Promenadeシリーズ・その他のCD特集

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ジャズCDの個人ページ」by K. Kudo

 

澤野工房のシリーズの中でもおなじみのミュージシャンの一味違った魅力を紹介するシリーズとのことで、ちょっと楽しみではあります。

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最終更新日:2009/07/28

The Complete Legendary Saturne Picture Discs/Henri Renaud(P)(Paris Jazz Corner Productions PJC 222008)(輸入盤) - Recorded June 1951. Bobby Jasper(Ts), Sandy Mosse(Ts), Jimmy Gourley(G), Pierre Michelot(B), Pierre Lemarchand(Ds) - 1. Milestone No. 2   2. Godchild 3. Tenderly 4. So What Could Be New? 5. Blue Moon 6. If I Had You 7. And Old Time 8. A New Date 9. Lady Be Bad 10. Too Marvelous For Words

(02/12/28)いかにも50年代初頭のヨーロッパのジャズ、という感じで、ちょっと明るめな感じの演奏が続きます。どうもSP5枚分をまとめたCDのようです。2曲目は聴き覚えのある曲だと思ったら、「ザ・バース・オブ・ザ・クール/マイルス・デイヴィス」でも聴いた曲。1曲目もマイルス・デイヴィスの作曲で、この時代ですでにマイルスの影響がヨーロッパにあったことをうかがわせます。ただ、3曲目以降はスタンダード集のようで、メロディアスな曲のオン・パレード。やはりこの時代の演奏だな、と思わせるところは、ピアノは全体的には伴奏楽器で、バラードの時は前面に出てくるけれども、バップ色はなく、カクテルの色合いの強いフレーズになっていること。まあ、どことなくホンワカしている感じがいいのかも。

3A.M./Georges Arvanitas(P) Trio(Pretoria SK04) - Recorded September 10, 1958. Doug Watkins(B), Art Taylor(Ds) - 1. Three A.M. 2. A Night In Tunisia 3. Celia 4. Softly As In The Morning Sunrise 5. Our Delight 6. What's New 7. T.W.A. Blues

ジョルジュ・アルヴァニタス・トリオ。スケッチ・レーベルによる50年代ジャズのアルバムのリイシュー。欧州でハード・バップ真っ盛りの時の演奏らしく、ドラムとベースのメンバーにもよるでしょうが、ピアノだけが浮くということもなく、半分スマートで半分まったりした仕上がり。1曲目はモロにブルースの曲で、意外に黒っぽかったりします。饒舌なピアノが聴けたりする2曲目、忘れかけていたジャズの香りを思い出させてくれる3曲目、渋めのアレンジと突きかかってくるようなピアノのフレーズが心地良い4曲目、ドラムソロがメインに据えられている軽快な5曲目、テーマ部でベースがメロディを奏でているバラードの6曲目。7曲目も渋めのノリの良いブルース。ブルースの曲にはじまってブルースの曲に終わるアルバムでした。

Cocktail For Three/Georges Arvanitas(P) Trio(Pretoria SK05) - Recorded March 4, 1959. Gene Taylor(B), Louis Haynes(Ds) - 1. Cocktail For Three 2. Everything Happens To Me 3. Algo Bueno 4. Airegin 5. Mean To Me 6. Tune Up 7. Bluesy Blues

ジョルジュ・アルヴァニタス・トリオの2枚目。スケッチ・レーベルでの50年代ジャズのアルバムのリイシュー。前作より約半年後の録音で、やはりハードバップ真っ只中の演奏ですがゴキゲン度は高め。1曲目のタイトル曲はメロディアスで陽気な演奏が繰り広げられています。バラードで、何やらフレーズにベールがかかったようなテーマの2曲目、ハードバピッシュでノリの良い3曲目、おなじみの曲をおなじみの演奏方法で料理していて、そこがまた安心して聴ける4曲目、いかにもジャズといった演奏が展開される5曲目。スピーディーなフレーズが心地良いアップテンポの6曲目。そして、このアルバムもラスト7曲目は8分にも及ぶブルースの曲で、やはりここでもブルースにこだわりをみせています。

