藤井 郷子(Satoko Fujii) |
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「ジャズCDの個人ページ」by K. Kudo
日本人で、しかも女性、そしてそんな彼女がフリー・ジャズの世界で才能をこの世に知らしめているのがスゴイ、と思いました。演奏を聴いて、一発でハマってしまいましたが、あちこちのレコード会社からCDが出ていて、しかも多作なので、少々集めるのが大変です。 同じ曲が何度も出てくることがあるので、CDを聞き比べてみると面白いかも。
オフィシャルホームページ「Satoko Fujii & Natsuki Tamura」へのリンク
リーダー・アルバム |
| Something About Water/Satoko Fujii(P)(Libra) - Recorded
Decembre 1, 1994, Fabruary 3 and 23, 1995. Paul Bley(P) - 1. Something About
Water 2. Stream 3. The Surface Of It 4. Thought About Spring 5. Shadow 6.
Light 7. Thawings 8. Strings 9. Waiting 10. Yad Nus 11. Lake 1−8曲目がポール・ブレイとのフリー・インプロヴィゼーションで、9−11曲目が藤井郷子のソロ。まだ無名だった時代にブレイとの録音を残していることもスゴいですが、その演奏を聴いて納得しました。聴いていてどちらがブレイのピアノか分からないほどにその演奏は緻密で高度。流れていく音から表情を変えて浮かび上がってくる情景。タイトル曲の1曲目でパラパラと舞い降りてくるフレーズは高い所から低い所へと流れる水のよう。禅のように「間」を感じる3曲目、珍しく聴きやすいメロディのあるしっとりした4曲目、スピーディーで激しさのある6曲目、抽象的な8曲目、その他タイトルとしっくりハマる曲が多いです。9曲目以降の繊細で浮遊感漂うソロもなかなか。この深遠な世界に入りこんだら抜けられないかも。 |
| Indication/Satoko Fujii(P)(Libra) - Recorded
May 17 and September 12, 1996. - 1. Itsuki No Komoriuta 2. Vague 3. 210
4. Tsuki No Sabaku 5. Haru Yo Koi 6. Indication 7. I Haven't Seen You Since
Then 8. Autumn 9. Ballad ソロ・ピアノ集。「五木の子守唄」「月の砂漠」「春よこい」と日本の有名な歌が3曲(1、4−5曲目)もあるところが特色ですが、1曲目はいきなりスペーシーかつ緊張を強いる和声で、おおっ、とうなります。そしてそのまま彼女の世界の中へ入っていきます。4曲目はテーマ部ではしっとりしながらも、中間部ではやや思索的な展開。静かながらも明るめの色調で少々浮遊感もある5曲目。そしてオリジナルは、中間色の叙情的な世界が移ろいながら目の前に広がる2曲目、抽象的な音使いながらクリアなタッチが心地良く、ドラマチックに展開していく3曲目、内省的で沈潜していくタイトル曲の6曲目、研ぎ澄まされた不協和音が存在する7曲目、しんみりしたタッチで季節感のある8曲目、硬質な音使いのバラードの9曲目。 |
| Looking Out Of The Window/Satoko Fujii(P)(Ninety-One) -
Recorded April 17, 1997. Mark Dresser(B), Jim Black(Ds) - 1. City Life 2.
This Is The Thing That I Have Forgotten 3. The Sun Was Yellow 4. 210
5. Yad Nus 6. Loking Out Of The Window 7. Let's Get Out Of here 全曲藤井郷子のオリジナル。このメンバーでの初録音。しなやかで自由ながらまとまりのあるトリオの音も魅力的な10分台の曲。1曲目からフリーと構築力のバランスのとれたエネルギーを感じる事ができ、ドラマチックな展開は息をのみます。やや内省的ながらもやはり物語性のある浮遊感のある展開を示す10分台の2曲目、独特なキメのあるリズムをベースに比較的カッチリと飛翔していく感じの、やはりドラマ性のある12分台の3曲目、エキゾチックな急速調のメロディとドラムスとのデュオによる丁々発止の4曲目、静かな美しさをたたえる、アルコのベースとのデュオの5曲目、重々しいテーマではじまって危ういバランスの上を進んでいく起承転結のあるタイトル曲の6曲目、珍しく明るい8ビートのゴキゲンな7曲目。 |
| South Wind/Satoko Fujii(P) Orchestra(Leo Lab)(輸入盤) -
Recorded June 19, 1997. Oscar Noriega(As, Bcl), Briggan Krauss(As, Cl), Tony
Malaby(Ts, Ss), David Castiglione(Ts, Ss, Bamboo Fl), Andy Laster(Bs, Cl),
Herb Robertson(Tp, Cor, Soprano Hunting Horn), Steven Bernstein(Tp), Dave
Ballou(Tp), Natsuki Tamura(Tp), Joe Fiedler(Tb), Chrtis Hasselbring(Tb),
Joey Sellers(Tb), Yuko Yamaoka(P), Stomu Takeishi(B), Aaron Alexander(Ds) -
1. Jet Lag 2. No More The Seasons 3. Indication-Spring 4.
Silence-Summer 5. This Is About You-Fall 6. Freeze-Winter 7. I
Don't Know 8. South Wind ビッグ・バンドでの録音の第一弾。アンサンブルとしてのまとまりある部分もありますが、各メンバーの裁量でかなり自由に演奏しているのでは、と思わせるアレンジです。重々しくはじまったと思ったら途中で静かになりバリトンサックスをはじめアグレッシヴな演奏で再び盛り上がる1曲目、静かな場面からフリーのフレーズを中心にドラマチックに盛り上がっていく田村夏樹作の2曲目。3−7曲目は「四季」という組曲になっています。なかなか難解でシリアスな四季ですが、それぞれの季節感はそこはかとなく感じる事はできるかも。浮かび上がってくるアンサンブルとフリーの対比が印象的。ダイナミックな部分と静かな部分があってヴォイス(叫び?)もある田村作の7曲目、沖縄の旋律を使ったタイトル曲の8曲目。 |
| Past Life/Satoko Fujii(P) Sextet(Libra) - Recorded April 14, 1998.
田村夏樹(Tp, Vo, Per), 早坂紗知(As, Ss, Per), 青木泰成(Tb, Per), 永田利樹(B), 藤井信雄(Ds) - 1.
Past Life 2. Yami 3. Okesa - Yan-Sado 4. The Sun Was Yellow 5. Bal-Led 6.
Walden Pond 7. Gomadale 2−3曲目が田村夏樹の作曲で他は藤井郷子の曲。彼女にしては珍しくセクステットでの録音です。出だしと後半でメカニカルなリズムとベースラインが繰り返しあらわれてきてカッコ良く、中間部では静かなフリーの アドリブがある10分台の1曲目、浮遊感のあるテーマと中間部 はファンクで突っ走り、フリーになったり叙情性があったりとドラマチックな展開の2曲目、日本的なテーマとサウンドを持っているようで無国籍的な哀愁も感じる自由度の高い10分台の3曲目、ファンク風でノリの良い、しかもアヴァンギャルド度もある4曲目、渋めでマニアックなハーモニーを持つバラードの5曲目、 テーマは中間色の色合いで曲の起伏が大きい6曲目、物語性があり、自由度も構築度も高そうな11分台の7曲目。(99年3月28日発売) |
| Kitsune-bi/Satoko Fujii(P)(Tzadik)(輸入盤) - Recorded May 7
and November 3, 1998. Mark Dresser(B), Jim Black(Ds) - 1. Hizumi 2. Sound Of
Stone 3. Zauzy 4. Past Life 5. Bal-led 6. Drops 7. Moonlight/Sola 8. Kitsune-bi
9. This Is The Thing That I Have Forgotten (03/06/15)7曲目前半以外は藤井郷子のオリジナル。早坂 紗知は3、5、8曲目に参加。なかなか興味深いレーベルでの録音。メンバー3人の自由な演奏が展開され、それでいてラストはビシッと決まる1曲目、内省的、時に感情が高ぶるピアノでのソロの2曲目、サックスとピアノで緊張感が増す小品の3曲目、エキゾチックな低音フレーズのラインが印象的なカッチリとした印象の4曲目、サックスとピアノのデュオの浮遊感を伴う落ち着いたサウンドの5曲目、キラキラするピアノのフレーズにずっしりとくるベースが寄り添う6曲目、スペイシーな哀愁の風景がしっとりと浮かぶ7曲目、サックスとのデュオで、メロディが妖しい美しさをはなつタイトル曲の8曲目、自己と対面して内面が紡ぎ出されるようなピアノソロの9曲目。 |
| Jo/Satoko Fujii(P) Orchestra(Buzz)(輸入盤) - Recorded May 20,
1998. Oscar Noriega(As, Bcl), Briggan Krauss(As, Cl), Chris Speed(Ts, Cl), David Castiglione(Ts, Ss),
Mike Sim(Bs),
Jack Walrats(Tp), John Carlton(Tp), Dave Ballou(Tp), Natsuki Tamura(Tp), Joe Fiedler(Tb), Chrtis Hasselbring(Tb),
Joey Sellers(Tb), Stomu Takeishi(B), Aaron Alexander(Ds) - 1. Jo 2. Kyu 3.
