ジョン・アバークロンビー(John Abercrombie)

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コンプリートなディスコグラフィーではない事をご了承ください。
ジャズCDの個人ページ」by K. Kudo

 

柔らかい独特なトーンで聴くものを魅了するギターサウンドですが、フレーズもけっこう時々とんがっていたりします。現在ECM系のギタリストの中では有名なので、ちょっと追いかけてみました。

最終更新日: 2007/10/27

リーダーアルバム

Timeless/John Abercrombie(G)(ECM) - Recorded June 21 and 22, 1974. Jan Hammer(Org, Synth, P), Jack DeJohnette(Ds) - 1. Lungs 2. Love Song 3. Ralph's Piano Waltz 4. Red And Orange 5. Remembering 6. Timeless

オルガン・トリオ(ここではピアノもあります)のアルバム。1、4曲目がヤン・ハマーの曲で、他はジョン・アバークロンビーのオリジナル。1曲目は12分台の曲。出だしがスピーディでオルガンやギターを弾きまくり、そして中間部には静かな場面もあるドラマチックでロック的な展開。アグレッシブなサウンドの部分もあり、ドラムスも元気です。ピアノとアコースティック・ギターで美しいメロディが漂うバラードの2、5曲目、これぞオルガン・トリオの曲とでもいうような4ビートノリでギターが縦横無尽に走る3曲目、急速調のジャズ・ロックといった雰囲気で、これでもかとフレーズがたたみかけてくるようなパワーのある4曲目 。ゆったりと入って、そしてゆったりと盛り上がっていく11分台のタイトル曲の6曲目で幕を閉じます。

Gateway/John Abercrombie(G)(ECM) - Recorded March 1975. Dave Holland(B), Jack DeJohnette(Ds) - 1. Back-Woods Song 2. Waiting 3. May Dance 4. Unshielded Desire 5. Jamala 6. Sorcery 1

6曲中4曲がデイヴ・ホランドのオリジナル。オーソドックスな編成のギター・トリオで彼ら独自の世界が展開されていて、息のあったインタープレイを見せてくれます。ジャズ・ロック的な8ビートのアプローチで陽気にせまりつつもインプロヴィゼーションを垣間見せる1曲目、インタールード的でスペイシーな、ドラムスを従えたベースソロでの2分強の2曲目、スリルとパワーがあってけっこう自由度の高いインプロヴィゼーションが繰り広げられている3曲目、ドラムとギターのデュオで、かなりパワー系のフリー・インプロヴィゼーションの4曲目、 浮遊感を伴いながらもしっとり系のバラードでじっくり聴かせる5曲目、ジャック・ディジョネット作で、これまたギターが全開のエキゾチックかつドラマチックな10分台の6曲目。

Sargasso Sea/John Abercrombie(G)/Ralph Towner(G, P)(ECM) - Recorded May 1976. - 1. Fable 2. Avenue 3. Sargasso Sea 4. Over And Gone 5. Elbow Room 6. Staircase 7. Romantic Descension 8. Parasol

渋いギタリスト2人の演奏で、全曲彼らのどちらか、あるいは2人でのオリジナル。やはり空間を大事にしたアルバムです。エレクトリック/フォークのジョン・アバークロンビーと、12弦/ガットのラルフ・タウナーのそれぞれの個性も注目です。渋くて深みのある演奏が繰り広げられていく1曲目、浮遊感覚があってややスリリングなやり取りが聴かれる2曲目、インプロヴィゼーションで作られたと思われる、空間的で緊張感のあるタイトル曲の3曲目、しっとりと静かに紡ぎ出されていく4曲目、過激なエコーの効いたエレキギターとの音のぶつかり合いが面白い5曲目、スピーディーながら冷めたところもあるスリリングな6曲目、語り合う感じで哀愁漂う7曲目、ピアノも交えてドラマチックにフレーズが綴られていく8曲目。

Gateway2/John Abercrombie(G), Dave Holland(B), Jack DeJohnette(Ds、P)(ECM) - Recorded July 1977. - 1. Opening 2. Reminiscence 3. Sing Song 4. Nexus 5. Blue

このメンバーでは2作目で、1曲目が3人の共作、他の曲はそれぞれのオリジナル。ギタートリオの空間の広がりと奥行きが楽しめます。1曲目は16分にも及ぶインプロヴィゼーション。静かなところからワンコードのまま、徐々に盛り上がっていき、その盛り上がり加減もなかなか絶妙かも。ラストはドラムソロをはさんで再び静かに。2曲目はデイヴ・ホランド作の静かでしっとりした、映画音楽のような曲。3曲目では、アバークロンビー作のギターがクローズアップされて浮遊感のあるフレーズが楽しめます。4曲目はデイヴ・ホランド作のロック調のマイナーなやはり浮遊感のあるギターが空間を切り裂き、漂う曲。5曲目はディジョネット作の、彼のピアノも聴ける叙情的な哀愁感のあるバラード になっています。

Characters/John Abercrombie(G)(ECM) - Recorded November 1977. - 1. Parable 2. Memoir 3. Telegram 4. Backward Glance 5. Ghost Dance 6. Paramour 7. Affer Thoughts 8. Evening

全曲ジョン・アバークロンビーのオリジナルで、多重録音も使用したギター・ソロのアルバム。曲のタイトルも思わせぶりで内省的。音といいエコーのかかり具合といい、いい感じになっています。エコーの効いた空間の中を、同じようなメロディを少しずつ表情を変えて徐々に盛り上がってくる10分台の1曲目、ゆったりとしていて哀愁度が高い2曲目、中間色の色合いのメロディながらもスリリングな部分も感じることができる3曲目、寒色系の分かりやすいエレキギターの旋律が語りかけてくる4曲目、幻想的な雰囲気が漂っている5曲目、やはり中間色的な和音とメロディの対比が興味深い6曲目、思索的な響きを持つゆったりとした感じの7曲目、そのサウンド処理で、荘厳でスペイシーな雰囲気をもたらしている8曲目。

Arcade/John Abercrombie(G) Quartet(ECM) - Recorded December 1978. Richie Beirach(P), George Mraz(B), Peter Donald(Ds) - 1. Arcade 2. Nightlake 3. Paramour 4. Neptune 5. Alchemy

しばらく廃盤だったものの世界初CD化作品。このメンバーでの第1作で、サウンドのクオリティはけっこう高く、しかもまとまっていると思います。 メンバー構成からみても、美しさが感じられる演奏。1曲目はミキシングの影響か、やや冷たい印象ながらも、基本的には彼ら流のジャズが展開されています。この曲はECM流というよりは、リッチー・バイラーク色の強い曲かな、という印象。2曲目はしっとり感の強い、良い意味でのメロディアスな曲。それぞれのパートのメロディが、花びらが舞うような3曲目、流れていくメロディが非常に美しい4曲目。特にこの曲は聴き逃すのはもったいない気も。5曲目は11分台の曲で、ピアノの導入部、そしてギターが入ってきてドラマチックに盛り上がって展開していきます。(01年7月25日発売)

Night/John Abercrombie(G)(ECM) - Recorded April 2 and 3, 1984. Jan Hammer(Key), Jack DeJohnette(Ds), Mike Brecker(Ts) - 1. Ethereggae 2. Night 3. 3 East 4. Look Around 5. Believe You Me 6. Four On One

1曲目のみヤン・ハマー作曲で、他はジョン・アバークロンビーの作曲。ハマーがエレクトリック・キーボードですが、ベースラインも弾いていて、基本的には現代風オルガントリオ・プラス・ホーンのような感じ。 哀愁漂う流れるような出だしと思いきや、タイトルのようにモロにレゲエのリズムになって、ややロックっぽい風味もあって面白い1曲目、ピアノも弾いていて、静かで夜の雰囲気が出ているバラードのタイトル曲の2曲目、3分の15拍子とでもいうのか、不思議なワルツノリでやはりマイナー系の情緒が心地良くせまる3曲目、マイナー系のバラードだと思ったら一部ブルース的なリズムもあったり交互に表情を変えていく4曲目、ややアップテンポの8分の6拍子で盛り上がる5曲目、アップテンポで自由系4ビートの6曲目。

Current Events/John Abercrombie(G)(ECM) - Recorded September 1985. Marc Johnson(B), Peter Erskine(Ds) - 1. Clint 2. Alice In Wonderland 3. Ralph's Piano Waltz 4. Lisa 5. Hippityville 6. Killing Time 7. Still

スゴいメンバー。1曲目がいきなり16ビートのギター・シンセサイザー も使った曲で 、少し懐かしいメロディ。この曲は3人でのフリー・インプロヴィゼーション。3−7曲目はジョン・アバークロンビーの作曲。ECMらしく静かな曲も多く、ジャズともフュージョンとも形容するのは難しい微妙な感じ。幻想的で夢見心地な、静かな映画音楽の2曲目、ピアノワルツと言いながら実際は美しい陰影のあるギターワルツになっている3曲目、アコースティック・ギターのソロでしっとりとしたバラードを聴かせる4曲目、独特なギターのアルペジオにのせて淡々とフレーズが多重録音で奏でられつつ盛り上がる5曲目、静寂から徐々にフリーのように過激な展開になっていく6曲目、ギター・シンセサイザーなどをバックに淡々とギターを演奏する7曲目。

Getting There/John Abercrombie(G, G Synth)(ECM) - Recorded April 1987. Marc Johnson(B), Peter Erskine(Ds), Guest: Michael Brecker(Ts) - 1. Sidekicks 2. Upon A Time 3. Getting There 4. Remember Hymn 5. Thalia 6. Furs On Ice 7. Chance 8. Labour Day

ジョン・アバークロンビー作は全8曲中6曲。スゴいメンバーが集まって、4ビートでないジャズを演奏しています。8ビートでしかもギターシンセサーザーも駆使した、地に足が着いているフュージョン的なサウンドの1曲目、ギターの繊細な淡いフレーズが聴けるしっとりとしているバラードの2曲目、やや沈んでいるけれどもギターは切れ味の鋭いフレーズを奏でるタイトル曲の3曲目、ゆったりと映画音楽のような、ちょっと浮遊感のあるメロディの4曲目、ヴィンス・メンドーサ作の、活躍するギター中心でビート感が薄い5曲目、マーク・ジョンソン作の印象深い明るいテーマでちょっと過激な6曲目、メルヘンチックなバッキングの7曲目、3人が一体となってデリケートな演奏をする8曲目。マイケル・ブレッカーは1、4、6曲目に参加。