Jazz Journey/Bjarne Rostvold(Ds) Quartet & Trio(HIT Records HRCD710) - Recorded June 5, 1961. Allan Botchinsky(Tp), Bent Axen(P), Erik Moseholm(B) - 1. Mister Man 2. I Love You 3. Mister P.C. 4. You Stepped Out Of A Dream 5. Fluted Columns 6. Autumn Leaves 7. You Don't Know What Love Is 8. No Problem

別名「馬車」と呼ばれる幻盤がCD化。前半4曲(LPだとA面)がクァルテット、後半4曲がピアノ・トリオでの録音。8曲で40分弱と、比較的コンパクトに各曲がまとめられています。スタンダードやジャズメン・オリジナルによる構成ですが、3曲目にジョン・コルトレーンの「Mr.P.C.」があったり(モーダルな演奏)8曲目にデューク・ジョーダンの「No Problem」があったりと、当時のジャズの進行形の部分に近い曲も取り上げています。アラン・ボッチンスキーのトランペットは、1−2曲目ミュートがかけてあって、ホンワカした感じのサウンド。3−4曲目のストレートな音もなかなか。聴きやすい演奏ではあるけれど、LPの復刻が出る’02年まで、幻盤だっただけのことはある内容です。スタンダードも親しみやすい曲が多く、6曲目には「枯葉」が。(09年6月26日発売)

'Jazz Quintet -60'(Metronome MCD15124) - Recorded July 24 and 25, 1962. Bjarne Rostvold(Ds), Allan Botschinsky(Tp), Niels Husum(Ts), Benst Axen(P), Niels-Henning Orsted Petersen(B) - 1. Buddah 2. 2 4 6   3. More Piace 4. Cuba Libre 5. Billie's Bounce 6. Around 3/4 Time 7. Pokerface 8. Ballad Nr.2   9. Blue And Yellow 10. Sunny Monday

幻の名盤だそうです。メンバーのオリジナルが多く、ニールス・ペテルセンの参加が目をひきます。マイナーなミディアムテンポでの哀愁漂うメロディが印象的な1曲目、ややアップテンポで都会的な無機的さもあるようなテーマの2曲目、ピアノのリリカルなバラードにホーンが彩りを添える3曲目、マイナーな8分の6拍子ややラテン系の4曲目、チャーリー・パーカー作で一瞬アメリカに行ったようなノリの5曲目、ワルツというか8分の6拍子というか、力強くグイグイ引っ張っていく6曲目、アップテンポで知性と豪快さを感じさせる進行の7曲目、しっとりとホーンが歌い上げていくバラードの8曲目、トゥーツ・シールマンス作のマイナーなブルースで哀愁のある9曲目、朗々としたテーマからややアップテンポの渋いアドリブに入る10曲目。(07年7月13日発売)

Sahib Shihab(Bs, Fl) And The Danish Radio Jazz Group(OKCD1111) - Recorded August 18 and 21, 1965. Palle Mikkelbolg(Tp, Flh), Toroff Molgard(Tb, Eufonium), Poul Hindberg(As, Cl), Bent Jaedig(Ts, Fl), Niels Husum(Ts, Ss, Bcl), Bent Nielsen(Bs, Fl, Cl), Fritz Von Bulow(G), Bent Axen(P), Niels Henning Orsted Pedersen(B), Alex Riel(Ds), Palle Bolvig(Tp), Allan Botschinsky(Tp), Poul Kjaeldgard(Tuba), Ib Renald(Bs), Louis Hjulmand(Vib) - 1. Di-da 2. Dance Of The Fakowees 3. Not Yet 4. Tenth Lament 5. Mai Ding 6. Harvey's Tune 7. No Time For Cries 8. The Crosseyed Cat 9. Little French Girl

ダニッシュ・ラジオ・ジャズ・グループというと、デンマークでのラジオ放送局のバンドなのでしょうか?ニールス・ペデルセンはじめ、知っている名前もチラホラ。大編成の演奏が迫力があります。’65年の演奏にしてはけっこう聴きやすいアレンジで、ソロにしてもかなりオーソドックスな印象。今まで非常に入手困難だったそうで、そういう意味では貴重ですが、ありがたがって聴く、というよりもリラックスして聴けるCDです。曲によって入るフルートも爽やかな雰囲気だし、ギターやヴァイブラホンの味付けも軽めの印象。ヨーロッパの録音だから当然なのですが、白さが前面に出ています。こんなビッグ・バンドも良いかも。9曲目はCDのみのボーナストラックで、サヒブ・シハブのヴォーカルを聴くことができます。(02年7月25日発売)