Okesa - Yansado 4. Wakerasuka 5. Reminiscence 6. Jasper 7. Around The Corner
8. Sola (03/06/15)西洋のメンバーのオーケストラ。日本的なタイトルが多く並んでいます。サウンドも確かに東洋的な面もあるかもしれないと思わせる自由なサウンド。タイトル曲の1曲目が「序」で2曲目が「急」。比較的ゆったりしたドラマチックな曲と、テンポが良く間にフリーがはさまった曲の流れです。これぞ日本のメロディというような、叙情的で徐々に盛り上がる田村夏樹作の3曲目、出だしは静かなインプロヴィゼーションと雅楽的なホーン、中間部からヴォイス、ファンクの組み合わせの田村作の4曲目、アンサンブルとフリーの妙味が聴ける5曲目、軽快に舞っているようなコンパクトな6曲目、サブタイトルが「竹田の子守唄」となっているフリーの7曲目、情景が浮かび上がってくるようなメロディが印象的な8曲目。 |
| Toward, "To West"/Satoko Fujii(P)(Enja) - Recorded May 7 and
November 3, 1998. Mark Dresser(B), Jim Black(Ds) - 1. Toward, "To West" 2. Shake
Up And Down 3. Oscillation 4. Then I Met You 5. The Way To Get There 邦題「どんひゃら」。 全曲藤井郷子のオリジナル。1曲目は30分を超える演奏ですが、いやーぶったまげた。フリー系のピアニストですけれど、きっちり構築されたドラマチックかつフリーな展開。 徐々に盛り上がっていき、叙情的な部分もあって、押さえる部分はきっちり押さえてまとまります。ベースとピアノのユニゾンの部分も印象的。メロディにはなぜか日本的情緒を感じさせる部分もあって、飽きさせずに一気に聴いてしまいました。2曲目はギャロンギャロンとエネルギーがぶつかり合って後半静かになっていくフリーの曲。4分弱で急速調の3曲目も真剣勝負。なぜかピアノがけっこう美しく響く4曲目。ノリの良いリズムの上をピアノが絡んでいく5曲目。聴く人を選びますが、フリー系が好きならオススメ盤。(00年5月24日発売) |
| Double Take/Satoko Fujii(P)(ewe) - (EAST) Recorded October 27,
1999. Sachi Hayakawa(Ss, As, Bamboo Fl, Per, Voice), Kunihiro Izumi(As,
Toys, Voice), Hiroaki Katayama(Ts, Voice), Kanichi Matsumoto(Ts, Shakuhachi,
Hose, Voice), Ryuichi Yoshida(Bs, Fl, Toys, Voice), Natsuki Tamura(Tp,
Toys), Tsuneo Takeda(Tp, Voice), Yoshihito Fukumoto(Tp, Elec Tp, Toys,
Voice), Yakao Watanabe(Tp, Gong, Wind Chime, Voice), Haguregumo Nagamatsu(Tp,
Voice), Tetsuya Higashi(Tb, Voice), Gakutaro Miyauchi(Tb, Voice), Toshiki
Nagata(B), Yasuhiro Yoshigaki(Ds, Tp) - 1. South Wind 2. Ruin -1The Desert
3. Ruin-2 The South Pole 4. Ruin-3 The Outer Space
5. Ruin-4 The Megalopolis 6. Okesa-Yansado 7. Sola-Sky
(WEST) Recorded November 20, 1999. Oscar Noriega(As, Bcl), Bringgan
Krauss(As, Cl), Chris Speed(Ts, Cl), Tony Malaby(Ts), Andy laster(Bs),
natsuki Tamura(Tp), Dave Ballou(Tp), Steven Bernstein(Tp), Cuong Vu(Tp),
Churtis Hasselbring(Tb), Joey Sellers(Tb), Joe Fielder(Tb), Stomu Takeishi(B),
Arron Alexiander(Ds), DJ Fireforse(Turntable) - 1. Ruin -1 The Desert
2. Ruin-2 The South Pole 3. Ruin-3 The Outer Space
4. Ruin-4 The Megalopolis 5. Jog Wheel 6. Tobifudo 7. Exile 8.
And Then-Sorekara 邦題「月は東に日は西に」。 日本とアメリカでのビッグバンドの録音がそれぞれCD1枚ずつに収められ、しかも「Ruin(破壊)」という30分以上の組曲が東西両方のテイクで録音 。壮大かつ想定されている情景が極限状況なので、かなり自由かつアグレッシヴな演奏。譜面にされていると思われる部分も興味深いですが、譜面どおりでなくてもOKとのこと。両者の表現の違いも面白い。「東」ではあまり日本風を意識していなくても、やはりどことなく日本的かも。同じフリーでも「西」の方がややスマートな表現か。でも両者とも混沌度は同じぐらい。「東」1曲目は沖縄風で、熱くしかも自由なドラマチックな曲。6曲目は出だしで日本風なヴォイスが飛び交います。「西」の5曲目以降もいろいろなタイプの曲があって、けっこう楽しめます。(00年3月21日発売) |
| April Shower/Satoko Fujii(P)(ewe) - Recorded July 14 and
December 18, 1999. Mark Feldman(Vln) - 1. April Shower 2. Mirage 3.
Inference 4. After You Have Gone 5. Then I Met You 6. In The Morning 7. In
Parenthesis 8. I Know You Don't Know 9. The Snow Was Falling Slowly 10.
Gnome 11. Nice talking To You 12. Behind The Notes 13. A Strange Piece Of
News 14. Right Before You Found It 15. White Sky ヴァイオリンとピアノという編成(7曲)で、ピアノの多重録音(4曲)あるいはピアノ・ソロ(4曲)の曲もあります。その演奏形態や発売元のジャンル分けでいくとクラシックのようなのですが、それっぽいところはあるにしても十分ジャズのフリー・インプロヴィゼーションに近い雰囲気。全15曲中2人の共作(フリー・インプロヴィゼーション)が3曲(7、11、13曲目)で、やっぱりフリーなのね、という大胆な曲調。他は彼女のオリジナル。3通りの演奏形態もうまく曲順が配列されていて、凛々とした緊張感が漂う中、個々の曲調は変化に富んでいて飽きさせません。6曲目のスペイシーなやや寒色系のしっとり感のあるソロ曲をはじめ、個人的にはソロ・ピアノが好みかも。でも、どの曲も印象的。(01年3月21日発売) |
| JUNCTION/Satoko Fujii(P)(ewe) - Recorded March 14,
2000. Mark Dresser(B), Jim Black(Ds, Pianica), Natsuki Tamura(Melodica) - 1.
Junction 2. Go On Foot 3. He Is Very Suspicious 4. Ninepin 5. Humoresqueak
6. Eel 7. Caret 8. The Future Of The Past 全曲藤井郷子のオリジナル。4曲目の出だしのみ田村夏樹(Melodica)が参加。このトリオはフリー系でありながら共演が多かったので、キマるところはバッチリキマるし、緩急自在でまとまりが非常に良いトリオです。特にジム・ブラックのしなやかなドラムスが印象的。まとまりは1曲目のタイトル曲のノリの良い場面と静かな場面が同居する曲でも感じることができます。緊張感もなかなかな2曲目、静かながらギャロンギャロンとせまりくる3曲目、エキゾチックでドラマチックに展開していく11分台の4曲目、小品フリーの5曲目を経て、自由度が高いながらも構築された雰囲気のある6曲目、研ぎ澄まされたソロピアノでの小品の7曲目、重厚で迫力のある部分もある、14分台もの大作でけっこうフリーしている8曲目。(01年7月21日発売) |
| Vulcan/Satoko Fujii(P) Quartet(Libra Records) - Recorded
April 16, 2001. Natsuki Tamura(Tp), Takeharu Hayakawa(B), Tatsuya Yoshida(Ds,
Voice) - 1.
The Sun In A Moonlight Night 2. Incident 3. Ninepin 4. Footstep 5. LH Fast
6. Neko No Yume 7. Explorer 8. Untitled 9. Junction 彼女のオリジナルは9曲中6曲。エレキベースの曲が多いです。ワールドっぽいようなヴォイスからはじまりフリーの展開から一転、トランペットが入ってカッコ良いエキゾチックなファンクに、再び静かな変化のある局面を経てラストがファンクの14分台の1曲目、田村作の静かな出だしの中にエネルギーを秘めつつ、やっぱり盛り上がる2曲目、不思議な拍子のワールド的なテーマを持つ、なだらかな部分でもパワーのある10分台の3曲目、静かに聴かせつつ緊張感のある4曲目、 たたみかけるようにせまってくる小品の5曲目、田村(Tp)と早川(B)のフリーでのデュオの6曲目、田村作の流れていきつつパワーの出てくる7曲目、ゆったりと哀愁漂いつつ中間部がファンクの8曲目、パワーで押しまくって中ほどが静かな9曲目。(01年7月13日発売) |
| The Future Of The Past/Satoko Fujii(P) Orchestra(Enja) -
Recorded September 20, 2001. Oscar Noriega(As), Briggan Krauss(As), Ellery
Eskelin(Ts), Tony Malaby(Ts), Andy Laster(Bs), Natsuki Tamura(Tp), Herb
Robertson(Tp), Steven Bernstein(Tp), Laurie Frink(Tp), Curtis Hasselbring(Tb),
Joey Sellers(Tb), Joe Fielder(Tb), Stomu Takeishi(B), Aaron Alexander(Ds) -
1. Pakonya 2. Tatsu Take 3. Incompleted 4. The Future Of The Past/Straw
Dance 藤井郷子のオーケストラ作品としては4作目。次から次へと音楽のアイデアが出てくるようで、ここでも彼女流のアヴァンギャルド、かつドラマ性のあるジャズを楽しませてくれます。沖縄の音階ともとれるような、エスニックな雰囲気でドラマチックに展開していく17分台の1曲目、要所要所に複雑なパターンの重いリズムがあらわれ、それが発展していく田村夏樹作のフリーなファンクの2曲目、沈んだ雰囲気でエキゾチックな哀愁も漂い、出だしからゆったりと盛り上がって、間に静かな自由なスペースもある13分台の3曲目、壮大といえばこれ以上壮大はないんじゃないかと思えるテーマ、各メンバーの自由なソロとまとまっていくアンサンブルの絶妙なバランスで進行していく物語の、タイトル曲の4曲目はメドレーで25分もの演奏。(03年5月23日発売) |
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Bell The Cat!/Satoko Fujii(P)(Onoff) - Recorded September 24, 2001. Mark Dresser(B), Jim Black(Ds) - 1. Silence 2. Get Along Well With... 3. Slowly And Slowly 4. Confluence 5. Foot Step 6. Bell The Cat! 7. Champloo おなじみの強力メンバーで、反応は鋭く、構築力はさすが。1曲目は15分台の大曲。3分40秒あたりまでは静謐なやり取りで、その後ドラマチックに緩急自在の展開。バリバリのフリー。場面展開ごとにトリオが一体感覚でシフトしていきます。2曲目は浮遊感のあるメロディとともにリズミカルにはじまり、中盤戦で急速調の8分の7拍子の強烈なビート。メロディアスで、構築されたかのようにスムーズに展開していき、後半ベースとドラムソロが控え目ながら挟み込まれている11分台の3曲目、静かな場面から情念がわき出てきてハードに突入し、再び静かになる自由度の高い4曲目、哀愁を感じつつもスペイシーに進行する5曲目、タイトル曲の情景描写的な音世界の6曲目、アジアの民族音楽を連想させるような明るい7曲目。(02年6月26日発売) |