John Abercrombie(G, G Synth), Marc Johnson(B), Peter Erskine(Ds)(ECM 1390) - Recorded April 1988. - 1. Furs On Ice 2. Stella By Starlight 3. Alice In Wonderland 4. Beautiful Love 5. Innerplay 6. Light Beam 7. Drum Solo 8. Four On One 9. Samurai Hee-Haw 10. Haunted Heart

邦題は「ライヴ・イン・ボストン」。4曲がスタンダードで、残りは各メンバーによる作曲。なぜか4ビートの曲が目立ちます。ギターもいつもの柔らかい音色からハードな感じまで幅広い。ギター・シンセサイザーでキーボードのような音のテーマでややハードに攻めて行くソロの1曲目、一転ソフトな感触のスタンダードになりつつ自由なフレーズが舞う2曲目、意外な選曲で優しく語りかける3曲目、哀愁漂うスタンダードの4曲目、スペイシーなフリー・インプロヴィゼーションの5曲目、フレーズはソフトではないが叙情性と静けさを感じる6曲目、文字通りドラムソロの7曲目、シャープに斬り込んでいくギターが印象的な8曲目、マーク・ジョンソン作の有名な曲を再演している9曲目、メロディアスで優しいスタンダードでラストを飾る10曲目。

Animato/John Abercrombie(G, G Synth)(ECM) - Recorded October 1989. Jon Christensen(Ds, Per), Vince Mendoza(Comp, Synth) - 1. Right Now 2. Single Moon 3. Agitato 4. First Light 5. Last Light 6. For Hope Of Hope 7. Bright Reign 8. Ollie Mention

大半がヴィンス・メンドーサの曲(2−6、8曲目)で、彼はシンセサイザーで参加。ただし、ギターとドラムスがあって、背景にシンセサイザーの広がりがある雰囲気の曲が多いです。ジョン・アバークロンビーとヨン・クリステンセンの共作による(インプロヴィゼーション?)はハードにせまりつつも背景には静けさがある1曲目、映画音楽のようにゆったりした中をギターが舞う2曲目、やや温度感が低いながらも情熱があるフレーズの3曲目、しっとりとする小品の4曲目、バックにシーケンサーのようなフレーズが出だしにあるちょっと硬派な5曲目、ゆったりした広がりのバックに淡々と、時に速くギターを弾く6曲目、アバークロンビー作の大河を流れるようなギター・シンセサイザーでの7曲目、夢見心地のアレンジが印象深い8曲目。

While We're Young/John Abercrombie(G)(ECM) - Recorded June 1992. Dan Wall(Org), Adam Nussbaum(Ds) - 1. Rain Forest 2. Stormz 3. Dear Rain 4. Mirrors 5. Carol's Carol 6. Scomotion 7. A Matter Of Time 8. Dolorosa

ジョン・アバークロンビー とダン・ウォールの曲が半々なので、実質双頭アルバムか。昔ながらのハモンドオルガンの音ですが、全体のサウンドはクールなまとまり。また、曲の構成もオルガンジャズの路線から大きく外れていて新鮮です。静かな場面からはじまって実に温度感の低い1曲目、持続音のオルガンがバックで2人のやや激しいフリー・インプロヴィゼーションが繰り広げられる2曲目、しっとりとした「雨」のようなゆったりめのバラードの3曲目、アップテンポの4ビートもあるけれども冷ややかでスリリングな4曲目、ちょっとジャジーながらも4ビートにはならない5曲目、ちょっとゆったりと包み込むように進む6曲目、浮遊感がありつつも哀愁もそこはかとなくある7曲目、静かながらもファンクっぽさを感じる沈んだ8曲目。

November/John Abercrombie(G), Marc Johnson(B), Peter Erskine(Ds), John Surman(Bs, Ss, Bcl)(ECM) - Recorded November 1992. - 1. The Cat's Back 2. J.S. 3. Right Brain Patrol 4. Prelude 5. November 6. Rise And Fall 7. John's Waltz 8. Ogeda 9. Tuesday Afternoon 10. To Be 11. Coma Rain Or Come Shine 12. Big Music

3人プラス、ジョン・サーマン(5曲参加、1−2、6、8、10曲目)。3人は長い付き合い。フリー・インプロヴィゼーションが1、5、9曲目で、ジョン・アバークロンビー作が5曲(2、4、7、10、12曲目)。フリー的でスリリングながらアップテンポの4ビートで進行していく1曲目、しっとりゆったりとしたバラードの2曲目、マーク・ジョンソン作でトリオでのおなじみのメロディの3曲目、美しいホンワカしたバラードの4、7曲目、ギターが斬り込みオドロオドロとバックが攻めるタイトル曲の5曲目、哀愁を強く感じる6曲目、ジョン・サーマン作で淡色系のサウンドの8曲目、ベースとドラムスが語り合う9曲目、乾いた切なさがゆっくりと心に入りこむ10曲目、唯一のスタンダードで優しく奏でる11曲目、微妙なバランスながらややアップテンポの12曲目。

Speak Of The Devil/John Abercrombie Trio(G)(ECM) - Recorded July 1993. Dan Wall(Org), Adam Nussbaum(Ds) - 1. Angel Food 2. Now And Again 3. Mahat 4. Chorale 5. Farewell 6. BT-U 7. Early To Bed 8. Dream Land 9. Hell's Gate

このメンバーでの2枚目。ここでの作曲もジョン・アバークロンビー(4−5、7曲目)とダン・ウォール(1、8−9曲目)が3曲ずつ。フリー・インプロヴィゼーションの曲も2曲 (2−3曲目)。ハモンドB3オルガンなのに温度感の低いこと。しっとりと始まったと思ったら、ちょっとロック的なドラムスにのってギターを弾きまくっている1曲目、内省的に向き合って語りかける2曲目、ドラム・ソロではじまるけっこう切れ味の鋭い3曲目、自由にギターが彷徨っていてテンポもいい感じの4曲目、優しく味わいのあるゆったりしたバラードの5曲目、けっこうハードに攻めているリズミカルな6曲目、8分の6拍子でメロディアスに、時にやや激しい7曲目、7拍子のバラードでギターの主張もある8曲目、8ビートでややミステリアスなサウンドの9曲目。

Homecoming/Gateway(ECM) - Recorded Deceember 1994. John Abercrombie(G), Dave Holland(B), Jack DeJohnette(Ds, P) - 1. Homecoming 2. Waltz New 3. Modern Times 4. Calypso Falto 5. Short Cut 6. How's Never 7. In Your Arms 8. 7th D 9. Oneness

3人が曲を持ち寄って17年ぶりのこのメンバーによる録音です。デイヴ・ホランドが4曲(1、3、6−7曲目)、ジョン・アバークロンビーが3曲(2、4−5曲目)、ジャック・ディジョネットが2曲(8−9曲目)作曲。けっこう自由なフォーマットで、濃密な演奏。再演ながらリズミカルで勢いもあってメロディアスでもある1曲目、深い哀愁の色を持っているワルツの2曲目、5拍子系サンバとでも言うべきノリの良い3曲目、タイトルどおりに明るいカリプソが熱帯を感じる4曲目、明るいメロディでウキウキするようなリズムの5曲目、変拍子ロック的な展開がカッコよさをもたらす6曲目、しっとりと静かなバラードを聴かせる7曲目、浮遊感があるテーマながらジャジーなノリもある8曲目、ディジョネットがピアノに持ち替えて叙情的な哀愁を示す9曲目。

In The Moment/Gateway(ECM) - Recorded December 1994. John Abercrombie(G), Dave Holland(B), Jack DeJohnette(Ds, P) - 1. In The Moment 2. The Enchanted Forest 3. Cinucen 4. Shrubberies 5. Soft

全曲フリー・インプロヴィゼーションによる演奏。同時に録音したアルバムの「ホームカミング」の方は、それぞれのメンバーによるオリジナル演奏。 演奏の密度が高く、両者の区別はあまり感じられないような気もします。エキゾチックなパーカッション(ドラムス?)にのって、3者共にエキゾチックなワンコードの演奏が繰り広げられるタイトル曲の1曲目、ベースのアルコで深遠にはじまって、そのまま空間的に3人が絡んでくるベースのピチカートもある奥の深い2曲目、7拍子系のやはりエキゾチックさのあるギターが動きまわる3曲目、14分にもわたって語り合いながらドラマチックな盛り上がりも、ギターの切れ込みの深さもある4曲目、ベースのアルコで静かな出だしと、ドラムスをピアノに持ち替えた静かな哀愁の語らいの5曲目。

Tactics/John Abercrombie(G)(ECM) - Recorded July 13-15, 1996. Dan Wall(Org), Adam Nussbaum(Ds) - 1. Sweet Sixteen 2. Last Waltz 3. Bo Diddy 4. You And The Night And The Music 5. Chumbida 6. Dear Rain 7. Mr. Magoo 8. Long Ago And Far Away

ジョン・アバークロンビー作は3作(1−2、6曲目)、ダン・ウォール作も2曲(3、7曲目)。オルガントリオ路線で3枚目。しかもライヴ録音。あっさりしていて静かな場面も多く、神経質な感じ。かわいらしいけれど、速いフレーズで鋭く、4ビートの場面もある1曲目、タイトルどおりワルツでしかもしっとりと静かに進んでいく2曲目、ファンクのビートでノリも良く、ギターもブルージーな3曲目、スタンダードの4ビートで哀愁を振りまきながらも彼らのペースで料理するややアップテンポの4曲目、静かだと思ったらドラムスもギターも速射砲的にフレーズが出てくる5曲目、しとしと降る雨のように静かにせまってくる6曲目、スペイシーから渋くて鋭いやり取りが盛り上がる7曲目、スタンダードをまろいけれどもオーソドックスに料理する8曲目。

Open Land/John Abercrombie(G)(ECM) - Recorded September 1998. Dan Wall(Org), Adam Nussbaum(Ds), Mark Feldman(Vln), Kenny Wheeler(Tp, Flh), Joe Lovano(Ts) - 1. Just In Tune 2. Open Land 3. Spring Song 4. Gimme Five 5. Speak Easy 6. Little Booker 7. Free Piece Suit(e) 8. Remember When 9. That's For Sure

洗練された涼しいオルガン・トリオがあるとすれば、おそらくこのメンバーが唯一ではないかと思います。オルガン・トリオの4枚目で曲によりゲストが入れ替わります。相変わらず透明度の高いギター。全体的にメロディアスで案外聴きやすいアルバム。1曲目は哀愁を帯びたメロディとケニーのホーンが印象的。2曲目は密度の高いテーマと自由な アドリブ空間の対比が面白い。ふつふつと情念がよぎってギターとテナーが心に染みる3曲目、5拍子のマイナー調が心地よい4曲目、淡々としつつもメロディが印象に残る5曲目、テーマもソロもメロディアスな6曲目、ヴァイオリンが印象的なフリー・インプロヴィゼーションの7曲目、ホーンによるテーマとソロが哀愁を誘う8曲目。9曲目は肩の力が抜けた明るめの小品。(99年9月15日発売)