Ouverture Eclair/Michel Herr(P) Trio(Orix CD001) - Recorded October 1977. Freddie Deronde(B), Felix Simtaine(Ds) - 1. Ouverture Eclair 2. The Sound Of Gold 3. Just Before 4. F.T.A. 5. Peacefully 6. End To End 7. F.T.A. 8. End To End

ミッシェル・ハー・トリオ。全曲彼のオリジナルで、7−8曲目は別テイク。緊張感のあるカッチリしたピアノと一筋縄ではいかない曲作りが印象的。曲の構成が複雑(6拍子系のテーマと4拍子のアドリブ)でノリが良く、そのピアノのカッチリさ加減がけっこう堪能できるタイトル曲の1曲目、比較的スローなのだけれどもピアノが知性の光を帯びている2曲目、無機的な複雑なコード進行を持つ都会的な響きの3曲目、一転してストレートな曲で勝負しているモーダルでテンポの良い4曲目、ひとクセありますがゆったりと哀愁を帯びたメロディアス路線の5曲目、叙情的な部分もありながらフリーへの歩み寄りをみせるけっこう大胆な6曲目。別テイクはライヴで長めの演奏、音質も今ひとつ の感じもあります。

Live Au Dreher/Walter Davis Jr.(P)(Paris Jazz Corner Productions PJC222005) - Recorded March 27 and 28, 1981. Kenny Clarke(Ds), Pierre Michelot(B) - 1. Confirmation 2. All God's Chillun Got Rhythm 3. Celia 4. X.W.D. 5. Little Benny 6. Round Midnight 7. John's Abbey 8. 52nd Street Theme 9. Monk's Mood

ウォルター・デイヴィス・Jr・トリオのパリでのライヴ録音。澤野工房にしては珍しい系統のピアニスト かもしれません。録音バランスがあまり良くなく、ピアノとベースが引っ込んでドラムが大きく入っています。彼のオリジナルは4曲目のみで、これもけっこうゴリゴリ系のマイペースな演奏。全9曲中バド・パウエルの曲が2曲、セロニアス・モンクの曲が3曲入っているところをみると、彼らへのトリビュートの意味合いもあるのかも。 これらの曲は印象的。他の1、5曲目などもバップ色の強い演奏。6、9曲目が比較的静かな曲で少々落ち着きます。ピアノが時代に左右されていないという点では彼の持ち味で良いのかも しれませんが、サウンド面からも音質面からも、やっぱり異色なアルバム、という印象があります。(00年7月1日発売)

Groovy/Vladimir Shafranov(P) Trio(Kompass Records KOCD35) - Recorded June 26 and 27, 1981. Pekka Sarmanto(B), Jukka-Pekka Uotila(Ds) - 1. Moon And Sand 2. Bitter Sweet 3. Who Cares 4. Rhythm-a-ning 5. Moments Notice 6. Autumn Leaves 7. Without A Song

ウラジミール・シャフラノフ・トリオの1枚目で、ライヴ。2−3枚目のアルバムと比べてまだ若さがある感じ。7曲ともスタンダードやジャズメンオリジナルでゴキゲン度も比較的高く、彼の演奏も含めて親しみやすいアルバム。1曲目からノリの良いサンバ調でメロディアスにせまってきます。印象的なユニゾンのテーマとそれに続くベースソロ、ピアノソロがゴリゴリと力強い2曲目、4ビートながら優しいタッチのピアノで語りかけてくる3曲目、モンクのテーマを借りてマイペースで突っ走る4曲目、元気があって勢いの感じられる5曲目、何と11分以上におよぶ「枯葉」はメロディックに演奏が続く6曲目、軽快に進んでいくノリが良い7曲目。ライヴのためか、 録音された時期のためか、ベースの音質がもう少し、の印象も。(99年7月11日発売)

Flashback/Barney Wilen(Ts), Philippe Petit(G)(Paris Jazz Corner PJCP 222012) - Recorded July 19, 1986. - 1. Blues Strach 2. Nuages 3. Round Midnight 4. Impressions Of Paris 5. Mr Martin 6. Flashback 7. Mode A La Mode 8. Besame Mucho