| Minerva/Satoko Fujii(P) Quartet(Libra Records) - Recorded April 24,
2002. Natsuki Tamura(Tp), Takeharu Hayakawa(B), Tatsuya Yoshida(Ds) - 1.
Tatsu Take 2. Warp 3. Selvedge 4. Weft 5. Caught In A Web フリー方面の強力なアルバムが出ました。どの曲も構築感は抜群。1曲目で不思議なリズムのパワフルなファンクでスタート、そのままの勢いで自由にどんどん進んでいきます。ボトムが異様に強力ですが、曲のタイトルが「Tatsu Take」(つまりドラムスとベース)。2曲目は楽器のフリーな咆哮ではじまりいったん静かになった後、ゆったりめのファンクからアップテンポへと場面展開していく12分間。わずか4分間で静かな場面から盛り上がるフリーの3曲目。寂寥感の漂う叙情的なトランペットのメロディから徐々に盛り上がっていき、中間部のピアノも美しく、ベースソロも個性的で、最初に戻っていく12分台の4曲目、テーマ部を終えるとスペイシーな部分をはさんで後半フリーかつドラマチックに展開していく12分台の5曲目。(03年1月26日発売) |
| Before The Dawn/Satoko Fujii(P) Orchestra(P.J.L.) -
Recorded June 16, 2002. Sachi hayakawa(As), Kunihiro Izumi(As), Hiroaki
Katayama(Ts), Kenichi Matsumoto(Ts), Ryuichi Yoshida(Bs), Natsuki Tamura(Tp),
Yoshihito Fukumoto(Tp), Takao Watanabe(Tp), Tsuneo Takeda(Tp), Hiroshi
Fukumura(Tb), Haguregumo Nagamatsu(Tb), Tetsuya Higashi(Tb), Toshiki
Nagata(B), Masahiro Uemura(Ds) - 1. Pakonya 2. Joh-Ha-Cue 3. Wakerasuka 4.
Before The Dawn 5. Yattoko Mittoko 浜松での日本人オーケストラのライヴ。藤井郷子が3曲(1−2、4曲目)、田村夏樹が2曲(3、5曲目)を作曲。相変わらずフリー度や構築度が共に高く、現代フリージャズ好きにはこたえられません。1曲目はエンヤ盤「フューチャー・オブ・ザ・パスト」でも録音されていて、西と東のオーケストラの対比も楽しめる内容。やはり沖縄風エスニック風味が効いています。2曲目は19分に及ぶ壮大でドラマチックな曲。日本的な間や静けさを感じる部分と、ドドッと盛り上がっている部分とが効果的に展開。後半5拍子の部分がせまってきます。3曲目は自由な曲で、その展開や間からなぜか祭りを想像してしまいました。浮遊感を持ちながらも発展していくタイトル曲の4曲目、ファンクとフリーと和の調和とでも言うべきサウンドの5曲目。(03年6月18日発売) |
| 水面(Minamo)/Carla Kihlstedt(Vln), Satoko Fujii(P)(Henceforth Records)(輸入盤)
- Recorded October 2002 and November 2005. - 1. Remembering Backwards
2. One Hundred And Sixty Billion Spray 3. Lychnis 4. Remainder Of One,
Reminder Of Two (08/03/09)ヴァイオリンとのデュオの、フリー・インプロヴィゼーションのライヴ・アルバム。緩急自在でもあり、ダイナミックレンジも広めで、非メロディ的、あるいはメロディ的なアプローチを使い分けています。どちらかと言えば非メロディでの表現の方が多く、緊張感があります。フリーとしてはその展開はけっこうドラマチックです。’02年録音の1曲目が5分、2曲目が16分、3曲目が2分、そして’05年録音の4曲目が26分と、曲ごとに長さが大幅に違うのも特徴。後半リズミカルに盛り上がっていく1曲目、静謐、あるいは混沌とした中を流れるように漂っていく雰囲気の2曲目、小品だけどダイナミックな3曲目、長丁場をうまくドラマチックな構成で、静かだったり盛り上がったりと、緊張感を伴いながらドラマを聴かせてくれる4曲目。 |
| Blueprint/Satoko Fujii(P) Orchestra(Natsat) - Recorded July
2, 2003. (September 20, 2001 on 6) Oscar Noriega(As), Briggan Krauss(As),
Ellery Eskelin(Ts), Tony Malaby(Ta), Andy Laster(Bs), Natsuki Tamura(Tp),
Herb Robertson(Tp), Steven Bernstein(Tp), Dave Ballou(Tp), Laurie Frink(Tp),
Curtis Hasselbring(Tb), Joey Sellers(Tb), Joe Fielder(Tb), Stomu Takeishi(B),
Aaron Alexander(Ds) - 1. Blueprint 2. Ocha! 3. Anemometer 4. Nagoyanian 5.
Kioku 6. Untitled おなじみニューヨークでのオーケストラの演奏。2曲目が田村夏樹作の他は藤井郷子の作曲。1曲目は印象の強い無機的な感じのするテーマと、静かになってフリー的に変幻自在なアプローチの部分とが交錯して後半は盛り上がるタイトル曲。静かでミステリアスな間のある出だしから、アンサンブルというよりは音の集団(塊)的に盛り上がって「お茶!」と叫ぶ2曲目、ややドライな感じで自由なフレーズが絡みあっていき、アンサンブルとの対比が面白い3曲目、変拍子ファンクにゆったりたゆたうアンサンブルのテーマの、やはり物語的に展開していく15分台の4曲目、時間軸に沿ってアンサンブルが日本的な間でゆったりと流れていく5曲目、これも時間の流れ的な出だしで、途中ファンクやフリーを経て大団円の6曲目。(04年10月20日発売) |
| Illusion Suite/Satoko Fujii(P)(Libra) - Recorded July 14, 2003. Mark Dresser(B), Jim Black(Ds)
- 1. Illusion Suite 2. An Irregular Course 3. Flying To The South 4. An
Insane Scheme このメンバーでは第6作。1曲目のタイトル曲は何と34分。ピアノと、ベースのアルコで静かにはじまり、ドラムスも加わって、少しずつ盛り上がります。バラバラのフリーのような部分と、3者のまとまりが見事な部分が繰り返されます。5分台、21分台のところで変拍子系のビートが合わさり、ややファンク系のノリに。ピアノのメロディは時に舞うように、時に激しく、ドラムスも変幻自在。中盤から一転フリーになったり3人がまとまったり、静かになったり盛り上がったりを繰り返し。ラストは荘厳な雰囲気。2曲目は奇妙な音のベースとドラムスの出だしで、次第にパワフルに盛り上がっていきます。ピアノではじまりプログレ変拍子的からフリーに盛り上がる3曲目、浮遊感がありつつ、かなり自由かつ急展開に変化していく4曲目。(04年6月20日発売) |
| Sketches/Satoko Fujii(P)(P.J.L.) - Recorded August 25,
2003. - 1. Seventh Moon 2. Frozen Fire 3. Watershed 4. Tree Rings 5. Tin Can
Cat 6. Clay Pot 7. Your Deepening Shadow 8. Dazzling Sunlight 9. Looking
Back 10. Looking Everywhere 11. Look Up ソロ・ピアノのアルバムで、全曲フリー・インプロヴィゼーションとのこと。1曲目からドラマチックに、あたかも書き譜が多いような展開ではじまりますが、そのドラマチックな構成力の見事さがすなわち藤井郷子のピアノの魅力とも言えます。日本情緒をふんわりと感じる場面もあればとにかく硬質な音の連なりでせまってくる部分もあり、音と音の間の間も生かされていて、各曲共に個性的な曲が並んでいます。硬派な2曲目もゴンゴンくる感じが心地良い。間を取りつつも牧歌的で明るい局面を持つややフリーの6曲目のような曲もあったり、効果音が連なる5曲目があったり。情念がふつふつと出てくる7、9曲目、硬質なままリズミックにせまる8曲目、浮遊感のある無機的4ビートの10曲目、やや明るめで流れるような11曲目。(04年4月21日発売) |
| Zephyros/Satoko Fujii(P) Quartet(P.J.L.) - Recorded
September 17, 2003. Natsuki Tamura(Tp), Takeharu Hayakawa(B), Tatsuya Yoshida(Ds) - 1.
The Future Of The Past 2. As Usual 3. Flying To The South 4. First Tango 5.
One Summer Day 6. Clear Sky - For Christopher 7. 15 Minutes To Set To The
Station このメンバーでは3枚目で、全曲藤井郷子の作曲。フリーとファンクが混ざった過激なサウンドで、エレキベースと音数の多いヘヴィーなドラムスが強力。1曲目は既出の曲ですが、いきなり音の塊がぶつかってきて、静かな場面では叙情性を感じます。ゆったりとした不安感を演出したテーマから、スピーディーでやや暴力的な展開になる2曲目、ワールド的で浮遊感のある変拍子のテーマから、強力に盛り上がっていく3曲目、タイトルの「タンゴ」を意識しつつ変拍子が混ざり、エキゾチックなメロディとあわせて不思議な感触のある4曲目、バラード風の美しいテーマではじまって強力な場面もある5曲目、変拍子でサーカス風ファンクとでも言うべき6曲目、ヴォイスも一部入って緩急自在に展開するファンクの7曲目。(03年12月17日発売) |
| Nagoyanian/Satoko Fujii(Cond) Orchestra Nagoya
Version(Bakamo Records) - Recorded March 1 and May 19, 2004. Shingo
Takeda(As), Akihiko Yoshimaru(As), Kenichi Matsumoto(Ts), Yoshihiro
Hanawa(Ts), Ryuichi Yoshida(Bs), Natsuki Tamura(Tp), Tsutomu Watanabe(Tp),
Takahiro Tsujita(Tp), Misaki Ishiwata(Tp), Tomoyuki Mihara(Tb), Yuki
Kanbayashi(Tb), Tatsuki Yoshino(Tuba), Yasuhiro Usui(G), Shigeru Suzuki(B),
Hisamine Kondo(Ds) - 1. Nagoyanian 2. Masai No Mai 3. Fue Taiko 4. Exile 5.
