| 壁画は、建築物と一体化することによって成り立ち、建築物の中でこそ意味を持つものです。私は、設計者の考え方、施主の希望、建築物の用途や壁画の施工場所、時にはその町の環境や歴史を調べる等、様々な要素を汲み取りながら作品のテーマ、絵柄、材料、技法といったものを検討していきます。与えられた状況に対応できる柔軟性は、自分自身の可能性を引き出し想像力を豊かにします。一つの作品を完成させることは、私と場とそこに関わる人達とのコラボレーションの結果でもあります。
モザイクは大変古い歴史を持つ表現ですが、各時代においてそれぞれの特色を示す表現があります。それは、時代の考え方、都市の姿、建物の用途等とも密接な関係を持ちながら生まれてきたものです。現代は、現代の考え方、都市の姿がありますから当然モザイクの表現も過去には無かった形が出てきて当然のことでしょう。私は、ローマ時代の遺跡に残るモザイクが大好きです。しかも、風雨にさらされ野ざらしになったものが。その表情を見る時、長い歴史の中に生き続けてきた力強さと時空を越えて伝わる人のぬくもりのような温かさを感じ取ることができます。過去のものにとらわれない新しい表現を求めながら、何が普遍的なものであるのかいつも問いかけています。
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