ライヴ録音。内容からするとフィリップ・プティのアルバムか。8曲中5曲がオリジナル。ギターとテナー・サックスのデュオなので すが、メロディアスにせまってきて2人の絡みを聴かせてくれます。ライヴなので比較的長めの曲が多く、1曲目のおそらく即興のブルースも12分台の曲で、哀愁を持って語りかけてくれます。2曲目の「雲」は、ひょうひょうとした2人の語り合い。 ジャジーでイメージ通りの「ラウンド・ミッドナイト」もその雰囲気で淡々と続いていく3曲目、パリの印象を綴った映画音楽のような小品の4曲目、ノリが良くてドラマチック、やや影のあるメロディの5曲目、ソロ・ギターで聴かせてくれるタイトル曲の6曲目、2人のフリー・インプロヴィゼーションと思われるスリリングな7曲目、しっとりとした「ベサメ・ムーチョ」の8曲目。(03年4月25日発売)

Paradiso - The Joy Of Film Music/Joe Chindamo(P, Accordion)(澤野工房 JC001) - Recorded November 21 and 22, 2001. Geoff Hughes(G), Nigel McLean(Vln), David Beck(Ds), Matt Clohesy(B), Alex Pertout(Per) - 1. The Pink Panther 2. Cinema Paradiso Medley 3. The Good, The Bad And The Ugly 4. Borsalino 5. Goldfinger 6. James Bond Theme (Original Theme) 7. C'est Le Vent Betty 8. A Man And A Woman 9. The Godfather Waltz 10. Smile 11. The Devil's Playground 12. Amacord 13. Manha De Carnaval

ジョー・チンダモの映画音楽集。澤野工房の新シリーズでもあり、このアルバムはギターやヴァイオリンもいて楽器編成も少々変わっています。ジャズ的な局面もある程度はありますが、タンゴだったりフレンチだったりと、ちょっとジャズ色から外れたある種の哀愁を感じる場面も。有名な曲ばかりですけれど、それをヨーロッパ的なやや冷めた温度感で料理するものもあって、これが彼のピアノか、と思うかも。 アコーディオンの演奏もあり。そうかと思えば刃物で切れそうな11曲目があったり。6曲目などは抑え気味ではあっても十分にジャジーなのだけれども、やはり映画音楽的な渋さがあります。1曲目、8曲目、13曲目(これはスタンダードになってますが)は原曲のイメージも強く、それとアドリブとうまくブレンドされてます。 (05年5月25日発売)

There Goes My Heart/Per-Ola Gadd(B)(Liphone Records LICD3224) - Recorded September 6 and 7, 2002. Vladimir Shafranov(P), Bernt Rosengren(Ts, Fl, Afl), Bengt Stark(Ds) - 1. I'm Gettin' Sentimental Over You 2. Meditation (Meditacao) 3. Crazy 4. There Goes My Heart 5. More 6. Begin The Beguine 7. All The Way 8. At Last 9. Stardust 10. Moon River 11. Good-bye

ペール−オッラ・ガッドの曲はなく、全曲スタンダードやボッサなど聴きやすいジャズが詰まっていて、落ち着いて聴けるアルバム。ウラジミール・シャフラノフの参加と、ほとんどの曲でサックスかフルートが入っているのが特色か。1曲目はサックスも入っていて温かみのあるメロディアスな4ビートの展開、フルートが参加してボッサを奏でていて安定感のある2曲目、ホンワカしてややスローにまったりとした3曲目、ややアップテンポで丸く奏で上げるタイトル曲の4曲目、ソフトなメロディが優しく包み込む5曲目、明るく元気な6曲目、前半ベースがアルコでメロディを奏でる7曲目、ミディアムで心地よいゴキゲンさの8曲目、ソフトでリッチな優しさのバラードの9−10曲目、通常ならバラードでいくところをミディアムで盛り上がる11曲目。(07年2月23日発売)