Tobifudo 2、5曲目が田村夏樹作曲、1、3−4曲目が藤井郷子作曲。ビッグ・バンドの名古屋ヴァージョン。フリーと、ベースはエレクトリックでシャープなファンクもあります。14分台の1曲目のタイトル曲も、そのタイトな変拍子ファンクなリズムの上をあるときはまとまって、あるときは自由に飛翔するホーンのアンサンブル、そして中途でリズムが消えアヴァンギャルドなベースやギターなどのソロ、そしてドラマチックな進行。ヴォイスもあったり、パーカッシヴなドラミングとカラフルで自由なホーンが印象的な2曲目、緩急自在にドラムスとホーンがフリーの土俵で戦って、その後アンサンブルがまとまっていく3曲目、哀愁を漂わせながら紆余曲折を経て徐々に盛り上がっていく13分台の4曲目、変幻自在なフリーファンクとも言うべき5曲目。(04年12月19日発売) |
| Live In Japan 2004/Satoko Fujii(P) 4(P.J.L.) - Recorded
July 28, 2004. Mark Dresser(B), Jim Black(Ds), Natsuki Tamura(Tp) - 1.
Ninepin 2. Illusion Suite 3. Looking Out Of The Window 4. An Insane Scheme 全曲藤井郷子の作曲。以前に田村夏樹を除く3人で録音・発表した曲ばかりの再演ですが、トランペットが入るとサウンドの雰囲気も違うし、やはりカッチリした部分とフリーの部分の微妙な組み合わせが楽しめます。小刻みのリズムの上のエキゾチックなテーマもあってドラマチック、それでいてある程度の混沌さが心地良い16分台の1曲目、何と36分もあって、静かな場面からはじまり、途中変拍子のファンク的なリズムの上を泳ぐピアノがあったり、中盤18分ほどでキメのユニゾンがあったりと、静かだったり重量級だったり、物語的な進行が印象深いトリオでの2曲目、音の連なりからメロディが浮かび上がってくるようで、盛り上がっていく場面もある3曲目、静寂の場面と割とハードな場面とのレンジが広い4曲目。(05年8月24日発売) |
| Angelona/Satoko Fujii(P) Quartet(Libra) - Recordedd
November 11, 2004. Natsuki Tamura(Tp), Takeharu Hayakawa(B), Tatsuya
Yoshida(Ds) - 1. An Alligator In Your Wallet 2. Collage - In The Night 3. A
Poor Sailor 4. A Journey Into The West 5. Cicada 6. A Brick House このメンバーでは4枚目で、全曲藤井郷子作曲。エレキベースだし、ジャズというよりはややフリーに近いファンクになっています。不安感を誘うメカニカルなテーマに続いてファンクが続いていくけっこう迫力のある、ピアノがギャロンギャロンとせまる場面も多いが静かな場面もある1曲目、ゆったりと静かにはじまり、変拍子が基調のややエキゾチックで徐々に盛り上がり、いきなりフリーの世界も見せる13分もの2曲目、軽快だったり重くゆったりだったり、ファンクだったりメカニカルだったりと様々な局面が交互に出てくる3曲目、けっこう重いサウンドのファンクで後半ベースソロもある4曲目、ハードでドラマチックな構成を持つ、けっこうアヴァンギャルドな5曲目、やはり重量級の浮遊感のある、しかも物語性のある6曲目。(05年10月23日発売) |
| Live!!/Satoko Fujii(P) Orchestra Tokyo(Libra) - Recorded
June 21, 2005. Sachi Hayakawa(Ss, As), Kunihiro Izumi(As), Kenichi
Matsumoto(Ts), Masaya Kimura(Ts), Ryuichi Yoshida(Bs), Natsuki Tamura(Tp),
Takao Watanabe(Tp), Yoshihito Fukumoto(Tp), Yusaku Shirotani(Tp), Haguregumo
Nagamatsu(Tb), Tetsuya Higashi(Tb), Yasuyuki Takahashi(Tb), Toshiki Nagata(B),
Akira Horikoshi(Ds) - 1. Scramble 2. Water 3. An Unpaved Road 4. A Brick
House 5. A Submarine Volcano 6. Fue Raiko 7. Bennie's Waltz 東京のビッグバンドでのライヴ。全曲藤井郷子作曲。やはり1曲に2人ずつフィーチャー。ここでもなかなかハードな場面を繰り広げています。8分の5拍子、8分の6拍子が交互に繰り返されるリズムの中をホーンがアグレッシヴに泳いでいき、中盤でゆったりした4拍子になる1曲目、海の中のような沈んだサウンドとトランペットの掛け合いの2曲目、フリーの集合体とでも言えるような、皆がバラバラに吹いているようでだんだんファンク的に収斂していく3曲目、出だしのハードなアンサンブルが印象的で途中ホーン2人の掛け合いになる4曲目、ミディアムのファンクのようで17分も曲が変化しつつ続く5曲目、和太鼓のようなドラム・ソロもゆったりファンク的なリズムもある6曲目、やや哀愁のあるメロディのワルツの7曲目。(06年6月21日発売) |
| Undulation/Satoko Fujii(P) Orchestra NY(P.J.L.) - Recorded
September 7, 2005. Oscar Noriega(As), Briggan Krauss(As), Ellery Eskelin(Ts),
Tony Malaby(Ts), Andy Laster(Bs), Natsuki Tamura(Tp), Herb Robertson(Tp),
Steven Bernstein(Tp), Dave Ballou(Tp), Curtis Hasselbring(Tb), Joey
Sellers(Tb), Joe Fiedler(Tb), Stomu Takeishi(B), Aaron Alexander(Ds) - 1.
Metal 2. Water 3. Wood 4. The Moon 5. The Sun 6. Undulation 7. Fire 8. The
Earth 邦題「波動」。全曲藤井郷子作曲。フリー系ビッグ・バンドのニューヨーク編。ベースはエレキ。各曲2人のソロイストがフィーチャーされています。どの曲も起伏があるドラマチックな展開。いきなり過激なフリーのサウンドで展開していき、バックをゆったりとバンドが絡んでいったり緩急自在の1曲目、静かな中を泳いだり叫んだりするトランペットからたゆたうバンドサウンドになる2曲目、トロンボーン2人が主役となる3曲目、やや重い、流れる雰囲気で進行していく4曲目、沈み込んだ中を楽器が泳ぎまわっているような、時にアクセントが入る5曲目、ジャーンと鳴り響いた後にピアノが重心低く動くタイトル曲の6曲目、ゆったりと動きまわるホーンとリズミカルなドラムスの7曲目、静かな中からサウンドが盛り上がって消える8曲目。(06年6月21日発売) |
| When We Were There/Satoko Fujii(P) Four(P.J.L.) - Recorded
September 12, 2005. Natsuki Tamura(Tp), Mark Dresser(B), Jim Black(Ds) - 1.
Sandstorm 2. Runaway Radio 3. When We Were There 4. In Your Dream 5. A Path
Through The Garden 6. Nourishment 7. Nocturne 8. The Line Of The Heart 9. An
Excursion 10. Inori 11. A Diversion 全曲が藤井郷子作曲。ラストが15分台の他は短めな曲が多く、曲数が多いのが今回の特徴。タイトルどおり激しいフリーの嵐が吹き荒れている2分半ほどの1曲目、静寂から鳥などの鳴き声が聞えて、徐々に盛り上がる2曲目、8分の7拍子ラテンと思うとフォーマットを少し崩していくタイトル曲の3曲目、うめき、つぶやき系の静かな場面もある4曲目、メロディに美しい場面もある、起伏のあるややフリーの5曲目、ドラムスがドシャメシャと活躍するリズミカルな6曲目、静かな伴奏の上をゆったりとベースとトランペットが舞う7曲目、静寂の中からフレーズが浮かび上がってやや盛り上がり進む8曲目、変拍子系の美しいテーマとつんざくソロもある9曲目、しっとりゆったりと進む10曲目、ストーリーがありダイナミックな11曲目。(06年8月9日発売) |
| Kobe Yee!!/Satoko Fujii(P, Cond) Orchestra Kobe(Crab Apple
Records) - Recorded March 1, 2006. 田村夏樹(Tp、Cond)、船戸穣(Tp)、房原忠弘(Tp)、平岡新(Tp)、谷口知巳(Tp)、冨岡毅志(Tp)、岩田江(As)、水谷康久(As)、荒崎英一郎(Ts)、武井務(Ts)、登敬三(Bs)、吉野竜城(Tuba)、船戸博史(B)、井崎能和(Ds)
- 1. Fire 2. Tobifudo 3. The Future Of The Past 4. Kobe Yee!! 5. Shikaku 6.
