最新の「薫風おぼえがき」 of Seitai-Kumpusha

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2009.9.1

米原真理

図書館で何故か目にとまって手に取ったのが、

「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」(米原真理/角川書店)

それでハマって次に読んだのが、

「オリガ・モリソヴナの反語法」(同/集英社)

「嘘つき…」がノンフィクションで「オリガ…」がフィクションではあるものの、いずれも筆者あるいは主人公が子供時代を過ごしたチェコスロバキアのソビエト学校の同級生や恩師を、中年に達した今、その足跡を訪ね歩き、当時の出来事の裏に有った秘密を探し当てる、というような形になっています。そして、その過程で当時と今の「中・東欧」「ソビエト、ロシア」の社会が、実経験者ならではの実感を以て描かれているように思いました。

 もちろん本筋の謎解きの部分も読み出したら止まれない位面白いのですが、私にとって最も印象に残ったのは粛清や内戦の続く重暗い社会に生きながら、明るさや矜持を保ちながら生き続けたかの国の人たちの姿でした。
あちら方面は訪ねたこともないので、どうしても「ブレジネフ」「グロムイコ」(古いネ)みたいな無感情な面構えの人たちという印象しかないのですが、当然のことながらかの国々でも多くの人々は、私たちと同じように家族を持ち、その幸せを願いながら暮らしているわけで、

(それさえ守られるならば…)

 たいていの事は我慢し、仲良く協調して生きていけるはずなのです。ところが、遠い昔から国と国は争い続け、人々は、ある時はそれを支持し勇んで、ある時は反対しながらも他にすべなくその戦いに就いたのです。

 戦争に至る過程で国家と個人の意思がどのように形造られ、お互いに影響しつつ変化していくのか、ということを知っておかないと、また同じことが起こるように思います。

 脱線しましたが、調べてみるとすでに著者の米原真理氏は2006年に56歳で亡くなっていらっしゃるようです。日本共産党員であったとのこと。これだけ共産圏の中身が見えていて何故かということももう聞けません。エッセイのどこかで書かれているのでしょうか?それはともかく、紹介した二作品は、特に女性の皆様にお勧めします。

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