALLICAは大衆ウケしたいがために変ってしまった」とギタリストのケリー・キングは考えている。SLAYERは一方、チャートでの成功が保証されないことをやってのけた。パンクのカヴァー・アルバムをレコーディングしたのだ。
本誌イアン・ウィンウッドが、LAでジェフ・ハネマンとケリー“頑固者”キングと合流し、ドニントンでのカーク・ハメットとのひと悶着、SLAYERの新ドラマー、そしてニュー・アルバム「Undisputed Attitude」について訊いた。 我々は、SLAYERと話しに行く道中、ハリウッド・ハイウェイを走っている。バンドのマネージャー、リック・セールズが運転し、『アメリカン・レコーディングス』からの代表者が助手席、僕は後部座席で冷静さを保とうとしていた。 だが、大変な1日だ。プレスのために(かつて1度も)SLAYERがヨーロッパまで快く来てくれなかったということ----では、どうするか? プレスの方がLAにわざわざ出向かなければいけない----だけでなく、僕のウォークマンには、バンドのニュー・アルバム「Undisputed
Attitude」のアドバンス・カセットが入っているのだ。 SLAYERはLAの郊外、アナハイムでリハーサルする。シティから車で40分の所。オフィス街らしき所にあるバンドのリハーサル本部は、3部屋に分れた大きな建物で、オフィス、TVルーム(ちなみに、世界一あらゆるものがストックしてある冷蔵庫完備)、広いリハーサル室から成っていて、『ハスラー』マガジンからの脚を広げたヌード写真の折込ページが壁中を飾っている。 しかし、まず初めにインタビューをジェフ・ハネマンとケリー“無責任”キングと行った。 ----「Undisputed Attitude」は、メジャー・レーベルがリリースしたアルバムの中で最もエクストリームな作品という印象を持ちました。どう思いますか? ケリー:この時代に本当にそうかは判らないなあ。と言うか、「Reign inBlood」はあの時点では、パンクに分類されない音楽の中で、一番ハードコアと言えるアルバムだった。 ----では、何故SLAYERはいまだに怒っていて、他のバンドはそうではないのでしょう? ケリー:怒ってることだけがポイントなのかは判らないけど、俺たちはこいつ(「Undisputed〜」)が気に入ってる。と言うか、これをオンエアしてくれるラジオ局が20あればなと思うよ、俺は大いに気に入ってるからさ。だが、今ラジオは最悪の状態だ。ひどいもんだよ。この先どうなって行くのか判らない。 ----ミュージシャンはいつもラジオでオンエアされることについて長々としゃべっていたものですが、今は更に状況は悪化しているんですか? ケリー:と思うよ。軟弱なリスナーを----軟弱って言葉以外思い付かないけど----そういうリスナーをひきつけようとラジオ局は企んでるんだよ。 ----KNACはSLAYERをオンエアしていましたか? ケリー:たまにな。けど、俺にあの局を聞きたいと十分思わせるようなヘヴィな曲をかけてたよ。今のロック・ステーションはどれも、近頃出て来たなよなよした音楽しかかけない。BUSHとか軟弱な弱小バンドばっかだ。ムカつくよ。 ジェフ:ラジオはKNAC以来聞いてない。MTVも観ないし。 ----(GREEN DAYなどの)ニュー・ウェイヴ・パンク・バンドが、どんな形であれ「Undisputed 〜」の性格を決定づけていますか? そういったバンドに対するリアクションなのですか? ケリー:ニュー・ウェイヴ・パンク・ムーヴメント----パンクと呼びたければだけど---は大嫌いだし、ムチャクチャムカつくよ。さっき言ったけど、全般的に音楽はただ俺をイラつかせるだけだ。今の音楽シーンの動きが下らな過ぎるおかげで、永遠にプレイし続けられる。 ----元曲のアーティストで、ゲスト参加した人はいますか? ケリー:いないよ。頼みもしなかった。ずっと、リック(ルービン)は俺たちにBLACK