Sola 神戸のオーケストラはチューバ入りでベースはアコースティック。ピアノも時々あり。藤井郷子作が4曲(1、3−4、6曲目)、田村夏樹作が2曲(2、5曲目)。出だしのドラムスに、たゆたうようなサウンドが流れて行き、時々ホーンのソロがある1曲目、ピアノでフリーにはじまっってから、ペースが速まったファンクになったり、シャッフル的な4ビートになったりゆったりしたりと変幻自在な2曲目、混沌と整合の狭間を行くゆったりしたハーモニーの、7拍子系の進行もある3曲目、何となくキューバを思い出させるリズムが懐かしく、徐々に変化していく4曲目、森の中を行き交う生き物達のような音空間の後にリズムのはっきりしたアンサンブルやフリーが来る5曲目、フリー、現代音楽のようで哀愁ポップスの感じもある17分台の6曲目。(06年6月21日発売) |
| Maru/Satoko Fujii(Cond) Orchestra Nagoya(Bakamo Records) -
Recorded March 7, 2006. Shingo Takeda(As), Akihiko Yoshimaru(As) Yoshiyuki
Hirao(Ts), Yoshihiko Hanawa(Ts), Daion Kobayashi(Bs), Natsuki Tamura(Tp),
Tsutomu Watanabe(Tp), Takahiro Tsujita(Tp), Misaki Ishiwata(Tp), Tomoyuki
Mihara(Tb), Toshinori Terukina (Tb, Euphonium), Tatsuki Yoshino(Tuba),
Yasuhiro Usui(G), Shigeru Suzuki(B), Hisamine Kondo(Ds) - 1. Slip-on 2.
Pakonya 3. Maru 4. Yattoko Mittoko 5. Bennie's Waltz 6. Sakuradori Sen 名古屋のビッグバンドで、ベースはエレキ、ギターやチューバも加わります。藤井郷子作は3曲(2、5−6曲目)、田村夏樹作が2曲(3−4曲目)。8ビートのファンクなリズムに乗せて、ノリノリで展開する珍しいパターンで、ホーンだけのフリーの部分もある1曲目、ミステリアスなベースのソロではじまり、ややゆったりとしたテーマが続く、沖縄的な旋律が印象に残る再演曲の2曲目、ロックビートの曲でギターが割と前面に出ていて、彼らの曲にしてはけっこうメロディアスな感じもあるタイトル曲の3曲目、やはり和とファンクの調和の再演曲ですが、ここではファンク色が強い4曲目、他のアルバムでも演奏してますが比較的オーソドックスなメロディの5曲目、静かなフリーだったりアンサンブルになったりと変化する16分台の6曲目。(06年6月21日発売) |
| Fusin Raijin/Satoko Fujii(P) Min-Yoh Ensemble(Victo)(輸入盤) -
Recorded May 25, 2006. Natsuki Tamura(Tp), Curtis Hasselbring(Tb), Andrea
Parkins(Accordion) - 1. Itsuki No Komoriuta 2. Champloo 3. Shimanto 4.
Slowly And Slowly 5. Fujin Raijin 6. Kariboshi Kiriuta (07/08/05)1、6曲目は日本民謡で、他は藤井郷子の作曲。民謡アンサンブルとは言っても、日本人が2人、外国人が2人なので、民謡をモチーフにしつつ、フリージャズの方向に向かっている感じです。ドラムレスの変則編成なので、雰囲気はなかなか出ています。テーマでは「五木の子守唄」のメロディーが出てくるのだけれども、フリージャズのリハーモナイズとアヴァンギャルドな展開の1曲目、沖縄民謡の音階を使っている明るい色彩の2曲目、流れるようなフリー民謡ではあるけれども哀愁と起伏がありつつ11分続く3曲目、ちょっと洗練されているフリーで、他の曲とは色彩感や肌合いが違う4曲目、小品ながらはっきりしたフレーズを繰り返し、盛り上がるタイトル曲の5曲目、ヴォーカルも入ってしっとりとした感じの6曲目。 |
| Baccus/Satoko Fujii(P) Quartet(Onoff) - Recorded December
7, 2006. Natsuki Tamura(Tp), Takeharu Hayakawa(B), Tatsuya
Yoshida(Ds) - 1. Sunset In Savannah 2. In The Town Called Empty 3. Natsu Mae
4. Flying Elephant 5. Bacchus 6. In The Town You Don't See On The Map 7.
Waltz For Godzilla 8. Natu Mae (With Effect) 全曲藤井郷子の作曲。このメンバーでは5枚目で、相変わらずのフリージャズ入りファンクがカッコ良い。アップテンポの8分の6拍子を基調に4人でガンガンとせまって来て、ソロ・ピアノやベース・ソロがある1曲目、薄暮の中近東のような一部が5拍子基調のメリハリがついている2曲目、バリバリとフリーフォームで攻めまくっているキメもある3曲目(8曲目はエフェクトあり)、重量級でエキゾチックなメロディのテーマで、各ソロやデュオの部分もあって緩急自在に展開し、ドラマチックな13分もの4曲目、再びこれでもかと言わんばかりに攻撃的なフリーに突入するタイトル曲の5曲目、7拍子が基調での薄暗い雰囲気のあるファンクの6曲目、やはり重量級のテーマで時々ストップがありながらガンガン攻める部分もある7曲目。(07年7月25日発売) |
| Trace A River/Satoko Fujii(P) Trio(Libra) - Recorded
December 23, 2006 and July 13, 2007. Mark Dresser(B), Jim Black(Ds) - 1.
Trace A River 2. Take Right 3. Manta 4. A Maze Of Alleys 5. Day After
Tomorrow 6. Kawasemi 7. February 全曲藤井郷子の作曲。おなじみのトリオで、決め技もフリー的な部分も、一体感があります。1曲目のタイトル曲の12分台、2−7曲目は2−7分台の、トータル48分台。フリー的にこなしていく部分と、変拍子のテーマその他の部分のキメとの対比が対照的で、静寂と破壊力が適所に現れて、ドラマチックに展開していく1曲目、透徹としたピアノから盛り上がってフリーファンク的な展開で鋭角的に絡んでだり一緒に突き進む2曲目、ゆらゆらと深海の中を漂っていきつつ盛り上がりもある3曲目、エキゾチックな速いフレーズを変拍子でまくしたてていくような4曲目、ソロピアノで朝のさわやかな風を運ぶ静かな5曲目、ベースのアルコで厳かにはじまり、ロック・ビート的にも変化する6曲目、氷のような静かなソロピアノの7曲目。(08年3月25日発売) |
| 山嶺(sanrei)/Satoko Fujii(Cond) Orchestra Nagoya(Bakamo
Records) - Recorded September 4, 2007. Shingo Takeda(As), Akihiko
Yoshimaru(As), Kenichi Matsumoto(Ts), Yoshihiro Hanawa(Ts), Yoshiyuki
Hirao(Bs), Natsuki Tamura(Tp), Tsutomu Watanabe(Tp), Takahiro Tsujita(Tp),
Masaki Ishiwata(Tp), Tomoyuki Mihara(Tb), Toshinori Terukina(Tb, Euphonium),
Tatsuki Yoshino(Tuba), Yasuhiro Usui(G), Atsutomo Ishigaki(B), Hisamine
Kondo(Ds) - 1. 五角 Gokaku 2. Eaves 3. Blueprint 4. 近藤スター Kondo Star 5. 暑月
Shogetu 6. 三角 Sankaku 7. 山嶺 Sanrei 藤井郷子作が3曲(3−4、7曲目)、田村夏樹作が2曲(1、6曲目)。エレキギターにエレキベースのファンク的なビッグバンドでの演奏とフリーの要素。主にワン・コード・ファンクのサウンドで、自由なソロの空間やヴォイスもあるアヴァンチックな1曲目、中途部分でアップテンポのフリーな4ビート(ではない時も)がこれでもかと繰り出される2曲目、変拍子メカニカルファンク的なリズムとユニゾンの多いテーマが難易度高そうな、フリーやヴォイスも織り込む3曲目、ドラムスが主役の、前半日本の古楽のようでもあって中盤盛り上がる12分台の4曲目、ミディアムのミステリアスな7拍子ファンクの5曲目、明るいメロディと自由なスペースが同居している6曲目、エキゾチックな浮遊感があり、ミステリアスなサウンドのタイトル曲の7曲目。(08年4月25日発売) |
| Summer Suite/Satoko Fujii(P) Orchestra New York(Libra) -
Recorded September 28, 2007. Oscar Noriega(As), Briggan Krauss(As), Ellery
Eskelin(Ts), Tony Malaby(Ts), Andy Laster(Bs), Natsuki Tamura(Tp), Herb
Robertson(Tp), Steven Bernstein(Tp), Dave Ballow(Tp), Curtis Hasselbring(Tb),
Joey Sellers(Tb), Joe Fiedler(Tb), Stomu Takeishi(B), Aaron Alexander(Ds) -
1. Summer Suite 2. Sanrei 3. In The Town You Don't See On The Map ニューヨークのオーケストラでは7枚目。3曲とも藤井郷子作曲。1曲目のタイトル曲は何と39分。ベースはエレキベースで、構築された部分もあるけれど基本的には自由度の高い演奏。ファンク的な部分、時にアンサンブルの面白さ、そして各ミュージシャンの自由なソロなど、演奏者にまかせていながらドラマチック。タイトル曲もこれらが交互に、あるいは入り混じりつつ盛り上がったり静かになったりしてフリーに近いドラマを作り上げています。キメの(と思われる)部分や変化していくところがけっこう面白く、現代音楽のオケを聴いているような場面も。2−3曲目は再演曲。ややスローなファンクで重々しく流れ、中盤テンポが速まり盛り上がったり緩急自在な2曲目、変拍子のアンサンブルから発展してどんどん変わっていく3曲目。(08年9月25日発売) |