Speak Easy/John Abercrombie(G), Jarek Smietana(G)(PAO)(輸入盤) - Recorded January 18 and 19, 1999. Harvie Swartz(B), Adam Czerwinski(Ds) - 1. Water Games (Part 1)  2. Gorest Power 3. Speak Easy 4. Tightrope 5. Water Games (Part 2)  6. Follow The Fellow 7. Just In Tune 8. Ginger Bread Boy 9. A Few Warm Words 10. Two Coloured Girl

(03/06/05)いかにもジョン・アバークロンビー路線といった感じのアルバム。共演のJarek Smietanaはオーソドックスなジャズ・ギターもできますが、ここではこの路線にそったギター。ただし、Jarekが5曲提供(しかもプロデュース)、ジョン・アバは2曲提供なので、正確にはJarekのアルバムといっていいかも。1、5曲目は共作の小品でしっとり感高し。ゆるいフュージョンノリで2人のギターを堪能できる10分台の2曲目、やや内面を向いた繊細な面もあるタイトル曲の3曲目、スピーディな8分の6拍子の4曲目、スタンダードのようにメロディがきれいな盛り上がる6曲目、ジャジーでちょっと冷めた感じの7曲目、ロックビートでタイトに攻めていく8曲目、ラテンノリでメロディアスかつ陽気な9曲目、メロディが軽めの優しい10曲目。

Cat 'n' Mouse/John Abercrombie(G)(ECM) - Recorded December, 2000. Mark Feldman(Vln), Joey Baron(Ds), Marc Johnson(B) - 1. A Nice Idea 2. Convolution 3. String Thing 4. Soundtrack 5. Third Stream Samba 6. On The Loose 7. Stop And Go 8. Show Of Hands

スゴいメンバー。変則的なクァルテットですが、聴き手を選びながらもレベルの高い演奏です。5、8曲目は全員のフリー・インプロヴィゼーションで他はアバークロンビーのオリジナル。空間の中でそこはかとない哀愁が漂っていく1曲目、ヴァイオリンとギターのアグレッシヴなやり取りの後にギターが活躍して盛り上がる2曲目、しっとりとしたメロディに思わず聴き込んでしまう3曲目、ベースのボンボンという上をゆったりと動きまわるメロディがなるほど「サウンドトラック」らしい浮遊感のある4曲目、タイトルと違ってサンバのリズムはなく、事実上は統制のとれたフリーの5曲目、ECM流のタイトなサウンドの6曲目、ノリの良い4ビートの部分と、ソロでの表現の部分がある7曲目、丁丁発止のインプロヴィゼーションが鋭い8曲目。(02年3月21日発売)

Class Trip/John Abercrombie(G)(ECM) - Recorded February, 2003. Mark Feldman(Vln), Joey Baron(Ds), Marc Johnson(B) - 1. Dansir 2. Risky Business 3. Descending Grace 4. Illinoise 5. Cat Walk 6. Excuse My Shoes 7. Swirls 8. Jack And Betty 9. Class Trip 10. Soldier's Song 11. Epilogue

このメンバーで2作目。10曲目がバルトークの作品、4、11曲目が4人のフリー・インプロヴィゼーションで、他はジョン・アバークロンビーの曲。うまく全体の中でヴァイオリンが生かされています。哀愁を漂わせるメロディがあらわれては消えていく、温度感も低めな1曲目、自由度の高いスペイシーな中で旋律が歌う2曲目、メロディを奏でながらふつふつと盛り上がっていくテンポも良い3曲目、あたかも構築された曲のようなまとまりの4、11曲目、やや哀愁系で浮遊感も少しある流れの5曲目、やはりメロディがしっとりした佇まいの6曲目、やや不安定なテーマと進行から4ビートに展開する7曲目、まるで映画音楽のような8曲目、タイトル曲の割にはあっさりとした9曲目、弦のデュオでクラシックの香りがほのかな10曲目。(04年5月21日発売)

The Third Quartet/John Abercrombie(G)(ECM 1993)(輸入盤) - Recorded June 2006. Mark Ferdman(Vln), Marc Johnson(B), Joey Baron(Ds) - 1. Banshee 2. Number 9   3. Vingt Six 4. Wishing Bell 5. Bred 6. Tres 7. Round Trip 8. Epilogue 9. Elvin 10. Fine

(07/04/14)7曲目がオーネット・コールマン作、8曲目がビル・エヴァンス作曲の他はJohn Abercrombieの作曲。このメンバーでの3作目。耽美的で危なげな一体感。フリーになりそうでエキゾチックなメロディが淡々としている1曲目、ゆっくりしたテンポで、静かなメロディが語りかける2曲目、繊細な旋律のやり取りが絶妙なタイミングの3曲目、やや陽性から中間色にかけての流れるようなジャズの4曲目、淡いメロディの漂いのまま盛り上がりのある5曲目、マイナーでホンワカ系から8分の6拍子のシャープな方向に行く6曲目、これはもうバリバリの4ビートでの7曲目、静かでちょっと東洋的な味も垣間見えるバラードの8曲目、色調はそのままにミディアムの4ビートで攻める9曲目、アコースティック・ギターの多重録音の10曲目。

 

共演・参加アルバム

Lookout Farm/Dave Liebman(Ss, Ts, Afl)(ECM) - Recorded October 10 and 11, 1973. Richard Beirach(P), Frank Tusa(B), Jeff Williams(Ds), John Abercrombie(G), Armen Halburian(Per), Don Alias(Per), Badal Roy(Per), Steve Sattan(Per), Eleana Sternberg(Voice) - 1. Pablo's Story 2. Sam's Float 3. M.D./Lookout Farm

全曲デイヴ・リーブマンのオリジナル。ホーンはもちろん注目ですが、パーカッション部隊も強力。1曲目はスパニッシュにアコースティック・ギターではじまり、途中からパーカッションが効いてエキゾチックな流れに。エレキピアノも入ってドラマチックに静と動を繰り返していく14分台の曲。2曲目は当時のジャズ・ロックを意識しているサウンドで、比較的単調なベースの上に様々な楽器の音が織りなしています。3曲目は23分台の長いメドレーでジャズ色も強いです。ゆったりとはじまり、サックスを十分聴かせた後にピアノで盛り上がっていきます。そしてビートが効いたベースを経て、パーカッションの音の洪水。サックスとドラムスのデュオもあり、アコースティック色が強く、構成も複雑。再び後半盛り上がります。強力な音。

"Quotation Marks"/Enrico Rava(Tp)(JAPO) - Recorded December 1973 and April 1974. Jeanne Lee(Vo), John Abercrombie(G), Devid Horowiz(P, Synth), Herb Bushler(B), Ray Armando(Per), Jack DeJohnette(Ds), Warren Smith(Marimba, Per), Finito Bingart(Ts, Fl, Per), Rodolfo Mederos(Bandoneon), Ricardo Lew(G), Matias Pizarro(P), El Negro Gaozales(B), Nestor Astarita(Ds), El Chino Rossi(Per) - 1. Espejismo Ratonera 2. Short Visit To Malena 3. Sola 4. San Justo 5. Water Kite 6. Quotation Marks - Naranjales 7. Melancolia De Las Maletas

ほぼ全曲エンリコ・ラヴァの作曲ないしは共作(1曲の半分だけトラディショナルがあり)。彼らしい憂いとつやのあるトランペット。アルゼンチン録音の1、3−5曲目と、アメリカ録音の2、6−7曲目があり、そちらにはジョン・アバークロンビーとジャック・ディジョネットが参加。豪華なメンバーです。ポップスっぽい気も。アルゼンチン風にはじまったと思ったら8分の6拍子の渋いメロディアスな曲を聴かせてくれる1曲目、ヴォーカル入りでポップな味わいのある2曲目、ロックっぽい元気さのあるラテンサウンドの3曲目、明るく速いパッセージのテーマが印象的な活発なラテンの4曲目、ノリの良いラテンポップス風味の5曲目、静かで幻想的、そしてフリーなタイトル曲とトラディショナルが連続する6曲目、威勢の良いラテンの7曲目。(06年4月19日発売)

Drum Ode/Dave Liebman(Ss, Ts, Afl)(ECM) - Recorded May 1974. Richard Beirach(P), Gene Perla(B), John Abercrombie(G), Jeff Williams(Ds), Bob Moses(Ds), Patato Valdez(Per), Steve Satten(Per), Barry Altschul(Per), Badal Roy(Per), Collin Ealcott(Per), Ray Armando(Per), Eleana Steinberg(Vo) - 1. Goli Dance 2. Loft Dance 3. Oasis 4. The Call 5. Your Lady 6. The Iguana's Ritual 7. Satya Dhwani (True Sound)

参加メンバーで分かる通り、パーカッションが前面に出たアルバム。ECMとは思えないほどに元気あふれるパーカッシヴなサウンド。1曲目は派手なパーカッションをバックにデイヴ・リーブマンのナレーションが入る短い30秒ほどの曲。1曲目はやはり全開のパーカッションの上を走るテナー・サックスとエレキ・ピアノとエレキ・ベース。3曲目で女性ヴォーカルが聴けるややリラックスした曲に。4曲目もドラム(パーカッション)のみをバックにしたエコーを効かしたサックス。5曲目はジョン・コルトレーンの曲で、比較的静かながらエレクトリックで、アフリカの香りがするパーカッション。6曲目は10分台の曲で、当時のエレクトリックなジャズの影響も。7曲目はギターやタブラの響きもエキゾチックな渋い曲。(99年10月1日発売)

Cloud Dance/Collin Walcott(Sitar, Tabla)(ECM) - Recorded March 1975. John Abercrombie(G), Dave Holland(B), Jack DeJohnette(Ds) - 1. Margueritte 2. Prancing 3. Night Glider 4. Scimitar 5. Vadana 6. Eastern Song 7. Padma 8. Cloud Dance

