| 春 霞 |
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平安の世、寛平(かんぴょう 889〜898)の歌合(うたあわせ)の時のことです。
「初雁(はつかり)」という題で、紀友則(きのとものり)が歌を詠みました。
歌合は、右方と左方に分かれて競っていました。 左方の友則が、歌の最初の五文字である「春霞」を詠んだ時、 右方の人は大笑いしました。 しかし続いて、友則が「かすみていにし」と口にすると、静まり返りました。 物事を最後まで聞きもせず大笑いするなど、あってはならないことなのです。 また友則のように、あまりにも意外なことを詠む事もあまり良いことではありません。 他人に誤りがあったとしても、自分にとって困ることもないのに、 激しく非難したり、責めたりしても、何のためにもならないのです。
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