| Heat Wave/Satoko Fujii(P) ma-do(Libra) - Recorded April 12,
2008. Natsuki Tamura(Tp), Norikatsu Koreyasu(B), Akira Horikoshi(Ds) - 1.
Heat Wave 2. Beyond The Horizon 3. Mosaic 4. Ring A Bell 5. Tornado 6. The
Squall In The Sahara 7. Amoeba 8. Spiral Staircase 9. To The Skies 全曲藤井郷子の作曲。編成は普通のジャズバンド。でもスタイル的にはフリージャズの近くで 、けっこう緊張感があります。構築されたところもあるフリーとでもいうのか、ファンクと行き来してドラマチックでもあり、個々の場面で意外な展開をもたらす刺激的なバンド。1曲目のタイトル曲でもそうですが、緩急自在、盛り上がりの変化も大きい。日本的あるいは異国情緒があるかと思うと異空間に紛れ込み、ファンクビートがあるかと思うとフリーになだれ込む、あるいはソロが静寂から浮かび上がるなど、展開に目を離せません。その自在な変化はどの曲にも聴くことができますけど、それぞれの曲にカラーがあって、フリー方面が好きな方にはかなりカラフルに聴こえるのでは。その急展開も面白さになるマニアックなアルバム。(08年9月25日発売) |
共演・参加アルバム |
| 飛不動(自主制作盤) - Recorded March 11, 1992. 田村夏樹(Tp)、藤井郷子(P)、金井敬一(B)、見世秀麿(Ds)
- 1. かげ 2. おけさ 3. ヤンサド節 4. カルラ 5. うたげ 6. 海の人 7. 飛不動 自主制作盤。作曲者名のクレジットがないのですが、曲のタイトルや日本的情緒を含んだような曲調からすると田村夏樹氏がメインのグループのような気がします。1曲目のように、フリーと構築された部分のうまい構成については、今とあまり変わらない感じ。ただ、2曲目以降オーソドックスな曲も多く登場するのがこのアルバムの特色。トランペットと、特にピアノについては、後年のものの方が研ぎ澄まされた個性と鋭さが増しているような気も。2−3曲目のように、また別のアルバムで登場する曲も、すでにこの時にありました。3曲目は、オーソドックスな日本的マイナーの叙情感あふれるバラード。4−5曲目もジャズというよりは日本のフォークミュージックの感触。タイトル曲の7曲目はダイナミックでリズミカル。 |
| How Many?/Natsuki Tamura(Tp), Satoko Fujii(P)(Leo Lab)(輸入盤)
- Recorded January 19, September 12 and November 9, 1996. - 1. Akumu 2.
Lightning Attack 3. Self Portrait 4. Who Are We? 5. How Many? 6. A Day After
Yesterday 7. Kaleidoscope 9. Subjective Gravity 10. Correlation 11. One
Morning In February 12. A Bench In The Park 13. Micro & Macro 14. A Whisper
Of Maple Wood 全14曲中12曲が2人によるフリー・インプロヴィゼーション。抑制が効く場面がありつつも、まさにフリージャズのサウンド。トランペットはフリーキーな部分が多いし、ピアノもギャロンギャロンというフレーズが目立っている曲もあります。しかし、なぜかトランペットの音使いやピアノのフレーズに、やっぱり日本のフリーか、と思わせる部分も。そんな中で内面を向いている曲もあって、内省的ながら叙情的な表情を見せています。ほら貝かヴォイスか分からないような音が続いていく4曲目もヒトクセあります。小品ながら強烈なカウンターパンチをくらわせるタイトル曲の5曲目。7曲目は田村の日本的なフレーズのソロ、8曲目は藤井のソロ。さまざまなフリーの世界を垣間見せてくれながら、14曲目までの時間が過ぎていきます。 |
| Iroha-Uta/Itaru Oki(Tp, Flh, Bamboo Fl, etc) Unit(筆不精企画) -
Recorded September 13 and 16, 2000. Natsuki Tamura(Tp, Toys), Keizou
Nobori(Ts), Satoko Fujii(P, Pianica), Hiroshi Funato(B), Jin Mitsuda(Ds) -
1. Sandrinella 2. Okesa-Yansado 3. L For B 4. Iroha-Uta 5. An Indian Cocks
His Head For Yes 6. "West" 1 2 沖至ユニットで、邦題「イロハウタ」。2トランペットで6人編成。構築されたテーマの部分のメロディとリズムが印象的な、アドリブの場面では自由度が高く、しかもドラマチックに進んでいく1曲目、田村夏樹作の日本的なメロディを持っていながらも、静かな場面から徐々に盛り上がっていく2曲目、3分台と短いけれど、ハイスピードで突き進んでいくエネルギー満載の3曲目。4曲目のタイトル曲は16分台もの長さで、純日本的で古風なサウンド。前半のスペイシーな間や、能のようなセリフが印象的。タイトなリズムの後半も盛り上がります。5曲目の邦題は「インド人はイエスの時首をかしげる」ですが、テンポも速めでハードにジャズしています。6曲目は前半がきれいな明るいメロディのテーマで、バックがフリーになっても続きます。 |
| Iroha-Uta Vol. 2/Itaru Oki(Tp, Flh, Bamboo Fl, etc)
Unit(筆不精企画) - Recorded September 13 and 16, 2000. Natsuki Tamura(Tp, Toys),
Keizou Nobori(Ts), Satoko Fujii(P, Pianica), Hiroshi Funato(B), Jin
Mitsuda(Ds) - 1. 16,9,2000 2. Toward 'To West' 3. Iroha-Uta Take
2 こちらの第2集の方は限定300枚のCD-R。第1集に収めきれなかった演奏のうちお蔵入りするのはもったいない曲を収録したとのこと。1曲目は全くのフリー・インプロヴィゼーションで、演奏自体も明らかにフリー・ジャズ色を鮮明にしていますが、場面場面で変化するサウンドが飽きさせず8分間を通して聴かせてくれます。2曲目は藤井郷子作曲の、Enja盤のピアノ・トリオ作でも有名な曲。こちらの方は6人編成で、演奏時間は21分ほどになります。サウンドの雰囲気もだいぶ違った感じになっているのですが、その自由度の高さと構築感がやはり絶妙なバランスで曲が成り立っています。3曲目はテイク2。出だしの純日本的なサウンドがなかなか印象的で、セリフも入っていますが実は硬派な曲。 |
| Clouds/Natsuki Tamura(Tp), Satoko Fujii(P)(Libra Records) -
Recorded February 14, 2001. - 1. Cirrus 2. Cumulonimbus 3. Stratus 4.
Cirrocumulus 4. Altocumulus 6. Stratocumulus 全曲2人でのオリジナル。静かにデュオが展開していく場面が多いですが、これもフリー・インプロヴィゼーションか。出だしにヴォイスがあり、ゆったりと静かに2人で対峙しながら淡々とメロディが紡ぎ出されていく1曲目、静寂の彼方からやってきて徐々に密度を増しながら、中盤部で再び静寂 を経て、ラスト近くなって今度はフリーの感触で盛り上がる16分台の2曲目、 短調のしっとり系のトランペットのメロディではじまって、2人が寄り添うように静かに楽器を奏でていく3曲目、トランペットにお椀型のミュートをかけた演奏が印象的な、スペイシーな4曲目、フリーキーなトーンのトランペットと端正なピアノとの対比が印象的な静かな5曲目、やはりお椀ミュートのトランペットに、時々ピアノの合いの手が入る哀愁の6曲目。(02年3月20日発売) |
| In The Tank/Natsuki Tamura(Tp), Elliott Sharp(Ss, G),
Takayuki Kato(G), Satoko Fujii(P)(Libra) - Recorded March 20, 2001. - 1.
Walking Squid 2. Flying Jellyfish 3. Sinking Shrimp 4. Crowing Crab ライヴでの演奏。全4曲とも全員によるフリー・インプロヴィゼーションで、タイトルはそれぞれ、イカ、クラゲ、エビ、カニをモチーフ。うごめくような感じが強いのもこのアルバムの特徴。非メロディ的な場面が多く、エコー(ホールトーン?)が効いている場面もあって、海の中を漂う自由な音が行き交うさまが見えてくるインプロヴィゼーション。曲の長さが10分から22分と長尺で、ゆったりと海中でドラマが続いていく、というようなイメージ。2曲目は各楽器がある程度前面に出てきて、変幻自在な展開が面白い感じ。2曲目はソプラノサックス、3曲目はトランペットがテーマ(らしきもの)を提示、そしてやや激しい場面も。ギターと他の楽器の対比が前半で出て後半はピアノが、そしてトランペットが深遠な世界を覗かせる4曲目。(05年6月19日発売) |
| Toh-Kichi/Satoko Fujii(P, Voice), Tatsuya Yoshida(Ds, Micro
Contact, Voice)(Victo)(輸入盤) - Recorded May 22, 2002. - 1. LH Fast 2. Hanko
3. Ame No Hi 4. Omjhonz 5. Hiru Gohan 6. Kiretsu 7. Arabiondo 8. Boragh
Boragh 9. Tllop Mettceb (03/07/20)邦題「藤吉」。ピアノとドラムスにヴォイスを交えたデュオでのライヴ。ほとんどの曲がそれぞれの作曲か、2人のフリー・インプロヴィゼーション(3、5、7−8曲目)。ノンストップで進行。1曲目はヴォイスも印象的ですが、2人がバシバシとリズムのキメがきまって心地良い演奏。音の出し方からしてかなりフリーな感じの田村夏樹作の2曲目、ゆったりと流れていくような、少々哀愁風味もある3曲目、緩急自在な展開で変拍子もある4曲目、藤井と吉田のヴォイスが幽玄かつアヴァンギャルドな雰囲気を作り出す5曲目、ピアノとドラムスが時に激しく対話する6曲目、タイトルどおりアラビックな旋律の7曲目、8分の7拍子で展開する8曲目、かなり構築感も強い印象のドラマチックに展開していく11分台の9曲目。 |
| Live/Itaru Oki(Tp, Flh, etc) Unit(P.J.L.) - Recorded May
24, 2002 and October 10, 2003. 田村夏樹(Tp, Flh,
etc)、登敬三(Ts)、藤井郷子(P)、船戸博史(B)、光田臣(Ds)、白石かずこ(Poetry Reading) - 1. Bye Bye
Blackbird 2. オンタケサン 3. ハイク 4. L For B 5. Like Someone In Love やはり、フリーの部類に入ると思う、ハードな演奏が繰り広げられています。16分台の1曲目は有名な「Bye Bye Blackbird」ですが、聴いていると自由な空間を駆使して、中ほどピアノが入って盛り上がり、今度はホーンのアンサンブルになる、全くのオリジナルの演奏に聴こえます。「オンタケサン」というタイトルとは無関係にハードなフリー、合間にホーンのアンサンブルがあって、後半静かになる11分台の2曲目、白石かずこの俳句(ポエトリーリーディング)が入りつつも日本情緒のあるフリージャズが進んでいく、異色な3曲目、テーマの絡みが面白く、アップテンポのフリー、4ビート、スローなR&B風の部分もある11分台の4曲目、スタンダードを珍しくオーソドックスな4ビートを基調にして進んでいく12分台の5曲目。(04年8月25日発売) |
| Hada Hada/Natsuki Tamura(Tp)(Libra Records) - Recorded
September 17, 2002?. Takayuki Kato(G), Satoko Fujii(Synth), Takaaki
Masuko(Ds) - 1. Hada Hada 2. Incident 3. Kagero 4. Mizore 5. Explorer 6.