ほとんどの曲がコリン・ウォルコットの曲または共作。シタールやタブラの奏者ですがアメリカ人なので、インド風味のややある西洋音楽的なサウンド。サイドにゲイトウェイのメンバーが参加しているところが興味深いところ。シタールでのソロから一転メロディアスなテーマやソロで聴かせる1曲目、リズミックなベースとタブラのデュオでの2曲目、シタールとギターでしっとりと聴かせるバラードの3曲目、ギターとのデュオでパワーのあるインプロヴィゼーションの4曲目、デイヴ・ホランド作の流れていくようなバラードの5曲目、シタールとベースで絡み合っていくような曲調の6曲目、シタールとギターの比較的静かなバラードの7曲目、シタールとギターの掛け合いで進んでいく、盛り上がるタイトル曲の8曲目。

The Pilgrim And The Stars/Enrico Rava(Tp)(ECM)(輸入盤) - Recorded June 1975. John Abercrombie(G), Palle Danielsson(B), Jon Christensen(Ds) - 1. The Pilgrim And The Stars 2. Parks 3. Bella 4. Pesce Naufrago 5. Surprise Hotel 6. By The Sea 7. Blancasnow

(02/05/22)全曲オリジナルか共作。やはり哀愁度は高いです。1曲目のタイトル曲はけっこう激しくジャズしたり、ドラマチックな進行ですが、その出だしとラストのなだらかな部分はやはり彼のトランペットという感じ。アコースティックギターとトランペットが華麗に舞い飛んでいる小品の2曲目、メロディアスなトランペットとオーソドックスな方向に向かうのを拒むかのような他のメンバーが一体になって盛り上がっていく3曲目、さりげなく出てくる音の連なりをもとにインプロヴィゼーションが繰り広げられる4曲目、ハイテンポでフリーのような音の塊が凝縮されている小品の5曲目、ビートもそこそこで、懐かしいメロディが心の中によみがえってくるような6曲目、前半フリー、後半カッチリした演奏の上を美しいメロディが漂う7曲目。

Pictures/Jack DeJohnette(Ds, P, Org)(ECM) - Recorded February 1976. John Abercrombie(G) - 1. Picture 1   2. Picture 2   3. Picture 3   4. Picture 4   5. Picture 5   6. Picture 6

構築されたものがもともとあったのか、フリー・インプロヴィゼーションなのかどうか判断はつきませんが、1枚のアルバムがトータルサウンド的な作りになっているようです。 多重録音の部分もあります。3曲目のみジョン・アバークロンビーとの共作で、それ以外はジャック・ディジョネットのオリジナル。ドラムスのビートの上にかぶさるオルガンサウンドの図式の1曲目、淡々としたテンポのあるドラムスのみで8分弱を勝負している2曲目、ギターとのノリの良い自由なやり取りの3曲目、波間を漂うような静かな掛け合いの4曲目、アコースティック・ギターが渋い味わいを持つ5曲目、しっとりしたピアノを中心に叙情的に、かつ淡々と進んでいく6曲目。ジョン・アバークロンビーは3−5曲目に参加 しています。

Mountainscape/Barre Phillips(B)(ECM) - Recorded March 1976. John Surman(Bs, Ss, Bcl, Synth), Dieter Feichtner(Synth), Stu Martin(Ds, Synth), John Abercrombie(G) - 1. Mountainscape 1  2. Mountainscape 2  3. Mountainscape 3   4. Mountainscape 4  5. Mountainscape 5  6. Mountainscape 6  7. Mountainscape 7  8. Mountainscape 8

曲名がマウンテン・スケープ1〜8なので、組曲形式なのでしょうか。シンセサイザーを本格的に使用しているアルバムとしてはけっこう古い方で、うまく全体のサウンドにマッチしています。1曲目はさっそくジャズロックとインプロヴィゼーションの雰囲気をダイレクトに伝えます。シンセサイザーをバックにサックスが彩りを添える2−3曲目、ベースが比較的前面に出ていてサックスとの相性も良いゆったりした4曲目、スペーシーなワン・コードの曲の上をアグレッシヴにサックスが歌う5曲目、民族音楽的のようでもあり幻想的な6曲目、シーケンサーとベースで演奏される叙情世界の7曲目。ジョン・アバークロンビーは8曲目に参加していて、ある意味でビートが効いたフリーに近いサウンドの中をサックスと自由に飛び回ります。(99年10月1日発売)

The Plot/Enrico Rava(ECM)(輸入盤) - Recorded August 1976. John Abercrombie(G), Palle Danielsson(B), Jon Christensen(Ds) - 1. Tribe 2. On The Red Side Of This Street 3. Amici 4. Dr. Ra And Mr. Va 5. Foto Di Famigila 6. The Plot

(99/01/16)このメンバーでは2枚目のアルバム。全曲エンリコ・ラヴァのオリジナルないしは共作。彼の哀愁を帯びたトランペットはもちろん前面に出ていますが、ギター度も高いです。サウンド的には適度な浮遊感覚。ストレートで親しみやすいメロディとやや過激なバックとのアンサンブルが面白く、中間部では過激路線に入って行く1曲目、静かでスペイシーな、哀愁が漂うメロディの2曲目、自由度が高くてテンポの良いラテンタッチのバックの上をマイペースで吹いているトランペット、そしてギターも弾きまくる3曲目、3拍子系のエキゾチックに盛り上がる4曲目、渋くて哀愁度も高いギターとのデュオの5曲目、流れるように進んでいき、中ほどからドラマチックに盛り上がっていく15分台のタイトル曲の6曲目。

Grazing Dreams/Collin Walcott(Sitar, Tabla)(ECM)(輸入盤) - Recorded February 1977. John Abercrombie(G), Don Cherry(Tp, Wood Fl, etc), Palle Danielsson(B), Dom Um Romao(Per) - 1. Changeless Faith - 1-1. Song Of The Morrow 1-2. Gold Sun 1-3. The Swarm 1-4. Mountain Morning 2. Jewel Ornament 3. Grazing Dreams 4. Samba Tala 5. Moon Lake

(02/05/25)コリン・ウォルコットの作曲か、曲によっては参加メンバーとの共作。1曲目は組曲形式になっていて、「不変の信仰」とでも訳すのでしょうか。トランペットの抑制されたメロディが続くパート1、パーカッションサウンドをベースにエキゾチックな味わいのメロディで進行していくパート2、静寂の中から効果音的なフレーズが浮かんでは消え、後半フレーズの繰り返しで盛り上がるパート3、インプロヴィゼーションでの小品のパート4。民族音楽のような素朴さのあるメロディの2曲目、印象的なメロディで洗練された感じのタイトル曲の3曲目、パーカッションのデュオでノリも良い小品の4曲目、メンバーでのフリー・インプロヴィゼーションにしてはドラマチックでメロディアスな5曲目。民族音楽色は意外に低めかも。

Deer Wan/Kenny Wheeler(Tp, Flh)(ECM) - Recorded July 1977. Jan Garbaraek(Ts, Ss), John Abercrombie(G), Dave Holland(B), Jack DeJohnette(Ds) Ralph Towner(G) - 1. Peace For Five 2. 3/4 In The Afternoon 3. Sumother Song 4. Deer Wan

全曲ケニー・ホイーラーの作曲。今考えると、すごいメンバーでの録音です。演奏もかなりいい感じ。1曲目は出だしが3拍子でゆったりとメロディアスに入ってきて、ベースソロが入った後にアップテンポの、しかし少し冷めたジャズ的なサウンドが出てきます。ヤン・ガルバレクもジャズ的なバリバリのソロ。ドラマチックな展開でノリも良い16分台の大曲。2曲目のみにラルフ・タウナーも参加していて、叙情的で水彩画のような世界を演出するのに一役かっています。トランペットも良い感じです。3曲目はしっとりしたテーマを持ち、中間部とエンディングでアップテンポにもなる緩急自在の展開の11分台の曲。4曲目のタイトル曲はソロの入るパートによってサウンドの色彩感覚が変化していくような、10分台の曲。

Maracaibo Cornpone/George Otsuka(Ds)(Art Union) - Recorded May 25 and 26, 1978. Steve Grossman(Ss), John Abercrombie(G), Masabumi Kikuchi(Key, Synth, Ds), Richard Beirach(P), Nana Vasconcelos(Per, Voice), Miroslav Vitous(B), Yoshiaki Masuo(G) - 1. Maracaibo Cornpone 2. Rainbows 3. Telegram 4. Who Got? 5. Ginger 6. Believer

まず、参加メンバーを見て、あまりにもスゴいのでビックリ。プロデューサーは菊地雅章。 曲はリッチー・バイラークとミロスラフ・ヴィトウスが2曲ずつ出しているので、実質的には彼らのアルバムかも。内容的にはジャズからハードなクロスオーヴァーにかけてさまざまです。タイトル曲の1曲目はいちばんクロス・オーヴァー寄り。ミロスラフ・ヴィトウスの高音域のアルコ弾き、あるいはエレクトリック・ベースへの持ち替え(1曲目)、ジョン・アバークロンビーやリッチー・バイラークらしいソロなど見るべきところは多く、結局のところミュージシャン買いをしてもたぶん後悔しないだろうな、と思います。ただし、いわゆる4ビートの純ジャズと言えそうなのは4曲目のみ。6曲目は非常に思索的な演奏 になっています。(99年7月23日発売)

New Directions/Jack DeJohnette(Ds, P)(ECM) - Recorded June 1978. John Abercrombie(G, Mandolin), Lester Bowie(Tp), Eddie Gomez(B) - 1. Bayou Fever 2. Where Or Wayne 3. Dream Stalker 4. One Handed Woman 5. Silver Hollow

4人の組み合わせが意外ですが、うまくまとまっています。ジャック・ディジョネットのオリジナルと、フリー・インプロヴィゼーション( 3−4曲目) で成り立っています。比較的ハードな基調のドラムス、ベースの上を、哀愁の漂うギターやトランペットのメロディーが立ちのぼっていき、モーダルに流れていく1曲目、やはり愁いを帯びたメロディのテーマが印象的でソロも後半盛り上がり、ドラムスの小刻みなビートにも勢いのある12分台の2曲目、しっとりとした情景の中であまりフリーだという事を感じさせずに4人の音がサウンドを織りなしている3曲目、フリーとは思えないほど緩急自在のレスポンスと構築がしっかりしている、ビート感もある11分台の4曲目、ディジョネットがピアノに持ち替えて、叙情的なサウンドでせまる5曲目。

Jack DeJohnette(Ds, P) New Directions In Europe(ECM) - Recorded June 9, 1979. John Abercrombie(G), Lester Bowie(Tp), Eddie Gomez(B) - 1. Salsa For Eddie G. 2. Where Or Wayne 3. Bayou Fever 4. Multo Spiliagio