FLAGを演って欲しかったみたいなんだ、ヘンリー・ロリンズがヴォーカルで参加できるからって。でも、俺は「何のためにだよ? ったく」って感じだった。 ジェフ:迫力に溢れてた。トムがあんな風になれるなんて信じられなかった。マジで驚きだよ。 ケリー:ヴォーカルをのせる前に、このことを話してたんだ。「トムがこれを演れるかどうか判らないな!」ってね。けど、トムはやって来て、俺たちの不安を押し潰しちまった。 ジェフ:それに、トムのあのヴォーカルを聞くのは新鮮じゃなかったか? この時代に。 ----ええ。で、思ったんですが、もしGREEN DAYがパンクなら、これは何だ? って。 ケリー:GREEN DAYはパンクじゃないよ。と言うか(笑)、時代をさかのぼって何がパンクか考えてみればいい。パンクの歴史にGREEN
DAYは何の関係もない……。 ジェフ:俺はメディアがあれをパンクと呼んでるだけの話だと思うね。迫力に欠けるし、俺がガキの頃にパンクだと思ってたものとは違う。 ----ケリー、今の音楽があまりにサイテーなので、今回のアルバムのようなものを20年間プレイ出来るくらい怒っているとさっきおっしゃっていましたが、それは、もし音楽シーンが現状よりマシだったら、SLAYERの音楽の質が下がるということですか? ケリー:おいおい! アホなこと言うなって! 何か他に怒る対象を見付けるだろうよ。 ----例えば? ケリー:TVをつけて何か見付けるさ。例えば、税金がどれだけ自分に影響を与えるか実感し始めたんだけど、腹が立つよ。税金はこの世で最もアンフェアなものだ。ワーゲンに乗ってる連中が走ってるのと同じ道路を走るのに、何で俺はヤツらより多く税を払うんだよ? 何でだよ? ----あなた方は、新ドラマーに元TESTAMENTのジョン・デッティを加入させました。恐らくこの先数か月にわたって、このことを数え切れないほど訊かれると思いますが、ポール・ボスタフ脱退の裏には何があったんですか? ケリー:(笑)ポールのニュー・バンド(THE TROUBLE WITH SEAFOOD(註:実際はTRUTH ABOUT SEAFOOD))の写真を見せてやるよ! お笑いだよ、可哀想なヤツだ。理解できないよ。けど、一言で言えば、ただ違う音楽が演りたかったんだろうよ。つまり、誰よりもヘヴィでいるんじゃ満足できなかったってことさ。 ----非友好的な別れだったんですか? 悪感情はありますか? ケリー:ポールのことは死ぬほど好きだよ。ただ彼のビジネス感覚に賛同できないだけで----ポールにそれがあればの話だけど。俺には訳が判らないよ。SLAYERを抜けて、無価値な存在になっちまった。ヤツは無価値だとは思ってないのかも知れないけどね。 ジェフ:(皮肉っぽく)歌詞はいいぜ、でも。 ケリー:それに、あのドラムなら俺でも叩ける! ----あなたがそんなことをおっしゃるとは興味深いですね。と言うのは、ポールがSLAYERを抜ける理由のひとつとして挙げていたのが、バンドにいるのは楽しいが、あなた方の作る音楽は彼にとって幅が狭すぎると思ったというのものなんです。 ケリー:「DivineIntervention」をドラム中心に聴いたら、ポールのプレイは普通じゃない凄さだ。が、ヤツの新しいレコードを聴いてみなよ、俺やジェフにだって叩けるようなプレイなんだぜ。全く簡単なんだ。だから、どうして俺たちの音楽が幅が狭いと言えるんだ? ----人間性の面から言うと、ポールはSLAYERの型に完璧にフィットしていたようでした。その点から行くと、彼の替りを見付けるのは難しかったのでは? ケリー:初めは俺もそれを心配してたよ。デイヴ(ロンバード)はどうでも良かった。あいつのことは好きじゃなかったから。と言うか、「South of Heaven」の頃、デイヴのせいで、俺は随分他人の気に障ることをしてたと思う。そういう振舞いからは脱皮したけど、俺は凄くイヤなヤツになることもあるんだ。ポールが脱退するって言ったときは、「畜生! マジでこいつを気に入ってるのに!」って感じだった。 ----あなた方が、デイヴ・ロンバードをドラマーの座に呼び戻すという噂がかなりまことしやかに流れていたんですが、少しは真実を含んでいますか? ケリー:完全にただの噂だよ。俺はこのことをある雑誌で知ったんだ。それには俺たちがオーディションをやってると書いてあったけど、(それは事実だが)デイヴには誰もオーディションに来るよう連絡してないんだから、明らかに噂だよ。あり得ない。考えもしなかったよ、ジョークとしてでさえ。と言うか、俺の頭にデイヴのことは浮んだけど、それはただ、俺たちがデイヴを呼び戻すんじゃないかとみんなが憶測するだろうと思ったからだけの話で。 ----デイヴを呼び戻さない理由は? そうするには年月が経ち過ぎましたか? ケリー:俺とヤツはうまく行ったことがないし、ケンカばかりしてた。あいつは誰とでもケンカしてたよ、実際。ただとにかく、何に対しても賛成しなかった。石頭のサイテー野郎だ。 ----2つ目の噂は、元MACHINE HEADのクリス・コントスを空いたスポットに、というものでした。これは本当ですか? ケリー:いや。絶対そんなことしないよ、俺はMACHINE HEADが最高に気に入ってるからな。でも、クリス・コントスに関しての噂だけど、ヘンな話だよ。理由が何であれMACHINE HEADを抜けて----本当の理由は誰も知らないだろうけど----で、TESTAMENTに入るっていうんだけど、あのバンドは、ドラムなんて何でもないくらい簡単なんだ。あのバンドはいいドラマーなんか必要としてない。 ----「Divine 〜」でひとつ気付いたのは、ジェフからのインプットが欠けていたことです。どんな事情があったんですか? ジェフ:ボケッとしてたんだ、早い話。焦点が定まらなかったし、打ち込めなかった……いや、打ち込んではいたけど、自分が何を演りたいのか判らなかった。俺がボケッとしてたんで、ケリーが基本的に仕事をした、と。 ケリー:長い間、俺たちはただ怠惰を決め込んでたんだ。ジェフは曲を書いてスタジオに来るらしいようなことを言ってたから、俺は、OK、待とうかと思った。が、全然そんなことは起らなかったんで、俺は「このレコードを仕上げなきゃ」と約1か月で3曲作って作業を始めたんだ。 ジェフ:だから、俺は次のアルバム用に、もう3曲書き終ってる。今年の終りまでには、アルバムを仕上げたいと思ってる。 ----トムの奥さんが出産間近だと聞いています。前回、メンバー(デイヴ)が父親になったときは、あらゆる問題の引き金になりましたが、今回もそういうことになりますか? ケリー:いや、デイヴの後、俺に子供が生れたけど、何の問題も起きなかった。今回も大丈夫だよ。前に問題を起したのはデイヴだった。彼の物事への対処の仕方さ。 ----これはバンドが年を取ることに絡む事態のひとつだと思います。最初はただ世間に対峙しようとする4人の男だったのが、日常生活での事柄の方が重要になって来るという。 ケリー:日常生活の事柄の方が優先されるかどうかは判らないな。今は俺たち、別のものに興味があるから。俺とジェフはスポーツ・カードを集めてるんだ、沢山。だが、これ(SLAYER)が何よりも優先される。バンドのために何かしなきゃいけないときは、それをやって、他のことはみんな保留にする。 ----去年のドニントンのフェスティバルの前に、ケリーにインタビューしたんですが(95年9月号)、そのとき、「カーク・ハメットはギター雑誌のページを飾るギタリストの中でも、最も過大評価されている」とおっしゃっていました。何かリアクションはありましたか? ケリー:ああ、あのインタビューのせいで厄介なことになったよ! ----“Unforgiven”でのカークのソロは素晴らしいと思いませんか? ケリー:“Unforgiven”は曲自体がつまらないよ。あのアルバムで好きな曲は2曲くらいじゃないかな。けど、それはあのアルバムの曲が悪いってことじゃなくて、ただ俺のスタイルじゃないって意味だ。 ジェフ:もうMETALLICAは聴かなくなった。完全にエッジを失ってしまったと思う。とにかく昔みたいなヘヴィなものはもう書きたくないように見えるよ、理由はどうであれ。