Sateto 7. Utage 8. Jyonk 全曲田村夏樹のオリジナル。藤井郷子はシンセサイザーで参加。ジャズというよりはエレクトリック・フリー、ややファンクの趣きで、いきなり1曲目から音が大量にせまってきて何事か、と思わせるようなサウンドの奔流。そのエレクトリックのサウンドはゆったりしながらも2曲目でも激しく、不安を誘います。音は過激ですが、スペイシーで何となく雅楽を思わせるような間の3曲目、太鼓が伸びたり縮んだりしながらビートを送り、その上を各パートが暴れまわる4曲目、分かりやすいテーマと豪快な アドリブとパルスのせめぎ合いでフリーに盛り上がる5曲目、爆音のバラードとでも言うべき世界が広がる6曲目、ビートの部分と荘厳なシンセサイザーの部分の対比が印象的な7曲目、壮大でやはりビートが変化していく8曲目。(03年3月21日発売) |
| An Alligator In Your Wallet/Rova-Orkestrova(ewe) - Recorded
Octover 14, 2002. Satoko Fujii(P), Natsuki Tamura(Tp), Darren Johnston(Tp),
Michael Vlatkovich(Tb), Tom Yodar(Tb), Carla Kihlstedt(Vln), Ken Filiano(B),
Scott Amendola(Ds, Electronics), Bruce Ackley(Ss, Ts), Steve Adams(As, Bfl),
Jon Raskin(Bs), Larry Ochs(Ts, Ss) - 1. A Lion In Your Bag 2. A Zebra On
Your Roof 3. An Alligator In Your Wallet 4. Survival (In Five Acts) 5. Chuck 全5曲中1−3曲目が藤井郷子の作品。いきなり轟音の洪水と共にはじまり、静かな場面が交互に訪れ、曲らしい展開の部分とアヴァンギャルド的な展開のある部分が入れ替わり立ち代りあらわれる1曲目。和音の連なりでゆっくりと展開していき、静かな場面では楽器同士のコラボレーションが興味深く、比較的静かなままメロディが流れていく2曲目、無機的なユニゾンのテーマから、そのままファンクのリズムにのるメロディ楽器のスタイルで進んでいくタイトル曲の、アンサンブルやソロ楽器も効果的な演出をして、ドラマチックな展開もある3曲目、ゆったりと進行していくアンサンブル、静けさもある中から浮かび上がってくる各楽器が絡みながら進んでいく16分台の4曲目、そして盛り上がった展開もある16分台の5曲目。(04年3月21日発売) |
| Erans/Tatsuya Yoshida(Ds, Voice)/Satoko Fujii(P,
Voice)(Tzadik)(輸入盤) - Recorded July 12, 2003. - 1. Feirsttix 2. Erans 3.
Taco No Me 4. Westerlies 5. Snyguilp 6. Ika No Kuchi 7. Hizumi 8. Ayentanams
9. Iwashi No Uroko 10. Take Right 11. Shimesaba 12. Agolan 13.
Feirsttix(Vocal) (04/03/24)このメンバーでは2枚目。2(タイトル曲)、11曲目は2人のフリー・インプロヴィゼーションで、他はだいたい半々ずつの作曲。基本はフリー・ジャズなのですが、吉田達也のドラムスは、ヘヴィーでロック的なメリハリのあるドラムス。藤井郷子のピアノも、メリハリがはっきりとしているため、緩急自在な自由な部分とあたかも構築された部分を行ったり来たりするような、不思議な安心感があります。2人のリズムとメロディのコンビネーションも抜群でビシバシとキメが決まります。もちろん混沌とした部分もあります。曲ごとに微妙に感触が違いますけれど、アルバムを通して聴いても自然だし、1曲ごとにとらえるとその中にドラマは存在するし、と聴き方はいろいろ。13曲目は軽くですがヴォイスが入っています。 |
| Exit/Natsuki Tamura(Tp)(Libra Records) - Recorded
October 28, 2003. Takayuki Kato(G), Satoko Fujii(Synth), Ryojiro Furusawa(Ds)
- 1. Entrance 2. Endanger 3. Eliminate 4. Expired 5. Exit 全曲田村夏樹の作曲。グループ2作目で、ドラムスが入れ替わっています。ベースレス。ただ、その方がメンバーがやりたいことをやれている感じ。エコーも多めでエレクトリック楽器の影響が大きい。1曲目は幻想的な出だしのスペイシーな中を、凶暴性を隠し持って抑え気味に演奏しています。2曲目はリズムもはっきりした部分もあって自由度もかなり高く、アメーバ的なファンクといった感じの破壊性もある曲、そして26分台の大作の、エレクトリックなフリーとも言える雰囲気でエネルギッシュに盛り上がっていくと思ったらドラマチックに、しかし緊張感のある静かな場面もあったり、ヴォイスも入ったりの3曲目、静かにはじまり徐々に絡み合いながら流れていく4曲目、ちょっとユーモラスで静かなタイトル曲の5曲目。(04年7月18日発売) |
| Fragment/Junk Box(Libra Records) - Recorded March 17, 2004.
Natsuki Tamura(Tp), Satoko Fujii(P), John Hollenbeck(Per) - 1. A Dream In
The Dawn 2. Ants Are Crossing The Highway 3. Getting Lost On Snowy Day 4. At
Intersection, On A Rainy Day 5. Looking Out Of The Window 6. Your Neighbors
7. Wok Cooking 8. Tin Can Gozilla 9. Cat's Nap 10. Lullaby 全曲藤井郷子作曲。「おもちゃ箱の中」「記憶の断片」のような音らしいのですが、イディオムと非イディオム(特にトランペット)を行きつ戻りつしたフリーの世界。そんな世界の、静かな場面から徐々に盛り上がる小品の1曲目、時に激しく、時に静かに語り合うフリー・ジャズの2曲目、トランペットの不思議な音がゆったりと雅楽のように漂って、ピアノ(弦に細工?)も硬質ながらスペイシーな3曲目、非イディオム系というよりは音そのもののような4曲目、硬質なピアノと、トランペットが寄り添ったり離れたりして少しずつ盛り上がる5曲目、ユーモラスで緩急自在な引用も多いフリーの6曲目、3人の緊張感のあるやり取りの7−8曲目、ひたすらスペイシーな9曲目、変拍子のピアノとうめくホーン、その後不思議な響きも続く10曲目。(06年4月23日発売) |
| Strange Village/Gato Libre(Onoff) - Recorded October 4,
2004. Natsuki Tamura(Tp), Kazuhiko Tsumura(G), Satoko Fujii(Accodion),
Narikatsu Koreyasu(B) - 1. Marning Mist 2. Gentle Journey 3. Strange Village
4. Welcome Party 5. Dialogue 6. Dance 7. Dreaming A Lot 8. Then, Normal Life
9. Journey Again 10. Wasteland Of Past 全曲田村夏樹の作曲で、いつものフリージャズや激しいジャズとは対極の、ジャズとも雰囲気が違うアコースティックでしっとりとしたメロディの音楽を聞かせているユニット。1曲目から、そのしっとり感と落ち着いたメロディは印象に残ります。トランペットがメロディを紡ぎ、ギターや他の楽器も交替に語りかけてくる2曲目、ミステリアスでエキゾチックなメロディが魅力のタイトル曲の3曲目、キメの多さと哀愁を感じる、盛り上がる曲調の4曲目、ゆったりと温かい世界が広がる5曲目、旋律の不安定感と躍動感が「ダンス」を印象づける6曲目、哀愁系の中に自由な旋律も感じる7曲目、憂いをたたえつつややエキゾチックな世界の8曲目、どんどん速くなってスピード感のある9曲目、ベースがドローンのように響く上を舞う10曲目。(05年8月24日発売) |
| 山吹/航(KOH)(Libra Records) - Recorded November 29, 2004.
Satoko Fujii(P), Ted Reichman(Accordion) - 1. Sola 2. 坂 3. マド 4. Untitled 5.