スイスでのライヴ録音。以前出た「ニュー・ダイレクションズ」と2曲 (2−3曲目)重なっています。4曲目が4人のフリー・インプロヴィゼーションの他は、全てジャック・ディジョネットの作曲。出だしで長いドラム・ソロがあって、その後に印象的なテーマ(5拍子?)、ラテンタッチのアドリブ部分と続き、哀愁を感じつつノリの良い8分の7拍子の16分台の1曲目。哀愁のあるテーマで、ロックビート的な部分、静かな部分を経て、メンバーがソロをとりながらラストでまとまる12分台の2曲目、厳かな長めのピアノではじまり、やはり切なげなメロディが展開していき、時々盛り上がりながらマイナーのまま淡々と進んでいく18分台の3曲目、かなりスピーディーなインプロヴィゼーションがスリリングに展開していく4曲目。

Eventyr/Jan Garbarek(Ts, Ss, Fl)(ECM)(輸入盤) - Recorded December 1980. John Abercrombie(G), Nana Vasconcelos(Talking Ds, Per, Voice, etc.) - 1. Soria Maria 2. Lillekort 3. Eventyr 4. Weaving A Garland 5. Once Upon A Time 6. The Companion 7. Snipp, Snapp, Snute 8. East Of The Sun And West Of The Moon

面白い編成で、しかも トラディショナルの4曲目以外は、フリー・インプロヴィゼーション(?)。全体的にエスニックというか、比較的静かな無国籍的なサウンドが多いですが、これはヤン・ガルバレクとナナ・ヴァスコンセロスの指向性だと思います。夕闇の中をゆったりと漂っているような哀愁のある11分台の1曲目、牧歌的な中を印象的なメジャーのリフが断片的にあらわれてくる2曲目、前半サックスが朗々と唄い、後半幽玄なフルートの、タイトル曲の3曲目、やんわりと浮かび上がるようなメロディの4曲目、ちょっと暗めで緊張感がある5曲目、ギターが不参加の6−7曲目は、2人の国籍の特徴がよく出ている6曲目、素朴な雰囲気で語りかけてくる7曲目。妖しげな音たちが浮かんでは消えていく、スペイシーな8曲目。

Upon A Time/John Abercrombie(G, Mandolin, P)/George Marsh(Ds, Per, Thumb P)/Mel Graves(B)(New Albion Records)(輸入盤) - Recorded 1982. - 1. My Scottish Heart 2. Muchacha Dorada 3. Upon A Time 4. In The Woods 5. Demi-Saison 6. Baby Lucille 7. Vincent 8. Count 9. Chuck Man Rivers 10. Camel Walk 11. Play It Again 12. Moonfire 13. Gypsy Wand Song 14. McNabb The Crabb 15. Chelsea Bridge 16. Lullaby Of The Leaves

(05/08/15)1−10曲目がGeorge Marshとの時々多重録音もあるデュオで、10曲目まではどちらかまたは2人での作曲。後半11曲目以降はGeorge MarshとMel Gravesのデュオ。打楽器のデュオというのも珍しい。ゆったりとはじまったと思ったらスリリングな応酬になる1曲目、ちょっとラテン系の哀愁まじりで多重録音もある2曲目、映画音楽のように美しい場面もあるタイトル曲の3曲目、パーカッションがメインの、森の風景が見える4曲目、しっとりとしてポップス系のメロディのようでもある5曲目、スペイシーで明るめな、そして後半ロックっぽい6曲目、空間的なフリーで時おり激しい7曲目、4ビート浮遊系とも言える小品の8曲目、ギターで不安定なサウンドを出している9曲目、アルペジオで変拍子の静かな10曲目。

Solar/John Abercrombie(G)/John Scofield(G)(Quicksilver)(輸入盤) - Recorded December 1983. George Mraz(B), Peter Donald(Ds) - 1. Solar 2. Even Steven 3. Four On Six 4. Sing Song 5. Small Wonder 6. I Should Care 7. If You Could See Me Now

(05/05/28)John Abercrombie作が2曲(2、4曲目)、John Scofield作が1曲(5曲目)。半分は2人でのギターデュオで、ベースとドラムスが入るのは3、5、7曲目。エレキギター2台で2人の個性が絡み合いつつも、哀愁があってメロディアスに展開していくタイトル曲の1曲目は、片方がギターでベースの4ビートのラインを弾く場面も。カラッとしていてややスピードもあり、アメリカの広大な草原を思い浮かべるような曲調の2曲目、ウェス・モンゴメリー作の、彼ら流に料理していて勢いのある3曲目、淡い浮遊感のある静かなバラードの4曲目、ロックビートの部分もありながらちょっと醒めたような感覚もある5曲目、しっとりとメロディアスに奏で上げていく美しい6曲目、4人でゆったりとメロディを歌い上げるようなバラードの7曲目。

Witchcraft/John Abercrombie(G)/Don Thompson(B, P)(Justin Time)(輸入盤) - Recorded June 24 and 25, 1986. - 1. Everything I Love 2. Sometime Ago 3. Witchcraft 4. My Foolish Heart 5. Fall Colours 6. I'm Getting Sentimental Over You 7. Peace 8. You'd Be So Nice To Come Home To 9. You Don't Know What Love Is

(05/08/15)主にギターとベースのデュオで、スタンダード中心。2人のオリジナルは5曲目。静かで聴きやすいサウンドです。1曲目からあのエレクトリック・ギターの音色とフレーズが4ビートに絡んで心地良い。繊細ながら大らかなアメリカの空を連想させるようなサウンドの2曲目、タイトル曲でやや内省的で抽象的な感じのインプロヴィゼーションが繰り広げられる3曲目、しっとり感が何ともいえない有名なバラードの4曲目、オリジナルなのにメロディアスで哀愁も混ざって聴こえる5曲目、やや淡い感じながらもメロディやアドリブをしっかり聴かせる6曲目、ここから後はピアノとのデュオで、しっとり感が強く、静かに聴かせる7曲目、やはりピアノと丁々発止のインタープレイのある8曲目、じっくり聴かせつつやや盛り上がる9曲目。

Now You Know/Makoto Ozone(P)(Sony) - Recorded December 1986. Steve Kjara(Fl), John Abercrombie(G), Marc Johnson(B), Peter Erskine(Ds) - 1. Watch What I'm Gonna Do 2. Might As Well 3. Endless Season Part 4   4. This Little Piggy Tells Time 5. You Are In Love 6. As Is 7. Passage

全曲小曽根真の作曲で、なかなかスゴいメンバーの集まり。かなり複雑なテーマを持っていて、途中のキメも印象的、なおかつノリのけっこう良いアップテンポのサンバの部分と静かな部分のある1曲目、ピアノ・トリオで優雅に優しいメロディが繰り出されるワルツの2曲目、フルートを交えた、ギターとのトリオでのクラシック/現代音楽的な味わいを持つ温度感の低いカチッとした3曲目、スタンダードの4ビートのような自然さで、けっこう複雑そうなテーマを持っている徐々に盛り上がる温かい感触の4曲目、ピアノ・トリオの、メロディアスで美しいゆったりしたバラードの5曲目、キメの多いテーマと、アグレッシヴで自由な、アップテンポがシャープな6曲目、フルートとのデュオでクラシック的にこれまた美しい静かな展開の7曲目。(07年9月5日発売)

All Strings Attached(NEC Avenue) - Recorded December 1986. Tal Farlow(G), John Abercrombie(G), Larry Carlton(G), Larry Coryell(G), John Scofield(G), John Patitucci(B), Bill Hart(Ds) - 1. Introduction By John Scofield 2. Misty 3. Meditations 4. My Romance 5. Autumn Leaves 6. All Blues

邦題は「スーパー・ギタリスト5人衆」。同名でレーザーディスクにもなっていて、そちらの方がメインで作られています。ジョン・アバークロンビーが4−6曲目に、ジョン・スコフィールドが3、5−6曲目に参加。特に5、6曲目には全員がソロをとっているので、それぞれの個性が面白いです。LDは59分収録。

Emerald City/Richie Beirach(P) & John Abercrombie(G)(Pathfinder) - Recorded February 1987 - 1. Odin 2. Anse Des Flamonde 3. Sleight Of Hand 4. Emerald City 5. On Overgrown Path 6. Carnival (Suspone)

ピアノとギター・シンセサイザーによる、デュオ。2人で空間を作り出していく、というイメージが強いですが、おそらく2人の名前で作曲された曲については、緊密なインプロヴィゼーションが展開されています。

My Foolish Heart/Marc Cohen(P)(Jazz City) - Recorded June 1988. Gary Peacock(B), Jeff Hirshfield(Ds), John Abercrombie(G) - 1. Snow Fall 2. My Foolish heart 3. Walkin' 4. So Long Ago 5. I Fall In Love Too Easily 6. When Will The Blues Leave 7. At Night 8. Mash 9. Just In Time 10. In Blue

あまり有名ではないですが、好きなピアニストのひとりです。1、4、6、10曲目に参加するジョン・アバークロンビーとリリカルな感じでは良くマッチしています。また、ベースがゲイリー・ピーコックだというところにも注目です。時々すごいソロをさりげなくやってしまいます。

Music For Large & Small Ensembles/Kenny Wheeler(Flh, Tp)(ECM) - Recorded January 1990. - John Abercrombie(G), John Taylor(P), Dave Holland(B), Peter Erskine(Ds), Norma Winstone(vo), Darek Watkins(Tp), Henry Lowther(Tp), Alan Downey(Tp), Ian Hamer(Tp), Dave Watkins(Tb), Chtis Pyne(Tb), Paul Rutherford(Tb), Hugh Fraser(Tb), Ray Warleigh(Sax), Duncan Lamont(Sax), Evan Parker(Sax), Julian Arguelles(Sax), Stan Sulzman(Ts, Fl) - The Sweet Time Suite: 1. Part 1  Opening 2. Part 2  For H., Part 3  For Jan 3. Part 4  For P.A. 4. Part 5  Know Where You Are 5. Part 6  Consolation 6. Part 7  Freddy C, Part 8  Closing   7. Sophie 8. Sea Lady 9. Gentle Piece 10. Trio 11. Duet 1  12. Duet 2  13. Duet 3  14. Trio 15. By Myself