もうそういうのを書くのが好きじゃなくなったのかも知れない。 ケリー:でも面白かったよ。だって、ドニントンではみんなが俺のところに来て、グチャグチャ言って来るんだからさ。問題のインタビューが載ってる号が出た直後だったもんな。 ----ジェイムスはトムより優れたフロントマンだと思いますか? ケリー:ああ、全くそう思うよ。ただ、オーディエンスとの関わり方においてだけね。 ----それがSLAYERのライヴでの一番のウィーク・ポイントだと思うんです。トムは曲の合間に何を言ったらいいのか判らないように見えます。 ケリー:トムは自分で自分を盛り上げることができないんだけど、それはいいことなんだよ。 ジェフ:それはトムの中で俺が好きな部分なんだ。他のフロントマンと凄く違う。オーディエンス全体をコントロールすることもできるんだけど、そうする代りに(辺りを見回すジェスチャーをして)、「次はどの曲だっけ?」って感じでさ。観客をコントロールする力はトムの手中にある訳だけど、ただどうやってその力を使っていいのか判らないんじゃないかな。 ----カーク・ハメットの件に戻りまして、ケリーの発言に非常に多くの読者が怒っていまして、とてもここで伝えられないくらいです。 ケリー:そいつらはきっとみんな、俺がいかにダメでカークがいかに優れてるかって言ってるんだろ。全ては人気なんだってば。そいつがどれだけいいかは関係ない。テクニックの面では、多分カークは俺より上だろうけど、気にしてないよ。俺の方がずっといいリードを弾くんだから。 ----で、METALLICAとの関係はどんな感じですか? 去年のあなたの爆発に対して反応を求められたとき、ラーズは「SLAYERサイドの問題だ」とコメントをうまいこと避けていました。 ケリー:ただメディア上での言い争いを勃発させたくなかったんだと思うよ、SLAYER対SEPULTURAみたいにさ。俺がSEPULTURAのことを煽ったのは、あまりにバカらしかったからなんだ。最高にアホくさいよ。 ----SEPULTURAと言えば、SLAYERが5年後に残ってるかどうかとマックス・カヴァレラが先日疑問を掲げていましたが、何か言いたいことは? ケリー:何だ、じゃあヤツらは生き残るのか? 俺たちが泥にまみれてビデオ・クリップを作るときが来たら、この話をしようぜ(註:SEPULTURAの“Territory”のビデオ・クリップを揶揄している)。5年!? どアホだよ。 ----去年のドニントン・フェスティバルの後、ある雑誌に、MACHINE HEADやWHITE ZOMBIEと違い、SLAYERは古臭く退屈に聞えたという部分がありました。常にエッジを保ち先鋭でいることは可能ですか? ケリー:可能だと思うよ。だが、エッジって何だ? なあ? 何でWHITE ZOMBIEにエッジがあって俺たちにはない? それはただ、ひとつの意見だからだよ。WHITE ZOMBIEが先鋭だとは思わない。彼らはヴォイス・シンセサイザーを使ったロックを演ってる、それが俺の意見さ。 ----90年代のMOTLEY CRUEといったところですね。 ケリー:5年後には残ってないよ。 ----ところで、最後に言いたいことを。遠慮しないで。 ケリー:(笑)俺が遠慮するはずない! ジェフ:ケリー、言った言った。 ケリー:俺たちは、自分が聴きたいと思うような音楽を作ってる。そのおかげでここまでになった。俺たちは自分の好きな曲をリリースしてるんであって、誰か他の人間が気に入るだろうと考えてやってるんじゃない。だからこそ信用され続けてるんだろうし、ファンの忠誠を勝ち得たんだ。何と言っても俺たちは自分たちのファンなんだからな。もし俺たちが気に入れば、レコードを買ってくれる人たちも、たいがいは気に入ってくれるだろう。 ----SLAYERのファンは今でも忠実ですか? ケリー:だったよ。前回プレイしたときはね。 |
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