理科おじさんの部屋:第51回
●第51回は6月21日(水)でした。
★先週、ペットボトルの中の「竜巻」を観察し、ボトルから水が抜ける速さを調べる実験をしました。

●ただ単純にひっくり返しただけでは、狭い口のところで、水が出る、空気が入る、ということが同時にはできないので、交互に起こり、ゴボッゴボッとなるのでした。

●びんを傾けて中身の液体を流すときに「トクトクトク・・・」というような音がすることがあります(ガラス瓶のほうがいい音がしますが)。
この音を楽しむような使い方もあります。探してみましょう。

●ボトルの底を回して水を回転させると、水の落下と回転が一緒になって、ボトルの中に「竜巻」のような渦ができました。ボトルの中の水面からボトルの口まで渦の管が通り、水が落ちるとともに、渦の管を通って空気がボトルの中へ吸い込まれるのでした。狭い口のところで、水が出る、空気が入る、という出来事を同時に行うことができるようになり、水の流れ出す速さがものすごく速くなりましたね。
●水が落ちることが、空気を吸い込むことと、水の渦を保つことのエネルギー源です。
●ただ、水の量が少なくなったときには、水が回転してなかなか落ちないことで、かえって水の流れ出す速さを遅くしているような感じもありました。
●さて、ボトルの口のところに空気の管が通れば水と空気が同時に通行できるようになるのなら、別に渦の管じゃなくてもいいのじゃないか?とおじさんは考えてしまいました。

上の図を見てください。このようにストローを入れてやれば、ボトルの中の空気と外の空気がつながりますから、水が落ちるとストローを通して空気が吸い込まれ、渦ができたときと同じように速く水が落ちるのではないでしょうか?
このように予想を立ててから、実験にかかりました。
実験1:ペットボトルに水を入れて、口からストローを入れて、まとめて逆さまにし、水を流しだしてみましょう。どうなるでしょう?
ストローはボトルの底までは届きませんので、逆さまにすると初めはゴボゴボ水が出ます。ボトル内の水面が下がって、ストローの先端が水面より上に出ると、ストローの中の水が噴水のようにボトル内に噴き出して、それよりあとは空気が吸い込まれますので、水の落下速度が突然速くなります。劇的な変化です。音も変わります。ゴボゴボいっていたのが静かになってしまいます。
実験1’:長いストローの中を空気だけにしておいて先端を指でふさぎ、ストローの先端をボトルのそこまで入れて、逆さまにしたらどうなるでしょう?
2本のストローをつないで長くしたものを、ストロー内に水が入らないように端を指で押さえてボトルの底までいれ、逆さまにします。
これは、あっけないほど静かに猛スピードで水が出て行ってしまいました。やってみると分かります、信じられないくらいみごとに抜けてしまいます。
●予想は当たりましたね。渦の管でなくても、ボトルの口のところで、水と空気の出入りが同時に行われるようにすれば、水は猛スピードで抜けていくのです。
●さて、先週使ったしょうゆのボトルと普通の飲み物のペットボトルの口とが、ちょうどはまるようになっていることが分かりました。そこで、こんな実験を考えました。
実験2
@一方のボトルに上の方を少しあけて水を入れます。
A二つのボトルの口を合わせて、粘着テープで固定します。

↑準備完了。上がしょうゆのペットボトル、下がジュースのペットボトルです。しょうゆのボトルは、ボトルの上半分くらいは断面が丸い形になっていますが、ジュースのボトルは断面が四角くなっています。
Bただ単純に、「砂時計」のように逆さまにしてみましょう。

↑ゴボゴボっと泡がのぼってゆきます。手で持っていると、グラグラします。水が全部落ちるまでの時間も長くかかります。
C逆さまにしたとたんに口の合わせ目の辺りを回転の中心にして、上のボトルの底をグルグル回し、水の中に「竜巻」を作ってみましょう。