CD2枚組。1枚目はビッグバンドによる組曲、2枚目の半分もビッグバンドで、2枚目の残り(10−15曲目)はトリオやデュオ、クインテットによるスモールコンボの演奏。なかなか聴けないECMのビッグバンドですが、やはりケニー・ホイーラーらしい冷めた感じがします。1枚目は全曲彼の作曲、2枚目は7−9曲目が彼の作曲で、これらもなかなかの演奏。最後にスタンダードがあって、あとは参加者のインプロヴィゼーション。1枚目は1曲目の牧歌的なテーマの提示がありますが、その後は盛り上がったり静かになったり、けっこうドラマチックな展開。1枚分でひとつの組曲になっているため、通して聴くべき音楽だと思います。ヴォーカルの部分や4ビートもあり。11−13曲目はジョン・テイラーとピーター・アースキンでのデュオ。

The Widow In The Window/Kenny Wheeler Quintet(Tp, Flh)(ECM) - Recorded February 1990. John Abercrombie(G), John Taylor(P), Dave Holland(B), Peter Erskine(Ds) - 1. Aspire 2. Ma Balle Helene 3. The Widow In The Window 4. Ana 5. Hotel Le Hot 6. Now, And Now Again

全曲ケニー・ホイーラーの作曲。なかなかスゴいメンバー。研ぎ澄まされたサウンドで、緊張感が漂います。また 、かなりECM的ながらもいわゆるジャズ的な演奏もあります。出だしは静かにはじまり、各メンバーがその冷たさを保ったまま盛り上がる場面もある12分台の1曲目、ボッサというか流れるようなベースラインの上を、これまたフレーズはある程度速いけれども涼風が吹いてくるようなサウンドの2曲目、影のあるしっとりとしたメロディでゆったりと漂っていくタイトル曲の3曲目、スローに入ってくる出だしにはじまって、6分頃に管によるはっきりしたメロディが出てくる、14分ものドラマを繰り広げる4曲目、冷えたラテン的兼4ビートなノリでややアップテンポで進む5曲目、しっとりとしつつゆっくりメロディを奏でていく6曲目。

Jim Hall(G) & Friends Live At Town Hall(Musicmaters) - Recorded June 26, 1990. Ron Carter(B), Bob Brookmayer(Tb), Gerry Muligan(Bs), Don Thompson(P, Arr), Steve Laspina(B), Terry Clerke(Ds), Gary Burton(Vib), Classical Heritage Ensemble, Gil Goldstein(P, Synth), Peter Bernstein(G), John Scofield(G), Mick Goodlick(G), John Abercrombie(G) -1. Alone Together 2. St.Thomas 3. Skylark 4. Begin The Begin 5. All The Things You Are 6. Prelude To A Kiss 7. 1953 "Thesis" 8. Abstract & Dream 9. Laura's Dream 10. Hide And Seek 11. How Deep Is The Ocean 12. Sancticity 13. My Funny Valentine 14. Careful

ジョン・スコフィールドは12、14曲目に、ジョン・アバークロンビーは13、14曲目に参加。ギタリストはジム・ホールがアイドルだという人は実に多いようです。特に14曲目はこの2人とジム・ホールのほか、ピーター・バーンスタインとミック・グッドリックも参加して、5人で共演しています。

Nosmo King/John Abercrombie(G) & Andy LaVerne(P)(Steeple Chase) - Recorded December 1991. - 1. I Hear A Rhapsody 2. Waltz For Debby 3. I Loves You Porgy 4. Blue Cycle 5. Silver's Serenade 6. John's New Waltz 7. Babes w/Babies 8. My Man's Gone Now 9. Nosmo King 10. Never Never Land 11. Softly As In A Morning Sunrise

ピアノとギターのデュオで、ジャズ寄りのテイストが強く、しかもスタンダードの割合が高いので、久しぶりに聴いてほっとしました。アンディ・ラバーンがどちらかといえば、リリカルなビル・エヴァンスよりのピアニストだからかもしれません。

Now It Can Be Played/John Abercrombie(G) & Andy LaVerne(P)(Steeple Chase) - Recorded April 1992. Steve LaSpina(B), Jeff Hirshfield(Ds) - 1. Now It Can Be Played 2. I Wish I Knew 3. Shadow And Fog 4. John's Waltz 5. Cat Nap 6. Yesterdays 7. Labour Day 8. Waltz King

「ノスモ・キング」にリズム隊の2人を加えたカルテット編成です。こちらはオリジナルが大半ですが、ECMと違って、かなりジャズの視点で聴く事ができます。また、リラックスできるサウンドでもあります。それにしてもアンディ・ラヴァーンはビル・エヴァンスの影響が強い感じです。

Farewell/John Abercrombie(G)/Andy LaVerne(P)/George Muraz(B)/Adam Nussbaum(Ds)(NEC Avenue) -Recorded April 30, 1993. - 1. Beautiful Love 2. Monk Like 3. Ralph's Piano Waltz 4. Mother Of Pearl 5. I Mean 6. Opus 7. Opal 8. Farewell

思わぬところがCDを発売しました。オリジナルが大半なので、「ナウ・イット・キャン・ビー・プレイド」の延長線上にありますが、リズム隊がもっと強力になった感じです。この路線でも今後アルバムをだして欲しいところです。ピアノはリッチー・バイラークとの比較でも興味深いものがあります。

Come Together/Guitar Tribute To The Beatles(NYC) - Released 1993. (4曲目のパーソネル) Steve Khan(G), Marc Johnson(B), Peter Erskine(Ds), Nana Vasconcelos(Per),  (7曲目のパーソネル) John Abercrombie(G), Marc Johnson(B), Peter Erskine(Ds), (8曲目のパーソネル) Allan Holdsworth(G), Gordon Beck(P), Gary Willis(B), Kirk Covington(Ds) - 1. Come Together 2. She's Leaving Home 3. Here, There & Everywhere 4. Within You, Without You/Blue Jay Way 5. Eleanor Rigby 6. Blackbird 7. And I Love Her 8. Michelle 9. Norwegian Wood 10. Something 11. Yesterday

邦題「ザ・ギタリスト/プレイズ・ビートルズ」。11曲を11人のギタリストが1曲ずつ弾いています。 これだけのギタリストの録音を集めるのはなかなか大変だったんではないかと思います。スティーヴ・カーンは4曲目に参加。彼が例によって例のごとく、独特の浮遊感のあるギターのフレーズで、8分にも及び渋い空間表現をしています。ジョン・アバークロンビーは7曲目に参加して、その「アンド・アイラブ・ハー」ではこの時期おなじみのトリオでの演奏。例によって甘く、静かめの演奏で、しかも十分ジャズしています。アラン・ホールズワースは8曲目に参加。まさかアラン・ホールズワースが「ミッシェル」を演奏するとは。結局やりたい放題なのね、という気がしますが。チェックがもれやすいアルバムなので、要注意です。

Afro Blue/The Lonnnie Smith(Org) = John Abercrombie(G) Trio(Venus) - Recorded June 17, 1993. Marvin "Smitty" Smith(Ds) - 1. Afro Blue 2. Impressions 3. Naima 4. Trace Of Trane(I Bring Love) 5. Lonnie's Lament 6. Bassie's Blues

個性的な3人が集まった、ジョン・コルトレーン集。ギターはいつもの音色だし、オルガンはアーシーだし、ドラムは元気だしと、3人のそれぞれに焦点をあてた聴き方をすれば、3通り楽しめます。とにかく迫力のあるオルガン・ジャズです。

Foxy Lady/Lonnie Smith(Org) Trio Featuring John Abercrombie(G)(Venus) - Recorded March 19, 1994. Marvin "Smitty" Smith. - 1. Foxy Lady 2. Castles Made Of Sand - Star Spangled Banner 3. Third Stone From The Sun 4. Jimi Meets Miles

オルガン・トリオ第2作目は、ジミ・ヘンドリックス集です。ギターの性格が全然違うのですが、ジョン・アバークロンビーのギターはロック色の強かったときもありました。サウンドのまとまりとしては非常に面白いものがあります。

Purple Haze/Lonnie Smith(Org) Trio Featuring John Abercrombie(G)(Venus) - Recorded March 20, 1994. Marvin "Smitty" Smith. - 1. Voodoo Chile 2. Up From The Skies 3. Gypsy Eyes 4. Purple Haze - Star Spangled Banner

上記と同じセッション。もともと1枚だけ制作する予定が、演奏が長くなって2枚発売されたそうです。これだけご機嫌なサウンドなら、何枚出ても大歓迎です。マーヴィン・スミッティ・スミスの、ロックでも食べていけるのではないかと思うほど、ドラムのビートへの柔軟な対応も面白いと思います。

Second Look/Marc Copland Quartet(P)(Savoy) - Recorded April 1996. John Abercrombie(G), Billy Hart(Ds), Drew Gress(B) - 1. Second Look 2. Happy Stance 3. Timeless 4. Snow Fall 5. Au Private 6. Dark Territory 7. Suite Sixteen 8. Amie 9. If I Should Lose You

オリジナル中心のマーク・コープランド(旧コーエン)の作品で、ちょっと内省的な、それでいてスウィングするジャズの演奏が繰り広げられています。ここで注目は、「タイムレス」をピアノとギターのデュオで再演している事です。5、9曲目はスタンダードですが面白いアプローチです。

Echoes/John Abercrombie(G)/Arther Blythe(Sax on 1, 4)/Terri Lyne Carington(Ds)/Anthony Cox(B)/Mark Feldman(Vin on 7)/Gust Tsilis(Vib)(Alessa Records)(輸入盤) - Recorded June 2 and 3, 1996. - 1. Mr. Syms 2. Minor League 3. Sweet Dulcinea 4. Echoes 5. Skylark 6. You Don't Know What Love Is 7. Fee Fi Fo Fum 8. The Moon And You 9. Beautiful Love 10. Whare Are You

(05/08/15)基本的にスタンダードやジャズメン・オリジナル集で、Arther BlytheとMark Feldmanを除くクァルテット編成が基本。なかなかスゴいメンバーです。ミディアムで淡々としつつも情念の盛り上がりを感じるサックスの1曲目、アップテンポの4ビートでスリリングなソロのある2曲目、ケニー・ホイーラー作をクールに演出する3曲目、スペイシーで自由な雰囲気のまま前に進んでいく感じのタイトル曲の4曲目、軽妙でスタンダードらしからぬタッチの5曲目、ゆるいロック・ビートの上をメロディが乗っかっているような6曲目、ヴァイオリンの魅惑的な音色がいい感じの7曲目、浮遊感をちょっとともなうボッサ感覚の渋めな8曲目、ドラムスが全開でかなり自由なスタンダードを繰り広げる9曲目、スローなバラードで幕を閉じる10曲目。