Giovanni Mirabassi(P) & Andrzej Jagodzinski(Accordion) Trio(Deadlines DR-003) - Recorded September 29, 2002. Czestaw "Maty" Bartkowski(Ds), Adam Cegielski(B) - 1. Panta Rei 2. Des Jours Meilleurs 3. El Pueblo Unido Jamas Sera Vencido 4. La Petite Valse Brillante 5. Place De La Mairie 6. Frankfurt Serenade 7. You Don't Know What Love Is 8. Behind The White Door 9. Bobo's Theme 10. Requiem 11. La Valse A Nini

アコーディオン、ベース、ドラムスのトリオにジョバンニ・ミラバッシが客演するという形だけれども、彼の作曲が11曲中8曲もあって、事実上は彼のアルバムと言っても良いくらい。過去に録音した曲の再録音もあります(2−3、5、10曲目)。やはり欧州特有の哀愁をたたえつつ、アコーディオンのもの悲しげな音色との相乗効果で、全体的により日本人好みの味わいになっていると思います。マイナーで同じ色調ながらも4曲目はアップテンポでけっこう盛り上がります。アンドレィ・ヤゴジンスキーはポーランドのミュージシャン。やはり東欧系の哀愁は強い!と思います。7曲目はピアノとアコーディオンによるデュオの割と自由なアプローチですが、こういうスタンダードも新鮮かも。それにしてもアルバム全体の色調の統一感が見事。(04年10月27日発売)

Civil War Diaries/Bill Carrothers(P)(Illusions ILL333001) - Recorded March 20, 2004. - 1. Tenting On The Old Campground 2. Weeping Sad And Lonely 3. The Yellow Rose Of Texas 4. 7th Cavalry March 5. Bonnie Blue Flag 6. Carry Me Back To Old Virginia 7. Kingdom Coming 8. All Quiet Along The Potomac 9. Dixie

アメリカの南北戦争の題材で、その時の歌を取り上げたものだそう。親しみのあるメロディに薄暮のオブラートをかけたようなサウンドは、光と影を垣間見せます。中心となるメロディははっきりしているのに、リハーモナイズで温度感の低い綾織り系のサウンドで聴かせる1曲目、重々しく静かな低音から親しみのあるメロディがもれ出してくる雰囲気の2曲目、ちょっとブルース的で、メロディが時々爆発する3曲目、楽しそうな右手と不協和音の左手が不穏な空気を醸し出す4曲目、比較的ゆったりと安定と不安定の間を行き来する5曲目、温かさが揺れながらもバラードで続く6曲目、ちょっとのたくったような陽性さもある7曲目、ホンワカと温かみのある小品のワルツの8曲目、研ぎ澄まされた静けさとメロディの対比で聴く9曲目。(06年7月28日発売)

Lucky Boys/Tim Whitehead(Ts), Giovanni Mirabasshi(P) Quartet(Home Made Records HMR050) - Recorded April 29, 2005. Milo Fell(Ds), Oli Hayhurst(B) - 1. Lucky Boys 2. Des Jours Meilleurs 3. Imagine 4. You Don't Know What Love Is 5. New Day 6. Barcarole 7. Ladies In Mercedes 8. Tenderness 9. Tot Ou Tard

ちょっと骨太なティム・ホワイトヘッド作が3曲(1、5、8曲目)、そして繊細なジョバンニ・ミラバッシ作が3曲(2、6、9曲目)。サウンドの指向性はティムの方がほんの少し強いかも。ファンクタッチでゴキゲンなテナーを聴くことができるタイトル曲の1曲目、ヨーロッパ的な哀愁の強く混ざった、8分の6拍子の繊細から盛り上がる2曲目、デュオで「イマジン」を朗々と、中盤でファンキーに奏でる3曲目、スタンダードが静かにはじまり叙情的に綴る4曲目、明るいメロディとファンク的なビートで突き進む5曲目、ミラバッシらしい哀愁の沈んだ、それでいてテンポの良い6曲目、スティーヴ・スワロウ作の転調が多いラテンタッチの7曲目、ティム作にしては静かで都会的の夜的なバラードの8曲目、短調の曲ながら逆に割と元気の良い9曲目。(07年2月23日発売)

Ghosts Of Bernard Herrmann/Stephan Oliva(P)(Illusion ILL313002) - Recorded December 2, 2006. - 1. Nocturne/Andante Cantabile 2. Journey To The Center Of The Earth - Suite 3. Radar/Space Control 4. Prelude 5. Vertigo - Suite 6. The Birthday 7. Psycho - Suite 8. Prelude/The Road/The Bedroom 9. Memory Waltz 10. Ouverture/Xanadu 11. All The Animals Come Out At Night

