| 朝成邸 (あさひらてい) |
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時は平安中期。
藤原伊尹が中納言に昇任しました。 その時、藤原朝成も中納言に昇任することを望んでいたので 大変悔しがり、 朝成は伊尹についての悪口を散々言い散らしたのでした。 それから数年後、伊尹は摂政となり、朝成は中納言となっていました。 朝成は、大納言への昇任を願いに、伊尹の邸へ参上しました。 暑い夏の日にもかかわらず、朝成は邸の外で何時間も待たされました。 やっと目通りがかない、朝成は伊尹に自分が大納言になるべきことを訴えました。 これに対して、伊尹が言いました。 「世の中とは分からないものだ。 昔、私が中納言を望んでいた頃、 貴殿はいろいろ放言したが、今の貴殿の昇任の如何は、私の心次第だ。」 そうとだけ言うと、伊尹はさっさと退出してしまいました。 朝成の心は怒りに震えました。 門を出て牛車に乗るとき、持っていた勺を投げつけると、 二つに割れてしまいました。 その後朝成は、生霊となって伊尹に祟り、ついに伊尹は命を落としました。 伊尹の子孫は、怨霊のとりついている朝成の邸には決して立ち入ることが なかったそうです。 その朝成の邸は、三条東洞院にあったと言われています。 ここまで恨み深いのは、悪い報いを受けるもとであり、 大変つまらないことなのです。
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