Voice In The Night/Charles Lloyd(Ts)(ECM 1674) - Recoreded May, 1998. John Abercrombie(G), Dave Holland(B), Billy Higgins(Ds) - 1. Voice In The Night 2. God Give Me Strength 3. Dorotea's Studio 4. Requiem 5. Pocket Full Of Blues 6. Homage 7. Forest Flower: Sunrise/Sunset 8. A Flower Is A Lovesome Thing

メンバーが豪華。前作までの5作品がピアノ(そう言えば5作品ともボボ・ステンソンでした)を交えたクァルテットだったのですが、今回はギターを交えたクァルテットなので硬質感がとれてもっと親しみやすいサウンドに仕上がっていると思います。 8曲中6曲はオリジナル。エルヴィス・コステロとバード・バカラックの共作が入っているあたり今風ですが、曲はなかなか。有名すぎるくらい有名な「フォレスト・フラワー」は、こちらのヴァージョンの方が洗練されているように感じます。6曲目はスリルあり。8ビートの曲もあったり、曲調はさまざまですが、ある意味でECMらしからぬアルバム。比較的聴きやすいということで、オススメ盤。 ただし、チャールス・ロイドは相変わらずマイペースでサックスを奏でています。(99年5月19日発売)

The Hudson Project(Stretch) - Recorded October 17, 1998. John Abercrombie(G), Peter Erskine(Ds), Bob Mintzer(Sax), John Patitucci(B) - 1. Runferyerlife 2. Labor Day 3. Little Swing 4. Cats + Kittens 5. The Well 6. Bass Desires 7. That's For Sure 8. Modern Day Tuba 9. Runferyerlife

ライヴです。このメンバー自体集まったことがスゴいのですが、それぞれがオリジナルを2曲ずつ提供(日本盤は1曲ボーナス・トラックがあります。)しています。オリジナルばかりなので少々地味なイメージですけれど、逆にそれが通好みの演奏になっている気がします。時に余裕を残したままパワーのある演奏。ジョン・パティトゥッチはアコースティック・ベースとエレキ・ベースの持ちかえもします。 いわゆるジャジーな曲は少ないですが、演奏に集中するとけっこう楽しめます。ジャズ的なビートならば1、3曲目、ファンクよりのビートならば2、4曲目あたり。個人的には 6曲目の「ベース・ディザイアーズ」の再演がうれしいところ。ギター・トリオの7曲目も魅力的。そして、ラテンビートの8曲目で大団円を迎えます。(00年2月28日発売)

The Water Is Wide/Charles Lloyd(Ts)(ECM) - Recorded December 1999. Brad Mehldau(P), John Abercrombie(G), Larry Grenadier(B), Billy Higgins(Ds), Darek Oles(B) - 1. Georgia 2. The Water Is Wide 3. Black Butterfly 4. Ballade And Allegro 5. Figure In Blue 6. Lotus Blossom 7. The Monk And The Mermaid 8. Song Of Her 9. Lady Day 10. Heaven 11. There Is A Balm In Gilead 12. Prayer

詳細はゴールド・ディスクを斬るをどうぞ。(00年9月1日発売)

Hyperion with Higgins/Charles Lloyd(Ts)(ECM) - Recorded December 1999. Billy Higgins(Ds, Per), John Abercrombie(G), Larry Grenadier(B), Brad Mehldau(P) - 1. Dancing Waters, Big Sur To Bahia 2. Bharati 3. Secret Life Of The Forbidden City 4. Miss Jessye 5. Hyperion With Higgins 6. Darkness On The Delta Suite 7. Dervish On The Glory B 8. The Caravan Moves On

前作「ザ・ウォーター・イズ・ワイド」と同じ時の録音で、その後亡くなったビリー・ヒギンズに捧げられたアルバム。全曲チャールス・ロイドのオリジナル。1曲目はサブタイトルに(フォー・ジルベルト・アンド・カエターノ)とありますが、ボッサ色というよりはしっとり感のある哀愁路線かも。サックスやピアノが心地良いゆったりめのリズムの上を舞う2曲目、テーマ部はともかく、穏やかながら4ビートが基調のジャズを演奏している3曲目、3連系の4ビートの部分もある4曲目、ECMでは珍しく熱い系統のジャズの5曲目、ドラマチックに展開する12分台の組曲の6曲目、陽気なテーマとアドリブの7曲目、ドラムスのタムタムが印象的な8曲目。前作よりは元気なサウンドで、やはりヒギンズが目立 っているようです。(01年8月22日発売)

That's For Sure/Marc Copland(P), John Abercrombie(G), Kenny Wheeler(Tp, Flh)(Challenge)(輸入盤) - Recorded October 28 and 29, 2000. - 1. When We Met 2. That's For Sure 3. Kind Folk 4. Soundtrack 5. Played Straight 6. Darl Territory 7. How Deep Is The Ocean 8. #114  9. Neba

(02/04/14)変則的なトリオでの演奏ですが、内容的にはけっこう素晴らしい。3人のうち2人がECMのミュージシャンという事もあって、しかもそこにマーク・コープランドが絡むとあって、興味深い演奏です。また、7曲目を除いてメンバーそれぞれのオリジナルですが、既出の曲も何曲かあり、メロディが耳になじんでいる曲もあったりします。ECMよりは温度感がやや高く、ドラムスやベースがないにもかかわらず、このフォーマットとしてはという前提ですが、2、5、7曲目のようにノリがやや良い曲も。ただ、全体的にはゆったりした、繊細で叙情的な世界が目の前にあらわれてきます。危ういバランスの上に成り立つ、研ぎ澄まされた美しいフレージングのトリオ、という感じ。3人の音のまとまりも良いと思います。

Lift Every Voice/Charles Lloyd(Ts, Fl)(ECM) - Recorded January and February, 2002. Geri Allen(P), John Abercrombie(G), Marc Johnson(B), Larry Grenadier(B), Billy Hart(Ds) - 1. Hymn To The Mother 2. You Are So Beautiful 3. Amazing Grace 4. East Virginia, West memphis 5. What's Going On 6. Angel Oak 7. Te Amare 8. I'm Afraid 9. Hafez, Shattered Heart 10. Rabo De Nube 11. Blood Count 12. Go Down Moses 13. Bayond Darkness 14. Nocturne 15. Wayfaring Stranger 16. Deep River 17. Lift Every Voice And Sing 18. Prayer, The Crossing

CD2枚組で全18曲。7曲がチャールス・ロイドのオリジナルで、トラディショナルも4曲あります。他にエリントンの曲やマーヴィン・ゲイらの曲もあり、シルヴィオ・ロドリゲスの曲も2曲。牧歌的というか内省的なサックスも相変わらずですが、参加メンバーの顔ぶれもスゴく、彼らがリラックスして演奏している風景もけっこう印象的。ノンビート的に感じられる15分もの1曲目が全体のアルバムのスタートライン。このレーベルには珍しく、穏やかで分かりやすい暖かみのある曲が多いですが、オリジナルにやや浮遊系でスピリチュアルな流れの曲もあります。12曲目は渋い演奏。18曲目はエンディングにふさわしい、後半がノリの良いジャズの14分台のオリジナル。マーク・ジョンソンは1、3−7、10、12、14、18曲目に参加。(02年10月23日発売)

Timelines/John Abercrombie(G)/Andy LaVerne(P)(Steeple Chase)(輸入盤) - Recorded September 2002. - 1. My Funny Valentine 2. Darn That Dream 3. You Go To My Head 4. Skating In Central Park 5. Inner Voice 6. Stairway To The Stars 7. I'm Getting Sentimental Over You 8. All Across The City 9. Change Meeting 10. Turn Out The Stars 11. Adagio

(05/08/16)このデュオでは3作目。アンディ・ラヴァーンの曲が3曲ありますが、スタンダードが中心。繊細な2人なので、なかなかのサウンド。ややスピーディーな、ビル・エヴァンスとジム・ホールの向こうを行くようで、似ているサウンドの1曲目、優しく語りかけてくるバラードでの2曲目、明るめで4ビート系のノリで楽しめる3曲目、やはり明るくソフトなワルツの4曲目、オリジナルながらスタンダードのようなメロディでいいテンポの5曲目、じっくりと味わい深く聴かせるバラードの6曲目、ノリが良く、ちょっとフレーズに浮遊感のある7曲目、ジム・ホール作のしっとり感のある8曲目、ややアップテンポで哀愁と明るさが同居する9曲目、ビル・エヴァンス作でコロコロとフレーズが転がる10曲目、静かなバラードで幕を閉じる11曲目。

Three Guitars/Larry Coryell(G), Badi Assad(G, Vo, Mouth and Body Per, Kalimba, Copper Fl), John Abercrombie(G)(Chesky) - Recorded December 19 and 20, 2002. - 1. Seu Jorge E Dona Ica 2. New Lute Prelude 3. New Lute Interlude 4. Soundtrack 5. After The Rain 6. Descending Grace 7. Metamorphosis 8. No Flight Tonight 9. Ralph's Piano Waltz 10. Suspended Circles 11. Autumn Breeze 12. Timeless

オリジナルばかりで、それぞれの作曲が3分の1ずつ。アコースティック・ギター、プラス・アルファの編成で、個性的な3人なのでなかなか興味深いです。バディ・アサドはクラシックの世界の女流ギタリストですが、異色な感じはありません。13曲中3人での演奏が8曲、他は2人ないしは1人での演奏。1−2曲目からもアメリカのカラッとした雰囲気やアコースティックギター特有のサウンドがいい感じ。ジャジーさは希薄かも。速いフレーズもありますがしっとりとした感じの3曲目、バディの作曲でヴォーカルも聴けますが、他の曲に溶け込む5曲目。その後もあまり爆発することなくギターサウンドが続きます(7曲目など)。8曲目はラリー・コリエルの燃え上がり系。静かに進む10、12曲目も印象的。エキゾチックな11曲目。(05年5月25日発売)

Alone Together/John Abercrombie(G)/Frank Haunschild(G)(Acoustic Music)(輸入盤) - Recorded June 1, 2004. - 1. Alone Together 2. Italian Ocean Song 3. Ralph's Piano Waltz 4. Even Steven 5. Sabine's Guitar Bossa 6. Tramonto 7. How Deep Is The Ocean 8. Paramour 9. The Silence Of A Candle