↑左2枚はしょうゆのボトルが上になっています。一番右はジュースのボトルが上です。
?何か違いがあるんですか?
あるんですよ。
●しょうゆのボトルが上の場合、上のしょうゆボトル内の竜巻渦はとてもきれいな形です。水の量が多いうちは、水がどんどん減っていくのですが、残りが少なくなってくると、水がぐるぐる渦を巻いているためにかえってなかなか水が落ち切れません。ボトルの断面が円形ですから渦の回転を妨げるものがないのですね。
それと、しょうゆのボトル単独でやると分かるのですが、渦の回転が激しいためでしょうか、ボトルの口から出た水にも回転が残っていて、水の柱というよりは、水の膜の円筒が膨らんだ形で流れ落ちるのです。
この円筒が、つないだボトルでは成立せず、下のボトルの内面に水の膜として拡がってしまいます。ですから、写真でも、上の竜巻形はきれいに見えますが、下のボトル内には水の柱も何も見えませんね。
●ところが、上がジュースのボトルの場合は様子が違います。細く激しい回転の渦の管ができていますが、渦の管の外側では、四角い断面のボトルなので水全体の回転が妨げられてしまいます。そのためでしょう、上がしょうゆボトルの場合に較べて、ものすごい勢いで水が全部落ちきってしまいます。水がぐるぐる回って落ちにくくなるということがないのですね。
また、下のボトル内に、水の膜の円筒ができていて、それが水面に当たって泡立ち白く濁っているのも見えると思います。
●これは、やってみて初めて分かってことです。思いがけないことでした。どちらのボトルが上でも出来事は「対称的」なのではないかと思っていましたのでビックリです。ジュースボトルが上の場合の落下の激しさは驚くべきものでした。
●やっぱり、やってみなければ分からないものですね。楽しい実験でした。
●先週、ヴァキュテナーで、水の圧力を下げたら、水の中に溶けていた空気が小さな泡になって出てきました。
これを炭酸飲料でやってみましょう。あわせて気体が水に溶けるときの溶けかたを確認します。
実験3:炭酸飲料を小さなカップに入れ、(しぶきが飛び散らないように)軽くカバーをしてヴァキュテナーの中に置き、圧力を下げてみましょう。
→圧力による溶けかたの違い。
圧力を下げると泡がいっぱい出てきました。圧力が下がったために溶けていられなくなった二酸化炭素(炭酸ガス)が気体になって出てきたのですね。
気体は圧力が高いほどたくさん溶ける。
実験4:炭酸飲料をステンレスの計量カップに入れてガラス鉢の中に置き、カップの周りに熱いお湯を注いで見ましょう。
→温度による溶けかたの違い。
お湯を注ぐと、ワーッといっぱい泡が出ます。おさまったら、お湯を捨て、再度熱いお湯を注ぐとまた泡が出ます。温度が高いと溶けていられなくなるのですね。
気体は温度が低い方がたくさん溶ける(ただし、凍ってはダメです)。
実験5:せっかくですから、「気の抜けた」炭酸飲料をちょっぴり飲んでみましょうか。
これは「おいしくない、まずい」「ナニ、コレェ」という感じです。二酸化炭素が口の中ではじけるという感覚がないと、単に甘すぎて、変に酸っぱくって、薬臭いような液体なのでした。
●気体も水も、小さな粒々でできています(分子といいます)。気体が水に溶けるというのは、気体の分子が水の分子の間にもぐりこんでいくという出来事です。ですから、圧力をかければたくさんもぐりこんでいくのです。一方、水の温度が高いということは、水の分子が激しく動き回るということなので、温度が上がるとすきまに入り込んでいた気体の分子はたたき出されてしまうのですね。
●塩や砂糖が水に溶けるときは、出来事が全然違っているので、気体の場合とは違います。普通は温度を上げればたくさん溶けます。混同しないようにね。
●「わが家の仲間たち:24」で、ビロウドスズメの「蛇形幼虫」をご紹介しました。この幼虫を見つけたのが6月17日(土)でした。U君が来るまでそのままでいてくれるといいな、と思っていたのですが、21日(水)朝には、3匹のうち1匹は蛹になり、2匹は蛇形の「擬態」を解いたというか失った状態になって蛹になる準備態勢に入ってしまいました。
●U君には、その状態の3匹を見てもらい、おじさんの部屋で、デジカメで撮った蛇のような形をしていた時の写真を見てもらいました。「おぉ〜、へびだ」と、喜んでくれました。本当は実物を見せてあげたかったけれど、昆虫は自分の生きかたをしているのであって、人間の都合で生きているわけではありませんから仕方ありません。またいつかチャンスもあることでしょう。ホウセンカにもよく来ますので注意してみているといいと思います。
↓6・21朝。蛹になる前の幼虫。目玉模様はあるのですが目立たなくなり、腹側へ強く曲げていた頭を伸ばしています。左端に見える節が実際の頭で、その節を1として5番目の節に目玉模様があります。

↓6・21朝。蛹になったばかりのところ。写真では分かりにくいですが、薄い緑がかったきれいな色です。中が透けて見えます。体の後半部の皮を脱ぎそこなったかな、と思いましたが、後ろの脱皮殻に「尻尾」のような突起も一緒に脱いでありますから、全部無事脱皮できています。

↓6・21夕。表皮の表面に細かい黒い点々模様が浮いてきました。色も濃くなりました。

↓6・22朝。他の2匹も夜のうちに蛹になったようです。そのうちの1匹。同じような色、模様になりました。

●下のホームページを参照してください。いろいろそろっています。
http://www.geocities.co.jp/AnimalPark-Tama/1915/moth/suzumekamiwake1.html
http://www.jpmoth.org/Sphingidae/Aindex.html
★今日はここまで。