アメリカの映画音楽家、バーナード・ハーマンの曲をソロピアノで弾いています。ハーマンは’75年没なので、選んだ映画音楽としては割と古い作品になります。ステファン・オリヴァはフランス人ピアニスト。曲の中には有名な映画も多いのですが、沈み込んだ暗めの曲調で、硬質感がありながら、ゆったりとしたペースでのピアノ。映画のメロディが浮かびつつも、原曲のイメージ重視ではなくて、いったん解体再構築をしているようなサウンドです。ジャズ色というよりは、ECMに近いような雰囲気のソロ・ピアノで、クラシックや現代音楽的でもあり、映画音楽そのものの世界にソロピアノで没入していて荘厳かつ幻想的な光景が広がっていきます。一部に速いフレーズも。ただ、その静けさの連続と、ゆったりさで、少々聴く人を選ぶかも。(07年12月21日発売)

L'echarpe D'iris/Edouard Ferlet(Melisse MEL666002) - Recorded February 14 and 15, 2007. Alain Grange(Cello), Xavier Desandre-Navarre(B, Per), Simon Spang-Hanssen(Sax, Fl) - 1. Pae Dessus Tout 2. Faire Les Doigts Raides 3. Andalicia's Dream 4. Le Furet 5. Dreamwise 6. Harmonix 7. Solution Oceanique 8. Xamonide 9. Roue Libre 10. Petite Fille

エドゥアール・フェルレの作曲が6曲(1−2、4、6、9−10曲目)、他の4曲はメンバーそれぞれの作曲。フランス的な耽美的なサウンドの時もあれば、非4ビート系の新しいジャズを感じさせるサウンドが絡み合わさり(時にファンク系の曲も)、内容的にはけっこう冒険的なアルバム。でも、シリアスで美しい部分が印象的。チェロも加わり、いくぶんクラシック的な感触もあります。線はある程度細いながらも、その中でピアノがバリバリと盛り上がっていく部分もあり、オリジナルばかりですが、曲ごとに変化に富むメロディとリズムで、聴いていて飽きさせません。2曲目のようにフリー的なサウンドの曲や5曲目のような民族音楽的なサウンドも織り交ぜながら。最後に音が空白の部分があって、本当の最後の女の子の歌で終わり。(08年8月28日発売)

Exclusively For You/Jos Van Beest(P) Trio(Jaka Jazz Records JAKA2007003) - Recorded March 2007. Eric Schoonderwoerd(B), Nanning Van Der Hoop(Ds) - 1. The Summerwind 2. The Girl From Ipanema 3. K.P.J. 4. Exclusively For You 5. Swinging Shepherd Blues Sesame Street 6. On A Clear Day 7. Aqua De Beber 8. If You Only Knew 9. Ilha De Coral

ヨス・ヴァン・ビーストの作曲は2曲(3−4曲目)で、他はスタンダードやボッサ。ベースはエレクトリックです。親しみやすくてやや明るめなピアノなので、楽しめます。ボッサ系は2−4、7、9曲目。1曲目からはっきりとした明るいミディアムの4ビートでくっきりとしたメロディを聴かせてくれます。2曲目の「イパネマの娘」もボッサのビートでなくて、4ビートでガンガン進めてしまうところも彼らしい。でもオリジナルの3曲目はしっとりとしたボッサで渋めに。そしてタイトル曲の4曲目はさらに渋くて地味めな曲。ドーンとスウィングする5曲目、メロディアスにドライヴしていく6曲目、やや抑え気味の渋さだけれどもカッコいい7曲目、しっとりバラードから盛り上がっていき中盤がミディアムの8曲目、ややおっとり気味にボッサを奏でる9曲目。(08年2月22日発売)