春よこい 6. 月の砂漠 7. Pakonya 8. あぜ道 9. 白磁白湯 10. 夏の樹 11. はじめてのデート 航という女性のヴォーカルアルバム。彼女のピアノも2、8曲目で聴けますが、フリー・インプロヴィゼーションと歌謡曲の間を行くような不思議な世界をさまよっている、独特のシャープなヴォーカルです。藤井郷子さんは、作る時はポップスのつもりだったらしいけれども、歌謡曲やニュー・ミュージックというよりは、やっぱり彼女たちの独自な音世界に彷徨いこんでいき、藤井の作曲は1、4、7、9、11曲と多め。「春よこい」(5曲目)、「月の砂漠」(6曲目)の童謡も、やはり独自な抽象性を持ったピアノが印象的です。航作詞の曲もハッとさせられるような内容で、田村夏樹作詞も4、7、11曲目とあり、歌詞がユーモラス。藤井さん関連初のヴォーカルアルバムなので、注目に値しますが、かなりマニアックな世界だと思います。(05年10月23日発売) |
| Crossword Puzzle/Double Duo(Libra Rocords) - Recorded
September 22, 2005. Angelo Verploegen(Tp), Misha Mengelbelg(P), Natsuki
Tamura(Tp), Satoko Fujii(P) - 1. A Butterfly, Bee, Mantis, And Grasshopper
2. A Prescription 文字通り、トランペットとピアノのダブル・デュオのフリー・インプロヴィゼーション。2曲あって、1曲目が34分弱、2曲目が10分弱。静かな場面、盛り上がる場面など、ドラマチックに進行して行きますが、インプロヴィゼーションのシリアスさとしてはかなりハードなので、聴く人を選ぶかも。メロディと非メロディの間を行きつ戻りつしつつ、静寂の世界から轟音の世界まで幅広くせまってきます。非メロディの方がかなり強調されていますけれど、その音選びの繊細さと大胆さ、センスは見事かも。時にフリー・ジャズ的、時にクラシック的にも聴こえ、硬質な中にも変化を見ることができます。どちらがどのミュージシャンか、というのはサウンドの性格上、聴き分けるのは難しいですが、協調して共通のサウンドを創り上げようとしています。(07年7月25日発売) |
| In Krakow In November/Satoko Fujii(P), Natsuki Tamura(Tp)(Not Two Records)(輸入盤)
- Recorded November 8, 2005. - 1. Strange Village 2. A North Wind 3. Morning
Mist 4. Ninepin 5. A Holothurian 6. In Krakow, In November 7. Explorer 8.
Inori (06/11/01)ポーランドでのデュオの録音。藤井郷子作が3曲(4−5、8曲目)、田村夏樹作が5曲(1−3、6−7曲目)。再演曲が多いのも特徴か。ちょっと哀愁系のミステリアスな旋律で淡々と進んでいき、ピアノがややアヴァンギャルドに中途で浮かび上がる部分もある1曲目、ノイズ系の音もあったりうごめくようなトランペットとピアノでフリー全開の2曲目、落ち着いてゆったりとしたバラードにやや湿気が混ざっている感じの3曲目、速いパッセージが続いていて、2人ともちょっと淡いながら突っ走る4曲目、ちょっとのたくったようなフリーの小品の5曲目、東欧的と日本的な哀愁が混ざっているバラードのタイトル曲の6曲目、弾んだり途切れたりの出だしからフリーが自在に展開する7曲目、やはり哀愁満点のバラードの8曲目。 |
| Soul Eyes/Itaru Oki(Tp, Flh, etc) Special Group(筆不精企画) -
Recorded November 26, 2005. Natsuki Tamura(Tp, etc), Keizo Nobori(Ts, etc),
Keisuke Ota(Vln, Voice), Satoko Fujii(P), Yasuhiko Tachibana(B), Shota
Koyama(Ds) - 1. In Out 2. The LIne Of The Heart 3. Soul Eyes 4. To Live 沖至の作曲が1、4曲目、藤井郷子作が2曲目、マル・ウォルドロン作が3曲目。限定330枚の販売。フリー色もありますがオーソドックスな場面も多いです。静かにはじまって、フリーな感じで徐々に盛り上がって行ったと思ったら、前半の比較的早いところからオーソドックスなミディアムの4ビートの場面になって、そのまま突き進んでいく22分もの1曲目、漂うようなテーマが現代音楽とフリージャズのテクスチャーを持っているような、フリー・ジャズ度がけっこうたかくて鋭いソロの応酬のある12分台の2曲目、ジャズメン・オリジナルで、しっとりとしたバラードからボッサに進んでいく、このグループにしては聴きやすいサウンドを持つ12分台の3曲目、アフリカ的というか、国籍不明のエスニックな香りとビートの漂う17分台の4曲目。(07年11月25日発売) |
| Nomad/Gato Libre(Onoff) - Recorded March 11, 2006. Natsuki Tamura(Tp), Kazuhiko Tsumura(G), Satoko Fujii(Accodion),
Narikatsu Koreyasu(B) - 1. In Krakow, In November 2. In Glasgow, In May 3.
In Paris, In February 4. In Balcelona, In June 5. In Madrid, In August 6. In
Berlin, In September 7. In Budapest, In April 8. In Lausanne, In January 9.
In Gent, In December 10. In Venice, In October グループ2枚目のアルバム。ジャズの語法とはまた違った、淡々とした切ないサウンドがそこにあります。静かな哀愁を漂わせるワルツで、語りかけてくる1曲目、明るいクラシック的なサウンドが広がっていき、途中フリージャズの局面もある2曲目、ちょっとミステリアスなサウンドが展開しているゆったりとした3曲目、わずかにアラビックな香りもあるギターのメロディの4曲目、哀愁のあるアコーディオンのテーマとシャープなトランペットが唄う5曲目、4人が寄り添うように進んでいくスペイシーな6曲目、少しエキゾチックで遊園地のような賑やかな曲調の7曲目、ゆったりとした中をトランペットやアコーディオンがメロディを奏でる8曲目、繊細な切なさを噛み締めるようなワルツの9曲目、訥々とした進み方が印象的な10曲目。(06年9月27日発売) |
| Cloudy Then Sunny/Junk Box(Libra) - Recorded December 20,
2006. Natsuki Tamura(Tp), Satoko Fujii(P), John Hollenbeck(Per) - 1.
Computer Virus 2. Chilly Wind 3. Back And Forth 4. Night Came In Manhattan
5. Chinese Kitchen 6. Multiple Personalities 7. Opera By Rats 8. Alligators
Running In The Sewers 9. Soldier's Depression 10. One Equation 11. Cloudy
The Sunny 全曲藤井郷子の作曲。パーカッションはドラムセットのような雰囲気。フリーど真ん中の演奏が11曲続きます。トランペットの音も特殊な叫ぶような、あるいは自由奔放に舞い上がったり降りてきたりする、フリーの音使いが目立っていて、硬派なサウンド。ある意味アメーバ状でいて、リズム的にしっかりしている部分もあって、単なるドシャメシャにならないところ(5曲目のように意図したドシャメシャももちろんあります)がすごいところ。2曲目など、中盤がファンク的リズムでフリー的な盛り上がり方が絶妙。静かな部分は研ぎ澄まされた印象が強く、そしてダイナミックレンジが広いところがあって、先を予期できない硬派な面白さがあります。7曲目のピアノのリズムとフレーズのカチッとした動きとフリーキーなトランペットの叫び。(08年3月25日発売) |
| 海を渡るクロ(Kuro)/Gato Libre(Libra) - Recorded May 22, 2007. Natsuki Tamura(Tp), Kazuhiko Tsumura(G), Satoko Fujii(Accodion),
Narikatsu Koreyasu(B) - 1. Sunny Spot(日だまりのクロ) 2. Patrol(午後の巡回) 3.
Battle(侵入者との戦い) 4. Reconcile(和解) 5. Together(共に旅へ) 6. Beyond(岩山から彼方を望む) 7.
Kuro(海を渡るクロ) 全曲田村夏樹の作曲。今回は自主レーベルで、哀愁の漂う曲とともに、アヴァンギャルドな音使いの部分も。組曲形式のようで、この編成による哀愁感、叙情感はかなりのものです。アコーディオンは専門ではないので、フレーズ的には簡単なものが多いですが、その曲を表すのに効果的な一音一音を発しています。これでもかと言わんばかりの切ない哀愁を発している1曲目、叙情的なワルツから中盤フリーへ流れていく2曲目、猫同士のケンカを表すようなフリーなアコーディオンその他の楽器の戦いのある3曲目、明るいメロディアスなテーマが出てきてホッとする4曲目、再び哀愁が強く流れている渋めの5曲目、ダイナミックレンジが広く、静かな場面や情景的なフリーもある6曲目、穏やかに漂っていくタイトル曲の7曲目。(08年3月25日発売) |
| Under The Water/Satoko Fujii(P) and Myra Melford(P)(Libra)
- Recorded September 14, 2007. - 1. Yadokari 2. Trace A River 3. The
Migration Of Fish 4. Be Melting Snow 5. Utsubo メイベック・スタジオでの録音。藤井郷子のソロが2曲目、Myra Melfordのソロが4曲目で、1、3、5曲目は2人での演奏です。ピアノの鍵盤を叩く音以外を使ったり、非イディオム系の展開を聴かせる部分もありますが、時にフリーに、時にメロディアスに、時に荘厳にピアノが響いたり、時に静寂に近い空間が訪れたりと、その見せる表情は変化に富んでいます。でも全体的に、ハードなフリーに属する部分に立ち位置があるかな、とも思います。今回500枚限定発売だったのは、ライセンスの問題だったのか、内容によったものなのか分かりません。でもやはりあるのは名スタジオに響くさまざまなピアノのサウンドとフレーズ、非フレーズの応酬と、2人のレスポンス。藤井にとってはいつもの世界の範囲ですが、やはり硬派なフリー。(09年4月25日発売) |
| Chun/Natsuki Tamura(Tp), Satoko Fujii(P)(Libra) - Recorded
July 2, 2008. - 1. Tokyo Rush Hour 2. Nudibranch 3. Infrared 4. Chun 5.
Stone Flowers 6. Curt Response 7. Ultraviolet 8. Spiral Staircase 9.
Triangle 全曲藤井郷子の作曲。無調的な展開が多く、相変わらずのシリアスなデュオ。無機的かつ緊張感のあるアップテンポのユニゾンからソロで盛り上がるスリリングな1曲目、影のさすメロディで静けさと対峙し、時に轟音の場面もある2曲目、ギャロンギャロンとこれぞフリー的な要素を多く持つ3曲目、飛び跳ねるようなメロディの跳躍と自由な演奏が駆けめぐるタイトル曲の4曲目、静寂の中に浮かんでは消えるトランペットが間と、時に鋭さを感じさせる5曲目、無調のような感じで静けさと盛り上がりが交互に訪れる6曲目、演奏というより効果音的な小品の7曲目、上がったり下がったりを繰り返しつつ速いフレーズが続く8曲目、21分台の日本的な情緒ある静かな演奏がしばらく続き、時に盛り上がってドラマチックに終わる9曲目。(08年9月25日発売) |
(他の主な参加CD)
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