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石上智美(健康科学大学)
福岡市最大の繁華街である天神地区の歩道上に、「盲導犬専用トイレ」(写真1)が設置され
ている(福岡市中央区天神の渡辺通り)。2000年5月に、盲導犬使用者の団体が福岡市内で 交流会を開催した際に、「盲導犬専用のトイレがなくて困っている」という声が挙がり、市民有 志が「盲導犬公共トイレ設置実行委員会」を立ち上げた。実行委員会はチャリティーコンサート などの募金活動を行って資金を集め、盲導犬専用トイレを建設した(建設費は約1000万円)。 歩道上に設置するには福岡市の許可が必要であったことから、2003年11月に市に寄贈され、 市有財産として維持管理されることになった。福岡市の障害保健福祉課によると、市内に20カ 所設置されている公衆トイレと同様に、外部委託している清掃業者が1日1回の頻度で清掃し ているという。また、利用状況については把握していないが、設置当初は、他県の盲導犬使用 者から「福岡市に行くのでどこにあるのかを教えてほしい」などの問い合わせがあったという。 ![]()
福岡市内のバリアフリー調査をした西館有沙さんが、盲導犬専用トイレのしくみや使い方を
報告してくれた。
@トイレまでは点字ブロックが敷設されていて、トイレに近づくと音声放送が流れる。その
内容は、「トイレ付近に自転車やバイクを置かないでほしい」という市民に対するお願いと、
「誘導ブロックにしたがって進むとトイレがあり、ドアは引き戸になっている」という使用者に
対する案内である。
Aトイレの中に入るとすぐに、構造や排泄物の処理方法に関する説明が音声放送によって
流れる。
B正面には排泄させるタイル状のスペース(写真2)があり、左側に洗面台とハーネスなどを
置く棚(写真3)がある。
C盲導犬が排泄した後は、右側にあるボタンを押すと勢いよく水が出て、排泄物を流すこと
ができる。
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福岡市内に住んでいる使用者2名に、トイレの使用について話を聞いた。1名は、天神に出か
けるときに利用しているということだったが、もう1名はトイレのある通りをよく歩くものの、一度 も利用したことがないという。その理由は、「同じ中央区にある福岡市視覚障害者福祉協会の トイレを使い慣れているから」ということであった。また、盲導犬の排泄用具(写真4:ビニール 袋の持ち手にベルトを取りつけて、袋の中に排泄できるようにした用具。ワンツーベルトやショ ンベルトと呼ばれる)を携帯しているため、特定の場所に行かなくても排泄させることができる ということであった。どうやら、使用者によって利用状況は異なるようである。 ![]()
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