Le Sens De La Marche/Marc Ducret(G)(Illusions ILL313004) - Recorded November 2007 and April 26, 2003(on 4). Bruno Chevillon(B), Eric Echampard(Ds), Antonin Rayon(P, Key, Clavinet), Paul Brousseau(Clavinets, Samplers), Tom Gareil(Vib, Marimba), Matthieu Metzger(As, Ss), Hugues Mayot(Ts, Bs), Yann Lecollaire(Cl, Fl), Pascal Gachet(Tp, Bugle, Tp Bass), Jean Lucas(Tb) - 1. TOtal Machine 2. Tapage 3. Le Menteur Dans L'annexe 4. Aquatique 5. Nouvelles Nouvelles Du Front

72分で5曲と長尺な演奏で、全部マルク・デュクレの作曲。大編成の自由な要素もあるファンクの曲中心で、1曲目もエレクトリック・ベースを使用していて、出だしだけ静かで中盤はかなりノリノリ。各楽器もけっこうブロウしています。でもやっぱり聴く人を選ぶサウンドかな。進行の指示もなされていて、長い曲だけあって山あり谷ありのドラマチックな進行になっています。構成やアレンジが決まっているようなポップス的な出だしから、はめを外したフリーな展開をする2曲目、重厚なアンサンブルから自由なギター、そしてファンクをはさんで交互に進む3曲目、叙情的かつ少し浮遊的な世界を生み出す現代音楽的でもある4曲目、静かな中に音が浮かんでは消えたと思ったらファンクで突っ走ったり立ち止まったりの26分台もの5曲目。(09年7月24日発売)

The Voices That Are Gone/Matt Turner(Cello), Peg Carrothers(Vo)&Bill Carrothers(P, Vo)(Illusions ILL313003) - Recorded January 5 and April 28, 2008. - 1. My Old Kentucky Home, Good Night 2. My Old Kentucky Home, Good Night 3. Beautiful Dreamer 4. Camptown Races 5. Jeanie With The Light Brown Hair 6. Oh! Susanna 7. My Old Kentucky Home, Good Night 8. Slumber, My Darling 9. The Glendy Burk 10. My Old Kentucky Home, Good Night 11. Hard Times Come Again No More 12. Beautiful Dreamer 13. My Old Kentucky Home, Good Night

19世紀アメリカの有名な作曲家スティーヴン・コリンズ・フォスターの曲を演奏。編成は変則編成だし、「My Old Kentucky Home, Good Night」が全13曲中5回(1−2、7、10、13曲目)に出てきたり「Beautiful Dreamer」も2回(3、12曲目)出てきます。同じ曲をいろいろなサウンドでせまって、何かを浮かび上がらせようという試みでしょうか。インプロヴィゼーション的なリハーモナイズやアレンジ、フレーズを崩したりのアプローチもありますけど、懐かしい曲を淡々とピアノやチェロをバックに歌うという、フォークソングやポップス的な要素が強い曲もあります。4、9曲目はハードなインプロヴィゼーション、6曲目はパーカッシヴで強烈なアレンジ。元の曲は明るく穏やかなんだけど、陰影をわざと持たせてメッセージを発している感じ。(09年2月20日発売)

Golden Earings/Nikoletta Szoke(Vo)(Gramy Records GR-079) - Released 2008. Szabolcs Olah(G), Jozsef Horvath Barcza(B), Mohaly Borbely(Cl on 2), Andres Des(Per on 5) - 1. The North Sea 2. En La Orilla Del Mundo 3. My Romance 4. Golden Earings 5. Overjoyed 6. Centerpiece 7. You Must Believe In Spring 8. 'S Wonderful 9. Like Dreamers Do

ニコレッタ・セーケはハンガリーのヴォーカリスト。初リーダー作の自主制作盤。ベーシストとの共作のオリジナルが1曲目にあり、東欧らしい哀愁に満ちたメロディが印象的。スティーヴィー・ワンダー作の5曲目、ビートルズの9曲目を交えつつ、スタンダード中心でしっとりと歌っています。ギター(アコースティック、エレクトリックと多彩)とアコースティック・ベースとヴォーカルのトリオの編成が基本で、なかなかいい感じ。ヴォーカルは白人女性らしい押し出しがありますが、やはり哀愁系の人か。シンプルな編成で、ミディアムテンポ(4ビートではなくて)やバラードが多いですが、かえってその方が彼女の魅力を伝えていると思います。3曲目はやや速めの8分の6拍子でも彼女のペース。8曲目はアップテンポでスキャットもスリリング。(09年3月20日発売)

 

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