(05/08/15)ギターでのデュオで、ジョン・アバークロンビー作は3曲(3−4、9曲目)。レーベルはアコースティック・ミュージックですがアコースティック・ギターだけでなくエレキ・ギターの演奏もあります。そのエレキで緊張感と哀愁のあるデュオを聴かせているタイトル曲の1曲目、爽やかな海からの風が吹いているような落ち着いた2曲目、時に繊細なフレーズで淡い陰影のあるワルツの3曲目、カントリーっぽいようなカラッとしたノリの良さのある4曲目、やはりノリの良い明るいボッサの5曲目、ラルフ・タウナー作で深遠な音使いのバラードの6曲目、スタンダードをメロディアスに、かつ4ビート的に料理する7曲目、静かにしっとり系のバラードをしみじみ聴かせる8曲目、コリン・ウォルコット作の哀愁のメロディがはっきりした9曲目。

A Nice Idea/John Abercrombie(G)/Andy LaVerne(P)(Steeple Chase)(輸入盤)- Recorded August 2004. - 1. How My Heart Sings 2. Sometime Ago 3. Days Of Wine And Roses 4. Besame Mucho 5. In Love In Vain 6. Refried Bananas 7. Round About Midnight 8. A Nice Idea 9. Confabulation 11. Jazz Folk

(05/05/15)このメンバーでは何枚か録音があります。それぞれの作曲は半分ほど。繊細な2人の演奏なので興味深いところ。1曲目ではビル・エヴァンスの演奏を想起させるようなサウンドでせまります。時にギターがベースの4ビートを刻みます。ワルツで淡く軽めにせまってくる2曲目、スタンダードを淡々とメロディアスにこなしていく3曲目、リハーモナイズであっさりとした感じになっているラテンの4曲目、後半ジャジーな展開になってくる5曲目、ややアップテンポで楽しい雰囲気が伝わってくる6曲目、やはりやや軽めでしっとりとくる有名な7曲目、ウネウネとくるけれどきれいな旋律の8曲目、地味で入り組んだ曲だけどタイトル曲の9曲目、中間色的な浮遊感も漂わせる10曲目、意外にジャジーに展開していく11曲目。

Brand New/Marc Copland(P), John Abercrombie(G), Kenny Wheeler(Tp, Flh)(Challenge)(輸入盤) - Recorded October 9 and 10, 2004. - 1. Monk Spring 2. Lights Out 3. Jive Samba 4. Reach For That Other Place 5. Take Four 6. Brand New 7. Odyssey 8. Watching Simona 9. Taking A Chance On Love

(05/03/20)この変則的なメンバーでの2枚目。メンバーそれぞれのオリジナルが全9曲中7曲。温度感の低いちょっと硬質な世界が広がっています。ただ、そんな中でも、1曲目のようにギターで4ビートを出しながら部分的にスウィングを感じさせる場面もあって面白い。ドラマチックな展開。淡彩色で危ういバランスの上に成り立っている2曲目、ナット・アダレイ作で、リズムはのる方向にありながら冷たい感触の3曲目、ゆったりしっとりと進んでいく4曲目、浮遊感を伴いつつほんの少しのスウィング感覚もある5曲目、静かでひんやりとしながら徐々に坂を上っていくタイトル曲の6曲目、中間色系やや明るい基調でエキゾチックなラインもある7曲目、叙情的な風景が広がるような音の8曲目、メロディアスなスタンダードの9曲目。

Visions Of An Inner Mounting Apocalypse(Tone Center)(輸入盤) - Released 2005. Steve Lukather(G), Mike Stern(G), Steve Morse(G), Jimmy Herring(G), Jeff Richman(G), Frank Gambale(G), Warren Haynes(G), David Fiuczynski(G), Greg Howe(G), John Abercrombie(G), The Band: Vinnie Colaiuta(Ds), Kai Eckhardt(B), Mitchel Forman(Key), with: Jerry Goodman(Vln) - 1. Birds Of Fire 2. Can't Stand Your Funk 3. Celestial Terrestrial Commuters 4. Meeting Of The Spirits 5. Jazz 6. Dawn 7. Lila's Dance 8. Faith 9. Dance Of Maya 10. Follow Your Heart

(07/03/18)マハヴィシュヌ・オーケストラ集で、10人のギタリストが1曲ずつ弾いています。ロックやファンク、フュージョンなど、どのギタリストもいいのですが、特に興味があるのは2曲目のマイク・スターン、8曲目のデヴィッド・フュージンスキー、10曲目のジョン・アバークロンビー。雰囲気も出ているファンク/フュージョンで、変拍子もバシバシ出てきます。サウンドのキモはヴィニー・カリウタのドラムスかな。やっぱり元の曲のインパクトも大きい感じです。曲はいつものマイク・スターンのファンク系かなと思わせるけれども、このギターのフレーズがいいんだよねと思う2曲目、野性味あふれつつも計算された起伏が何とも言えずいい感じの8曲目、一連の男っぽいサウンドの中で、やはり彼だけソフトな感じを漂わせている10曲目。

Structures/John Abercrombie(G)/Eddie Gomez(B) with Gene Jackson(Ds)(Chesky Records)(輸入盤) - Recorded March 6 and 7, 2006.  - 1. Jazz Folk 2. The Touch Of Your Lips 3. Moon And Sand 4. Walter Pigeon 5. Everything I Love 6. Embraceable You 7. 3 For Three 8. Turn Out The Stars 9. Missing You 10. How Deep Is The Ocean

(06/11/19)John Abercrombie作が2曲(1、7曲目)、Eddie Gomez作が2曲(4、9曲目)。ジャズ特有の加工した音ではなく、ナチュラルな録音が定評のレーベル。その分アクは少ないかも。タイトルどおりフォーク調の4ビートではないジャズが繰り広げられている1曲目、ボトムがあおる感じがあるも、明るいスタンダードの2曲目、哀愁漂うメロディが印象的なちょっと暗い色調の3曲目、しっとりと語り合いながら進む4曲目、4ビートもあるけれど小刻みにフレーズを交える5曲目、ベース・ソロではじまり軽く絡みつくように進む6曲目、内側を向き合ったやりとりの7曲目、ビル・エヴァンスで有名な曲を淡々と弾いていく8曲目、ベースのアルコでしっとり静かにはじまる9曲目、スタンダードらしいメロディアスなややノリのある10曲目。 (07年1月24日発売)

One Hopeful Day/Mark Soskin(P)(Kind Of Blue)(輸入盤) - Recorded December 13 and 14, 2006. Chris Potter(Sax), John Patitucci(B), Bill Stewart(Ds), John Abercrombie(G on 5 and 8) - 1. On The Street Where You Live 2. Bemsha Swing 3. Innderspace 4. One Holeful Day 5. Step LIvely 6. It's Easy To Remember 7. End Of A Love Affair 8. Strive 9. Pensativa

(07/06/01)マーク・ソスキンの作曲は4−5、8曲目で、他はスタンダードやジャズメン・オリジナル。ソニー・ロリンズのサイドマンの時と違い、メンバーがメンバーなので、都会的でモーダルな面も持ち合わせています。ストレートにメロディを楽しめるアップテンポで歌い上げる1曲目、セロニアス・モンクの曲をリズムとモーダルさで料理していく2曲目、チック・コリア作らしいシャープな切れ味が特徴のアップテンポの3曲目、優しい温度感の低いメロディのタイトル曲の4曲目、ギターを交えて浮遊感のあるハードな展開の5曲目、スタンダードながら憂いと勢いが同居する6曲目、テーマはそれっぽいけれど、もっと元気な要素のある7曲目、フワフワと浮遊感とモーダルさを感じる8曲目、ソロピアノでカチッとメロディアスに奏でる9曲目。

As We Speak/Mark Egan(B)(Wavetone)(輸入盤) - Released 2007. John Abercrombie(G), Danny Gottlieb(Ds) - 1. Spirals 2. As We Speak 3. Vanishing Point 4. Mississippi Nights 5. Alone Together 6. Your Sweet Way 7. Three-Way Mirror 8. Tone Poem For My Father 9. Shade And Shadows 10. Next Left 11. Dream Sequence 12. Depraw 13. Stiletto 14. Plane To The Trane 15. Time Out 16. Summer Sand

(07/10/27)CD2枚組。ギタートリオの作品で、マーク・イーガン作が11曲(1−4、6−9、12−14曲目)、3人のフリー・インプロヴィゼーションが4曲(10−11、15−16曲目)、スタンダードが1曲。4ビートも出てきますが、ECMに近くて、もっと激しいところもある、ノン・4ビートの多めなジャズという感じ。タイトル曲の2曲目は4ビートの部分も多い盛り上がったりダイナミックレンジの広い曲。当然のことながらどの曲もイーガンのエレクトリック・フレットレス・ベースがキモになっていますけれど、好きなメンバーでのシンプルな、自由度の高い演奏なので、長時間の収録でもけっこう楽しめます。唯一のスタンダードの5曲目も、弦2人が絡みつつ4ビートもある、リラックスした哀愁度の高い演奏。フリーの曲はさすがに緊張感あり。

 

(他の主な参加CD) アンダー・ファイア/ガドー・バルビエリ(Ts)’71年(Flying Dutchman)、

リキッド・シルバー/アンディ・ラバーン(P)’84年(DMP)、トランシジョン/ピーター・アースキン(Ds)’86年(Denon)、プレイズ・ザ・ミュージック・オブ・チック・コリア/アンディ・ラバーン(P)’86年(Delta)、ミッシェル・プレイズ・ペトルチアーニ/ミッシェル・ペトルチアーニ(P)’87年(Blue Note)、シーズストーン/ビル・シールズ(Key)’87年(Optimism)、モーション・ポエット/ピーター・アースキン(Ds)’88年(Denon)、セイル・アウエイ/トム・ハレル(Tp、Flh)’89年(Contemporary)、コロネル・コスピエ/アンリ・テキシェ(B)’89年(Label Bleu)、エピタフ’89年(Sony)、ビジョンズ/トム・ハレル(Tp)’87‐90年(Contemporary)、

美/ジョー・ロバーノ(Ts)’90年(Somethin'else)、フリーダム/ダニー・ゴッドリーブ(Ds)’90年(Sweet Basil)、フレンドシップ/ニールス・ラン・ドーキー(P)’91年(Milestone)、ヘリテイジ/ガスト・ウイリアム・ティリス(Vib)’91年(Ken Music)、フランク・シナトラを讃えて/ジョン・バシーリ(G)’93年(Paddle Wheel)、6 x 6/ロイス・キャンベル(G)’94年(Paddle Wheel)、オリゴ/ダース・ダニエルソン(B)’95年(Bomba)、ザ・ウエイ・イン/ジェフ・リッチマン(G)’99年(Sunshine Digital)、サウンド・オブ・サプライズ/リー・コニッツ(As)’99年(RCA)、

ハピネス・イズ.../エンリコ・ラバ(Tp)’02年(Stunt)、

 

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